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てつのくじら館(海上自衛隊呉資料館)Part1

 先週、広島・呉港にある「大和ミュージアムと、てつのくじら館」を見学するバスツアーに行ってきた。大和ミュージアムは以前に見学したので今回は展示潜水艦を主に見てこようと思っていた。

 バスでお隣になった来年は80歳になるという話好きのオジサンとおしゃべりしていると、彼は定年後のアルバイトで三菱神戸に定期検査で入ってくる潜水艦の仕事を震災までしていたんだとおっしゃる。潜水艦に入るには狭いハッチから深いハシゴをくだり艦内へ入っていたので、この頃ひざが悪いので心配だなあ、といっていた。

 所で、どんな仕事だったのですかとお聞きすると、主に狭い場所にあるバルブなど部品を取り付けてあるボルト・ナットを外す手間暇がかかる作業で、ひも付きの工具でナットを落とさないように細心の注意を払ってやていたいう。
 ある時、潜水艦の内殻と外殻の間に多数取り付けてあるボンベ(酸素ボンベと彼はいっていたが空気ボンベか)を外すのにバンドを固定してあるナットを狭い隙間に入り苦労して緩めてゆく。 三菱の本工さんは見回りに来るだけ、たまにはナットを落としビルジの溜まる艦底まで探しにいったこともあったとか。
 でも、国の予算が充分ある潜水艦仕事はワシらの時給も良かったし、仕事は面白かったと、むかし話風にあれこれ潜水艦の予備知識を教えてくれた。

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展示用潜水艦「あきしお」
●就 役:1986年03月05日 ●除 籍:2004年03月03日
●建 造:三菱重工神戸造船所
●基準排水量:2,250t
●主要寸法:長さ76.2m×幅9.9m×深さ10.2m
●主機械:ディーゼル2基・エレクトリック1基1軸 
●馬 力:水中:7200PS 水上:3400PS
●速 力:約12kt(水中)約20kt
●船 型:完全複殻式(涙滴型)
●乗 員:約75名
●主要装備:533ミリ魚雷発射管×6門 ハープーンUSMを発射可

「あきしお」は、ゆうしお型 7番艦だが、5番艦は海難事故で有名になってしまった「なだしお」がいる。

 潜水艦は港で停泊していたり沖で出会うことはあったが、このように下から見上げたことはなかった。滑らかな艦体がペンキで光っている。船底塗料だとそこまで光らないと思うが、陸上構造物になってしまったので建築用の塗装になったのだろう。しかし、あまりにもつるつるしていて変だなと思ったら外殻の隙間は溶接され、多分付いていたはずの無反響タイルも付いていないが、世代が古いので無いのかもしれないなあ。

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 艦首の下に丸いマッシュルーム型のアンカーが置いてある、その上を見ると艦底の丸いへこみにアンカーを収納する場所である。あまり効きそうにないアンカーだが、錨泊することなどきっと少ないのだろう。後に回ると本来はスキュード・プロペラがあったはずだが、イミテーションの小さい5翼のペラが取り付けてあった。↑の画像右側

c0041039_1012591.jpg 海上自衛隊呉資料館の3階から潜水艦の中に入る。心配したハッチからのタラップでなく大きな入り口が用意されていた。大型護衛艦に入るような感じで艦内に入ると、多少狭いが水密ハッチや頭上に注意すこともなく発令所に着く。潜水艦に乗ればまず触ってみたいのが潜望鏡だろう。メーカーはニコン、戦艦大和ではニコンの大測距儀が有名だが海自の潜望鏡もニコン製だった。軍用光学兵器は昔からニコンが信頼されていたのでしょうね。
 ここでは2本ある潜望鏡の内、1番のハンドルを握って接眼レンズを覗くと対岸の呉港に泊っている護衛艦がくっきりと視野に入る。「魚雷発射!」「急速潜航!」と小さくつぶやいてみる・・・。
しかし、危険なのか潜望鏡の上下動はしないが、足元の透明な床板を通して長い収納シャフトは見える。階下は魚雷発射管室である。画像は1番潜望鏡。

c0041039_10135763.jpg 潜望鏡の前は潜水艦の操縦席だ。ジョイスティックハンドルが2組あり右が潜航と横舵、左が縦舵を受け持ち2人で操縦する。1人でも出来るようにはなっているが、「おやしお」型からは1名で操縦するようになっている。

 コクピット中央に設置された緑色のモニター上で、時計の下側にある2個の丸い計器が深度計で、これは軍事機密なので数字がないダミーのようだ。(一説によるとゆうしお型の安全潜航深度は430mといわれている。)


【関連記事】1:5月4日 呉港・大和ミュージアム 
【関連記事】2:アメリカ大陸を爆撃した潜水艦
【関連記事】3:てつのくじら館(海上自衛隊呉資料館)Part2
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by pac3jp | 2009-09-08 10:20 | ウオッチング  

水中処分母船 YDT 06

 7月1日、午後、沖縄・座間味島の古座間味ビーチ沖でアンカーリングして潜ろうと思っていたが、水深8mではボクの素もぐりの技では歯が立たないのでヨットの周りの海底を観察すると砂の海底に石ころと所々にさんご礁があるだけで普通の海底だった。磯のある場所まで泳いで行けばきっと素晴らしい海が見られたかもしれないけどビールを飲んで寝転がっているほうを取った。

 今夜の停泊港の方向に軍艦のようなシルエットが見える。こんな平和そうなダイビングの島に軍艦は似合わないと思っていたが、座間味港右前の磯付近に掃海艇搭載の黒い機雷処分艇数隻が自衛隊旗を揚げて航走している。なんか爆発物の調査をしているらしいが、先のシルエットは掃海艇ではなかったのでなんだろうと思っていた。

 夕方、フェリー岸壁にその母船が入ってきた。船名はなく「YDT06」と記号表示されているので支援船だと分かるがかなりの大型だ。勿論、デッキに武装はなくブリッジ横に不発弾処理と書かれた横断幕が見える。水中処分用のインフレータブルボートとデリックが装備されているだけだ。
(この業務には退役した掃海艇を転用した特務船だったが水中の爆発物処理専用の母船として新たに設計建造された船で、支援機能や居住設備などが格段に向上している)
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●基準排水量:300t
●主要寸法:全長46.0m×幅8.6m×深さ4.0m×喫水2.2m
●エンジン:ディーゼル2軸 出力:1500PS
●速力:約15kt
●船質:鋼
●建造:H.15.03.14
●所属:沖縄水中処分隊 勝連港

 次の日に港外の爆弾を爆破処理する予定だと聞いた。沖縄では太平洋戦争で山の形が変わるほど爆弾や砲弾が打ち込まれたという。この座間味でも酷いものだったのだろう。あちこちに不発弾が見つかり沖縄の皆さんは今も迷惑しているのでしょうね。沖縄のチャートを見ると本島のすぐ太平洋側の深い海に爆発物を投棄する海域が指定されているが、今はもう簡単な海洋投棄は出来ないので爆破処分以外は陸上での処分になっているはずです。

 港外の爆破処分の見物もしてみたかったが、クルージングの予定を1日延ばすほどのことでもないので予定通りに早朝に出港した。
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by pac3jp | 2009-08-07 17:43 | 特殊船  

US-2型救難飛行艇

 先週、「US-2型救難飛行艇」量産1号機が初飛行を実施、と地元神戸新聞が報道していた。


「救難飛行艇、初フライト 新明和工業、海自向け1号」

c0041039_15545058.jpg 新明和工業(宝塚市)は、海上自衛隊用に開発した水陸両用飛行艇「US-2型救難飛行艇」の量産第一号機が、このほど神戸市沖で初飛行に成功したと発表した。今後も飛行試験を重ね、本年度中に防衛省に納める。
 同飛行艇は主に海上での救難活動に使う。海上自衛隊の「US-1A型救難飛行艇」の後継機として同社が開発の主契約会社を務めた。二〇〇四年には試作一号機と二号機を防衛省に納入。海上自衛隊岩国航空基地での技術・実用試験を経て、昨年、正式に救難飛行艇部隊に配備された。
 飛行試験は同社甲南工場(神戸市東灘区)沖の大阪湾で実施。海上での離着水の状況などを確認した。(段 貴則)(12/18 09:20)



 この新型飛行艇を製造している新明和工業・甲南工場は神戸市東灘区深江にあり、元の神戸商船大学と東神戸フェーリー埠頭を再開発したサンシャンワーフというショッピングモールに隣接している。この工場は昔、川西航空機といって太平洋戦争中は二式大艇や迎撃戦闘機の紫電改など造っていた会社だった。

 数年前、そのワーフの駐車場の東端でしきりに不思議がっている若いカップルがいた。「向こうは海やのに・・・飛行場でもないのになんでここに飛行機がいるの?」といっている。そこは高いフェンスで仕切られてはいたが新明和の工場内だった。4発のプロペラをもつ大型飛行機がこちらを向いていて、そのうち1発のターボプロップエンジンが轟音をたてて回っているのだ。(機首と尾翼が赤いUS-1Aのようだった)

 ボクもその光景は初めてみたが「あの飛行機は海の上から離水、着水できる自衛隊の救難飛行艇ですよ」「滑走路はなくても船のように浮きますので海から陸に上がってきているんです」と教えてあげた。

 日本では飛行艇自体も珍しいが、実際に海上から離着水している場面が見られるのは多分、神戸港の東、我々のヨットハーバー西沖の海面だけでだろう。救難飛行艇部隊の基地は岩国にあるがあそこはアメリカ海兵隊の広大な飛行場があるのでわざわざスロープを使って海に入って発進なんてしないで普通の運用は滑走路でしょうね。

 ボクもこの夏の金曜日にその着水を目撃したことがある。飛行艇が一文字の内側を低空を飛んでいるなと思ったら直ぐにザーッと着水、着水滑走距離はたった310mだという。急いで見に行こうと思ってもヨットの最高7ノットでは間にもあわない。モーターボートのようにすばやく工場のスロープに遠ざかってしまった。ちなみに離水滑走距離は280mともっと短い。

 今回、洋上迷彩色に塗装されたUS-2の量産タイプといっても戦闘機のように大量に造られるわけではないだろう。現在救難部隊には20機の飛行艇があるが順次耐用年数がくれば退役するのでボチボチ造っていって最大が20機だろうか。

 この飛行艇は飛行場のない遠くの島などで緊急事態が発生した場合に長い足と高速を生かし救難活動をするわけだ。そこで思い出したが昔、石原裕次郎さんが危篤になったとき、慎太郎兄さんが小笠原からこれに乗って帰ったといって国会で騒ぎになっていましたね。

 でも、これからヨットのクルージングで空路がない小笠原諸島や沖の鳥島などで、もし瀕死の重傷になったときはきっと頼りになる救難飛行艇だと思うよ。でも、救難機の捜索能力は弱いので対潜哨戒機のP3Cとセットで行動するため洋上の場合は捜索、救難は時間もかかり費用は莫大になるかも・・・。

 やっぱり、皆さん 無事故で安全なクルージングをお祈りしますよぉ!



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        ここクリック→飛行艇物語
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by pac3jp | 2008-12-22 16:07 | ウオッチング  

矢印棒の使い道

c0041039_1454770.jpg ボクも最初にこれを見せられたときには「さぁ・・・何だろう?」と思いました。多分、普通のヨット乗りは分からないでしょうね。長い海上勤務のご経験がある本職の船乗りか、あるいは「元」がつく船乗りさんしかご存知ないだろうと思っていましたが、やっぱりでした。

 これは錨を揚げるときブリッジから見えない錨鎖の方向と角度を示す道具でした。
 投錨時にも使うのかも知れませんが聞き忘れました。

 クイズということで4人のヨット乗りがそれぞれに独自の見解で解答していただきありがとうございました。今回の正解は「元」が付くKMSさんが正解でした。

 やっぱり、経済原理が働く一般商船では船首とブリッジの連絡はもう皆さんトランシーバーでしょうね。リモコンのビデオカメラでもブリッジから錨鎖は確認できそうですから巨大船などはそうなっているのかな。

 一方、船の歴史をみると軍艦は常に最新のテクノロジーを使って建造し、省力運用されているんだとボクはそう思っていたが、意外に各国とも海軍は保守的で充分こなれたテクノロジーを採用し、伝統的な運用をしていると何かの本で読んだことがある。

c0041039_1463944.jpg 日本海軍の伝統を引き継ぐ掃海艇の錨鎖用の矢印棒も、もう商船では使っていないというが、最近Webで掃海母艦「ぶんご」での投錨作業という画像を見つけた。
 それには「錨が出ていく長さを旗で艦橋に知らせる隊員」と説明がついていた。排水量5700トンの軍艦で160人も乗り組んでいるんで、甲板作業にも充分の人数も配置できるし伝統ある運用も可能なのだ。
 でもよく画像を見ると前を向いている隊員はヘッドセットのようなものを装着している。インターコムでブリッジとは普通に連絡は取れているのだろう。


c0041039_1471713.jpg 軍艦と商船の違いは非常時の対応だろう。有事の際、もし、有線故障や無線封鎖で電気系が不通になっても視覚信号なら連絡がつく。そう思って考えると、護衛艦も掃海艇にもマストに二組のかご型速力標(左画像)がついている。これはフネが編隊行動するときに僚艦に無線を使わずその速力を示すものだ。

 もう一つは探照灯で行う発光信号だろう。船舶はタイタニック号以来、非常の際は無線通信士がSOSを発信し、全船舶に救助要請をしたが今は機械が自動的に遭難信号を発信するシステムに変わってしまい、無線通信士は職を失ってしまった。その発光信号はモールス信号を使う、日本船は和文コードで打つ、でも無線通信士が乗り組んでない商船は誰もモールスを打てないし、受信もできないだろう。でも手旗信号は出来る? 
軍艦には専門の通信兵がいるので発光信号も問題ない。

c0041039_14114564.jpg 視覚信号でも国際信号旗を使う旗りゅう信号は航路の航行時など法律で定められているので一般商船も使っているが、海自ではそれに加え独自の旗やNATO軍共通の信号旗もあわせて使っているという。上の「投錨の画像」で隊員の持っているのは軍用数字旗の「1」である。

 映画のクライマックスシーンで主人公が音や光でモールスを打って助けを呼び、窮地から脱出する場面がよくあるけど、本当に使えるならヨット乗りの素養としてもう少し勉強しようかと思うが英文は苦手だし、和文モールスは挫折の経験があるからなぁ・・・。
 ま、非常時は船検備品のN・C旗を揚げマリンVHFでじっと救助を待つことにしますか。
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by pac3jp | 2008-12-19 14:17 |  

掃海艇でちょっと気になった道具や装備

 掃海艇はJMSDFの艦艇、23艦種のうち軍艦としては小さい部類ではあるが、護衛艦、潜水艦、掃海艦についで上から4番目にリストが上がっている。小さくても機雷戦を受け持つちゃんとした海自の正面装備なのだ。

 ボクは、伝統というものとは縁もなく、まったく我流でヨット遊びをやってきたが、今回、そんな旧海軍の伝統を引き継ぐ掃海艇を見学させていただくと勉強になることや、気になるものもあり中々面白かった。
その中の数点を紹介しよう。

c0041039_16511222.jpg まず、本船ではどんなフネでも入港時に使っている「サンドレッド」。バウデッキの片隅の収納場所には大、小の様々な重さのものが用意してあった。なぜっと思ったが、自衛艦も体験航海で大勢の乗客の視線を浴びて岸壁につけるときなど新人が緊張で失敗すると、すかさずベテランが得意の技でフォローするんだとか聞いたが、沖合いでの錨泊横抱きや天気状況によっても数種類の「サンドレッド」はきっと要るのでしょうね。

 でも、近くの吉原製油の岸壁には赤ペンキで「レッド投げるな!」と大書してあるので誰かが受け損ねて労災事故になったみたいだ。ヨットではソフトボールくらいが投げ易くて、受け手も安全ですね。

c0041039_16515231.jpg 自衛艦も最近は艦内禁煙になったらしく、掃海艇でもミジップデッキに唯一の喫煙コーナーが設けてあった。そこは本来、青天井だが日除けのキャンバスが張ってあり中央付近から2ヶ所、漏斗状のカップからホースがつながっている。貧乏性のヨット乗りはすぐに雨水を集めているんだと早合点したが、乗組員からは「水には不自由してませんよ!」と馬鹿にされてしまった。確かに太洋を1隻で渡ることなんてないもんね。

c0041039_1652389.jpg このフネは40人も乗り組んでいるが食堂のパイプイスは半分くらいしかない。岸壁に係留していると揺れても大したことはないが沖に出るとかなり揺れるだろう。ヨットでは固定されたシートに座るのでそう気にしなかったがパイプイスだと暴れて大変だ。ところがテーブルにイスを収納するラックが装備してあるのだ。使うときにはラックから外して座り、終わればまた元どうりにセットしておく。フネが揺れてもガチャガチャいわないように分厚いビニールシートの緩衝材が入っていた。

c0041039_16531997.jpg 船には規則によって各種の灯火を設置しなければならないと決められている。左舷ブリッジの上に3種類の灯火が設置されている。赤と緑も開口角度もやや狭いが右端の灯火は隙間くらいしか開口していない。どうも夜間ぴったりのアビームで僚艇と掃海作業をするための灯火らしいと想像したが・・・。

 最後はクイズにしました。

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この画像の矢印型の道具はどんな時に使っているかお答えください。因みに画像は緑ですが反対側には赤く塗装されています。さて、何でしょう。

 ヒント1:武器ではありません。念のため。
 ヒント2:停泊に関係あります。


 分かった方はコメント欄に書き込んでください。恥ずかしいなとお思いの方は非公開コメントにチェックをいれて答えを書き込んでください。他艦でも形は違うがよく使われている?・・・らしい。

残念ながら賞品の用意はございませんが、頭の体操にどうぞ!!

【関連記事】:ヒービングライン 
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by pac3jp | 2008-12-15 17:09 | ウオッチング  

掃海艇 MSC676「くめじま」

 「くめじま」は神戸港のJMSDF阪神基地隊にある第42掃海隊に所属する中型掃海艇だ。ヨットハーバーを出港すると阪神基地隊の岸壁に係留しているのをよく見るし、国体セーリング競技などでは警戒船の任務についていたので割合お馴染みである。最近は神戸港の浚渫工事で終戦時に投棄された古い砲弾などがよく出てくるので出動の機会も多いらしい。

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基準排水量:490t
主 機 械:三菱6NMU TA(B)I型ディーゼル900PS×2基 1800PS 2軸 CPC 
速   力:14kt
主要 兵装:20ミリ機関砲x1 掃海装置一式
主要 寸法:58x9.4x4.2x2.9m(長さ、幅、深さ、喫水)
定   員:40名

 掃海艇の主たる任務は警備区内における対機雷戦、港湾や航路を封鎖した機雷を排除し航路を啓開することだ。その機雷の中には磁気を感じて爆発する磁気機雷などから艇の安全を確保するため船体構造は磁気を感じない木造(高級な米松・合板)でエンジン等はアルミ合金、機械装置はSUS、錨およびチェーンなど重さや強度の必要なものは非磁性のマンガン鋼などで作られているという。

 案内して頂いた当直クルーからこの「くめじま」が直前に行われた掃海艇の全国大会に当たるのだろうか、平成20年度掃海訓練(日向灘)において3年連続の1位になったのですと、壁に飾られた真新しいプレートを誇らしげに教えてくれた。

掃海訓練とはどんなことをやっているのだろうと調べてみると、

 掃海訓練は掃海母艦や航空機による機雷敷設、航空機から敷設される機雷の位置や数を特定する機雷監視、そして敷設した訓練用機雷を実際に除去する機雷排除など「機雷戦」に関する戦術、技量の向上を目的としていて各艇の成績に応じて順位がつけられるのだ。

まず、11/11 ニュースリリースから(海自)

■平成20年度掃海訓練(日向灘)の実施について

 海上自衛隊は、次により、掃海訓練を実施します。
1.期 間:平成20年11月21日(金)~12月1日(月)
2.訓練海域:日向灘
3.訓練統制官:掃海隊群司令 海将補 松本 幸一郎
4.参加部隊等:海上自衛隊:艦艇 25隻(掃海母艦×2隻、掃海艦×3隻、掃海艇×20隻)         航空機 2~3機(MH-53E×2~3機)
5.主要訓練項目:訓練機雷を使用しての掃海訓練及び潜水訓練

 11月21日から始まる掃海訓練に参加するため19日には宮崎県・油津港に北は函館、南は沖縄から続々と掃海部隊が集結した。大小艦艇25隻、兵員1300人。いつもはガランとした静かな港も軍艦色で一杯になり、町は制服であふれていたのだろう。
 経済効果も大きいのか地元市長さんが歓迎の挨拶を述べている地元新聞の記事があった。

 この掃海訓練も昨年は漁業補償の折り合いがつかず別の海域で実施したそうだ。確かに底引きに適した水深は機雷を敷設するのにも丁度具合がいい深さなんだ。そこで10日間も漁業権をもつ海域が掃海訓練に使われると漁協も仕事が出来ず大変だ。帝国海軍の時代はいざしらず今では海自も予算と交渉力も必要になっているようだ。

 訓練8日目の11月29日付け、宮崎日日新聞によると、
海上自衛隊呉総監部(広島県)は28日、本県の日向灘での掃海訓練で使用した訓練用の模擬機雷1個を流出したと発表した。
 海自は来月1日までの訓練日程を切り上げ、掃海艇24隻やP3C哨戒機で捜索している。機雷には火薬1グラムが入っているが、爆発の危険性は低いという。
 同総監部によると、流出した模擬機雷は黄色の円筒形で金属製。長さ約250センチ、直径約50センチ、重さ約400キロで浮力がある。日南市・油津港の北東約20キロ(水深約120メートル)の海中に設置され、25日午後4時に掃海艇が確認したのが最後という。


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 報道によると、どうも訓練用の音響感応機雷(画像右上)が行方不明になったようだ。訓練用機雷は、訓練が終われば回収して再使用するので、「ストロベリー」(訓練機雷揚収浮標)と呼ばれる赤い三角形の表示ブイが、一定時間を経過すると海面に浮き上がり敷設位置を知らせる仕組みになっているというが、小さいブイは航行する船舶に持っていかれた恐れもある。機雷に浮力もあるらしいのでロープが引かれたあと深みに落ちてしまったり、潮に流された可能性もある。火薬が入っていると報道されているのは多分標識のフレアー用だろう。

 こんな模擬機雷のトラブルで掃海部隊は訓練を中止し、本式に全部の掃海艇とP3Cまで投入して掃海することになってしまった。結果はどうなったか聞いてないが広い海でたった1個の機雷を捜すのは難しい。
 もしこれがテロリストが敷設した本物の機雷だったら日向灘の海上交通は大きく制限されてしまうだろう。たった1個の機雷にために。そしてその機雷を掃海し、排除するまでには長期間の兵力が必要になってくる。

 掃海艇の業務には「同じ作業を辛抱強く繰り返す根気と忍耐が必要」といわれ、ボクから見ても尊敬に値するが、それに加えて本来の掃海技術も国内トップの掃海艇「くめじま」がお近くの阪神基地隊を母港にしている。今までは何とも思わなかったが、これからはちゃんと敬意を表さねばならないな、と思っている。


【関連記事】:掃海艦 MSO-303「はちじょう」
【参考資料】:静かなる海戦  
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by pac3jp | 2008-12-12 13:40 | ウオッチング  

ROYAL NAVYにもあった偵察機搭載の潜水艦

 毎年8月になると広島、長崎の原爆の日があり、新聞は終戦記念日の特集を組み、63年前の敗戦の記憶を風化させないようにしているようにもみえる。

 先日、戦勝国イギリスのロイヤルネービーの歴史を実写も交えた映像で構成制作されたDVDを見ていて面白い映像を見つけた。

c0041039_122334.jpg それは第2次世界大戦の開戦前かと思うが、巨大な艦砲を装備した潜水艦、盛大な黒煙を吐く罐を持つ潜水艦、それに複葉機を搭載した潜水艦などが次々と映し出されていた。



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 画像右は格納庫から引き出されてきた複葉機、翼はトンボのように後ろに畳まれている。
 画像左は全速力で航走する潜水艦のデッキをカタパルトで発射され、まさに艦を離れようとする瞬間。

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 画像右は偵察飛行を終わり本艦に帰着したところ。艦名は「M 2」。
 画像左は格納庫の上のクレーンで機体を吊り上げ収納しようとする場面。


 潜水艦に飛行機を積み、偵察用途に使う試みは古くからヨーロッパ各国で試みられていたが、これを実戦に取り入れ、ある程度成功したのは日本海軍だけであったといわれる。

 日本海軍は太平洋戦争中、一次、二次と二回にわたり伊25潜水艦から発進した零式小型水上偵察機によってアメリカ・オレゴン州の森林を目標に焼夷弾爆撃を成功させたのだった。その戦果から、攻撃機「晴嵐」3機を積み、潜水空母と呼ばれる大型の伊401潜水艦が建造されたが・・・。


 イギリスがこの潜水艦を造らなかったのは簡単な理由だ。
大西洋も太平洋もアメリカと共に真っ先に制空権を獲得したし、夜間でも索敵できるレーダーを開発、運用したので航空機での偵察は空母発進の高性能偵察機が運用できた。潜水艦に積むため小型で足の遅い水上機を危険を覚悟で偵察運用する必要はまったくなかったからだね。


【関連記事】:アメリカ大陸を爆撃した潜水艦
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by pac3jp | 2008-08-13 12:10 | 映画・演劇  

「そうりゅう」のスターリング機関発電装置

c0041039_8265551.jpg 昨年12月に進水したAIP潜水艦「そうりゅう」に搭載されているスターリングシステムはどんな燃料をどう燃焼してどんなガスでピストンを動かすのだろうと思っていたが、つい最近川崎重工が発刊した「原動機100年史」の「スターリングエンジンの製造史」の項に「そうりゅう」のスターリング機関発電装置のライセンス国産へ向け研究開発してきた経過からボクが知りたかったレベルのシステム概要はわかった。

 左の図がスウェーデン海軍で実用化されたコッカムス社のスターリングエンジンの構造と主要目だ。
 艦内タンクに貯蔵された液体酸素を高圧酸素としケロシンを燃料ととして使用している。このスターリングエンジンは、下部がディーゼル機関に近い構造をしているが、上部の構造はガスタービンの燃焼器に近い構造をしている。
 製造にはスターリング機関特有の高圧作動ガス(ヘリウム)のシール技術、ガスタービンにも勝るとも劣らない耐熱耐食材料技術が要求される。
 また、機関本体のほかに周辺装置である液体酸素貯蔵供給装置、排気ガス放出装置などが必要。

 研究試作段階では冷却器及び加熱器などからのヘリウム漏れ、高温用熱電対の断線および燃料噴射ノズルでの著しい不均一燃料噴射などの不具合が発生したが、ライセンサへ情報を提供し部品交換や改良などで研究試作段階が終わる頃にはトラブルはなくなったようだ。

c0041039_829049.jpg 16SSに搭戴される前に練習艦「あさしお」の船体を切断してスターリング機関2群を組み込んだAIP区画を追加し実用試験を行った。液体酸素貯蔵供給、排ガス放出、発電システム制御、防音・防振の各技術の確認が行われた。この実用試験中、熱電対の断線、配管からヘリウム漏れ、弁類の固着など不具合もでたが迅速に部品交換、修理を行い支障なく実用試験は終了したという。

 「そうりゅう」のスターリング機関発電装置は練習艦「あさしお」搭載のMkⅡ型から加熱器、燃焼容器の改良や配管数の削減による部品寿命や整備性の改善が図られたMkⅢ型が搭戴されることになった。(上の画像)

 「そうりゅう」にはこの発電プラントが4群搭戴されている。合計240kwの電力が発生し、潜航中のバッテリー充電や艦内電源に当てられ、より長時間の潜航が可能になるのでしょうね。
 また、システム搭載による艦の大型化を抑えるため、発電機の小型化、機関及び発電制御装置の統合などのハード面の改良と酸素タンク圧力の過昇を抑えるための減圧運転機能などのソフト面の改良も実施された。
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 上の画像、少し見難いが、スターリング機関系統図を見ていたらこんな疑問がでてきた。
●酸素や燃料の配管にそれに燃焼室まで緑の窒素ガス管が接続されているのはエンジンの運転を止める時か或は非常停止でしょうか?。
●水色の冷却水系はエンジン容器やシリンダー冷却器、排気ガス冷却などは清水冷却なのでどこか別に海水との熱交換器があるのでしょうね。
●排気ガスは海水に溶かして放出するのでしょうが、泡がでてプクプクと音がでるとまずいのでどうするのでしょうね。  ど素人の疑問でした・・・。

 そして、下記参考図書によると川重は既に18SS(H18発注の潜水艦)用のスターリングエンジンの国産に着手したあった。

【関連記事】:新鋭AIP潜水艦 501「そうりゅう」
【関連記事】:静かに動くジェネレーター

【参考Web】:スターリングエンジンて何?

【参考図書】:原動機事業100年のあゆみ  川崎重工業㈱ 機械ビジネスセンター
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by pac3jp | 2008-04-18 08:39 | ウオッチング  

掃海艦 MSO-303「はちじょう」

 好天の日曜日、春霞で煙る海上自衛隊阪神基地に大型の掃海艦が停泊しているのが見えた。いつもここを基地にしている500トンクラスの掃海艇よりかなり大きい。近くによって見ると艦番号303、「はちじょう」だ。
 岸壁にトラッククレーンが止まりクレーンのアームが高いデッキの掃海装置上に伸び、乗組み員がケーブルリール付近に集まりなにかの整備をしているようだ。マストには桜一つの代将旗が揚がっている。
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基準排水量:1,000t
ディーゼル:2基 2軸
   速 力:14kt
 主要兵装:20ミリ機関砲x1・深深度掃海装置一式
   馬 力:2,400PS
   定 員:60名
 主要寸法:67x11.8x5.2x3.1m(長さ、幅、深さ、喫水)

●船体は外板を4層構造とする木製で、現役では世界最大の木造艦です。

 この「はちじょう」は明石海峡事故で沈没した船から流出した油で海洋汚染が広がり、兵庫県知事の災害派遣要請に応じて横須賀から急遽駆けつけ、土曜日の3月15日、明石海峡の水深約80メートルの海底に横たわる貨物船“ゴールドリーダー”の船体や、周囲の状況の確認作業に出動してきたばっかりだ。

c0041039_933866.jpg 搭載している対潜水艦用の深々度機雷の処分を主目的とした、S-7(2型)機雷処分具をつかい海底に沈んだ貨物船の情報を集め、海保に提供するそうだ。新聞では「水中カメラがついた探査機を使い」と表現しているが「機雷処分具」は立派な高性能兵器である。
 
このS-7(2型)機雷処分具(長さ約3.4m、幅1.8m)は本船より電源を供給する方式なので長時間の水中捜索もできるが、500トンクラスの掃海艇「うわじま」型に装備されているヨーロッパ製のS-7(1型)機雷処分具は本体に搭載された電池で駆動するため最大2時間の水中作業しか出来ず電池を使い果たすと、充電のための時間が必要になるとか聞いた。
 
 潮流の激しい明石海峡では艦の性能や装備も掃海艦の方が適しているので遠くの横須賀から派遣されたのだろう。

画像左上はS-7(2型)機雷処分具と吊り下げ用のガーター、左下は本体装置

3月18日、地元新聞の報道によると、

県と第五管区海上保安本部からの災害派遣要請を受けた海上自衛隊が十五、十六日に撮影。画像から船の名前や国際機関に届けている船の登録番号が判別できた。ゴールド号が船首をほぼ北向きに、船体の右側を下にした状態で横倒しになっていることも分かった。燃料タンク付近も調べたが、二日間の調査では油漏れの個所や衝突時の損傷跡などは確認できなかったという。
 海面上の油はほとんどみえなくなり新たな油漏れも確認されていないことや、ゴールド号の引き上げは技術的に困難であることも報告された。
 一方、県と同本部は十七日、派遣目的が達成されたとして、派遣艦艇の撤収を要請した。


 これで沈没した貨物船は明石海峡のアチコチにある沈船仲間に入り、墓標代わりの沈船マークが長くチャート上に残るのでしょうね。 合掌。
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by pac3jp | 2008-03-19 09:25 | ウオッチング  

磁気探査中

c0041039_15474463.jpg 近くの船溜まりで磁気探査中と表示した小型の作業船がいつも係留している。今、神戸港内で埋め立て工事はないので、平日の磁気探査の仕事も多分ないのでしょうね。

 以前は港内の防波堤の改修工事や空港島の埋め立て造成工事の前にはこの作業船をよく見かけた。海底にある金属製の危険物を捜しているのだ。それは戦争中、B29から落とされたが爆発しなかった不発弾や、沈んでしまった機雷など危険な物体を探し出して除去するためにきめ細かく海底を探査している。

 水中で見つかった不発弾は海上自衛隊の掃海部隊が処理する。たとえ陸に囲まれた川や池でも海自の仕事になるそうだ。だが、海岸の砂浜などでは陸上自衛隊が処理するという。その線引きはダイバー作業があるかないかで決まるそうだ。

 神戸空港島の着工前、不発弾の爆破処分をした際の報道写真を見たことがあるので、発見された古い爆弾は全て爆破処理をするんだと思っていたが、最近、海自のOBで実際に処理作業に携わった人からお聞きすると、回収した古い爆弾は一定量まとまれば外洋の2000m以上の深海に投棄されていたという。

※海洋汚染を防止する「ロンドン条約九六年議定書」に伴い、不発弾の海洋投棄が平成十九年四月から禁止されている。

 現場で爆破処理をする不発弾や機雷は、動かすと危険なものなどで周囲の漁具や建造物などに爆破の影響が出ない場合に行われるそうだ。予め磁気探査船がマークした位置に民間のダイバーが潜り現物を確認し、処理の前準備をしておく。その後、掃海艇のダイバーが入り起爆装置を外す、あるいは水中処分に決まれば不発弾にプラスッチック爆弾を取り付け遠隔操作で爆破処分する。

 神戸港など重要港湾や関門海峡などは大量の機雷がまかれ、今だその残骸が発見されるが、空港島の磁気探査でも大量の爆発物が発見され地元の掃海艇だけでは手に負えず、呉や横須賀から応援がきて大騒動だったこともあったらしい。そこにはアメリカ製のものではなく国産の砲弾などがどっさり投棄されていた。敗戦のドサクサに処理に困った部隊が神戸港の沖に捨てたのだろうといわれた。当時、その場所に空港が出来るなんて誰も想像出来なかっただろう。

 先年は戦時中、迎撃戦闘機「紫電改」などを製造していた深江の川西航空機(現、新明和工業)近くのマンション工事現場で大きな不発弾が見つかり、JRや阪神電車、幹線道路も長時間通行出来なくて大いに迷惑した。
 陸で物騒な物が見つかれば大変だ。まだ処分がし易い?水中のうちにちゃんと見つけて処分しといてくださいね。
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by pac3jp | 2008-03-10 15:51 | 特殊船