レーダーアンテナはどこに付ける?
左の画像はマストに付けたレーダーアンテナ。アンテナガードをつけてジブセールやハリヤードが絡まないよう工夫している。でも、擦れてロープが痛む恐れもある。
アンテナの設置場所による得失を考えてみる。
●マストにつける
メリット :高さが取れるのでレーダーの性能が生かせる
デメリット:取り付けに高所作業とマスト内にケーブルスペースが必要。
:ジブやハリヤードなどがアンテナと干渉する。
:レドームアンテナしか使えない。
:受信機までのケーブル距離が長くなる。
●スターンにつける
メリット :コクピットに近く低い場所なので取り付け、点検作業が容易だ。
:既製品のアンテナマストなどが利用でき収まりがいい。
デメリット:アンテナが海面上に充分な高さが取れないので遠距離のサーチは不可能。
:アンテナとクルーの距離が短く電磁波の影響を受けそう。
ヨット・ボート用で出力の小さい航海用レーダーは従事者免許も不要で簡単に設置できるが、その発射する電波は9.4Ghz(Xband)のミリ波である。電子レンジやケータイのセンチ波より一段高い周波数を使用している。そして、近年ケータイや電子レンジから出る有害な高周波の電磁波が人体に与える影響がよく話題になっている。
因みに電磁波は周波数が高いほど強いエネルギーを持っているのだ。そして、その強いエネルギーを利用するエックス線やガンマ線などの放射線も電磁波である。
電波や光などの電磁波の減衰は「距離の二乗に反比例」するのでスターンアンテナとクルーの距離が2mの場合とマスト取り付けで8mの場合とでは電磁波の強度は前者に比べて1/16になる。マスト設置の方がより安全とはいえるがボクは専門家ではないので小型の航海用レーダーの電波が人体にどんな影響を与えるか知らない。
ケータイがペースメーカーに影響を与えたり、耳につけたまま長時間通話すると頭が暑くなるなどの風評を聞くと小型とはいえ数mの近距離からミリ波を発射するレーダースキャナーの電波がクルーに全く影響がないとは言い難いようにボクは思うが・・・。
でも、普通のヨットの場合は四六時中レーダーを回して航海しているわけではないので、そう気にすることもないのかな。
by pac3jp | 2007-08-22 09:57 | ヨットの艤装と艤装品