エンデバーとケイマンの旗
沖から帰ってくると桟橋の先で高いマストを持つ大きな船体をゆっくりと回し、アスターンで静かにビジターバースの中ほどに出船スタイルで係留する。ハーバーウォークから眺めるとネービーブルーの船体に赤くて大きな国旗が船尾に翻り大変印象的である。
桟橋ではエンデバーを初めて見る人達だろうか、「どこの国の国旗?」とお友達に聞いている。ユニオンジャックが入っているのでイギリスの関係国には違いないが、オーストラリアでもないし、ニュージーランドでもない。船籍港の「ジョージタウン」も世界中に27ヶ所もあるのでこちらからの特定もちょっと難しい。
ボクがここで見てる限りこの国旗を揚げて入ってくるのは「メガヨット」だけだった。定年退職後に世界を周航しているというヨット(セールボート)は大抵オーナーの母国の国旗を揚げている。この旗は世界中のお金持ちが資産運用に利用するカリブの「タックス・ヘーブン」で有名な島、ケイマン諸島の旗だ。オーナーの本国に船籍を置くと経費が掛かりすぎるのだろう。大型船のパナマ船籍みたいなもんだろうか。
ケイマン諸島とは
西インド諸島を構成する諸島の一つ。イギリスの王領植民地(Crown colony)。グランドケイマン島、ケイマンブラック島、リトルケイマン島の3つの島からなる。人口は41,934人(2002年)で、首都はジョージタウンである。ダイビングでも有名。
歴 史
1503年5月10日、クリストファー・コロンブスのの4度目の航海中に発見された。無人島であり、岩と間違えるほど沢山の海亀がいた事からスペイン語で海亀を意味するラス・トルトゥガス(Las Tortugas)と命名された。しかし発見当時クロコダイルも生息していた事から、カリブ・インディオの言葉でワニを意味するケイマナス(Caymanas)と言う名で呼ばれるようになり、それが現在の「ケイマン」の名の語源になっている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
旗のデザインはユニオンジャックとケイマンの紋章があしらってある。これにはウミガメがデザインされている。
同じくイギリスの海外領土でアフリカ沖のナポレオンが流されたことで有名なセントへレナ島は帆船と聖ヘレナが描かれているし、アルゼンチンと領有を争って戦争になった南極にも近いフォークランド諸島の旗は同じく帆船とヒツジの紋章があしらってある。
ケイマン以外のイギリス海外領土(植民地)の旗を揚げた船が日本にくるのはまずないないだろう。
だが、イギリス連邦に参加している国は世界中に53カ国もあって、その人口は17億人もいて全世界の30パーセントにもなるという。イギリスってホントに今でもすごい国ですね!
記事中にデジカメ動画を添付してみました。エンデバーの船尾から旗、そしてエキゾーストとそのノイズをとったものです。水量の多いほうはメインエンジンで小さいほうがジェネレーターだろう。画像に入っているテロップは試供版のコーデックを使ったため勝手に表示されている。
Windowsでもこれからは動画ファイルのAVI(Motion JPEP)が標準で使えたら良いのにね。
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by pac3jp | 2008-07-18 09:16 | 旗