スプレッダーの長さ
その高いマストの前後を支えるのはフォアスティとバックスティだ。また、左右を固めるのが幾組かのスプレッダーとワイヤーで組まれた何本かのサイドスティで支えられている。両舷シュラウドのデッキ支点をヨットの最大幅付近で取れたら力学的?に最も効率がいい。セルフタッキング仕様になっているヨットなどは殆どがBMAXから取っている。
でも、大きなヘッドセールを引き込む場合、セールがシュラウドに当ってしまい、上りの角度がとれないのだ。普通のクルージング用ヨットならば引っ込み角度を犠牲にしてステイの幅はやや妥協して広めになっている。レースをよくするレーサーやクラブレーサーなどは少し狭くセットされ、ジブが一杯引き込めるようになっているようだ。
この大型レーサーのマストは4組のスプレッダーで支えられている。シュラウドはヨットの最大幅付近でデッキと結合されている。でも、一番下、4番目のスプレッダーはかなり短い(↑画像参照)。後ろから見ると上から3番目のスプレッダーとデッキの間にジブのクリューが通るスペースがあるのだ。よく見るとジブのトラックもその部分を通っている。これでジブの引っ込み角度を確保しているのだ。
もっとエリアの大きいジブはどうするのだろうとも思うがセールをリグに合わせて作る事も可能ですよね。
ボクも何度かこのヨットを見ていたがスプレッダーの長さの違いは気がつかなかった。教えてくれたのは昔から仲間のヨット乗りだ。彼は外洋航海の経験も豊かだが「ヨットオタク」のランキングがあるならば、きっとナンバーワン違いなしだろう。
ボクも仲間から「あんたオタクやなぁ」と言われているが、まだまだ足元にも及ばない。いつも大先輩から貴重なご意見を拝聴し、時々はネタにさせてもらっている。・・・感謝!!
このヨットを話題にした以前の記事:キールに付ける保護亜鉛(ジンク)
by pac3jp | 2007-12-21 10:29 | ヨットの艤装と艤装品