2006年 02月 27日 ( 1 )

 

バウスラスター

 昨年の夏、広島県福山港に泊まった。大きな製鉄所がある工業港である。丁度、お盆休みで岸壁には艫付けで内航の500トンくらいの貨物船がずらっと15隻くらい並んでいた。ためしにバウスラスターのマークがある船を数えたら確か9隻だった。60%の装着率であった。
ちなみに頻繁に離着岸をするカーフェリーは100%が装備されているそうだ。


c0041039_13225219.jpg 画像はボートの操縦席である。エンコンの右側がバウスラスターのスティックである。
この装置は1軸船のボート操縦には多分、必須の装置だろう。ご近所のボートが自分のバースから後進で出てくるときキュー、キューとバウスラスターのモーター音が響いてくる。

 クルージングヨットもキールの形状によっては真直ぐに後進させるのが難しい艇もある。特にロングキールのヨットは難しい。
 我艇もフィンキールといっても前後に長いタイプで後進の舵効きは悪い。長い水路を追っ手を受けて後進で進むなんて操縦は難しいものだ。細長いフィンキールでセールドライブのヨットが楽々と後進しているのを見ると、少しだがうらやましい。

 だから、このようなヨットにはバウスラスターを付ける正当な理由?はある。前にご近所にいらしたオーナーさんの又聞きだが、彼の国産中型クルージングヨットに装備したバウスラスターは「風の弱い時は不要だし、こんな時こそと思う風が吹いているときには効かなかったよ!」とおっしゃっていたそうだ。
 原因はバウスラスターが単にパワー不足だったのか、あるいは船型の関係でバウスラスター付近に充分の喫水が取れなかったのに、波のある海面で使おうとしたのか、あるいは両方の悪条件がたまたな合致してしまうこともある。

 バウスラスターの便利さに慣れてくるとスターンにもスラスターが欲しくなってくるらしい。だが、これも大型艇の専用ではないようで、小型のヨットやボートに装備されている例は少ないがある。ボクもここでフル装備のナウティキャット32fのヨットに装備されているのを見たことがある。

 しかし、便利な装備も増えると今度はその操作が難しくなる。通常のステアリングとエンジンコントロールレバーを持ち、バウスラスターのスティックを操作し、スターンを見ながらスターンスラスターも調整する。これは難しいよ。ジョイスティックが2連になっているのだろうか、それにしてもゲームセンターの機械みたいだなぁ。

 大型船ではブリッジのウイングからラジコンで操作し、スラスター類とエンジンコントロールをGPSと位置センサーからの情報をコンピューター処理し船を安全に着岸させるシステムを搭載している船もあるそうだ。

 プロの船乗りが操船する船でもこうなってゆく時代だ。やがて我々の世界にも「ヨット用全自動出入港オペレーションシステム」なんてものが現れるかも知れない。こうなるとギャラリーの視線を感じ、緊張しながら桟橋着岸を試みるが失敗したなんて事はなくなり、ハーバーに住む古狸の密やかな楽しみも一つ減ってしまうことになるのかとも思うが・・・。
だが、これはボクが描いた夢物語なのでまだ当分は今まで通り楽しめそうだネ。
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by pac3jp | 2006-02-27 13:44 | ボート