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ジャイロ六分儀(Gyro sextant)

 いま、神戸大学の海事博物館で「航海術と計器の発展」という企画展が開かれている。(2011.7.15~2011.10.28)

 古い航海計器などに興味があるので7月18日の「海の日」に見学に行ってきた。この博物館は原則、土・日・祝日は休館で月・水・金の13:30~16:00のみ開館しているというマイナーな施設ですが、さすがに海事博物館なので祝日の「海の日」には開館していた。

 航海計器も色々あるが、ボクが今回初めて実物で見たのが「ジャイロ六分儀」と「気泡式六分儀」だった。
 六分儀で天体を観測する場合は必ず水平線が明瞭でなければならない。しかし、明るい月夜か薄暮、薄明の短い時間しか観測できない欠点がある。そこで水平反射鏡、水銀盤など人工水平を使って観測する多くの方法が試みられてきたという。

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 ↑「ジャイロ六分儀」は初めて見聞きするタイプの六分儀だった。
   メーカー名;PONTHUS'&THERRODE PARIS'

 「真空中で高速回転するジャイロを利用してこれを六分儀の水平鏡の前に取り付け人工的な水平線が得られるように工夫されたものです。」(説明板より)

 保管箱に入ったジャイロ六分儀を眺めるとフレームに取り付けられた円筒内にジャイロ本体が入っていてその底にガスコックのようなものが2個付いている。これが真空ポンプの接続口だろう。でもジャイロを高速に駆動させる動力源が見あたらない。

 係りの人に聞いても「ジャイロの回転が空気抵抗で落ちないように真空にしている。最初の駆動は紐で回しているのかもしれない・・・」と「地球ゴマ」の遊びかたのようなお返事だった。それにしても天体観測に先立ち真空ポンプを用意するのは大変だったですね!

 このジャイロ六分儀は航海用ですが、元々は飛行機の航法士が使っていたのでしょうね。航空用のジャイロ六分儀はこちらをご参照下さい。

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 ↑「気泡式六分儀」(Babble sextant)はアルコール水準器を六分儀の中に組み込み、人工的に水平をつくり観測するなど割と理解しやすい構造を持っている。こちらも初めは航空機用として開発されたが海上でも使用された。しかし、10分以内の精度はでなかったという。
メーカー名:島津製作所

 どちらも展示ケースに入っていて詳しい構造が分らなかったのでもう一度出かけて詳しく観察してこようと思っている。

【関連記事】:セクスタント
 
【参考Web】:神戸大学 海事博物館

 
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by pac3jp | 2011-07-24 16:58 | ヨットの艤装と艤装品  

風信盤・・・「陸奥記念館」

 遺品などが展示されたケースのなかに航海用だろうか、或いは砲術用なのか、小さい円盤様のハンドツールが並んでいた。海から引き揚げたものではなく当時「陸奥」で使っていたものを乗員の縁者が寄託したのだろう。

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 ↑「風信盤」と中々クラシカルな名前だ。説明板には、航海中、風速計で測ったものから更にこの計算盤で真の風向・風力を算出するものと説明されている。
(クリックすると大きくなります。)

 詳しく観察すると円周には360度の方位が刻まれ中央の太い部分には艦速の目盛りが0~30ノットまで打ってある。そしてその目盛りの上を移動する右のアームは風力が2~60ノットまで打ってある。艦速プレートに接続された上のアームの刻印が読めないのが残念だがこのツールで簡単に真の風向・風速が計算できるたのでしょうね。

 でも軍艦の航海用にこのようなものは使わないでしょうし大砲の照準には真の風向・風速を射撃盤に入力する必要があるのでちゃんとした専用の計器があると思うし・・・はて、何に使ったのでしょうね。


c0041039_13141258.jpg この「風信盤」を見ているとずっと昔、コンパスとデッキに貼り付けたMUSUTOの計算盤「コンピューコース(Compucourse)」でレースコースを帆走っていたこともあった。コミッティが上マーク設置後、風の振れでスタートラインの傾きでコースに有利・不利がでるのでこれでチェックするのだ。単純にコンパス角度を暗算で計算しても良いのだが、ボクの頭はつらいハイクアウトが長く続く状況では計算・メモリー能力はどんと落ちてしまい役に立たなくなってくる。しかたなく簡単操作の「コンピューコース」に依存していたのだが・・・。

 ↑「Compucourse」サイズ:140×190mm もうウン十年前に買ったものだが探したら出てきた。今でもまだ販売されているのだろうか。

 またフネでよく使う円盤と言えばチャートのコンパスローズだ。ボクのクルージングポリシーは紙チャート主義だったのでGPSプロッターはバックアップで使い、定規は「チャート プロットレクター(Chart Protractor)」を使っていた。日本古来の三角定規は持っていたがほとんど使わなかった。このツールはチャート上でコースを引くと円盤を回し地元の偏差にマークをつけておくと即、磁針方位がでる。わざわざコンパスローズまで定規を動かさなくても良いのだ。操作は簡単だし値段も安い。今でも多分20ドル位だろう。ずっと重宝していた。でも高機能GPSプロッターや電子チャートが増えてきたのでもう既にオールドタイマー専用品でしょうね。きっと。

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 ↑「Chart Protractor」サイズ:130×385mm 19.99$ westmarine

 ボクも電気もないレーザーに乗っていた頃は小さなコンパスとカンだけで走らせていたので見かけの風だけで充分だった。やがて大枚をはたいて設置した風向・風速・ログにGPSを加えて使うようになってくると、昔は原始的に走っていたなどと思っていたが、ディスプレーに出てくるデータを充分に使いこなすこともせず(出来ず)やっぱりカンが主体で走っていた。そんな時でも“運”がよければローカルレースで上位に入ることもあったなあ。

 こんな昔話をしているとまたシングルハンダーで帆走ってみたい想いが出てくるが、今度は体力不足が大問題になってくる。
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by pac3jp | 2011-05-29 13:27 | ヨットの艤装と艤装品  

ヨットハーバーの春

 2011年2月末、ちょっと寒い日もあるがもう春がそこまできているという休日、久し振りに新西宮ヨットハーバーを訪れると今年もロングクルージングを目指すセーラーたちが艇の整備に余念がない。そして、もう4月になれば今年のクルージングシーズンが始まるのだ!

 いつもお世話になっているDreamさんに寄ると、今年の旅は北に向かう計画でガスの多い北の海に対応するレーダー、AIS、25Wの国際VHFなど電子航海機器関連の整備にベテランの助けを借りながら熱心に取り組んでいらした。

c0041039_1232463.jpg 左上画像はステアリング前の計器パネル裏の換気用ファンの取り付け中で、これは大事なGPSナビの熱暴走を防ぐためという。いまや紙チャートで航海するヨットマンは少数派になってしまいましたね。

 計器パネル上に乗っかっているのはレーダーのディスプレーですが、不安定なので今後パイプフレームで補強される予定。

 左下画像 スターンのアンテナポストには各種アンテナが林立?しています。左から国際VHF・GPS・FM/AMラジオ・AISとなっている。マストにもレーダーアンテナがセットされている。スターンは昨シーズンまでドナルドダッグだけが頑張っていた場所なのにえらい変わりようです。
 でも、電子航海機器は取り付けただけでは駄目で使いこなしてこそ有用になるので船長さんはこれからはレーダーやAIS、それにパソコンの操作の習熟など頭の痛い仕事が増えそうですね。

 このところ新西・ピアネットワークでは沿海装備で行けるようになった沖縄方面が人気で今年も3隻~4隻で船団を組みクルージングすると聞いている。先遣隊が昨年から宜野湾マリーナに滞在しているので沖縄周辺の水先案内?にも不安がないからかな・・・。

 まあ、後から出かけるほど航海情報も増え安心ではありますが、海況は情報通りには行きませんの皆さん、安全第一に楽しんできてくださいね。


【関連記事】1:ヨットの船首像? 
      2:ヨット用?ガーデニンググッズ 
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by pac3jp | 2011-02-27 12:07 | ウオッチング  

伊能図のコンパスローズ

 コンパスローズといえばチャートのアチコチに印刷されていて真方位と磁針方位の目盛りが打ってあり、装飾性は一切なく機能のみが正確に記入されたチャートの一部分であるという認識である。

 ところが並べられた伊能図では色合い豊かなコンパスローズがたくさん散らばっているのが目につく。ここではコンパスローズが伊能図をつなぐ合いマークとして使われている。

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    (クリックすると少し大きくなります)
 今回は大図の内、特に色彩豊かで精巧に描かれた長州藩・平戸藩に献納され伊能図副本と言われる大図の周りから撮影したが、他の地方のものもある。明治に複製した図にはこのコンパスローズを丁寧に書いていない図もあるという。

c0041039_6525161.jpg 左上の画像がやや荒っぽく描かれたコンパスローズ。半分より下はきちんと写されているが、上にくる地図の写本の完成度がやや低いのだろう色合いや方位文字の記入がない。

 左下画像は古いハンドベアリングコンパスを撮影した。文字が反転しているのは方位をプリズムで読むからです。

 この伊能コンパスローズを見ていると、つい最近まで使われていた磁気コンパスカードの北には「N」が入っておらずに特徴ある絵柄が配置されていた。これはブルボン家の百合(Fleur-de-Lys)というが、これとよく似たデザインが北を示す位置に描かれている。

 16世紀、ヨーロッパの大航海時代のコンパスにはブルボン家の紋章が既に使われているが、鎖国の日本にも200年前、19世紀初めにはこの紋章が「北」のマークとして地図に描かれていることが面白いですね。
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by pac3jp | 2010-09-18 06:57 | 歴史・民俗  

彎窠羅針(わんからしん)と船磁石

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 伊能忠敬は従来からあった導線法という測量法に交会法と天測をあわせて日本全国を測量した。
 曲がった海岸線を測量するとき、直線の連続になるように梵天をたて、杭を打ち、測線を設定し、その距離と曲がり角の方位を測りながら進んででゆく。距離は間縄や鉄鎖それに歩測も、方位は小方位盤(彎窠羅針(わんからしん)または杖先磁石ともいう)で測る。

 銅像の伊能忠敬が右手に持っている杖先磁石を特別講演で先生は「彎窠羅針」とおっしゃていたのでこの呼び名が正式名だろう。彎窠(わんか)という難しい漢字だがどうも「ジンバル付きコンパス」というイメージのように感じている。

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c0041039_5595773.jpg ↑会場にこの「ジンバル付きコンパス」の複製品が展示してあった。(覗尺は収納状態です)
 方位は十二支で表示されているが目盛りは360度切ってある。でも「逆針」(さかばり)である。この時代に精密な目盛りを切り、磁針の軸受けに水晶を使い、尚かつジンバルに乗ったコンパスは伊能忠敬のアイデアだそうだが中々大したものである。

 ちなみに、1560年にイタリア人が船舶用のジンバルを発明しているので彼は書物などそれを知り応用したのかもしれない。


c0041039_61247.jpg 逆針の磁石といえば和船の船磁石(右画像)を思いつくが測量の分野でも使われていたとはボクの新しい発見だった。
 でも、梵天の角度を測るとき覗きスリットを梵天に合わせ磁針の示す角度を読めば方位が分るので簡単で便利である。
 「逆針」は磁針タイプのコンパスを使い続けた日本独特のアイデアで、一番最初は船乗りではなくやっぱり測量家が考え使い始めたという。

 和船では操舵用として磁石の子-午(北-南)の方向が船首尾方向に固定して使用し、逆廻りになっている方位の磁針が指す針路が現在の進行方向になる。勿論、目標の方位を測定する普通の磁石もあったのでこちらは「本針」といったそうだ。

 和磁石の構造は轆轤でひいた木製の円筒を台盤としてその中をくり抜いた中心に鋼の支軸を立てその上に磁針を乗せた簡単なもので方位目盛りは十二支だが、中間点の刻線によって24方位となっている。製作者は「はりや久兵衛」「さかいや仁兵衛」など大坂の業者が大半を占めていた。船磁石に彎窠羅針のジンバルのような揺れにたいして安定した針路を示す機構が取り入れられなかったということは弁才船など殆どが沿岸航海でコンパスがそう重用されなかったからでしょうね。

 一昔前にヨットで使っていた同じような道具、「ハンドベアリングコンパス」は方位を測定する方向に向け、そのコンパスカードを読めばとっても簡単?なのだが、揺れるヨットのデッキでコンパス方位の測定は意外と難しかったですね。
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by pac3jp | 2010-09-14 06:14 | 歴史・民俗  

バイキングの太陽コンパス

c0041039_17101978.jpg 磁気コンパスもなかった今から一千年もの昔、アメリカ大陸を最初に発見したといわれるバイキング達はどのようにして太洋を航海していたのかとその航海術を解明するテレビ番組があった。

 ノールウェーのべンゲルから北海を渡り400km先のシェトラント諸島までの北海を復元した大型のヴァイキング船「クナール」に乗り組み古代の航海術で航海するのだ。ナビゲーターには英国の「サー」の称号を持つ有名なヨットマン「ロビン ノックス-ジョンストン卿」が乗っている。そしてその針路を決めるのはバイキングの「太陽コンパス」だった。

c0041039_17115749.jpg 太陽コンパスの発見は1948年デンマークの考古学者がグリーンランドの遺跡から用途の分らない16個の目盛りがついた木製半円盤を発掘したことから始まった。最初はコンパスカードなどの方位板ではないかと研究され「ヴァイキングの航海」という本に纏められたが、当時は否定的な意見が多く結論にはいたらなかった。その後、30年がたち、1978年スウェーデンの天文学者が興味を持ち調べた結果、半円盤の表面についていた引っかき傷がノーモンの線であるという確証をえた。

c0041039_17131259.jpg この線は日時計の中心の棒(Gmonom)の先端が描く軌跡であり、ノーマン線がノーマンに最も近い時の影は南北を示すことになる。これを基準として方位が定められるから、この線を持っていれば、この円盤を水平に置き、ノーマンの影の先端がノーマン線に接するようにすればその影の方位が太陽の方位を示すことになるのだ。

 このノーマン線はこのコンパスを使用する海域の緯度と太陽赤緯それにノーマンの高さによっと異なるから、季節、場所によって多くの曲線群が用意されなければならない。

 太陽コンパスを実証するためにデンマーク国立博物館のアドバイザーだったテアンド船長が自作のコンパスで海上実験した。特に1991年、3隻の復元ヴァイキング船が大西洋を横断した時、この太陽コンパスも使われ良好な成績を収めた。

c0041039_1715586.jpg また、今回のナビゲーターだったジョンストン卿は彼の「スハイリ号」でグリーンランドへの航海にもこのコンパスを使用した。そして充分に使えるとの確信を得て、その後に行われたカティサーク・帆船レースの会長として2500台もの太陽コンパスをデンマークのテアンド船長に発注して各艇に使用させた。このようにしてこの遺物は確かにバイキングが使った太陽コンパスであり、充分実用に耐えることが証明されたのである。

 現在の天測では時間に対応する太陽の高度方位角の計算を行うが、太陽の高度に対応するノーモンの影の先端の軌跡を描けば、それが、ノーマン線となる。今考えれば我々が日常行っている計算と同じことをバイキングはアナログ的に実行していたわけで、この太陽コンパスの精度のよいのは当然である。(航海技術の歴史物語 飯島幸人著 より)

c0041039_1721960.jpg また、バイキング達はいくつかのサガ(北欧中世の散文物語)のなかにグリーンランドへの水路誌のようなものもあり、それには島の形状、浅瀬の場所、海流の性質や海洋生物の存在など、船乗り達が幾世紀にもわたって語り継いできたものをまとめたものようだという。

 しかし、バイキングがこのような太陽コンパスを一千年前に使っていたことが分ったのが、つい30年前だったいうことが意外だったなあ。
 でも、大西洋をオープンボートに乗り、太陽がでない雨の日も星が見えない白夜もあるのだ。そんな太洋をコンパス一つで渡ってゆくのは大変な勇気がいったでしょうね!!

【参考Web】:サー ロビン ノックス-ジョンストンさんのHP
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by pac3jp | 2010-02-11 17:26 | シーマンシップ  

AISの運用は

 画像は本日、12/21 12:50の明石海峡大橋付近でAIS信号を発信して航行している船舶です。緑は貨物船、赤はタンカー、青は「たこフェリー」と須磨沖は神戸港からのレストランシップです。淡路島側の汐鳴山の北にあるグレーの四角マークが「AIS 陸上局」の大阪マーチスです。
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 本船のブリッジではAISの情報をどのように見ているのだろうと調べて見ると、500トン以上のAIS(CLASS-A)を搭載している394隻の船舶からのアンケート調査によると、よく利用する機能としては、1.他船の船名確認(293 隻)2.他船の針路・速力(239 隻)3.他船の目的地確認(234 隻)との回答があり、どれも重要な情報として利用されていることがわかった。

 AISで安全な航海をしようと思えば出来るだけ多くの船舶がAISを搭載すれば良いわけだが、現在でも護衛艦や海上保安庁の巡視船、水産庁の漁業取締船等の船艇は職務遂行の為停波していることが多い。漁労中の大型漁船が漁場の位置を秘密にする為にも停波出来る。また海賊やテロリストがいそうな危険な海域では停波が認められている。それに船員が故意に止めたり、設定が間違っていることもある。

 しかし、500トン以下の内航船でも新造される船舶には任意にAISを取り付けする船主も多いようです。目的は航海用の他に自社船の状況をネットワークからリアルタイムで把握することが出来るからだというが、小型の内航船や漁船、それに我々のプレジャーボートまでが装備するようなると安全の為に他船に呼びかけるのも固有名詞が使えより効果が大きくなるだろう。

 一方、海上保安庁は、24時間体制でAIS 陸上局による沿岸域の動静把握を行い、VHF 無線を連絡の主な手段として、乗揚げ及び走錨のおそれのある船舶へ注意喚起を行うなど安全情報等を提供することで海難の発生を防ぐ目的も持って運用している。

AISをネットを検索しているとこんな話も出てくる。

●保安庁の言い分↑は大義名分であって実際には、沿海ラインオーバーの船舶の取り締まりや航路違反の取り締まりにも利用されています。注意喚起を行うほかと言いながら、沿海区域を数マイルオーバーしただけで検挙したケースもあると聞きます。それだけで罰金数十万円です。

●本船も船長が明石海峡で漁船を避けるために50m航路をオーバーし200m走った罪で検挙された時がありました。罰金20万円その際、注意喚起なく航路アウト後いきなり検挙。しかし女性保安官が船長操船で本船になかなか接岸できず・・・しばらくトライの末・・・本船の船尾にオカマ掘り接岸。
 こういった時は、漁船がいることを巡視船にVHFで通達し保安庁の誘導のもと行動するのが正しいそうです。その際男性保安官が言っていたのが女性保安官は容赦ありませんので・・・と、たしかに、航路オーバーした船長も悪いですが明石は航路ブイがないですからね・・・(チャートには航路枠の表示はあるが現場は航路中央ブイが3ヶ所あるだけ)
まずは注意喚起・それでもダメならなら話はわかるのですが・・・

 下の画像は今年の10月7日夜に広島・福山沖に台風避泊した船舶のAIS位置ですが、1隻だけなぜか陸上に避泊しているフネがいます。
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 12/18の記事でCLASS-BのAISを搭載したヨットをご紹介したが、お近くにもう一隻の仲間もヨットにレーダーを新設した折、AISをあわせて搭載したと聞いている。クルージング中に大型船から轢かれない様にと新規にレーダーを購入しようと思ったらレーダー画面にAISを重畳できる機種を選ぶのがいいかもね。


【関連記事】:AIS(船舶自動識別装置)を搭載したヨット

【参考Web】:インターネットでAIS情報が見えるHP MarineTraffic.com 
【参考Web】:港内航行安全システム等の見直しに関する調査 平成20年3月「AIS を活用した安全対策の検討」
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by pac3jp | 2009-12-21 15:43 | ウオッチング  

AIS(船舶自動識別装置)を搭載したヨット

 規制が緩和され、国際VHFも5Wのハンディだったら2万円少しで買って第三級海上特殊無線技士の従事者免許があれば、申請書に7100円の印紙を貼って申請すれば艇名を識別信号にした無線局免許状がくる。それを貰えばもうおおっぴらに本船と交信できるのだ。ついでに簡易型AIS(Class B)をつければもっと便利になるという。

 AISの搭載義務船舶(Class A)は、300総トン数以上の国際航海する船舶、500総トン数以上の非国際航海の船舶、国際航海の全旅客船となっている。それ以外の搭載義務の無い船舶向けには無線免許の要らない簡易型AIS(Class B)が販売されている。そんなAISをお仲間のヨットが取り付け運用していると聞いたので見せてもらってきた。
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 上の画像はヨットハーバー(右下)に係留しているヨットのコックピットにあるレイマリンチャートプロッターE80(※2)の電子チャート上にAISとレーダーを重ねて表示した画面である。三角のくさびマークはAIS信号を発信している船舶です。左の防波堤の沖(港外)にいるのは航行中で、岸壁に並んでいる③~⑧(※1)は接岸中の船舶です。ターゲットした⑨番の船のAISのデータが表示中です。プロッターの左上に⑨番の座標と方位・距離がでている。

 このよう夜間や降雨、それに濃霧が発生していても画面上にあるアイコンにカーソルを乗せれば相手の船名、種別、針路、速度、船の大きさ、国籍などが表示される。VHFで相手を呼ぶときにも正確に船名を告げられる。それに自艇もAISを発信しておけば相手もはっきりと確認してくれる。

 当然ながら監督官庁である海保にもちゃんと監視されていることにもなるので公明正大に航行する必要がありますが、位置を公開するのが嫌なオーナーさんにはAIS信号の受信オンリーのタイプもあります。

 見せてもらったヨットの簡易型AISは輸入品だったが国産では古野電気が発売↓している。

c0041039_16544162.jpg FURUNO 簡易型AIS FA-50
■NavNet 3Dやレーダー(FAR-2107シリーズ、FR-8002、MODEL1835シリーズ)、PC等で、AIS情報を表示
■周波同時受信
■クラスA、B 双方のAIS情報を受信
■周囲の船舶(AIS搭載船)の動向把握に加え、相手船に、自船の動向を明確に示すことができるため、安全航行に大きな効果を発揮
■目視がきかない夜間や濃霧時、また、混雑する海域での安全航海をサポート
■壁面装備も自在。ブラックボックスタイプ
■WINDOWS PC上で表示が可能な、AIS表示ソフトを標準装備
※本機は、クラスAの義務装備船には、代替できません

 コックピットに高級なNavNetや多機能ディスプレーを持たないヨットマン用にはパソコンの画面に表示するソフトも付いているのでCMAPなど電子チャート上に表示出来るのかもしれないですね。

※1.白丸の番号は説明用に後から記入したものです。
※2.レイマリンチャートプロッター「E80」は25WのVHFとプロッターのセットで2,700ドル(12/18Web調べ)でした。チャートデータ・レドームアンテナはオプションです。

【関連記事】1:大阪マーチスがAIS(船舶自動識別装置)の運用を始める 
【関連記事】2:APRS 
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by pac3jp | 2009-12-18 16:59 | ヨットの艤装と艤装品  

コクピットから見えるディスプレーの取付け方法は

 コクピットから見える位置にレーダーやGPS・魚探のディスプレーを取り付けようと思ったとき、セキュリティの良いマリーナで艇を預けているときはそう気にすることもなく見易い場所にセットすればいいが、長いクルージングに出る場合、或いは常時係留する泊地がオープンで盗難の恐れがあるときなど鍵の掛かるキャビン内で格納するのが一番安全である。

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 上の画像はコンパニオンウエイの天井にディスプレーをスライドさせて取り付けるために長めのウッドラックにディスプレーのマウントをセットするイメージ図である。

c0041039_188829.jpg 今年の夏、秋田から沖縄にやってきたクルージング艇が移動式のディスプレーラックを上手に工作しているのを見せてもらった。このレーダーディスプレーは遠くから見るので大きめだし重量もあるので、ウッドラックを2本にして強度と安定を図っているようだ。

 オーナー曰く、ラックは可動式のダイニングテーブル?だったかどうか失念してしまったが、家具の部品を転用したとお聞きした。
 定位置は左舷のチャートテーブルの上。長短2本のラックが伸びている。(画像上)

 ディスプレーの裏側から撮影した画像。ウッドラック横にケーブルを吊るワイヤーとナイロンのハンガーが見える。ウッドラックに位置固定用のプラスチックの蝶ネジがある。スライダーのコマはオリジナルの転用だろう。(画像中)

 コンパニオンウエイに引き出されたレーダー/プロッターディスプレー。(画像下)

 今後、電子チャートだけで航海するヨットマンが多くなってくるとGPS機器の故障や盗難対策が特に重要になってくる。故障時ののバックアップ機材を持つのは当然だが、旅先の港で外出するとき、ステアリング付近にずらりと並べた高そうなプロッターや無線機は泥棒にとっては格好の獲物である。しっかりと防犯対策をしましょうね。
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by pac3jp | 2009-11-24 18:11 | ヨットの艤装と艤装品  

大航海時代の天測器具

 航海者は沿岸から離れて太洋に乗り出すとき、太陽や北極星の高さを観測し、緯度を求め、船の位置や針路を定めていた。そのための航海器具が次々と現れ改良されていった。

c0041039_15344413.jpg 最初に使われた器具は「コードランド」(画像左上)と呼ばれる、木か金属で出来た分度器を半分にした円の四分の一の形をしていて、その直角をなす中心線から錘が吊り下げられている構造をしている。
 使い方は図のとおりで、角度は目盛りで読むのだが初期の頃は字が読めない船乗りも多くいたので海上で計測するというより船が出航する港の緯度を覚えておくという使い方であり、目盛りより船が立ち寄る主要な港の緯度が記号などで書き込まれていたという。航海に使われ始めたのは1460年頃と記録にあるが実際はそれより30年くらい前から使われ始めたようだ。

 その後、天文学者用から船舶用に改良された「アストラーベ」が現れ、「コードランド」と両方がコロンブスの航海につかわれたとあるが、重くて使いにくい「アストラーベ」で観測をしたという記述が航海記のどこにも見当たらないという。

 「クロス・スタッフ」(画像左下)は構造簡単な器具でB.C.400年頃すでにカルデアの天文学者が使っていてたといわれている。形が十字架に似ていることから「ヤコブの杖」と呼ばれていた。航海用としては1514年に提案されたが当時は長い木の棒に長さの違う四枚の板の一枚を通す構造になっていて、観測者は角度に適した一枚を選び図のように観測した。
 太陽を観測するには油煙の付いたガラスを通すなど改良が進み、やがて1530年頃から可動板とクロス下辺の目盛りを読む形になってきた。この「クロス・スタッフ」の測角範囲は3度~60度で太陽が高い低緯度や高緯度で北極星の観測が出来なかった欠点があった。
 そして、1594年にクロス・スタッフから格段に進歩した「バック・スタフ」が発明され、次つぎと現代の六分儀へと進化してゆく。

c0041039_1537585.jpg 「クロス・スタフ」は誰もが体験できるように六分儀と一緒に台の上に並んでいる。担当スタッフはボクにこちらをとセクスタントを指差したが、構造簡単な方のクロス・スタッフを選んで挑戦してみた。

 向かいの壁の模擬天体の北極星を狙ってみる。棒の端から覗いて可動板を手で動かし、北極星を見るわけだが簡単なようで正確に測るのは目の位置など難しい。この器具は水平線側は固定されているのに、この調子では動く小型船内での観測はとても難しそうだと思った。

 利点はその簡単な構造だ。勿論自作もできそうだ。棹が長いのがちょっと邪魔だが横に使えば角度を測ることも出来そうだし・・・。

c0041039_15375912.jpg 道具さえあれば割合正確に天体の角度は測れるが、天測道具をもたなかった古代の航海者も北極星が緯度を示すことは知っていた。そこで彼らは腕を一杯に伸ばし、指を横にして1本の幅を単位として角度を測った。この単位を「イスパ」といいおよそ2度である。

 手のひらを開いて親指と中指は10イスパで約20度、画像の人差し指と親指は約15度で拳の幅は10度である。このように自分の体を使って角度を求める方法は航海術のおまけのお話として時々書かれていますね。
 いざという時に役立つのは間違いないのでしっかりと覚えておこう。

【関連記事】:セクスタント(六分儀)
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by pac3jp | 2009-03-25 15:43 | シーマンシップ