日韓の航路標識測定船「つしま」と「ハンビット」
「航路標識測定船」はあまり聞いたことがないJCG船種だし韓国の同種の船も一緒だというので外観だけでも見物しようと早速出かけた。
船は再開発予定でフェンスで囲まれた神戸港新港第一突堤に泊まっていた。以前は誰でもすぐそばの岸壁から見れたが、今はイベント開催時のみオープンされている。最近は大小官庁船の専用岸壁のようでもある。
■総トン数:1706トン
■全 長:75.0m 最大幅:12.5m 深さ:6.4m
■主 機:4000馬力 ディーゼル1基
■速 力:17.2kt
■航続距離:12000マイル 最大搭載人員:54名
■就 役:1977年 船齢31年だが代替船建造の予定はないという。
建造当時はオメガシステムの測定も業務対象になっていたので、1万マイルを越える航続力をもっている。
航路標識測定船は、海上保安庁が保有する船舶。航路標識の一種である電波標識(1)の有効範囲や精度、光波標識(2)の視認状況などの測定を主な任務とする。
さすが電波を専門に取り扱う船舶なので前部マストには夥しいアンテナがセットされている。
また、デッキには2基の巨大なカウルタイプのベンチレーターらしきものが立っている。昔は船内にある多数の電子機器の放熱用だったかもしれないが既にエアコンに替わっていてもう不要?。それともやっぱり機関室用かな。
もう一つの?は煙突の後ろの上甲板に四角いタンクが両舷に2基あり、互いにパイプで連結してあった。仲間は「アンチローリング用や」と断言したが、はて・・・。
韓国国土海洋部所属 総トン数:575トン
外観から観察すると「つしま」より小ぶりで船型も大分違う。前甲板に30~50t位の油圧クレーンがあり大型の航路標識も設置や回収ができるスペースがある。海上作業用のインフレータブルボートも見える。後部デッキには潜水作業に使うボンベが並んでいる。ブリッジの屋根やマストにアンテナの数が多いのがやっぱり電波標識測定装備だろう。
こうしてみると電波航法もどんどんと遷り変わりもうロランCも終わりに近づき、遠い 外洋で標識電波を観測することもなくなってきたので日本でいうところの設標船でも充分だとされたのでしょうね。
日曜日はお休みのようでクルーたちは私服でのんびりと寛いでいるように見える。
【参考】
(1) 電波標識 とは
無線方位信号所:中波標識・マイクロ波標識 (但し、レーマークビーコン 平成21年度までに廃止される予定)
LORAN-C :もう運用していないと思っている人もいるが今だ運用中です。
ディファレンシャルGPS :運用中
(2) 光波標識とは:灯台・灯柱・灯標・立標・灯浮標・浮標・照射塔・導灯・指向灯 などです。
by pac3jp | 2008-07-15 11:00 | 海保