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上架整備をする

 我々はヨットの上架整備を毎年秋にやっている。ご近所のヨットは業者に頼んでやってもらってる人もあるが、私たちはずっと自分たちでやってきた。この日は久しぶりのメンバー同士が出会う日でもある。

 日頃はデスクワークの人もスクレーパーでフジツボを落とし、デッキブラシで船底を洗い、ボトムの古いペンキを落とし、新しい船底ペイントを塗る。翌日はハルの洗浄と係留場所の関係で、左舷のゲルコートに褪色があるのでコンパウンドで磨き、その後ハルのワックス掛けだ。全て肉体労働である。

 1日目は6人が集まった。大人5名、子供1名だ。2日目は都合で3人になった。 上架作業も同じような顔ぶれで10数回もやっていると作業の役割分担は自ずから決まってくる。朝早くから出てきて、バリバリと作業ををこなす人、遅れてきて、こまごました作業しかしない人、様々である。 雨の中で始まったがペイントするときには雨も上がり、作業は順調に進む。

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 上架しての作業は船底ペイント(ボートガード)とプロペラペイントをニッペのMPXから中国塗料のペラクリンに銘柄を替えての塗り替えが主なものだが、今回はプロペラシャフトのシャフトシールも取り替えた。
 この部品はボルボの純正品で、プロペラシャフトからはまったく漏水はない。だが、永久に使える訳ではなく、5年毎に取り替えなくてはならないと取り説に書かれている。メーカーの推奨交換期間は過ぎているが部品で持っていても仕方がないので取り替えることにした。作業は英文の詳しい説明書がついていて素人でも出来そうだが、航海中に漏れても困るので、経験のある業者に依頼した。

 余談になるが、ヨーロッパから輸入されている中型ヨットのデュフォー38、ババリア39などもセールドライブになっている。このエンジンユニットはシャフトがない分据付が簡単だから、メーカーは採用するのだろうが、海水冷却系のトラブルで悩んでいるオーナーも多い。陸上保管のヨットは問題ないが、係留だと船底に突き出たアルミのドライブと細い冷却水吸い込みのスリット、オイルシールによるシャフトの防水等、プロペラシャフトに較べて、チョットだけ繊細だから、それなりの注意は必要かな、とボクは思っている。

 ヨットハーバーの上架ヤードで作業をしていると、色んな人が声を掛けてくれる。顔の広いヨット販売会社の営業マンは他のマリーナに変わった旧知のフネの消息を教えてくれる。隣で作業しているヨット業者はボクのプロペラジンクを見て、他の少し安いジンクを加工して使うアイデアを教えてくれた。知り合いのヨットマンは新しく取り付けた発電機とエアコンが調子よく動いているから見にきたら、とお誘いがあった。

 ここはヨットハーバーの大通りだ。通りの両側には大型、小型のレーシングヨットがずらっと並んでいる。遠くから学生たちの大声が聞こえてくる。この日はJ24とドラゴンのレースがあるようで朝から若い男女のクルーたちが忙しそうに動いている。ポンツーンと違い、平均年齢が10歳以上も若そうだ。ここだけ見るとヨットレースが大層盛んに行われているような雰囲気に見える。いつもは11本もあるポンツーンの端から2番目からハーバーを眺めているのとは大分違う。

 夕方、ペイントも乾き、ハルのワックスも出来上がったので、フネを海に降ろしてもらった。いつものバースに戻って舫いを取るとほっとして落ち着く。ヨットはやっぱり浮かんでいないとボクにはしっくり来ないね。

by pac3jp | 2005-11-11 09:03 | シーマンシップ  

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