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米海軍 最新の沿海域戦闘艦(LCS) 驚きの進水風景!

c0041039_150389.jpg 米海軍が海上テロやインド洋の海賊など低強度紛争への対処に適する新艦種として沿海域戦闘艦(LCS)を開発している。水深の浅い海域での様々な任務に用いられる目的で設計され、船体はモノハル設計で45ノット(83 km/h/52 mph)以上を発揮できる。
 左画像は既に就役しているLCS-1「フリーダム」。


 2010年12月4日にウィスコンシン州マリネット造船所でLCS-3「フォート・ワース」が進水した。



 小さく見えますがヘリを2機も搭戴できる全長115m、2,862トンもある立派な軍艦をこんな風に進水させるなんて・・・。もし転覆してしまったらどうしょうなど考えなかったのでしょうか。造船所の進水水面が狭いという条件があり、高速船型で復元力も充分、でも艦上に進水要員でも乗っていたら大変だったですが短い大嵐と思えばまあいいか!!

 ワイワイとお祭り騒ぎですね。日本の護衛艦の進水式は関係者だけでひっそり(厳粛?)とやっているようですが、このように一般公開で大々的にやれば面白いのにね。

主な仕様
満載: 3,000t
全長:15.3 m(378.3 ft)
全幅:17.5 m(57.4 ft)
吃水:3.7 m(12.1 ft)
機関:CODAG方式, ウォータージェット推進(4軸)
速力:45kt(83 km/h)
航続距離:3,500 nmi(6,500 km) / 18 kt (33 km/h)
艦載ヘリ:MH-60R/S 2機
(同型艦フリーダムの資料より ウイッキペディア)

【参考Web】:LCS-1フリーダム (沿海域戦闘艦) ウイッキペディア
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by pac3jp | 2010-12-16 15:16 | ウオッチング  

インドネシアの復元古代船が日本に向け出港!

c0041039_7181221.jpg 10日ほど前の7月4日、インドネシア・ジャカルタの港を復元古代船が出航したとマスコミ各社が報道した。

 船は60フィートのアウトリガー、帆装は2本マストのラグセールのようであるがオセアニアのクラブクロウセール風でもあります。
 でも、復元古代船といっても船型などすっきりとしていて現在でも通用しそうですね。


 13世紀から16世紀までインドネシアのジャワ島を中心に栄えた「マジャパヒト王国」遺跡の発掘調査に対する支援を訴えるため、同国 政府と日本マジャパヒト協会(東京、田中穣代表)は古代インドネシアの木造船を復元した。
 6月27日に造船場所のジャワ州マドラ島を出港し、半年間かけてジャカルタに戻る約9千キロの航海がスタート。アジア各国に立ち寄り、発掘調査への資金や技術面での協力を求めるほか、地元住民との交流活動も行う。

 日本最初の寄港地は、琉球王国の交易を担った沖縄・久高島で今月中旬の到着予定。続いて那覇港に立ち寄り、仲井真弘多知事らを表敬訪問。鹿児島、横浜、東京、福岡などにも寄港する。
 木造船は全長20メートルで、ジャワ島・ボロブドゥール遺跡の8世紀ごろのレリーフに描かれた古代船を基に復元。くぎを1本も使わずにチーク材や竹などで造った。乗組員15人は大半がインドネシア人。
 2010/07/03 05:45 【共同通信】



 ボクはその復元船と沖縄の寄港地、久高島に特に興味があった。

 15世紀、明の永楽帝が朝貢体制を拡大するため鄭和の大艦隊がインド洋にも乗り出し、アラビアやアフリカまでの大航海が幾度も行われていた頃、アジアにも大航海の時代があった。勿論、日本も室町時代には官民合わせて勘合貿易を行ったし、琉球王国もその地の利を生かし中継貿易で大いに繁栄した時代だった。

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 インドネシア・ジャワでも交易船を各地に派遣して「マジャパヒト王国」がい大いに栄えたと伝えられるが当時の交易船の史料が全くないらしい。そこでジャワ・ボロブドール遺跡にレリーフされた8世紀頃のアウトリガー付航洋船や東部インドネシアの戦闘用大型アウトリガー船KORAKORAを基本型に、インドネシア研究者の英知を集め、これら史料から推定復元したという。

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 ジャワ・ボロブドール遺跡にレリーフされた8世紀頃のアウトリガー付航洋船レリーフからインドネシア研究者の英知を集め、これら史料から推定復元したデザイン図

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 復元された「スプリット オブ マジャパヒト号」釘を一切使わずホゾのようなものを使って部材を繋いでいるが、接続部の防水には天然の樹脂接着材を使っているのでしょうか、普通のマキハダでしょうかね。アウトリガーが竹なのでヒールすると水切りが悪いのでちょっと心配。

 航海予定のコースを見ると日本ではまず琉球王朝の交易を担った沖縄・久高島に入るという。本島南部沿岸にある人口200人程の小島にナゼ?と思い検索したがWebでは簡単に中世の交易の歴史は出てこなかった。インドネシア人達はかっての交易で図らずも欠礼してしまった答礼を今回はぜひしたいということである。

 久高島は琉球王国の時代から現代まで琉球神話聖地の島だし、ボクには久高イラブーを食べる勇気はないが、ほかにも色々と興味深い島なので一度は訪れてみたいと思っている。



 琉球の創世神アマミキヨが天からこの島に降りてきて国づくりを始めたという、琉球神話聖地の島である。琉球王朝時代に沖縄本島最高の聖地とされた斎場御嶽(せいふぁうたき)は、この久高島に巡礼する国王が立ち寄った御嶽であり、久高島からの霊力(セジ)を最も集める場所と考えられていた。島内には御嶽(うたき)、拝み所(うがんしょ)、殿(とぅん)、井(かー)などの聖地が散在しており、中でも島中央部にあるクボー御嶽は久高島第一の聖域であり、男子禁制である。

 それにこの島は琉球王朝時代の地割制度が唯一残っていて村有地などを除いて全てが共有地であり「久高島土地憲章」により分配・管理を行っている。

 久高島は土地が総有制、個人の持ち物ではない為に外部の資本がほぼ入れません。いつまでも、この制度を残せるように久高島土地憲章を制定して守っています。根底にあるのは、天、地、海を何よりも大切なものとしてきたこの島の生きざまです。この島にいると平気で土地を売り買いする現代社会が異常なものに感じてきます。
 島民は字から土地を借りて、家を建て、畑を耕します(ノロなど特別な役職に対しては別に土地が与えられていました)。島人には土地を所有するという概念は無いようです。まさに忘れ去られたようにここだけに残った土地制度、原始共産制の名残と言われます。正確に言うと、久高島の土地は字の共有財産、個人には使用権が与えられます。久高島にこれだけの自然、文化が残ったのは外部資本が入ってくるのを守るこの制度のおかげと言えるでしょう(久高島HPより)



 いずれ大阪にもやってくるので機会があれば現物を見てみたいが、出航時の動画ではかなりの速度で航行しているので船外機などエンジンは装備しているのかも知れないし、航海計器や通信機器は最新の機材を搭戴しているはずだ。これから日本近海は台風シーズンにもなるので安全第一の航海でやってきて欲しいと思っている。


 インドネシア・マドゥラ島スノッペンにて行われた復元古代船「スプリット オブ マジャパヒト号」の進水の様子です。



【参考Web】:日本マジャパヒト協会 とは 
 日本マジャパヒト協会は、2008年、マジャパヒト遺跡の発掘・周辺環境整備事業への支援を切り口に日本とインドネシア相互の文化と歴史の尊重と理解に立脚した新しい「かたち」の友好関係を構築することを目的に設立されました。
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by pac3jp | 2010-07-14 07:36 | 帆船  

大型コンテナ船の進水式を見学しませんか!

 神戸港では三菱重工・神戸造船所が大型コンテナ船を、川崎造船・神戸造船所はバラ積貨物船を連続建造している。ボクも両社の進水式を見学させてもらったことがあるが、小型船とは迫力が違います、一度は見学する値打ちは充分ありますよ。

「大型コンテナ船 命名・進水式」見学会参加者募集

神戸造船所では(社)神戸港振興協会との共催で、市民の方々にダイナミックで感動的な新造船誕生の瞬間をご覧いただくため、「大型コンテナ船 命名・進水式」見学会を開催いたします。
 参加要領等詳細は次のとおりですので、奮ってご応募ください。

c0041039_17441468.jpg【日時】 2009年7月7日(火)午前9時進水
    (セレモニー:午前8時50分~9時)
【場所】 三菱重工業(株)神戸造船所
      神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号
【船の概要】
 船 種      コンテナ輸送船
 全長       約302メートル
 幅         43.4メートル
 総トン数     約78,000
 コンテナ搭載個数 6,724個
【募集人員】300人

【応募要領】 「官製往復はがき」に5人までを1組として、参加希望者全員の①氏名②年齢③住所④電話番号を明記の上、6月19日(金)必着で下記までお申し込みください。なお、応募多数の場合は抽選となり、当落は応募者全員に返信用ハガキにより通知いたします。

〒650-0042
 神戸市中央区波止場町2-2
社団法人神戸港振興協会「三菱重工進水式」(ホームページ)係


 進水式を初めて見学する人には見学場所の広さとか、普通に見れない史蹟の和田岬砲台も構内にあり、あわせて見学できるメリットは三菱神戸の方にあると思います。朝早くの行事なので後の時間は神戸の観光などしてお楽しみください。神戸の新型インフルはもう大丈夫だと知事さんも言っていますので安心してお出かけください。


【関連記事】:3月18日大型コンテナ船 MOL MAGNIFICENCE号の進水を見学する
【参考Web】:「大型コンテナ船 命名・進水式」見学会参加者募集
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by pac3jp | 2009-06-12 17:55 | 貨物船  

川崎造船の進水式

 3月18日には三菱神戸造船所で大型コンテナ船の進水式を見学して、引き続いて3月31日に神戸港のもう一つの大型船造船所である川崎造船で55,000トン積のバラ積運搬船の進水式を見学してきた。

 川崎造船は神戸港内からドックや船台を裏から眺めたことはよくあるが正門から正式に入るのは今回が初めてだった。その日進水する船はシリーズで同型船が数多く建造されていて艤装岸壁にはいつも同じ船が作業しているように見えていた。

c0041039_1013897.jpg 進水式がある第四船台に行くとクレーン下の狭い通路が一般見学者の場所に指定されている。船首側には紅白の幔幕が張り巡らされバウの下部は見えなくなっている。幔幕が途切れたところから少し船尾よりはもうロープが張ってあり通行禁止になっている。三菱に較べて一般見学者の観覧席は大分狭いようである。

 船台に乗った船を滑らす方法は会社によって違うのか確かめたくて、近くの社員スタッフに「ローラーで滑らすのですか?」とお聞きすると、それは三菱さんで、ここでは「滑らすのにはせっけんを使っている」とのお返事。お風呂で使う石鹸も濡れるとヌルヌルして銭湯などで誤って足で踏みつけたらすってんころりと転倒は間違いないほど良く滑るし、海水汚染の問題はない。グリスでもよさそうだが海面がオイルで汚染される恐れがあるからなぁ。進水方法も造船所によって様々のようだ。

c0041039_1024266.jpg バウの左右に大きなアンカーがぶら下がっている(左画像)。一見、進水後の本船のブレーキに使うのかと思ったが、進水時にバウを支えた船台を水中に入ってから船底から引き離すアンカーらしい。船尾よりの両舷側に大きな錘が5個ずつぶら下がっている(下の画像)。これを投入して船足を止めるのだという。

 時間がやってきた。式典は国歌演奏・国旗掲揚からオーナー会社の社長が「KOMATUSHIMA STAR」と命名し、引き続き令夫人か、あるいはご令嬢が支綱切断となるところだがアナウンスはご母堂がそれを取り仕切るといっている。こちらからお顔は見えないが社長の年齢から考えても大分年配の女性だろう。独身のオーナーならそうするのが恒例かも知れないが、色々と下世話な憶測してしまった。

c0041039_103513.jpg 川崎造船の第1615番船の進水作業は笛の音と腹砂盤木を外す「ダーン、ダーン」という音とともに進み、オーナーご母堂の支綱切断で巨大な船体が動き出し、クス玉が割れ、船首は五色の紙吹雪に包まれ、子供たちの歓声に送られながらゆっくりと神戸港に滑り込んでいった。

 このバラ積運搬船は徳島の海運会社の船なのでオーナー地元のお客さんが大勢乗ってきたのか徳島ナンバーの観光バスが近くに駐車していた。
 工場を出てハーバーランドの岸壁まで歩いてくると、港内ではさっき進水した船をタグボートが方向転換させ、艤装岸壁に曳航してゆくのが見た。船台で見上げていたら大きいのはよく分かるが、長さの実感はない。でも横から見ると随分長く見えるもんですね。

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 このように大勢の祝福を浴びて進水する船もある一方、関係者だけで密やかに進水するフネもある。昨年の10月15日、同社神戸工場第一船台においてAIP潜水艦の2番艦「うんりゅう」が進水した。防衛省によると1隻の所要経費は約604億円(後年度負担額を含む)という。
 基準排水量2,900トンの小振りな艦体だけでも350億円以上もするので造船所にとってはきっとドル箱でしょうね。会社は商船の建造で発生する損失を潜水艦の儲けで穴埋めしてるなど聞いたことがあるなぁ。

【関連記事】1:3月18日 大型コンテナ船の進水を見学する
      2:新鋭AIP潜水艦 501「そうりゅう」
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by pac3jp | 2009-04-15 10:11 | 貨物船  

3月18日 大型コンテナ船 MOL MAGNIFICENCE号 の進水を見学する

 神戸港では川崎造船がバラ積み貨物船を、三菱神戸造船所が自動車運搬船やコンテナ船などの大型新造船を建造している。それに両社とも大日本帝国海軍の時代から引き続き現在まで潜水艦の建造もしている。

 ボクも神戸港で貨物船の進水式をやっているのはよく知っていたが、週日だったりして今まで一度も見学の機会がなかった。ところが先日応募した大型コンテナ船命名進水式見学募集に当選し昨日の18日、三菱重工神戸造船所で大型船の進水式を初めて見学してきた。

↓デジカメ動画で撮ってきましたのでご覧ください。映像に入っているタイトルの日付が2008年は間違いで今年2009年です。



c0041039_16293558.jpgコンテナ船「エムオーエル・マグニフィセンス」の完成予想図。
頂いた絵はがきより。

船主:株式会社 商船三井
起工:平成20年 10月 3日
竣工:平成21年 8月下旬
全長:約302メートル
幅 :43.4メートル
総トン数:約78,000トン
コンテナ搭載個数:6724個「ISO 型20f換算」
航海速力:約24.5ノット

c0041039_16302129.jpg 当日は朝、8時20分までの受付なので造船所の人たちと一緒に早々と正門からの出社となったが、年頃や服装で殆ど見分けが付く。本日の進水が行われる第3船台は正門から遠く、1300人もいる見学者の列は長く続いている。現場に着くと頑丈なコンクリートの船台はきれいに片付いて巨大な船体が静かに船台に載っていて、傍らに観覧席が設けてある。見学通路から船首を仰ぎ見れば確かに海で見るより遥かに大きい。大きなビルをみているようだ。

c0041039_16323339.jpg バウ付近の船底には船尾やミジップと違った鉄骨の船台がセットされていてデッキからブイの付いたワイヤーで吊られている。数えて見ると片舷15本ほどある。なんだろうと思って考えると、ミジップは船幅43mでデッキまでの高さも40mはありそうなので船台の上でも安定だが、バウは船底の幅が狭くて船尾からゆっくり船体が進水してゆくと船尾が浮き、バウの狭い船底部分に一時大きな荷重がかかる時があり、その対策で入っている治具だろうと素人考えで想像した。

c0041039_16361742.jpg 進水準備が始まると船主招待席の前には進水制御卓を中心に4人のチームが並び、三菱神戸が今日進水させる第1282番船の進水作業の指揮を執る。まず、ミジップでコンクリート船台と船とを固定してあった木のくさびを外し主綱一本だけにし、合図とともに船主会社のお偉方の奥方が支綱を切断し、セットしてあった特大シャンパンだろうか、そのお酒のビンが船体に当たって砕けると、静かに船は動き出した。

 造船所のカメラマンは船首と同じ高さのゴンドラに乗ってビデオを回している。あそこは撮影には一等場所だと思うが部外者は到底無理でビデオは船が完成した時の竣工図書の一部になるのだろう。

 見学者の歓声に送られて無事進水した船のバウからしばらくして、バシャ!という大きな水音と両舷から高い水柱がたった。バウから吊っていた進水用の治具を一斉に海に落とした音だった。

c0041039_163866.jpg 船がいなくなった船台にはソフトボールよりも大分大きい鋼鉄のボールが80個も並んだプレートが片舷に十数枚ほど残っている。触ってみるとグリスが付いているが軽く動く。この上を鋼鉄の台に乗った数万トンもあるコンテナ船が滑っていったのだ。

 そして後で海に落ちた船台や治具など進水設備はダイバーが回収するのでしょうね。進水式は後片付けも大変みたいだ。
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by pac3jp | 2009-03-19 16:44 | 貨物船  

省エネ帆装船の今昔(3)

 1980年代の石油危機には省エネ帆装船が開発され、大小船舶が実用に供せられたが、程なく石油価格の安定や、意外にセールなどの維持にコストが掛かりその後に続く帆装貨物船は日本では造られなかった。
 いま、原油は1バレル100ドルを越え、燃料高は車は勿論、船舶においても大変な時期にきているようだ。そんな時、NHKアーカイブで1983年に建造された帆走貨物船を冬の日本海でテストした「帆装タンカー荒海をゆく」と題する番組が再放送された。そして、その番組の冒頭に2007年12月15日ドイツで進水した最新の「貨物帆船」の映像が流れた。

世界初の貨物帆船がハンブルク港で進水式
報道メディア:北ドイツ放送(ndr)
発表日:2007年12月15日
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写真:北ドイツ放送(ndr)

 蒸気機関の発明以後には貨物船も含めて帆船は姿を消していたが、地球温暖化対策が叫ばれ、原油価格がバレルあたり100ドルに近づく昨今、ドイツでは《世界初の貨物帆船》が、連邦大統領夫人の臨席の下で12月15日に進水式を祝った。この船は1月にベネズエラに向けて処女航海に出る。
 全長 132 m のこの船の特長は、主機関のディーゼル・エンジンをコンピュータ制御のパラグライダ式の帆が助ける点にある。帆の面積が160 m2 ならば 20%、320 m2 ならば 30% の燃料が節約できる計算とのこと。600 m2 の帆も準備中。

 
 パラセールを推進力に採用したのはさすがドイツ人だが、「世界初の貨物帆船」と言っているのはちょっとおかしい。日本ではパラセールタイプは無かったがマストに展開するセールを持つ貨物船は20年前には存在した。凧のように揚げるパラセールは大洋の貿易風帯をずっと追手で走る航海ならもってこいだが、風が横に振れたり前に回れば効果はない。大圏コースを航海する本船では片道しか帆走できないかもしれない。また、風向の変化が多い日本沿岸を航海する内航船ではまず無理だろう。

 実はドイツで82年前の1926年、風力を利用する貨物船「バルバラ」が造られている。セイルではなく3本のローターを風力で回転させ推進力を得るという発想で造られたそうだ。その原理は野球の変化球と同じ理論によっている。
 大雑把にいうと、投手が投げたボールが回転していると、その回転でボールの表面の片側に空気の圧力の高い部分が出来、その反対側が低くなる。その圧力差でボールの進む方向が変わり、変化球となる。その原理を使い、ボールの代わりに風の中で大きな円筒を回して円筒の外側に圧力差を起こし、それが起す力で船を推し進めるというものだった。
 地中海への初航海では主機関で約10%の節約が出来た。でも、追手の航海では変な癖が出てうまく走らなかったらしい。

 1980年代には省エネのテーマは燃費や人件費の低減が主だったが、現在は地球温暖化対策が大きなテーマとして叫ばれている。
 日本の船舶でも政府が主導して「エコシップ」(エネルギー消費効率の優れた船舶)など進めているが、船舶の主推進力を自然のエネルギーから調達するという正面から向き合う省エネの大物アイデアはなくソーラーパネルや風車で貨物室の照明を賄うなど小物?省エネ対策や固定バラストを装備し、バラスト水の量を減らし海域の環境保全に当るなどがあるが・・・。

 開発リスクの大きい帆走型より、抵抗の少ない船型やガスタービン対応型新船型 、電気推進式二重反転プロペラ型ポッド推進器を用い電気制御による人員の削減や操船の簡易化など補助金の付きそうな「エコシップ」の方向に進もうとしているのだろうか。

【関連記事】1:省エネ帆装船の今昔(2)
【関連記事】2:省エネ帆装船の今昔(1)

参考図書:酔狂な船たち 三宅啓一著
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by pac3jp | 2008-03-21 12:09 | 帆船  

新鋭AIP潜水艦 501「そうりゅう」

 春のボートショーで小型船用のスターリングエンジンを使ったジェネレーターが展示されていた。オモシロそうなので色々調べていると、三菱・神戸造船所で建造中の潜水艦にスウェーデンのコックムス社製のスターリングエンジンが4基搭載される予定だという。このエンジンは川崎重工がライセンス国産していて、潜水艦に詳しいボクの知り合いは「今、ウチのもんが三菱に据付に行っているで!」と言っていた。

 先週、12月5日、三菱重工神戸造船所で新鋭潜水艦「そうりゅう」が進水したと新聞報道されていた。


AIP潜水艦:新型「そうりゅう」が進水--三菱重神戸 /兵庫 (毎日新聞・神戸版)

c0041039_1561676.jpg 神戸市兵庫区の三菱重工業神戸造船所で5日、海上自衛隊の新型潜水艦「そうりゅう」(排水量2900トン、乗員数約70人)の進水式があった。 新型艦は全長84メートル、幅9・1メートル。地上の大気を使わずに発電できるエンジン「スターリングAIP」を初めて搭載し、従来の「おやしお型」よりも長時間の潜行が可能になったという。水中を時速20ノットで航行できる。建造費は船体のみで350億円。
進水式には関係者約200人が出席。艦内装備工事や試験航行をして09年3月に引き渡す予定。【山田泰蔵】


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 潜水艦の進水式も行って見たかったが、関係者でもなく招待もされてないので、この週末に仲間と艤装岸壁にいる「そうりゅう」をに見に行くことにした。

 三菱の岸壁には3隻の潜水艦が係留されている。定期検査だろうか既に就役している2艦には軍艦旗が、セイルには将官旗が翻っている。お偉い方が在艦中のようだ。
c0041039_1511819.jpg 艦番号は501、「そうりゅう」は進水してまだ3日しか経ってないのにセイルやデッキにはもう工事用の足場が組まれている。まだ2年間はここで艤装工事をするので勿論、軍艦旗はあがってない。潜水艦は船体の殆どが海面下なのでどれも同じように見えるが、この艦からX舵が採用されいて他の2艦と少し印象が違う。


c0041039_15131061.jpg AIP潜水艦はお隣の韓国でもドイツのHDW社の技術で現在建造中である。同じタイプをドイツに発注したギリシャ海軍は新型AIP潜水艦の性能が計画通りではないとして、受け取りを拒否したとの報道もある。AIP技術は実用には中々難しい技術のようだ。
 
 日本のAIP潜水艦が期待どおりの性能を発揮できるかはこれからのことだが、2年後に就役した時は周囲を広い海に囲まれた国土をしっかりと守る為にも頑張ってほしいと思っている。

参考:非大気依存推進 (Air-Independent Propulsion、以下AIPと略する) は、内燃機関 (ディーゼル機関) の作動に必要な大気中の酸素を取り込むために浮上もしくはシュノーケル航走をせずに潜水艦を潜航させることを可能にする技術の総称。ただし、通常は核動力を含まず、非核動力艦のディーゼル・エレクトリック機関を補助・補完する技術を指す。

以前の記事から:【静かに動くジェネレーター】
【関連記事】:「そうりゅう」のスターリング機関発電装置
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by pac3jp | 2007-12-10 15:19 | ウオッチング  

進水式

 寒いけど、穏かな日曜日のお昼前、ビジターバースに真新しいヨットと関係者らしき人達が進水式をするのだろうか、大勢集まっている。


c0041039_1323250.jpg 近づいて見ると、近頃良く目にする、ヨーロッパのプロダクションヨットの洗練されたデッキとは相当雰囲気が違う、チョット変ったデッキデザインをもったヨットであった。フネの大きさは35f位だが、異様に大きなステアリングホィールが目立っている。
 大きなラットはレース艇のようだが、レースをするにはにしてはコクピットが深いし、狭い。今様のクルージングヨットでもないように見えた。まだ、完全に艤装されていないのか、デッキ中央にセットされるであろうドジャーもないので全体のイメージは今一つだが、全ての装備がついたときにはそれなりに収まって行くのだろうね。

 このフネの関係者にお聞きすると、デザイナーは横山一郎さんで名古屋のツボヰヨットが作ったそうだ。ボクも昔、この組み合わせでフネを作ったことがあるのでよく見ると、金物類には見覚えがあるようなものが付いている。

 そして、オーナーはこのヨットで来年の「メルボルン⇒大阪」 ダブルハンドレースに出るらしいと教えてくれた。メル・阪レースに出るに少々小さいが、そう聞けば合点が行く。高いコーミングに囲まれた前後に長いコクピット。これは外洋の長距離の航海には必要だ。
 キャビン内は見学しなかったが、充分なボリュームがあるので結構なクルージング装備が搭載できるだろう。
 ドジャーの中に海水が入らないようにマスト周りのコントロールロープはコーミングの上の専用トレンチからコクピット後部左右のウインチにリードされている。このあたりは無寄港世界一周したマーメードもそんな感じだった。

 お客さんを乗せて試乗をしているシルエットを見ると、ステムはほとんど垂直に立ち上がり、船体は軽々と浮いているように見える。ハル船型は純レーサーのようである。機走も結構速いとおっしやっていた。これから、クルーのトレーニングやヨットのシェイクダウンをやって来年のレースに備えるのだろうね。ここのハーバーからメル・阪レースに出るのは最初のヨットかなと思うが・・・。

 このハーバーでは今年も春先から信号旗やテープでデコレーションした新しい大、小のヨットやボートの進水式をよくやっている。
 土曜日もボクの後ろの桟橋が賑やかなので見ていると岡崎造船の30fくらいの新艇が工場から回航されてきていた。

 また、長い間、振り向けば何時もいた友人のヨットは外国にお嫁に行き、居なくなってしまった。いま、ぽっかりと大きなスペースが空いている。だが、まもなく、新しいヨットが新しいオーナーの夢を乗せてやって来ることだろう。
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by pac3jp | 2006-02-06 13:31 | ウオッチング