省エネ帆装船の今昔(2)

省エネ帆装船と全く関係がなさそうだが、実はこの船の先代「カルビー・ポテト丸」が1984年に大分・三浦造船所でディーゼルエンジン推進の補機としてコンピューター制御の硬質な帆を持つ帆装貨物船として建造されたと同社の建造記録の中にあったのだ。
第1次、第2次のオイルショックに伴う燃料価格の高騰で船舶の省力・省エネ技術で競争力の向上が叫ばれ、1980年代には官民あげて新型船の開発が進められた。
最初に現れたのが【操帆タンカー “新愛徳丸” 1980年】だった。
“新愛徳丸”は昭和55年(1980)に竣工した世界で最初の、操帆に人手を必要としない省エネ帆装商船の実用化第一船です。燃料消費を節約するために自然の風力エネルギーを利用するもので、財団法人日本船舶振興会の援助を受けて財団法人日本舶用機器開発協会が研究開発し、実用化にこぎつけたものです。操帆の自動化をはじめとして、船型やプロペラ、エンジンなどにも改善を行い、同型の在来船と比較して、約50%も燃料の節約をすることができました。
トン数 699.19総トン 1,499載貨重量トン全長 63.85メートル
幅(型)10.60メートル
深さ(型)5.20メートル
主機 ディーゼル1,600馬力 1基
速力(航海) 12.0ノット
乗組員 8名
建造年 昭和55年(1980)9月
建造所 今村造船所
(日本財団図書館より引用)
もう大分昔になるが、この金属製のセイルを持つ内航タンカーの姿は時々、西宮・尼崎の沖で碇泊しているのを見たことがある。当時は2万トンクラスのバラ積み船(画像右)、内航貨物船、マグロ延縄漁船など国の補助金も付いたのだろうか、省エネブームに乗って次々と建造された。だが、実際に運航してみると50%も燃料を節約できると謳われたが、実際の燃料費節減は10%位だったり、帆装に関わるスペースやそのメンテナンスの費用が予想外にかかり営業的には成功したモデルではなかったのだろうと、ボクは想像している。やがて、神戸港の沖でも四角いセイルをつけた貨物船を見かけることはなくなった。
それらの機帆船の行く末はどうなったのか分らない。上の画像の「カルビー・ポテト丸」も先代と同じ大きさなのでマストを外して改装したのだろうかとも思ったが、調べると全く新しく建造された船だった。
スピードとコストが勝負の貨物輸送の業界で当分はセイルが補機で出てくることはなさそうだが、地球環境や自然保護の意識の高い乗客を呼び込める客船などでセイルのついた省エネ帆装船が活躍する場面は今後充分あるのあるのでしょうね。
by pac3jp | 2008-01-09 10:10 | 帆船
.jpg)





