掃海艦 MSO-303「はちじょう」
岸壁にトラッククレーンが止まりクレーンのアームが高いデッキの掃海装置上に伸び、乗組み員がケーブルリール付近に集まりなにかの整備をしているようだ。マストには桜一つの代将旗が揚がっている。
基準排水量:1,000t
ディーゼル:2基 2軸
速 力:14kt
主要兵装:20ミリ機関砲x1・深深度掃海装置一式
馬 力:2,400PS
定 員:60名
主要寸法:67x11.8x5.2x3.1m(長さ、幅、深さ、喫水)
●船体は外板を4層構造とする木製で、現役では世界最大の木造艦です。
この「はちじょう」は明石海峡事故で沈没した船から流出した油で海洋汚染が広がり、兵庫県知事の災害派遣要請に応じて横須賀から急遽駆けつけ、土曜日の3月15日、明石海峡の水深約80メートルの海底に横たわる貨物船“ゴールドリーダー”の船体や、周囲の状況の確認作業に出動してきたばっかりだ。
搭載している対潜水艦用の深々度機雷の処分を主目的とした、S-7(2型)機雷処分具をつかい海底に沈んだ貨物船の情報を集め、海保に提供するそうだ。新聞では「水中カメラがついた探査機を使い」と表現しているが「機雷処分具」は立派な高性能兵器である。
このS-7(2型)機雷処分具(長さ約3.4m、幅1.8m)は本船より電源を供給する方式なので長時間の水中捜索もできるが、500トンクラスの掃海艇「うわじま」型に装備されているヨーロッパ製のS-7(1型)機雷処分具は本体に搭載された電池で駆動するため最大2時間の水中作業しか出来ず電池を使い果たすと、充電のための時間が必要になるとか聞いた。
潮流の激しい明石海峡では艦の性能や装備も掃海艦の方が適しているので遠くの横須賀から派遣されたのだろう。
画像左上はS-7(2型)機雷処分具と吊り下げ用のガーター、左下は本体装置
3月18日、地元新聞の報道によると、
県と第五管区海上保安本部からの災害派遣要請を受けた海上自衛隊が十五、十六日に撮影。画像から船の名前や国際機関に届けている船の登録番号が判別できた。ゴールド号が船首をほぼ北向きに、船体の右側を下にした状態で横倒しになっていることも分かった。燃料タンク付近も調べたが、二日間の調査では油漏れの個所や衝突時の損傷跡などは確認できなかったという。
海面上の油はほとんどみえなくなり新たな油漏れも確認されていないことや、ゴールド号の引き上げは技術的に困難であることも報告された。
一方、県と同本部は十七日、派遣目的が達成されたとして、派遣艦艇の撤収を要請した。
これで沈没した貨物船は明石海峡のアチコチにある沈船仲間に入り、墓標代わりの沈船マークが長くチャート上に残るのでしょうね。 合掌。
by pac3jp | 2008-03-19 09:25 | ウオッチング