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ジャイロ六分儀(Gyro sextant)

 いま、神戸大学の海事博物館で「航海術と計器の発展」という企画展が開かれている。(2011.7.15~2011.10.28)

 古い航海計器などに興味があるので7月18日の「海の日」に見学に行ってきた。この博物館は原則、土・日・祝日は休館で月・水・金の13:30~16:00のみ開館しているというマイナーな施設ですが、さすがに海事博物館なので祝日の「海の日」には開館していた。

 航海計器も色々あるが、ボクが今回初めて実物で見たのが「ジャイロ六分儀」と「気泡式六分儀」だった。
 六分儀で天体を観測する場合は必ず水平線が明瞭でなければならない。しかし、明るい月夜か薄暮、薄明の短い時間しか観測できない欠点がある。そこで水平反射鏡、水銀盤など人工水平を使って観測する多くの方法が試みられてきたという。

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 ↑「ジャイロ六分儀」は初めて見聞きするタイプの六分儀だった。
   メーカー名;PONTHUS'&THERRODE PARIS'

 「真空中で高速回転するジャイロを利用してこれを六分儀の水平鏡の前に取り付け人工的な水平線が得られるように工夫されたものです。」(説明板より)

 保管箱に入ったジャイロ六分儀を眺めるとフレームに取り付けられた円筒内にジャイロ本体が入っていてその底にガスコックのようなものが2個付いている。これが真空ポンプの接続口だろう。でもジャイロを高速に駆動させる動力源が見あたらない。

 係りの人に聞いても「ジャイロの回転が空気抵抗で落ちないように真空にしている。最初の駆動は紐で回しているのかもしれない・・・」と「地球ゴマ」の遊びかたのようなお返事だった。それにしても天体観測に先立ち真空ポンプを用意するのは大変だったですね!

 このジャイロ六分儀は航海用ですが、元々は飛行機の航法士が使っていたのでしょうね。航空用のジャイロ六分儀はこちらをご参照下さい。

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 ↑「気泡式六分儀」(Babble sextant)はアルコール水準器を六分儀の中に組み込み、人工的に水平をつくり観測するなど割と理解しやすい構造を持っている。こちらも初めは航空機用として開発されたが海上でも使用された。しかし、10分以内の精度はでなかったという。
メーカー名:島津製作所

 どちらも展示ケースに入っていて詳しい構造が分らなかったのでもう一度出かけて詳しく観察してこようと思っている。

【関連記事】:セクスタント
 
【参考Web】:神戸大学 海事博物館

 
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by pac3jp | 2011-07-24 16:58 | ヨットの艤装と艤装品  

航路標識測定船 LL01「つしま」を見学する(1)

 8月21日(土)、神戸港・新港第1突堤で開催されている「神戸プラージュ2010」の協賛イベントで海保の航路標識測定船「つしま」が来ていたので見学してきた。この船は2年前にもこの岸壁で韓国の航路標識測定船「ハンビット」と並んで泊まっていたが、船内の見学は今回初めてだ。

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■総トン数:1706トン
■全 長:75.0m 最大幅:12.5m 深さ:6.4m
■主 機:4000馬力 ディーゼル1基
■速 力:17.2kt
■航続距離:12000マイル 最大搭載人員:54名
■就 役:1977年 

 航路標識には、灯台に代表される光波標識、霧笛など音波標識及び電波を利用した電波標識があります。本船は、ロランC、ディファレンシャルGPS、AISなどの機能の確認及びシステムの改善を図るため、有効範囲、誤差分布状況、電界強度、電波伝搬補正値等などの電波標識の解析評価のほか、灯台の光度測定やふくそう海域における通行船舶の実態調査を実施しています。
 また、航路標識業務に対する理解を深めるため、測定航海等の寄港地において一般公開を行ったり、観閲式等の行事に参加しています。
(つしま概要パンフより)

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 ↑画像はマストに取り付けられたアンテナ類。受信系のアンテナが多く、中でもGPS系が一番多いとお聞きした。レーダーも航海用だけのようだ。衛星通信用は後部デッキに設置されている。

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 ↑マスト下のちょっと広めの暴露デッキ。ここで夜間に光波標識の観測をするのだろう。ジャイロのリピータ(左の白いスタンド)とマグネットコンパスのスタンドがあり、伝声管!がブリッジにつながっている。電気がなくても通話が出来るものだと聞かされ「へぇ~!」と驚き、写真に撮る若い女性たち。

c0041039_5571251.jpg 輝度計測計 灯台の光度を測定する計器。別にシステムコントロラーが付属している。
●灯台からの距離、6,8,10マイルの洋上地点で測定する。
●灯台及び標準光源の閃光をそれぞれ100カウント測定
(カウントは輝度計で捕らえられた数)

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 ↑ブリッジ、流石に発売元の船舶にはしっかりとした電子海図装置が搭戴されている。それに海保の巡視船も広報の努力か、あるいは映画「海猿」の影響なのか女性の見学者が増えたと地元新聞などは報じている。
 ※天井から下がっている銀色のパイプが「伝声管」です。

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 ↑減揺タンク
 夜間の光度計測などには必須の設備である減揺システムのかなり大きなタンクが後部上甲板の両舷にセットされている。前から気になっていたので傍にいた案内係のクルーに減揺効果をお聞きすると首を傾げていたが、33年前の進水時から常時セット?されているのでもう誰も特別には感じないのだろう。


【関連記事】:日韓の航路標識測定船「つしま」と「ハンビット」 

 
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by pac3jp | 2010-08-31 06:12 | 海保  

多用途支援艦 AMS4304「げんかい」を見学する

 2010年7月31日(土)姫路港でボクが初めて見る艦種である多用途支援艦「げんかい」の一般公開があったので見学してきた。小型の補助艦艇なのでそう大勢の見学者はいなかったのでゆっくりと見学できた。

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基準排水量:980t
主機械:ディーゼル2基2軸 新潟原動機6MG28HXディーゼル
馬 力:5,000PS
速 力:17kt
発電機:300kw×3
特殊装置:曳航装置、訓練支援装置
定 員:47名 幹部5名(女性2名)曹士42名(女性8名)
主要寸法:65x12.0x5.8x3.5m(長さ、幅、深さ、喫水)

 この艦は「ひうち型」多用途支援艦の4番艦として平成20年2月20日から就役なのでまだまだ新しい感じだ。主な任務は護衛艦艇の射撃訓練の支援の他、消火・救難・離島に対する災害派遣など多目的に及ぶ。

 船型は全長の割りに幅広で艦体の後部は広い甲板になっており、物資の輸送用3/4トントラックや40f・20fコンテナを搭載し災害時の拠点に使われるという。通常時はここに射撃訓練支援の自走式水上標的(通称バラクーダ)を2隻搭載し作業を行う。
 デッキに据え付けられたMax300KNの強力なウインチで動けなくなった艦を曳航することもあることから、機関出力は5,000馬力と強力になっており、自衛艦最大の「ましゅう型」補給艦(満載排水量25,000t)までを曳航できる外洋タグボートでもある。

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 割合高い位置、ブリッジ下の信号旗箱付近で右舷と左舷に太いパイプで繋がった構造物が見えたので係員に聞いてみるとやっぱり減揺タンクだとおっしゃる。一瞬、フインスタビライザーじゃないのと思ったが、ヘリも積んでないしお客もいない、高速航行しないので当然だなと思い直す。この艦では外洋で停船して水上標的や訓練魚雷を回収したり、離島へ災害出動時には沖でアンカリングして救援拠点となるので停船時のアンチローリングこそ必要になるのですね。
 でもカーフェリーが近くを航行するとしっかり揺れていた。システムが動いていないのでなく全ての横揺れをなくすのではなく“減揺システム”ですから・・・。
 神戸港でいつか見たJCGの航路標識測定船「つしま」にも付いていた。

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 ブリッジは小型艦なので小振りだが一番見易い場所に電子チャートとレーダーが並んで据え付けられていた。勿論海図台もあるが若い航海士はこっちが断然便利ですが・・・とおっしゃっていた。ENC連動のオーパイなど航海機器は民用品を使っているという。ステアリングもカッコいいハンドルがついていた。

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 ブリッジの背後は標的管制室がありバラクーダという全長7.23mのRHIB自走水上標的の管制をしている。ブリッジと同じ高さの一等場所で標的を目視、あるいはレーダーで管制しながら相手艦の砲弾が当たらないように操縦するのだ。ボートに搭載されたカメラで前方の着弾もしっかり確認できる。これはラジコンボートマニアなら是非一度はやってみたいだろう仕事だろう。

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 ブリッジの屋上にはこの艦唯一の武器が装備されている。両舷に2丁の12.7mm重機関銃が銃架にセットできる。この「ひうち型」は3番艦までは武器の搭戴はないが4、5番艦には他の護衛艦同様にテロリスト警戒の為か、太平洋戦争時代から使われているクラシックだが今でも信頼できるM2機関銃が選ばれている。でも小火器による攻撃ならば固定設置の船舶消火用の放水砲の方が効果を発揮するかも。

【参考図】クリックすると大きい画像になります。
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 「ひうち型」多用途支援艦の前級は特務艇「81号」型(↑画像)で航空機及び艦艇の救難と艦艇部隊の訓練に対する支援を任務とするもので、昭和43年から48年にかけて5隻が竣工した。この「81号」型は当初支援船として建造されて就役したが、任務行動が近海とはいえ外洋の行動がおおく、また救難活動に備えて待機義務があることから自衛艦籍の方がふさわしいと判断され、昭和52年4月に特務艇に区分変更された。設備としてはデッキにヘリが収納でき、放水銃を持っている。また訓練支援では攻撃目標になったり、低速の航空目標を運用したり訓練海域への輸送を行っていた。(艦船メカニズム図鑑より)

【参考Web】:減揺タンク(アンチローリングタンク)
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by pac3jp | 2010-08-02 17:09 | ウオッチング  

日韓の航路標識測定船「つしま」と「ハンビット」

 地元新聞に「航路標識測定船・日韓が技術交流」という見出しで、海上保安庁と韓国国土海洋部が運用している位置測定システムの精度向上を図るとともに、測定システムや業務への相互理解を深めることを目的として、航路標識測定船「つしま」と韓国の航路標識測定船「ハンビット」による共同測定、データ交換等の相互交流を行っていて、今年は神戸で実施される。と報道されていた。

 「航路標識測定船」はあまり聞いたことがないJCG船種だし韓国の同種の船も一緒だというので外観だけでも見物しようと早速出かけた。

 船は再開発予定でフェンスで囲まれた神戸港新港第一突堤に泊まっていた。以前は誰でもすぐそばの岸壁から見れたが、今はイベント開催時のみオープンされている。最近は大小官庁船の専用岸壁のようでもある。

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 航路標識測定船 LL01「つしま」

■総トン数:1706トン
■全 長:75.0m 最大幅:12.5m 深さ:6.4m
■主 機:4000馬力 ディーゼル1基
■速 力:17.2kt
■航続距離:12000マイル 最大搭載人員:54名
■就 役:1977年 船齢31年だが代替船建造の予定はないという。
 建造当時はオメガシステムの測定も業務対象になっていたので、1万マイルを越える航続力をもっている。

c0041039_10472984.jpg 航路標識測定船は、海上保安庁が保有する船舶。航路標識の一種である電波標識(1)の有効範囲や精度光波標識(2)の視認状況などの測定を主な任務とする。
 さすが電波を専門に取り扱う船舶なので前部マストには夥しいアンテナがセットされている。
 また、デッキには2基の巨大なカウルタイプのベンチレーターらしきものが立っている。昔は船内にある多数の電子機器の放熱用だったかもしれないが既にエアコンに替わっていてもう不要?。それともやっぱり機関室用かな。
 もう一つの?は煙突の後ろの上甲板に四角いタンクが両舷に2基あり、互いにパイプで連結してあった。仲間は「アンチローリング用や」と断言したが、はて・・・。

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   航路標識測定船「ハンビット」
 韓国国土海洋部所属 総トン数:575トン

 外観から観察すると「つしま」より小ぶりで船型も大分違う。前甲板に30~50t位の油圧クレーンがあり大型の航路標識も設置や回収ができるスペースがある。海上作業用のインフレータブルボートも見える。後部デッキには潜水作業に使うボンベが並んでいる。ブリッジの屋根やマストにアンテナの数が多いのがやっぱり電波標識測定装備だろう。
こうしてみると電波航法もどんどんと遷り変わりもうロランCも終わりに近づき、遠い 外洋で標識電波を観測することもなくなってきたので日本でいうところの設標船でも充分だとされたのでしょうね。

 日曜日はお休みのようでクルーたちは私服でのんびりと寛いでいるように見える。

【参考】
(1) 電波標識 とは
無線方位信号所:中波標識・マイクロ波標識 (但し、レーマークビーコン 平成21年度までに廃止される予定)
LORAN-C :もう運用していないと思っている人もいるが今だ運用中です。
ディファレンシャルGPS :運用中
(2) 光波標識とは:灯台・灯柱・灯標・立標・灯浮標・浮標・照射塔・導灯・指向灯 などです。
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by pac3jp | 2008-07-15 11:00 | 海保  

ジャイロ・スタビライザー

 人々は大昔から船乗ってきた。船の設計者達は船酔いをしない快適な船を求めて幾多の挑戦をしてきたのだった。そして時代はプレジャーボートなど小型船舶までもその恩恵を受けられるようになってきたようだ。

 新しい45フィートのモーターボートにジャイロを2台付けようか、という話を聞いた。その装置でボートの揺れを抑えて快適に走ろうということだろう。ボクはてっきりジャイロを利用したフィンスタビザイザーをつけるのかと思って聞いているとジャイロの重さが130kgもあるという。また、そしてそれを据え付ける場所がないとか言っている。フィンスタビライザーのジャイロは半導体センサーなのでケースを入れても1kgくらいだろう。どうもおかしい。さらによく聞くとモーターで円盤を回すものだと聞いてやっと分った。昔からある地球コマを利用した装置だ。普通の本船ではジャイロコンパスが装備されているが、同じような原理で動く仕組みなのだ。

船舶の安定化装置(ジャイロスタビライザー)

c0041039_911813.jpg ジャイロは、トルクを発生させることから船の動揺を防ぐための制振装置として使われている。図のように、ジャイロの外枠支持部が船の船体に固定されており、図のY軸周りに回転できるように支持されている。ジャイロの重心はY軸よりも下側にあって、コマはGX軸周りに高速回転している。
詳しくは →ここをクリック!(注・PDFファイルです)

 このジャイロスタビライザーは日本海軍が世界で最初(1928年)に当時最新のアイデアを盛り込んで造った空母「鳳翔」(排水量7470t)に搭載された。90tもある鉄の円盤を高速で回し、艦体のローリングを抑え、艦載機の発着が容易になるように装備されたそうだ。でもこの「鳳翔」は空母としては船の大きさが足りなく実戦では活躍できなかったらしいが、荒天航行時のローリングが少なく乗組員には好評だったと記録にあった。
 現在の海上自衛隊は空母は保有していないが、ヘリを運用する護衛艦はすべてフィンスタビライザーを装備している。

 数年前から三菱重工が船酔いの原因となる横揺れを防止する装置「アンチ ローリング ジャイロ」(以下ARG)を世界最大の豪華ボートメーカー イタリアのフィレッティグループから140台受注、順次納入した。と同社のWeb広報されていた。 以下はその抜粋

フィレッティグループは初めてARGを採用することから、社有艇「ナベッタ 30」(カスタムライン社製、全長約30メートル)にARGを搭載、半年以上にわたり米国製フィンスタビライザーとの間で減揺効果を比較検討してきた。加えてカンヌ、モナコ、ジェノバなどの国際ボートショーで市場調査を行い、最終的にARGが優れていると評価、採用を決めた。
このARGは航行中の船舶の揺れだけでなく、停船時の横揺れまで減少させることに成功した世界初の装置。船舶のどこに取り付けてもその減揺効果は有効なため、既存船への取り付けも可能という特長をもつ。
ARG を1台から複数台搭載することにより、排水量5トンから最大500トンまでの船舶の横揺れを抑えることができる。国内では、各県の漁業取締船・調査船、自治体の旅客船などに220台以上の納入実績がある。
当社は、今後の輸出市場としてボートメーカー向けだけでなく、各国の沿岸警備艇・警察艇などにも拡販を図っており、現在イタリア警察のプロトタイプ艇で評価試験中である。


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で、その広告コピーは・・・
◎フィンスタビライザーとは異なり船内に設置します。
◎停船時の横揺れを減揺します。
◎プレジャーボートから旅客船まで減揺致します。
◎既存船から新造船のどこにでも取付可能です。
◎電源さえあればスイッチを入れるだけで作動します。

 そのモーターボートには2台乗せると聞いたので三菱の一番小さい500型かもしれない。カタログを見ると思ったより電気を食わない。標準のジェネレーターでも賄えそうだが、↑画像の2000型で3.1kw AC 3φ200Vとなっている。

 セーリングクルーザーではヒールするのが普通の状態だが、そのヒールが嫌いなヨット乗りも時々いる。彼のヨットにはこの装置が有効だろう。風上航のヒールから追っ手のローリングまで随分減らせるだろう。でも3相200Vの電源と船に見合うい大きさのジャイロスタビライザーの置き場が問題だが、まぁ、メガヨットクラスなら充分可能かも・・・。



参考:以前の記事から「フィン・スタビライザー」    
          「フィン・スタビライザー part2」
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by pac3jp | 2007-03-09 09:33 | ボート  

フィン・スタビライザー part2

 プレジャーボートにフィン・スタビライザーを装備しているといえば高級なメガヨットを想像するが、ご近所の32Fのトローラ(GB32)にも装備しているよと、前にもご紹介したが、今回はそのメカニズムを簡単な画像でお見せしたい。
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 システムのメーカーは USA「WESMAR」コンパネには「CPS 1000 GYRO CONTROLLER」と表示してある。
上の画像のうち油圧ポンプ以外の機器はステアリング周辺に配置されている。

 ボクはこういう方面に使われているジャイロスコープに興味があった。見せて頂くと、それはコンパネの裏側に小さな箱に入って収まっていた。ジャイロセンサーは振動センサーなので本体は極小さいが、それは価格相応の立派なBOXに入っているわと、オーナーはおっしゃっていた。
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 フィンスタビライザーの駆動部分はすべてメインキャビン下のエンジンルームにある。油圧ポンプで加圧されたオイルはマニホールドに入り、ここで左右に分配される。画像では左舷のフィン駆動部しか撮ってないが勿論、右舷側にもある。
このスタビライザーのフィンは固定で客船のように船体に収納するタイプではない。従って収納のためのメカはない。

 ついこの間、仲間のヨットオーナーがサントピアマリーナからの回航をお手伝いした。帰ってきてからフィン・スタビライザーはどうやったと聞くと。ヨットくらいのスピードだけどローリングは少なくて良く効いているようだとの返事だ。・・・でもね、と次の言葉が返ってきた。このフネは高級装備のフィン・スタビは付いているけど、オーパイは無かった。

 ヨットのオーパイは安いけど、ボートのオーパイは結構高価なのだ!!やさしいオーナーは奥様とご令嬢が船酔いしないようにまず、ボートの横揺れ防止に資金をつぎ込んだのだろう。舵輪を握るのは自分だ、当分は我慢しようと考えられたのかもしれない。

 また、フィン・スタビを作動させると速度が落ちるかとお聞きすると、変らないとのお返事だ。それより影響が大きかったのはONAN8kwのジェネレーターを積んだときで、約1ノット速度が落ちて巡航9ノットになってしまったらしい。

 200HPディーゼルエンジン1基、半速で巡航9ノット。のんびりと巡航するには充分のスピードである。
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by pac3jp | 2006-06-16 09:38 | ボート  

フィン・スタビライザー

 船に乗っていて一番楽しくないのは船酔いになることだろう。子供の頃、父親に釣り舟で夜釣りに連れて行ってもらい、酷く船酔いしたことを未だに思い出すときがある。 波や船体の運動による揺れが少なくなったら、きっとフネが好きになる人は多いだろうと思う。

 護衛艦ではヘリ搭載艦に、また大型の客船やフェリーは海に慣れていない乗客が快適な船旅を過ごせるようにフィン・スタビライザーが装備されていると聞いている。
 だが、海況が悪くなり、この装置をブリッジが作動させると、エンジンに負担が掛かるらしく、機関部から苦情が出ることあったとフェリーのエンジニアから昔、聞いたことがあった。

 こんな高級な装備をご近所の32fのトローラーが装備したと聞いたときは、ほんま?と聞き直したものだった。このサイズのボートにフィン・スタビザイザーを装備した実績が少なかったので、このオーナーは自艇にフィンスタビーライザーを装備する前に、「模型によるタンクテスト」をやるのは大造船所だが、模型マニアの彼はラジコンボートに同様の装置を装備して、ハーバーの桟橋の間でテストを重ねたそうだ。
 その多量のデータを詳細に分析、検討?の結果、充分効果は期待できると実艇に装備を決心されたそうである。

 ボクは最初、フィン・スタビライザーはある程度高速で走行する船でなければ効果がないのかなと思っていたが、10数ノットの速度で巡航するトローラーでもその効果はあるそうだ。

 余談だが、このフィン・スタビライザーは日本人の発明したものだそうです。くわしくは「海運雑学ゼミナール」をご覧ください。
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 画像は左舷に装備されたフィンだがこれが両舷に付いていて、船体内にセットされたジャイロからの信号を元に油圧で左右のフィンの揚力を加減しボートのローリングを抑える働きをさせる。

 このような目的に使うジャイロはジャイロスコープと呼ぶらしいが、ジャイロといえばボクの乏しい知識の中では「地球コマ」をモーターで高速回転させる本船用のジャイロコンパスしかイメージ(このイメージもチョット勘違いみたい)出来ず、あんな大きな物は何処にあるのかと思っていたが、同じジャイロでもどうも小さい角速度センサー様なもので制御しているようだ。角速度センサーは車や他の民生機器にも沢山使われている。

 旧日本海軍の空母で艦体中央で巨大なコマを高速で回し、ジャイロ効果で艦の動揺を抑えて戦闘機の発着を容易にしようした艦があったそうだ。乗り心地は悪かったらしいが、空母としての効果はあったのかどうかはその本には書いてなかった。・・・と思う。

 今年のヨットの航海で一番波が悪く、大揺れした海域は対馬海峡の漁場「七里ケ曾根」だった。風は弱く波だけが高かった。セールのローリング防止効果も及ばずヨットは酷く揺れた。だが、多くの漁船は激しくローリング、ピッティングしながらも熱心に釣り糸を引いていた。彼らの船にもビルジキールなどは付いているのだろうが、停船中は効果はないだろう。

 それにしてもフィン・スタビライザーの様な軟弱装置、一切関係なし。 
船酔い知らずの漁師さんとアマチュアアングラーにボクはいつも心から感心し、そのシーンを拝見しているのだ!!
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by pac3jp | 2005-12-20 12:52 | ボート