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狭水道

 日本で潮流が速くて一番有名なのは最強時11ノットの鳴門海峡だろう。2番目は来島海峡。3番は大畠瀬戸。4番目は関門海峡の早鞆瀬戸だ。全て、瀬戸内海にあり、大型船も通過できる海峡である。だが、瀬戸内海にはその他の中型、小型船が利用する潮の速い狭水道・瀬戸も数多くある。

 海図に記載されている瀬戸内海の狭水道の呼び名のうち、「海峡」は5ケ所、「水道」と名が付いているのは22ヶ所あり、「瀬戸」の呼び名が付いているのは71ケ所もある。    ↓下の画像は音戸の瀬戸です
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 名前も早瀬瀬戸、速吸瀬戸、早鞆瀬戸と“はやい”の字がよく使われている。だが、中には怖い名前が付いている瀬戸もある。
 「船折れ瀬戸」、クランク型に折れ曲がった狭水道で、入り口に岩礁があったりする。「鼻栗瀬戸」、瀬戸を行き会う船同士で擦れそうに狭い様を想像するような名前である。ちょっと離れたところに「鼻繰瀬戸」もある。
 小型船港湾案内を読むとこれらの瀬戸は「潮流が速く、危険なので初航者は通るな」なんて書いてある。確かに最大速力5~6ノットのヨットでは逆潮時では通れないし8~9ノットもある連れ潮に乗ってしまっても恐ろしい。

 こういう芸予諸島のような多島海の瀬戸も調べてみるとそれほど潮流が強くない瀬戸もある。ヨットの航海では多少遠回りになっても安全第一の航海をお勧めする。

 ボクはずーっと大阪湾と紀伊水道、播磨灘を主にヨット遊びを楽しんできたが、狭水道という面から見ると瀬戸内海東部方面は少ない。大阪湾には由良、加太、中ノ瀬戸の3ケ所。播磨灘と紀伊水道には鳴門の撫養、北泊ノ瀬戸(小鳴門)と牛窓瀬戸の3ケ所だ。

 ボク達のクルージングエリアは、面積では瀬戸内海の全体の約1/3を占めているが、備讃瀬戸より西の海域に比べて島の数が少ないため、「水道」は(全体の約9%)及び「瀬戸」(同じく約8%)共に瀬戸内海の中ではもう一つ愛想のない海域といえる。

 ボクが昔から持っている個人的願望だが、大阪湾に山のある島が欲しいと思っている。海上空港や、ゴミを埋め立てて造るヒラベッタク、用地が100%有効利用できるようなものでなく、大きさは紀伊水道にある牟岐大島くらいがいい。
 山の高さは200m位、岬に抱かれるように深い入り江があり奥には小さな砂浜がある。島の周りには小さな小島を配して大型船が近くを通らないようにする。勿論、島は瀬戸内海国立公園法で規制して建造物は必要最小限にすると共に周辺の海を漁労禁止区に設定し、ヨット天国にするのだ。こんな島を大阪湾の真ん中に造ってほしいなぁ・・・。

 何の愛想もない大阪湾にこんな島が出来たらホント楽しいよ。陸地とは大分離れているので潮流が瀬戸のようには流れなが、淡路寄リはかなり早くなるはずだ。もしかしたら○○水道なんて名前がつくかもしれない。

伝説によると・・・
天上の神々が男神・伊弊諾(いざなぎ)と女神・伊弊持(いぎなみ)に「地上はまだ漂うばかりだから、これを固め、国を造りあげよ」と命じた。伝説上ではこの頃の世界には大地がなく、どろどろの状態だったようである。命令を受けた伊弊諾と伊弊良は協力して天の浮橋(あめのうきはし)」から「天の沼予(ぬほこ)」でどろどろに荒れていた海原をかき回した。矛を上げたときに、矛の先から滴り落ちる潮が凝り固り島が誕生したという。そしてその島が「おのころ島(淡路島)」といわれる。

 神様がついでにもう一滴をポトンと大阪湾とおぼしき場所に落としておいてくれたらなぁ・・・とこんなことを考えながら無い物ねだりをしてみた。
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by pac3jp | 2006-03-01 09:09 | シーマンシップ  

ヨットで明石海峡をうまく渡る

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 昨年は何回明石海峡大橋の下を通ったことだろう。この幅4kmの海峡は瀬戸内海の海峡のうちでは広い方なんだろうが、一日1000隻の大小の船舶が通行し、横断するフェリーや操業している漁船も多い。橋が出来てからは橋脚の外側を通る我々にとっての航路は大分狭くなってしまった。

 明石海峡を上手く通るには潮流の方向と通過する時間、そして通過する場所を考えなくてはならない。
 海峡の北側、明石寄りを通過すれば中央の本流より潮流もやや弱く、転流時間もほぼ潮流表どうりに変わるようだが、淡路側を通過するときは反流があったり風向きによっては激潮があったりして、注意が必要だ。

 一昨年11月、香川県津田へのクルージングの時だった。転流時間に合わせて岩屋沖から明石海峡に入ったが、明石海峡大橋の下では既に西流になっていた。 風はW~WSW18ノットくらい。松帆埼沖ではかなり白波が立っている。いまさら帰れないので大波の中に突っ込む。
 所謂、激潮である。バウが波に突っ込み、デッキを海水の塊が流れる。スプレーは激しく、フネは大きく揺れる。キャビンの戸棚から食器が飛び出し、壊れる音が響いている。・・・がんばって激潮エリアを通り過ぎた。海図の激潮マークを甘く見ていた。反省。

 主流の南側(淡路側)は、 激潮を生じる 所があり、淡路島
北端の松帆埼付近は比較的流速が大きく、潮時は中央主流より
20~50分早い。

 松帆埼の東南東方1.3海里付近における潮流は、中央主流と
ほぼ 同時に転流し、流速は約1.4倍です。


 淡路島翼港から播磨灘へ出るとき、逆潮の岩屋付近で急に反流に乗ってうまく西に抜けられた経験がある。

 南側の松帆埼東側(岩屋の北側) では、東流最強のころから
反流 を生じ、以後、その規模を広げて中央部より早く転流します。
この付近では、西流末期にも反流が見られる。


明石を西流にのって抜け、淡路寄りを南にコースを取ると松帆埼からかなりの間、逆潮になる。もっと沖に出れば良いが、航路になってしまうし・・・と」思うこともあった

 松帆埼の西側沿岸でも西流最強時に反流が生じるようです。

 ※江崎から野島轟木あたりの海岸よりは本流に関係なく
絶えず北へ流れている。
「神戸のうみとそら」より


 明石海峡を明石寄りに西へ通過すれば反流はないが、危険地帯はある。セメント磯だ。ここには灯浮標が3ヵ所設置されている。その岸寄りの海底は砂だが、ごく浅い。ボクの仲間の「オンザロックの達人」はここでも体験を積んだらしい。

 明石海峡西部のセメント磯 沖合には、地元で「イアイニチ」
と呼ばれる三角波が発生し、小型船の航行を困難にし、警戒を要します。

 この三角波は、冬季、西~北西の風(6~10m/s)が吹くとき
で、西流から東流に転流する頃に多く発生し、持続時間は30分~2時間で
セメント磯付近からしだいに東に移動 します。


 明石海峡を抜け、林崎漁港西からは、秋から春まで、ずーっと岡山方面まで沿岸にはのり網が入っている。
 冬季、姫路方面から明石へ向かう時にはセメント磯沖の三角波に弄ばれ、のり網に突っ込まないような注意が必要だ。

 航法の基本ではあるが、明石海峡は海上交通安全法で指定された航路である。そして航路は西側で湾曲しているので、知らずに航路を斜めに横切るなんてことのないようにしなくてはね。
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深緑色の文章は海上保安庁の明石海峡潮流概要からの抜粋です。
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by pac3jp | 2006-01-06 10:29 | シーマンシップ  

こまし網って知っていますか?

海の日の3連休に仲間のヨット(28f~34f)7隻のフリートで四国香川の庵治港と小豆島の吉田湾クルージングに行ってきた。
サイズも乗り手の技量もまちまちのヨットがフリート行動をすることは難しいこともあるが一隻では行けないクルージングエリアも助け合って行けるメリットが大きい。

今回は明石海峡を抜けて播磨灘に入ったところでイルカの群れがヨットの右に左にジャンプしながら我々に朝の挨拶をしてくれた。 ここ数年はこのあたりでイルカをよく見かけるようになった。しかし昔よく見かけたスナメリはまったく見かけない。
海の生態も変わってきているのだろうね。

午後早く庵治漁港に着き、いわし等小さい魚を太いホースで水揚げする設備のある浮桟橋に付けさせてもらった。
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翌朝早くからここの岸壁で地元の漁師さん達が漁網の補修と漁船への積み込み作業を始めた。 
どんなお魚を取る網ですかとお聞きすると「まながつお」だとおっしゃった。なおも観察しているとこの網は「コギ網」でなく潮の早い瀬戸で大きなアンカーを打ち、長い網を入れて潮に乗ってくる魚をとるそうだ。「網を入れたら昼寝しとるんや」との事。


今年の5月末、大潮の連れ潮でアビームの順風を受けての備讃瀬戸航路を東へセーリングしていた。 大槌島を経て男木島西から航路は左へ変針する。航路の右端を対地速度9kt近いスピードで帆走していた時、左舷側からは宇野からのフェリー、右舷側からは高松からの宇野行きフェリーが2隻が近づいてくる。そして、交錯する航路のごく近くまで、こまし網の漁船多数が航路の端を通過しようとするフネを飲み込もうとするようにオレンジのブイが網の口をあけて次々に見えてくる。

後ろから来る本船はどうだ? 航路を横断するフェリーとの距離は? 前から近づいてくるこの網はどんな構造をしているのか、ブイのどちらが通れるのか、網は浅いか、充分深いか、とっさに多くのことを判断しなければならない。
瀬戸内の航海で一番緊張する局面である。

この込網漁法は「いかなご、いわし、まながつお」を漁獲するもので、早い潮流を利用して網を展開し、転流時に網を揚げる。夜間の操業はしない。潮流が弱い時期は操業できないが、コギ網船に比べて燃料を余り消費しない点でフネや自然に優しいね。
漁師さんにお聞きすると網の間口は40mくらい、深さはヨットのキールくらいは大丈夫だろうとの事だが、”君子危うくは近寄らず”。

ヨットで旅をしていると色んな漁法、漁具と出くわす。ホームポート付近の漁具は大体想像がつくが、初めての海域や初めてその季節に入るときは注意が必要だ、時期によって様々な漁具が使われている。網の付いていそうなブイはとりあえず大廻で避けて通るが賢明だ。

漁港に入ると地元の人にその地方の漁法や網の構造などを聞いてみるのが「巡航機帆船」の航海術?の勉強にもなるし、有効なコミニュケーション手段にもなりますね。
今回のクルージングはしっかりと香川県の込網の勉強もしたし、大いに有益だった!!

参考にさせて頂いたWebです。 香川県の漁具漁法
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by pac3jp | 2005-07-22 11:58 | 漁船  

潮 汐

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春分、春のお彼岸だ。太陽が真東から昇り、真西に沈むみ、昼と夜の長さが同じ日である。これからは昼の時間がどんどん長くなってくる。

最近、自分で夜空の月を見る事が少なくなってきたと感じている。世間一般もその様らしい。ちょっと昔、大正生れの我々の親の代では日常の中に、月にまつわる旧暦の言葉がもっとあったように思う。今は農業、漁業関係者そして季節を告げるニュースの中に語られているだけになってしまったのだろうか。

新しく造成された埋立地に建設されるヨットハーバーは充分な水深があり、ポンツーンに係留されていて港の出入りが潮汐時間で制限されることはまずない。

ところが古くからある港やマリーナの中には水深が充分ないところもある。喫水の浅い船外機を使う漁船や小型のボートが多い泊地は総じて浅い。港湾施設なので時には公費で浚渫をしているのだろうと思うが、いつ行っても浅い所は浅い。浚渫するより外港を作るほうが予算もついて単なんかな。

30f前後のセールボートが安心して入れるのは最低でも2mくらいの水深が欲しい。かってお世話になっていたマリーナはマリーナ内の水路の途中に浅いところがあってよく座礁して止まってしまっているヨットを見ていたし、実際に体験もしてしまった。底質は泥と砂なんでキールにダメージを与える程のことはないが、次の上げ潮までの間、多少カッコ悪い。
通りかかる知り合いから「なにしてはりまんねん!」と冷やかされたりする。潮汐を考えず何とか行けるだろうと思い浅い水路を通過しようとした事が原因だったが。

このマリーナにフネを預けていた頃、休日前夜は必ず夜空を見上げ、お月さんの形を見て明日の潮汐を予想したものだ。より自然との関わりが深いマリーナといえば言い過ぎか?。
レースに参加していた時は前夜は勿論、しっかりと潮汐表でもチェックし、流れが有利になるタックで走らせていたもんだ。

お月さんの呼び名も沢山あるが新月から3日目の「三日月」、新月の前の「三日月型の月」は「三日月」と言わない事を迂闊にも勘違いしていた。 「有明月」とか「二十六夜月」とよぶそうだ。考えれば当然そのとおりだ。そして、みんなが月を見なくなってきたので月を表現する言葉も使われなくなってしまうのだって。そして・・・日本語は段々難しくなって行く・・・。
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by pac3jp | 2005-03-22 10:41 | 徒然に