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ノードヘブン62

 前に「ヨットマンの老後の夢」をみんなでワイワイと議論したことがあった。みなさんのご意見は「フネに住まう」タイプと「桟橋付き住宅の揺れない家」で住まう、の大きくふたつに分かれるようだった。
 フネに住まうご意見筆頭のヨットマンは「わしが自由の身になれた暁には、あの19.9トン型遠洋まぐろ延縄漁船を改装して燃料40トンを積み込み、南太平洋の戦跡を訪ねるクルージングするのだ!」と、日頃から熱く語っている人だ。彼の理想は自分の思いをたっぷりと込めて改装した19.9トン型漁船だが、規制その他で改装が面倒ならアメリカ東海岸の漁船を模して造られたロングレンジクルーザーの「中型のノードヘブン」でもええなとおっしゃっていた。

 だが、南太平洋の貿易風が吹く海域を50fや60fのモーターヨットでは風に逆らって進むのは難しいで。セーリングヨットにしなはれ。と大ベテランのご意見もある。でもエンジンに思いいれが強い彼はオーストラリアでその付近の荒海で実績のあるフネを探していたのだ。
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 そんな時我々のヨットハーバーにブルワークのニスの輝きがまだ充分にあるきれいな「ノードヘブン62」が現れた。船籍はビキニになっているので多分太平洋を渡ってきたのだろう。外観の特徴は大きく反り上がったバウと左右のアウトリガーのようなデリックポールだ。

ノードヘブン62_c0041039_1045467.jpg バウデッキに90hpの船外機をつけたオープンボートとインフレータブルボートそしてカヌーが積まれている。煙突を兼ねたマストには遠距離用と近距離用の2基のレーダーが装備され衛星通信アンテナらしいドームも付いている。もう一つテレビのアンテナのような円盤型のレドームはサテライトコンパスだろう。排気ガスはワークボートや漁船並みの煙突からの大気排出型だ。マストに排気口が見える。そう大型のエンジンが付いているようではないようだ。

ノードヘブン62_c0041039_10453179.jpg オーナーは不在だったがアフターデッキにウエストマリンのバケツに掃除道具が入っていて多少の生活感もうかがわせる。

 モーターボートをどのサイズからモーターヨットと呼ぶのか知らないが、この「ノードヘブン62」より大きいボートはここでもあるが、長距離クルージングが出来るタイプのモーターボートは今までにのハーバーには居なかったように思う。傍で眺めると確かに立派なボートだ。かなり高いもんだろうがボクの興味の対象からはまったく外れているので推測も出来ない。

 夕方、ハーバーウォークから桟橋の向こうに見えるデカいバウをみて小柄な友人に「あれ奥さんと2人で乗れると思う」と聞くと「無理!無理!」と返事があった。確かに19.9トンのまぐろ船でも10人くらいのクルーは乗っている。でもあれは漁労のために乗っていて操船にはそう人手はいらないのだろう。沖に出るとオーパイだしね。出入港はパイロットを、危なければダグでも呼べばオッケーか。

 ボクのヨットライフからは想定外のフネと航海なのでアドバイスのしようもないが、でも、理想のフネを見つけ、南太平洋を航海し、その後ゆったりとフネに住まう。という彼の老後の夢が叶うよう仲間みんなで応援しているよ!!

by pac3jp | 2006-11-22 10:52 | ボート  

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