航路標識測定船 LL01「つしま」を見学する(1)
■総トン数:1706トン
■全 長:75.0m 最大幅:12.5m 深さ:6.4m
■主 機:4000馬力 ディーゼル1基
■速 力:17.2kt
■航続距離:12000マイル 最大搭載人員:54名
■就 役:1977年
航路標識には、灯台に代表される光波標識、霧笛など音波標識及び電波を利用した電波標識があります。本船は、ロランC、ディファレンシャルGPS、AISなどの機能の確認及びシステムの改善を図るため、有効範囲、誤差分布状況、電界強度、電波伝搬補正値等などの電波標識の解析評価のほか、灯台の光度測定やふくそう海域における通行船舶の実態調査を実施しています。
また、航路標識業務に対する理解を深めるため、測定航海等の寄港地において一般公開を行ったり、観閲式等の行事に参加しています。
(つしま概要パンフより)
↑画像はマストに取り付けられたアンテナ類。受信系のアンテナが多く、中でもGPS系が一番多いとお聞きした。レーダーも航海用だけのようだ。衛星通信用は後部デッキに設置されている。
↑マスト下のちょっと広めの暴露デッキ。ここで夜間に光波標識の観測をするのだろう。ジャイロのリピータ(左の白いスタンド)とマグネットコンパスのスタンドがあり、伝声管!がブリッジにつながっている。電気がなくても通話が出来るものだと聞かされ「へぇ~!」と驚き、写真に撮る若い女性たち。
輝度計測計 灯台の光度を測定する計器。別にシステムコントロラーが付属している。
●灯台からの距離、6,8,10マイルの洋上地点で測定する。
●灯台及び標準光源の閃光をそれぞれ100カウント測定
(カウントは輝度計で捕らえられた数)
↑ブリッジ、流石に発売元の船舶にはしっかりとした電子海図装置が搭戴されている。それに海保の巡視船も広報の努力か、あるいは映画「海猿」の影響なのか女性の見学者が増えたと地元新聞などは報じている。
※天井から下がっている銀色のパイプが「伝声管」です。
↑減揺タンク
夜間の光度計測などには必須の設備である減揺システムのかなり大きなタンクが後部上甲板の両舷にセットされている。前から気になっていたので傍にいた案内係のクルーに減揺効果をお聞きすると首を傾げていたが、33年前の進水時から常時セット?されているのでもう誰も特別には感じないのだろう。
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by pac3jp | 2010-08-31 06:12 | 海保