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新鋭AIP潜水艦 501「そうりゅう」

 春のボートショーで小型船用のスターリングエンジンを使ったジェネレーターが展示されていた。オモシロそうなので色々調べていると、三菱・神戸造船所で建造中の潜水艦にスウェーデンのコックムス社製のスターリングエンジンが4基搭載される予定だという。このエンジンは川崎重工がライセンス国産していて、潜水艦に詳しいボクの知り合いは「今、ウチのもんが三菱に据付に行っているで!」と言っていた。

 先週、12月5日、三菱重工神戸造船所で新鋭潜水艦「そうりゅう」が進水したと新聞報道されていた。


AIP潜水艦:新型「そうりゅう」が進水--三菱重神戸 /兵庫 (毎日新聞・神戸版)

c0041039_1561676.jpg 神戸市兵庫区の三菱重工業神戸造船所で5日、海上自衛隊の新型潜水艦「そうりゅう」(排水量2900トン、乗員数約70人)の進水式があった。 新型艦は全長84メートル、幅9・1メートル。地上の大気を使わずに発電できるエンジン「スターリングAIP」を初めて搭載し、従来の「おやしお型」よりも長時間の潜行が可能になったという。水中を時速20ノットで航行できる。建造費は船体のみで350億円。
進水式には関係者約200人が出席。艦内装備工事や試験航行をして09年3月に引き渡す予定。【山田泰蔵】


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 潜水艦の進水式も行って見たかったが、関係者でもなく招待もされてないので、この週末に仲間と艤装岸壁にいる「そうりゅう」をに見に行くことにした。

 三菱の岸壁には3隻の潜水艦が係留されている。定期検査だろうか既に就役している2艦には軍艦旗が、セイルには将官旗が翻っている。お偉い方が在艦中のようだ。
c0041039_1511819.jpg 艦番号は501、「そうりゅう」は進水してまだ3日しか経ってないのにセイルやデッキにはもう工事用の足場が組まれている。まだ2年間はここで艤装工事をするので勿論、軍艦旗はあがってない。潜水艦は船体の殆どが海面下なのでどれも同じように見えるが、この艦からX舵が採用されいて他の2艦と少し印象が違う。


c0041039_15131061.jpg AIP潜水艦はお隣の韓国でもドイツのHDW社の技術で現在建造中である。同じタイプをドイツに発注したギリシャ海軍は新型AIP潜水艦の性能が計画通りではないとして、受け取りを拒否したとの報道もある。AIP技術は実用には中々難しい技術のようだ。
 
 日本のAIP潜水艦が期待どおりの性能を発揮できるかはこれからのことだが、2年後に就役した時は周囲を広い海に囲まれた国土をしっかりと守る為にも頑張ってほしいと思っている。

参考:非大気依存推進 (Air-Independent Propulsion、以下AIPと略する) は、内燃機関 (ディーゼル機関) の作動に必要な大気中の酸素を取り込むために浮上もしくはシュノーケル航走をせずに潜水艦を潜航させることを可能にする技術の総称。ただし、通常は核動力を含まず、非核動力艦のディーゼル・エレクトリック機関を補助・補完する技術を指す。

以前の記事から:【静かに動くジェネレーター】
【関連記事】:「そうりゅう」のスターリング機関発電装置
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by pac3jp | 2007-12-10 15:19 | ウオッチング  

潜水艦救難母艦「ちよだ」の深海潜水装置

 先週、神戸港で川崎造船の岸壁に潜水艦救難母艦 AS405「ちよだ」が停泊していた。後部デッキにヘリ甲板があるが船体は船首楼型で一見商船型に見える。武装は付いてないようだ。でも潜水艦母艦なので潜水艦の燃料、食糧、勿論魚雷なども積んでいるはずだ。
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基準排水量 :3,650t
主要寸法   :113x17.6x8.5x4.6m(長さ、幅、深さ、喫水)
船 型  :船首楼型
主機械   :ディーゼル2基2軸
馬 力    :11,500PS
速 力   :17kt
特殊装置   :深海潜水装置一式 深海救難艇×1
定 員   :120名

 この艦は名前の通り潜水艦が沈没した時に艦や乗組員の救援に使われる艦である。海上自衛隊ではもう1隻潜水艦救難艦「ちはや」がある。この艦は今、西太平洋のオーストラリア フリーマントル西方海域で行われている「オーストラリア海軍が主催する第4回西太平洋潜水艦救難訓練」に参加している。

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 「ちよだ」の船体中央部に深海救難艇などを運用する天井クレーンらしき装置と沢山の巻き上げ装置が見える。船体には深海救難艇(DSRV)の出入りする大きなセンターウエルがあるのだろうが外からは見えない。深海を自航出来る深海救難艇は格納庫の中のようだ。
 その運用デッキの端に「深海潜水装置」(↑右画像)がある。赤いやぐらに組み込まれた人員移送用カプセル(PTC)とそのデッキ下には減圧室がある。

 このフネは海の底に沈んだ潜水艦を救援する役目なので、いわばダイバーが主役の軍艦なのだ。そのダイバーも浅い海でお魚を観察していたり、アワビをこっそりと持って帰ってくるレジャーダイバーとは違って、いざといえば300mも潜って沈艦に救援の手を差し伸べる役目がある。スキューバダイビングは30mから深くても50mだろうがそんな浅い海で潜水艦は行動しないのだ。潜水艦が活動する深い海ではダイバーは飽和潜水方式で潜るという。

 自衛隊で飽和潜水は潜水艦救難、航空救難、遺失物の観察撮影、捜索、揚収などで活用している。民間では海底油田の採掘などにこの潜水方法が用いられているが、大がかりな装置や多数の人員を必要とするため、かなり特殊で専門的なスタイルの潜水であることには変わりない。詳しくは「海上自衛隊潜水医学実験隊」紹介のWeb記事をご覧下さい。
 
 沈没した潜水艦への人員移送用カプセルであるPTCの運用は、下図参照(続艦船メカニズム図鑑より)
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 PTOの通信ケーブルと保温用の温水ホースが母艦と繋がれている。ダイバーは深度約500mにも耐えられるヘルメット(バンドマスク)とレギュレータを装備して、PTCに収容されて、現場に派遣される。ダイバーは、潜水艦の詳細な状態を救難艦に報告する役目を担い、必要に応じて支援作業も行う。これら300mの飽和潜水をするダイバーは、作業開始前に、酸素とヘリウムの混合ガスを充填したDDC(艦上減圧室)にて三日間をかけて長時間の潜水作業が可能な状態に加圧し体調調節を行う。また、長時間の作業終了後も同様に、十一日間をかけて、通常の大気圧まで減圧し体調調節をおこなうので潜水隊員は約1ヶ月間狭いDDC内で生活することになる。

15mより深くは潜ったことがない軟弱ダイバーのボクには想像も出来ない世界だ!

 時々、ロシアの潜水艦などが遭難したとの報道もあったが、幸いなことに自衛隊の潜水艦で遭難が起きたことはない。でも、もしもの事故に備え充分の準備と訓練に励んで欲しいと、思っている。
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by pac3jp | 2007-12-03 10:53 | ウオッチング  

DD158「うみぎり」の操縦室などを見学する

c0041039_543355.jpg 先日、ヨットハーバー近くのJMSDF阪神基地隊で護衛艦2隻の見学会があったので少し寄り道をしてきた。DD113「さざなみ」4650tonとDD158「うみぎり」3550tonの2隻だ。「さざなみ」は2005年就役の新しくて大きな護衛艦で艦橋も冷房が効いて快適だったが見学コースが上部デッキに限られていた。

 「うみぎり」は1991年就役の汎用護衛艦である。「さざなみ」より排水量は1000tonも小さいが装備の自動化の違いか乗組員は50人も多く乗っている。見学コースは艦橋~上部デッキのコースに艦内コースもあり操縦室も見学できたので少しご紹介したい。

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 艦首甲板ハッチよりデッキ下の第2甲板に入る。右舷廊下を艦尾に歩いてゆくと機関室上部辺りにこの艦をコントロールする操縦室がある。↑左の画像はここの主機関であるガスタービンエンジン4基54000PSをコントロールする制御盤だ。艦橋からの信号に従い2本の黒いレバーでエンジン出力を加減する。同じく可変ピッチプロペラのピッチも変えて前後進や速度を調整する。

 また、この艦が必要とする最大3000kwの電力は2台の主発電機で発電し、ここの監視盤(↑右画像)でコントロールしている。作戦行動中は静かなガスタービン発電機だが停泊中は燃料節約の為に振動は大きいが予備のディーゼル発電機を運転していると説明していた。
 ちなみに昨年見学したDDGで4,600tonの「はたかぜ」は4基4,500kwの出力だと聞いた。
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 上の図はこの艦の推進システム(機関室)の説明板である。燃料節約のために1軸で航海する時もあるとか・・・。

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 また、艦が衝突、座礁、火災、爆発、CBR(化学・生物・放射線)などで異常事態が発生したとき、艦内の主なポンプや送風機の運転状況や弁の開閉などが表示される「応急制御監視盤(ダメージ・コントロール)」(画像①)に応急長がつき指揮をとり、防火・防水を主として全員が力を合わせて艦を守るのだ。艦内の狭い廊下には応急処置に使う太い角材や赤く塗られた消防機材や消火ホースがアチコチに置いてある。(画像②③)有毒ガス対策か非常用呼吸器が棚に並んでいる。

 上部デッキには対潜ヘリやミサイル、大砲などの攻撃兵器が並んでいるがデッキ下は攻撃されたあと、艦を守る為のハードとソフトが詰まっている場所なのだ。などと思いながら廊下を歩いていると武運長久(古い!)と航海安全を祈るのか賽銭箱付きの神棚があった。(画像④)

c0041039_5451720.jpg その先に乗組員用の食堂がある。本日は見学者の休憩所になっていたが、飲料の自動販売機とアイスクリームなどの冷凍ケースが、壁には大型テレビが2台セットされ海上自衛隊の広報ビデオが流れていた。雰囲気は天井が少し低いがちょっとした中小企業の社員食堂のような感じである。220人も乗っているのに少し狭いように思うがワッチ体制なのでこれで充分なのだろう。

 上下の規律も厳しそうな護衛艦の見学から、命令を受けることも命令を出すこともなく「自由で我儘も効く平和な我艇」に帰り、お昼からはビールでも飲んで昼寝でもしようかなと思いながらヨットハーバーに向かった。
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by pac3jp | 2007-07-27 05:50 | ウオッチング  

巡視船・護衛艦の体験航海や見学あちこち

 7月に入ると海開きの時期になり、あちこちで巡視船・護衛艦の一般公開や展示訓練がある。たまにはお世話になる巡視船やハイテクの塊の護衛艦を見学してヨットやボート以外のお船の世界を勉強するのも面白いよ。近くの海で行われるイベントを纏めてみましたのでご覧下さい。 
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姫路港での護衛艦体験航海・一般公開

体験航海 7月14日(土)午後1時30分~ 3時(要申込)
一般公開 7月14日(土)午後1時30分~ 3時
     7月15日(日)午前9時30分~11時
             午後1時30分~ 3時
体験航海予定艦:護衛艦「むらさめ」又は「はるさめ」要申込
一般公開予定艦:護衛艦「むらさめ」又は「はるさめ」申込不要

詳細はここ 

JCG神戸港開港140年記念クルーズ

日時:7月15日(日)PLH「せっつ」
第五管区海上保安本部では、「海の月間」に「平成19年度JCG大阪湾海上総合訓練」を実施します。
今年は、神戸港開港140年に因み、神戸市在住の小学生以下のお子様と保護者の方ペアで70組(140名様)をご招待させていただきますので、応募要領をご覧のうえ、多数の応募をお待ちしております。
なお、応募者多数の場合は抽選とさせていただきます

詳細はここ 

阪神基地隊 護衛艦一般公開
  
日時:7月21日(土)09:00~15:30の予定

158「うみぎり」基準排水量  3,550t
113「さざなみ」基準排水量  4,650t

※申込不要 詳細はここ 

平成19年舞鶴地方隊展示訓練
 
日時:7月28日(土)・29日(日)
イージス艦「みょうこう」など12隻の訓練

場所 等:海上自衛隊北吸桟橋及び若狭湾周辺海域
体験航海:1000~1600

※要申込 詳細はここ 

平成19年度呉地方隊展示訓練(ミニ観艦式)

日時:8月4日(土)・5日(日)09:30出港~15:30入港
 
大阪湾(淡路島東方海域)

乗艦:次の港湾で調整中
  大阪港(天保山岸壁及び中央突堤)
  神戸港(摩耶埠頭)
  淡路市津名港

※要申込 詳細はここ

応募の締め切り期日が真近になっているのがありますのでご注意下さい。
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by pac3jp | 2007-06-29 07:16 | ウオッチング  

一般公開の護衛艦を見学する Part3

哨戒ヘリコプターを見る
c0041039_9475670.jpg ヨットハーバーの上空はヘリの指定航路になっているのか朝からバタバタと大きな音で大型ヘリがよく飛んでいる。ボクは今までに遊覧飛行や業務用のヘリは近くで見たことはあったが今回初めて護衛艦「さみだれ」搭載の哨戒ヘリコプター(SH-60J)を真近で見学した。

 護衛艦は高速型の船型なので全長151mでも最大幅が17.4mとかなり狭く、艦尾のヘリ甲板はもう少し狭い。哨戒ヘリの幅は16.4mだから上空からみたらこんなに狭い場所に本当に着艦出来るだろうかと思わないのだろうか。大胆だ!

 ブリッジの士官に聞くとヘリの着艦時は風上に対して30度くらいのコースをフィンスタビザイラーが効く微速で艦を航行させるという。ヘリは艦尾のデッキに着艦するとヘリの底から出ているシャフトをベアートラップという装置でしっかりと挟み込み固定する。強風で波が高くフネの動揺が大きいときはヘリからワイヤーを下ろし、デッキに固定し、推力と牽引力のバランスを取りながら着艦するそうだが、かなり難しそうだね。
 ちなみに飛行甲板の広い輸送艦「おおすみ」などには陸上と同じようにらくらくと着艦できるそうだ。

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 ヘリの周りを見ていると右舷にロケットのような物が付いている。なんですか?と質問すると普通の服を着たオジさんが「磁気センサー(1)や、これをヘリで150mも引っ張って飛ぶんやでぇ」と教えてくれた。これは水中に隠れた潜水艦の磁気に反応するセンサーだ。やけにヘリのことに詳しい。ヘリの搭乗員とかなり専門的な会話をしている。アチコチの装備やセンサーを見ては「えーなぁ~」を連発している。「お仕事なにしてはります?」と聞くと消防ヘリに乗っているとのこと。・・・納得。

 山火事を消したり、事故や災害での人命救助が主目的の消防ヘリは敵に攻撃されることはないのでミサイル警報センサー(2)やチャフ発射機(3)は不要だし、でっかい捜索レーダーもいらない。ましてや短魚雷なんてとんでもない。
 でも、誰もが新車を買うときに思い描く理想のオプションをつけて007並みのスーパーカーにしてみたら・・・と想像する楽しみに浸っていたのかもしれない。

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 ロープが外されヘリに乗っても良いよと言われたので後部ドアから戦術情報処理装置(4)の前に座ってみた。ここで吊り下げソナーやソノブイなど各種センサーを操作しているのだろう。前の操縦コクピットまでずっとレバーやツマミ、ノブがぎっしり詰まった制御部分(5)がある。こんなに要るのかなと思ってしまう。
 副操縦士席(6)に座って前をみると水平儀と速度計は分るがあとは分らない。パイプ座席は狭く座り心地は良くない。こんな場所で長時間緊張する仕事は大変ですわ。ボクはとても出来そうにないなぁ。

 でも、誰でもは出来ないが、平和時に訓練とはいえ潜水艦を狩るゲームを給料を貰ってさせてもらっていると考えたら好きな人にはホント堪らないでしょうね。

c0041039_952211.jpg ヘリの見学を終え、艦内に入ると右のような掲示を見つけた。最近よく新聞などで報道される情報漏えいの防止を図る掲示物だ。艦長ではなく主席幕僚名で掲示してあった。ややこしい国に流出したら大変だ。皆さんしっかりと頼みますよ!
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by pac3jp | 2007-05-23 09:56 | ウオッチング  

一般公開の護衛艦を見学する Part2

 「艦長のイス」
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 艦橋の中で見晴らしの良い一等場所に立派なイスが二脚ある。右舷は赤と青のコンビのカバーがかかった艦長の椅子。左舷は黄色いカバーの司令の椅子だ。この艦の誰もがこの椅子に座ってみたいと思っているだろう。本日のゲスト達もしかり。入れ替りたち替りその椅子に座っては双眼鏡で前方の海を眺めている。ボクもここでお仲間の記念写真を撮ってあげた。

 「ステルス性」
c0041039_10434164.jpg ブリッジを出るとすぐ後ろに軍艦の象徴のような高いマストがあり、上から水上レーダー、航海用レーダー、対空レーダーと3種類のレーダーが回っている。そして太いパイプで構成されたマストの柱に沿ったアチコチに「ペンキ塗るな」と書かれた板が並んで張ってある。既にきれいにペイントされているのに何故ペンキを塗ったらアカンのかと思い聞いてみると、レーダー波を吸収する特殊な材質の板なのだ。

 よく見るとマストの側面に数多く貼り付けてある。ステルス性向上か?否、護衛艦のマストをレーダーから隠して相手側から軍艦らしく見えにくくする方策なんだと勝手に理解した。

 「信号旗」
 マストに旗は付き物だが信号旗箱にデモ用かな、信号旗が2枚かかっていた。1枚は国際信号旗の「Z旗」だがもう1枚の数字旗の「2」ような旗だ。赤地に白丸2個の鮮やかな旗なので「20」かとも思ったが、近所にいた係りに聞いても「余り使わない旗で・・・隣はZ旗です」という。そういえばよく使う信号旗は擦り切れたり褪色している。
 帰って調べて見ると【海上自衛隊および西側海軍信号旗】のなかにあった。赤地の白丸2つは「短」という文字を表わすとある。見たことがなくて当然で海上自衛隊専用の信号旗だった。

 「時 鐘」
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 さらに上甲板を歩いていると「時鐘」が下がっていた。帆船時代からずっと艦のシンボルともいえるものだった。昔は時鐘番兵がいて30分ごとにこれを打って艦内に時を告げたが、現在では実用的な使途はほとんどないらしい。例外として、練習艦においてはシーマンシップを養う意味で現在でも決まった時間に鳴らしているようだ。

 「うみぎり」と「さみだれ」にはあったが「あさかぜ」のは外していたのか見かけなかった。真鍮物といえば時鐘の他は水密ドアの把手部品や消火器材もピカピカした真鍮もんも多い。これが潮で汚れていたら港に入ったときに恥ずかしい。面倒くさいが入港前にはきっとピカールでせっせと磨いているのだろう。

「トイレの話」
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 艦内を歩き回っていたらトイレに行きたくなった。昭和54年に竣功した艦齢30年のDDG「あさかぜ」のトイレ(画像左)をお借りした。ボクの背が低いのか小便器が高いのか取っ手を掴んで少し放出角度を上向にしなくては・・・。便器の洗浄は水の節約の為かバルブを手で回すものだが、普通の押しボタンの方が水の節約にはなりそうだ。
 あとで平成14年竣功の「さみだれ」の船首トイレ(画像右)もお借りした。見学コースに女性トイレの張り紙がある。もう女性の乗組員がいるのかもしれない。さすがに新しいので便器も普通のビル内のトイレと同じだ。ボクでも普通に出来る。水洗バルブは手動だが洗面台に鏡があり髪も整えることが出来る・・・。護衛艦内の居住性も段々と向上しているのでしょうね。

 なんか護衛艦の見学に行っているのに変なところばかり見て歩いているようだが、ボク達「フネ好き」の一般市民は客船以外の民間の大型船に乗ったり見学できる機会は殆どない。国民の税金で造っている護衛艦や巡視船の一般公開が唯一「船」を見学できる時なのです。
 護衛艦艦長殿 もの珍しいのでキョロキョロしていますが、どうぞよろしくお願いいたします!!
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by pac3jp | 2007-05-21 11:08 | ウオッチング  

一般公開の護衛艦を見学する Part1

「さみだれ」ナビゲーション 

c0041039_8435138.jpg 外洋の訓練が終わり補給と休養で神戸港に入った護衛艦3隻の一般公開があると聞いたので摩耶埠頭へ見学に行ってきた。まず一番大きいDD106「さみだれ」(4550トン)から見学する。
 主要兵装を見学してからブリッジに上がるとチャートテーブルに来島海峡のチャートを開いて三角定規を使って航海計画を作っている若い士官がいた。




c0041039_8452140.jpg 後ろから覗いて「呉へ帰る段取りですか?」と聞くとそのとおりですの返事。このところ電子チャートにはまっていて紙海図など触ったことがないと公言してはばからない仲間が「ENC」など使ったらナビゲーションは簡単やのに・・・と言うと、若い士官は「GPSは必ず使える保証がないので海図にコースを書いているのです」と優等生的なお返事。「でも電子チャートは便利やでぇ」というと便利は知っているがそれを使えば上官に叱られるとのこと。

 確かにGPSデータは米国のものを使わせてもらっているのだ。いざというときは自前の航海術でフネを動かさなくてはならない。しっかりと天測など基礎の勉強をしてくださいね。でもブリッジには最新の電子航海機器が彼のバックアップの為に?ちゃーんと一式揃っておりますよ。




c0041039_8494317.jpg ブリッジは見学コースの中では人気があるので混みあっている。ガスタービン艦の可変ピッチプロペラの制御コンソール(左画像)にいた士官に速力通信器の運用方法など付近の装置についてあれこれ質問していると、この護衛艦でも瀬戸内海の航海速力は12ノットだそうで、当然航路は速度が指定されているが、それ以外でも曳き波で小型漁船や海岸で作業している人に危害を加えてもいけないのでいつも内海では控えめに航海しているそうだ。
そして我々を船乗り?と見てか、備讃瀬戸の航路沿いに張られる「こまし網」の状況について聞いてきた。ボクたち足の遅いヨットなどは本当に怖い網だが60,000馬力の護衛艦でも気にするのかなぁとチョット驚いた。友人が1週間前に通過した備讃瀬戸・大槌島付近の網の状況を教えてあげていた。
 
「さみだれ」の標的

c0041039_8513677.jpg デッキを歩いていると今回の訓練に使われたであろうよく目立つオレンジ色のトリマランが両舷に各1隻ずつ2隻置いてあった。表示をみると「高速小型水上標的」と書いてある。高速の護衛艦から1600mの長い曳航索で引き回すのだ。そしてその左舷デッキの標的にはバウに10cmくらいの穴が水線より少し上に空いていて、誇らしげに「命中弾の穴」と表示してあった。



c0041039_8523310.jpg 傍にいた隊員に聞いてみると主砲で撃ったという。どちらにしても「あさかぜ」が撃てば5インチ砲だし、「うみぎり」の命中弾ならば口径76mmの砲弾だ。木っ端微塵になるのだろうに穴だけか?と思ったが模擬弾が貫通したのだそうだ。標的でも壊してしまったら勿体ないが護衛艦3隻の訓練で2隻の標的にたった1発しか命中弾がなかったのだろうか少し不思議。



c0041039_8534464.jpg そして、なぜ主砲でこんな小さな標的を攻撃する訓練をするのだろうと思うがヤッパ、対非正規軍戦の訓練だろうか。外国の工作船の例もあったし、小型ボートで侵入する敵を威嚇・攻撃するのに魚雷やミサイルは大袈裟だし、76mm速射砲でも大きすぎるが、近年増設したらしい機銃(見当らなかった)もあるがまぁ仕方がないか。搭載するヘリコプターから攻撃する手もあるが、潜水艦は攻撃できても小型船を攻撃できる適当な武器を搭載してないだろう。近寄ってロケット砲で反撃されたら薮蛇だ。この場合不審船の射程圏外から着弾観測するだけかな。
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by pac3jp | 2007-05-18 09:03 | ウオッチング  

TV 3508 練習艦「かしま」

 3月末の日曜日、神戸港第4突堤に3隻の護衛艦が停泊しているのが見えた。近寄ってみると艦番号が3500番台だ。練習艦である。練習艦隊の近海練習航海の途中に神戸港で一般公開しているようだ。大勢の見学者がデッキを歩いている。
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かしま
基準排水量:4050t
主要寸法:全長143m×幅18.0m×深さ12.3m×喫水4.6m
主 機:  CODOG ディーゼル2基 ガスタービン2基2軸 出力:27000PS
速 力:  約25kt
船 型:  長船首楼型, 乗員:約360名
3インチ62口径単装速射砲:1基、3連装短魚雷発射管:2基
将官艇 礼砲

c0041039_933481.jpg 練習艦隊旗艦の「かしま」は普通の護衛艦とは少し違う装備とすっきりしたスタイルをしている。毎年4月からの遠洋航海で諸外国を訪問し、公式儀礼を行う為、公室は一般の護衛艦より立派に造られているらしい。また艦の後半に、実習幹部訓練用設備が集められている。艦尾は広いデッキがありヘリの発着や寄港地でのレセプション会場に使われるのだろう。戦闘艦ではないので大物兵装はなくマストのレーダー等のアンテナの数も少ない。だが各種シミュレーション装置の搭載により、近代戦の実習になんら不足はないとされている。

c0041039_935215.jpg その代わりではないが、立派な艦隊司令官専用の将官艇を搭載している。日本の自衛艦の中では一番豪華なボートである。普通の護衛艦は隣と同じような内火艇が搭載されている。

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 また、外国を訪問する軍艦の公式儀礼といえば礼砲だが、「かしま」は専用の礼砲を艦橋前部に2基設置されている。イラスト画像は先代「かとり」の礼砲だが空砲なのでシンプルな構造だ。

 話は変るが、日本の軍艦が最初に外国で礼砲を撃ったのは「咸臨丸」だといわれている。その際の艦内のやり取りが「咸臨丸の礼砲事件」としてあちこちで語り継がれている。

万延元年(1860)咸臨丸渡米には、運用方兼鉄砲方として乗り込み、大いに活躍する。桐太郎の名を高めたのはサンフランシスコ入港の際における礼砲事件であった。   米国軍艦の礼砲に応えて、当直将校の佐々倉が答砲の許可を求めると、艦長の勝麟太郎は、「失敗すると恥になるから、撃つな」と言った。桐太郎は「失敗するはずはない」と強気で答えた。 「それでは撃て。失敗しなかったら、俺の首をやる」と売り言葉に買い言葉で、気の強い佐々倉は、副直の赤松を号令官に、見事に答砲を撃ち納めした。

 ちなみに日本では神奈川県の観音崎にある海上自衛隊の警備所にも2基の礼砲用の砲台があり、今でも礼砲をうっているそうだ。

 4月下旬、練習艦隊は約850名(第57期一般幹部候補生課程学生約180名(うち女性14名、タイ王国留学生1名、シンガポール留学生1名)を含む)が乗り組み東京から長期の遠洋練習航海に出発する。

☆彡退役潜水艦を陸上展示 「てつのくじら館」がオープン(呉市)
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by pac3jp | 2007-04-04 09:20 | ウオッチング  

阿波沖海戦

 紀伊水道の伊島といえばクルージングやその中継港でよく寄港させてもらっている。そして付近の椿泊や橘湾、牟岐大島などもクルージングエリアとして楽しませてもらっている。

 そんな紀伊水道の伊島“北東海域”で風雲急を告げる幕末の1868年(明治元年)1月3日、今から139年前、そこで日本史上初めて近代蒸気軍艦同士の海戦があった。阿波沖海戦という。榎本武揚指揮の旧幕府最大の軍艦「開陽丸」と、まだ若かった東郷平八郎らが乗り組んでいた薩摩の新鋭軍艦「春日丸」、運送船「翔鳳丸」の3隻が戦ったのだ。
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 前年の12月15日、薩摩が雇った浪人たちの手で、江戸のほうぼうが放火された。放火犯たちは三田の薩摩屋敷に逃げ込むが、庄内藩が鎮圧に出て、フランス軍事顧問団ブリュネ大尉の助言のもと、薩摩屋敷を砲撃した。火災の中、戦いが始まった。やがて浪人と薩摩藩士らは屋敷から逃れ、羽田沖に停泊中であった薩摩の運送船「翔鳳丸」に乗って、江戸湾を脱出しようとした。幕府艦隊のうち、在府であった「咸臨丸、回天丸」の二隻が「翔鳳丸」を追ったが、逃げられた。これが羽田沖海戦、または江戸湾海戦と呼ばれている戦闘である。

 12月28日には、追ってきた「回天丸」が大坂に到着、薩摩による江戸城などの放火が報告される。大阪城内はこの報告にいきりたち、たちまち薩摩討つべしの合意ができていった。その時、薩摩の「翔鳳丸」は兵庫港に逃げ込んでいた。

 鳥羽・伏見の戦いが開始された1月3日、薩摩軍艦「春日丸」、同藩運送船「翔鳳丸」・「平運丸」が兵庫港に停泊し、鹿児島への帰藩準備を進めていた。一方、榎本武揚率いる旧幕府艦隊の「開陽丸」は、大阪湾に停泊して海上より鳥羽・伏見の戦いを見守っていた。

 1月4日早朝、薩摩の軍艦「春日丸」、運送船「翔鳳丸」は紀伊水道に向けて出港した。由良瀬戸を越えた頃、これを追跡していた「開陽丸」が発見、同時に「春日丸」も「開陽丸」を視認した。速度の遅い同行の「翔鳳丸」を曳航しょうとするが、速度が上がらず、追撃の「開陽丸」に追いつかれてしまう。午後2時過ぎ、「春日丸」は「翔鳳丸」の曳き綱を切り、単独で戦うことに決断した。そして大きく回頭し、太陽を背に交戦体制に入る。

 距離2500m、「開陽丸」が十六サンチ施条カノン砲の初弾を発射した。砲弾は大きな弧を描き「春日丸」の左舷15mのところに落下。準至近弾だ。「春日丸」も百ポンド砲が火を吹き「開陽丸」の手前20mに着弾。大きく揺れる外洋の波の中で砲の照準合わせに必死に取り組む。両艦は互いに1200m~1500mの距離から「開陽丸」は25発の砲撃を加えた。相手の「春日丸」は18発の砲を放ったがどちらも大きな損害には至らなかった。
 片舷の艦砲を撃ち終えた「開陽丸」が回頭している隙に艦の火力に差がある「春日丸」はその俊足を生かして戦場を脱出する。またもや「開陽丸」が追跡するが、最大速力が5ノット以上もの違いは大きく、やがて春日丸は無事薩摩に帰還した。

 一方、「翔鳳丸」は多島海の橘湾に隠れようとしたが叶わず、土地の漁師を雇い土佐の甲浦を目指すが、船の故障で難所、蒲生田岬をやっと越え由岐浦にはいるが操船を誤り座礁、そして折からの強風にあおられ湾口にある「へらの島」の岩礁に乗り上げ大破。制海権を持つ徳川艦隊の追っ手を恐れて、彼らは翔鳳丸に積み込んできた江戸の薩摩藩邸からの貴重品共々弾薬庫に火を放ち自爆し、自分たちは小船に分乗して日和佐、甲浦へと脱出していった。

 このように阿波沖海戦の場面を回想すると殆どが一度ならず寄港した港だ。翔鳳丸が最後に座礁した由岐浦は今でもそう大きな港ではない。湾口に「へらの島」が外洋の大波を防ぐ天然の防波堤になっている。でも島の北側は危ない暗礁地帯で初めて入るには海図がいる海だ。
 この前、由岐に行ったときはサーファーが大勢で波乗りを楽しんでいる。ヨット乗りは島影で錨を入れてお昼寝をする。ヤッパリ平和な時代が一番いいなと思った夏の日だった。
 
開陽丸:排水量2817t、長さ約72.8m、エンジン400馬力、スクリュー2軸、
    備砲計26門、速力10ノット
春日丸:排水量1015t、長さ74m、エンジン300馬力、外車2基、
    備砲6門、速力17ノット

【参考図書】:「軍艦 開陽丸物語」 脇 哲著
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by pac3jp | 2007-02-26 11:12 | 歴史・民俗  

自衛艦旗(軍艦旗)

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 国体セーリング競技の運営にはいつも海上自衛隊が協力していると聞いている。今回もレース海面の沖に掃海艇「くめじま」(490ton)が停泊している。小さいけれどしっかりと軍艦のシルエットとして見える。レース海面付近を掃海艇搭載の黒いインフレータブルボートがスターンに軍艦旗をはためかせて航走している。クルーは2名、黒いウェットスーツのようなものを着ているように見える。実戦では海中にある機雷を処分する危険な作業を担当するフロッグマン達だ。選手の落水事故救助を受け持つ。

 レースサポートのインフレータブルボートが多い中でも軍艦旗を掲げたボートは目立つ。ボクも対抗して?国旗をスターンに付けたがやっぱり目立つ軍艦旗には負けているように思ってしまう。

 でも、今の自衛艦旗もすんなりと海軍から海上自衛隊へ引き継がれたわけではないのだ。
 太平洋戦争の敗戦で大日本帝国海軍は解体され、軍人も軍艦旗を掲げる軍艦もない状態でその権利は長く放棄されていた。そこで旧海軍出身のヨット乗りたちが歴史ある軍艦旗を残すため当時のGHQと交渉し、自分たちのエンサインとして国際機関に登録した。そしてクルージング・クラブ・オブジャパン(CCJ 日本外洋帆走協会の前身組織)の公式のエンサインとして使われていた。
 だが、やがて海上警備隊から昭和29年、晴れて海上自衛隊となったとき、旧軍艦旗は日本外洋帆走協会(NORC)からすじを通して、海上自衛隊にお返ししたらしい。以来、自衛艦は旧軍艦旗を使い、NORCは今のレース旗のデザインがエンサインになったのだ。
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自衛隊旗の規定は以下のようになっている。

構造及び寸法

1.形状
本品は縦2、横3、の旗布の中心より風上に水平に移項すること縦の1/6の点に、縦の1/2を直径とする赤色の日章を描く。光線は赤色にして円の中心点より垂線及び水平線に中心を合わせる光線を基本とし、各光線の幅及び間隔を各11 1/4度に取り、方光状に描くものとする。

2.種類及び寸法
1.5幅、2幅、3幅、4幅とする。
基準寸法は1幅の仕上がりを430mmとする。許容誤差はプラス、マイナス10mmとする。

3、材料
生地は国産荢麻(ちょま)原料を完全に乾燥した長綿糸を使用し、糸質が均一にして最強かつ自衛隊旗用として最適なもの、と規定されている。

 なお、荢麻(ちょま)とはイラクサ科の植物で「からむし」ともいう。日本での栽培は古く、織物として各地で生産されてきた。草丈は2メートル余となり、根元から刈り取った茎からは極めて強く、長くて軽くて美しい繊維がとれるので、昔から上布を織るのに用いられる。産地の特性ににより、越後上布、小千谷縮、奈良晒布、八重山上布、宮古上布などと呼ばれている。

 さすがに伝統ある自衛艦旗ですね。いい材料が使われています。処分艇の旗は一番小さい1.5幅よりもっと小さい旗だった。いくら小型ボートでも旗が海に浸かったらみっともないですからね。
 
 大きなフネに小さな旗や反対に小さなフネに大き過ぎる旗もアンバランスだ。ちなみにヨットと旗のサイズのベストマッチは1フィート・1インチと昔からいわれているらしい。


参考:艦船メカニズム図鑑 森 恒英著
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by pac3jp | 2006-10-13 09:05 |