限定近海区域
この前のクルージングでボク等のすぐ後の岸壁に着けた、200トンクラスのタンカーのクルーとお喋りしていたら、彼らの航行エリアも瀬戸内海の限られた港間でガソリンや軽油を運ぶを航海しているだけだと言っていた。限定沿海(瀬戸内)船かもしれない。
ヨットやボートの場合は今まで航行区域を限定沿海にしているフネが多かったが、安全装備の追加で全沿岸区域を航行できるようにも規制が緩和された。その結果、5海里以内の沿岸を航行して日本一周も可能になるといわれているが・・・。
だが、ボクのフネは沿海区域で船検を取っているが、日本一周は出来ない。本州側から奄美大島には行けないのだ。少しだけ沿海の区域が切れている。南に向かう大抵の沿海艇は鹿児島で臨航をとってから奄美に向かうのだが、臨航(臨時航行許可書)は有効期限があり切れたら来年まで更新出来ない。これが大変だ。
臨航なしで日本一周をしようと思うと近海区域で船検を取らなければならない。厳密にいえば沿海船で沿岸から20海里以上沖を航行すれば航行区域違反だ。例えば屋久島や種子島から直線で室戸岬にコースを引けば近海区域に入っているし、室戸岬から足摺岬に直線に航行するとチョット掛かりそうだ。
だが、沿海区域図を見ていると直線で航海したい内航船主団体の要望だろうか、伊勢沖、土佐湾沖などどんどん沖側に大きく広がってきている。沖縄航路で奄美付近で切れている沿海区域や、沿海区域の付近で長距離フェリーを運航する会社から建造費や運航ロスなどの指摘に対して、限定近海という航行区域が出来ているそうだ。
これは本船の資格みたいだが、我々ヨット乗りにも沿海区域から少しレベルアップしたフネが、丁度いい位の外洋クルージングが出来る範囲だとと思うね。沖縄と八丈島が入っているので・・・。
沿海資格の船が長めの航路を引くとき沿海区域に合わせてコースを引くと航海距離が伸び、燃料費が大目にかかる。そこで、国内海上輸送について、輸送時間及び輸送コストの削減のために各港間を直線的に航行するというニーズに対応するため、限定近海船(近海区域を航行区域とする船舶のうち本邦の周辺の水域のみを航行する船舶)という船舶の分類区分を設定し、その水域を航行する船舶の安全性の確保に必要十分な基準を策定してきたところです。
沿海区域を航行区域とする場合とほぼ同等の積載量を確保したまま直線的な航路を選択(航程距離を5%~10%短縮)することにより、結果的に燃料費の節減等の運航コスト削減が可能となる。 なお、運航時間の短縮により船員労働環境の改善に貢献
(参考)長距離フェリーの燃料費 年間約6億円
近海区域を航行区域とする船舶より建造費を3%程度削減可能となる。
(参考)699㌧型貨物船の建造費 約5億円 国交省HPより 引用
本船のこの規制の緩和は船体の満載喫水線や船員の資格も関係しているが、我々が乗っているヨットは船体そのものは近海の資格は充分取れると聞いている。海技免状も小型1級があればOK。
あとは安全・無線装備だが近海と限定近海で較べれば航行できる範囲はかなり狭い。それに見合う程度に削減するか、沿海装備に数点追加して限定近海船として認めて欲しいものである。
by pac3jp | 2006-06-09 11:02 | クルージング