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「棟 梁-堂宮大工の世界-」

c0041039_16561589.jpg 大手ゼネコンの竹中工務店は創業が慶長15年(1610年)というとても古い会社だが、明治32年神戸に進出し、最初に本社を置いたゆかりの地に「竹中大工道具館」がある。木造建築には長い伝統と歴史をもつ同社が、近年の大工道具の目覚しい機械化で使われなくなってゆく古い優れた大工道具を収集・保存・展示している企業博物館があるのは以前から知っていたが見学の機会がなくずっと気になっていた。

 ところが、開館25周年を記念して表題の巡回展が開催され、法隆寺大工棟梁だった西岡常一さんの堂宮大工としての業績や彼の使っていた道具類が展示されていて、唐招提寺金堂の屋根荷重を柱や梁に伝える巨大な斗栱(ときょう)の実物大模型も展示されると言うので見学に出かけた。

 初めての訪れた博物館だが、法隆寺の金堂に使われているという大斗がのった丸柱のモニュメントと和風の白壁の建物がよくあい、良い感じである。小振りな印象だったが地上3階と地下1階の4層に展示物があり充分楽しめた。

 まず、有名な西岡棟梁がお使いだった道具を見せていただくが、きれいに研がれて今でも現役のようである。刃物はこのように保管しなくてはと我家の「数本の鑿」とつい較べてしまい大反省。棟梁の道具選びは名人が作った道具にはこだわらず「道具はよく切れたらいい」主義だったようですと解説員からとお聞きし、やっぱりと納得した。

c0041039_177156.jpg カンナな鑿、鋸など普通の大工道具の他に西岡棟梁が法隆寺金堂の昭和修理のために古代~中世に使われていたヤリガンナを絵巻や遺物を参考に「実際に作業に使える道具」として復元した。そんなヤリガンナも展示されていた。
画像左上はヤリガンナの刃と木型

 もう一つ珍しい定規があった。画像左中「さお定規」で礎石の凸凹に柱の底を合わせるときに使う(ひかりつけ)。竹で出来たオサを上からたたいて形状をうつす。堂宮は礎石が巨大なため、さお定規も並外れて巨大である(長さ1.3m)。

左下のモノクロ画像はこの「さお定規」で礎石の凹凸を測っているところ。

 茶室などの建築は礎石の上に柱をのせることもあるので今でも小さなものは使われているらしい。

c0041039_1703646.jpg 唐招提寺金堂斗栱 原寸大模型のCG画像
西岡常一・鵤工舍製作(1986年)国立科学博物館蔵

 天平の甍で有名な金堂の屋根と柱をつなぐ部材(斗栱)だが真近で見ると太く大きい。それにヤリガンナで仕上げた削り跡に古代の雰囲気がある。構造は金具やボルトで組み立てるのとは違って太い木の部材だけで組み立てる構造になっている。位置はそれぞれ中心のピンで決め後は屋根の重量で押さえているのだろう。
 この博物館は天井が低いので柱の部分と軒の部分が省略されているが、11月20日から開催される名古屋会場はトヨタの大きな博物館なので3mもある部材全部の組み立てが見られるらしい。

 唐招提寺の平成大修理の映像を見ていると大きな材を継手と仕口の技で組み合わせていた。継手とは材をのばすため同じ方向につなぐもので仕口とは材を直角や斜めに組むもの(組手)と端部を材に差し込むもの(差口)のことをいう。巨大な堂宮の建造は限られた長さの材をしっかりつなぐ技があってのことだろう。
 館内にも精巧に加工された各種の継手の模型があるが、見ているだけで日本の大工さんの伝統の技は凄いなあと感じたものだった。

c0041039_178416.jpg 堂宮大工さんのお仕事は長いスパンを経てくるもので、700~800年前のある日、一人の大工さんが東大寺南大門の梁の上に置き忘れてきた只の墨壷が今や大工道具博物館のお宝にもなっている!

 これから京都・東本願寺や奈良のお寺にも出かける機会も時々あるので全体の姿だけでなく柱や軒の斗栱など細かい部材までよく観察してこようと思っている。


【参考Web】:竹中大工道具館 
【参考資料】:「棟 梁-堂宮大工の世界-」展示解説図録
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by pac3jp | 2010-11-17 17:14 | ウオッチング  

お出かけ用の差し板?

c0041039_1535565.jpg 先日、この時期になると例年、修理ヤードの片隅でせっせと自艇用の木工品の製作などに励んでいた工作志向?のヨットマンに出会った。

 今年は何を作るのだろうと彼のフネを覗くと、かなりくたびれた差し板がコックピットに立てかけてあった。「確か、新しいのを作っていましたね!」と声をかけると、キャビンの奥からまだニスの輝きがある差し板を取り出し、「これですよ!」とちょっと自慢げに見せてくれた。

 使わないのですかとお聞きすると、どうも日常の戸締りには古いモノを使い、近くのハーバーのビジター桟橋で一時係留する時などに新しい差し板を使っているらしい。
 新西宮ヨットハーバーなどのビジター桟橋は横付けが基本なので、通行する人からコクピットが丸見えになる。そこでオーナー氏は積層など苦労して造ったカーブの付いたティラーとしっかりとキャビンテーブルと同系ニスで仕上げた自慢の差し板を見てもらうということなんだろう。

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 合板の差し板は長い間紫外線に晒されると劣化してくるのである程度乗っていると修理や交換の時期が必ずやって来る。木工に興味があるヨットマンだったらこれくらいは自分で作ってみようと思い立つでしょうね。でも、色々考えている内にめんどくさくなってくる。

 上の画像の差し板は数年前、木工にはセミプロ級の腕を持つお仲間のボートマンがなにかの話のついでに彼(この艇のオーナー)の差し板も作ってあげるということになり、「ラッキー!」だと喜んでいた。多分ご自分で作るより随分きれいに仕上がっているとボクは思いましたね。

 日曜日、ビジター桟橋に古いフネ、新しいフネなどいろんなヨットやボートがやってくるが、古くてもきちんと整備されたフネは安心して眺められる。でも舫いが雑でロープの端がバラけていたり、フェンダーが外れそうだったりしているとどうも落ち着かない気分になるなぁ。

 まあ、それは年寄りになってきた証拠ではありますが・・・。


【関連記事】1:もう整備の季節がきた?
【関連記事】2:コンパニオンハッチの差し板
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by pac3jp | 2010-11-12 15:39 | ヨットの艤装と艤装品  

クラシックな木造ヨットの修理

c0041039_17281184.jpg 昔からずっとお世話になっているマリーナに久し振りに寄ると“船大工”さんは古い木造ヨットのスライドハッチ部分の修理中だった。
 それは古い木造ヨットの宿命?である、デッキやハードトップからの雨漏りがスライドハッチやその収納部の一部に腐りが出たので今、改修工事をしているという。

 スライドハッチはFRP艇では主にFRPで成型されたものや、ぶ厚いアクリルパネルがよく使われている。そしてどれもがある程度のキャンバーをもったアーチ状をしている。普通はスライドハッチに人間が乗っても充分耐えられる強度を持っている。

 修理中の凡そ横幅60cm×奥行80cm×厚さ18mm位の木製スライドハッチもちゃんとキャンバーがついているので、この合板にキャンバーはどうつけるのかお聞きすると、薄いタイプⅠの合板をアーチ状の型に合わせて幾枚もエポキシなどで積層して造るんだとおっしゃる。

 今から考えるとこんなオープンデッキで可動の部材は腐らないFRPで成型したら簡単に出来るのにと思うが当時はまだFRP成型技術が普及していなかったか、オーナーが木に拘ったかどっちかでしょうね。作業台には同じキャンバーがついた型が1組あったのでハッチ収納部分は腐らないFRPで作り直されたのかも知れない。

 木造ヨットは殆どがワンオフなので修理の為に部材を取り外していると昔、建造に携わった職人さんの仕事振りも良く分るらしい。普通だったらここの収まりはこうなっているはずだが・・・はて、と思っているとあとでそれがリカバリーのせいだったりするらしい。実は我家の屋根裏にも大工さんの失敗の跡がある・・・。

 雨漏りの修理は腐った部分を取り替えることだけではなく、勿論雨水が流れ込まないような構造に改修すると同時に場所によっては水に強い材料に交換が必要になるという。このヨットはコクピット内にも外装材にも耐候性に劣るマホガニーが使われていたそうで、既に外装材はチーク張替えられているし、今回はスライドハッチの両側ガイド部分がチーク材に取り替えられた。

 ボクが前に乗っていたフネは内装はマホガニーだったが、コクピットからキャビンに入る経路で濡れる可能性がある部分は当然チーク材が使ってあったなぁ。

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 話は変わるが、バウスプリットを持つ手頃なサイズのクラシックヨットもアメリカの中古ヨット市場などには結構出ている。そんなヨットを個人輸入したオーナーが近くに係留していたので見ていたら、オーナーもクルーもヨットは初めてのようで操船技術も古いヨットの維持に必要な知識やメンテナンス技術もお持ちでなく、エンジン故障やデッキの雨漏りも専門業者に修理依頼することもなくホームセンターで手に入いるコンパネや住宅用のプラスチック床材と安いシリコンでやっつけてしまうなど見ていて悲しいぐらいのものだった。

 やがて彼等はギブアップして安値で艇を手放すことになったようですが、『ヨット』は手放されたことで喜んでいるでしょう。きっと。

 結局、クラシックな木造ヨットや木造デッキ艇を維持できるオーナーの資質はしっかりメンテナンスできる腕と資金、そしてその作業を楽しみに出来る人ということでしょうか。
 でも、クラシックヨットが大好でかつ、充分に専門業者にメンテ費用を支出できる方というのも当然OKでしょうね。
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by pac3jp | 2010-11-08 17:33 | ウオッチング  

樟(クスノキ)

c0041039_11123396.jpg いつだったか、それは台風のあとだったかも知れない。いつもお世話になっている船大工さんが水路の奥に吹き寄せられたゴミの中からキズだらけの木材を拾って喜んでいた。

 どうしたの?とお聞きすると「クスノキ」や、これは“銘木”で買ったら高いんやでとおっしゃる。そんな丸太の切れ端は時化が続いたあとの海岸に行けば幾らでも転がっているのにと、まだ和船の知識に乏しかったボクはそう思っていた。

 わが国は神話の時代から、スサノオノミコトが木の使い方についてこう教えたという。「桧は端宮(みずみや:宮殿)に、杉と豫樟(くす)は浮宝(うきだから:舟)に、披(まき)を奥津棄戸の臥具(おきつすてどのふしぐ:棺桶)に使え」といっている。

 この前、テレビ番組で韓国の遺跡から発掘されたお墓に槙が使われていたことから、この被埋葬者は倭人だろうとあちらの学者が言っていたなあ。

 縄文時代は石器で柔らかいカヤやスギを刳りぬいて丸木舟にしたが、鉄器が使えた古墳時代以降の刳り舟や準構造船は耐久性の良いクスノキが使われてきた。

 その後、和船に興味が出てきて博物館で復元菱垣廻船などを見ていると杉は当然で、重要部材に樟や欅が使われているのを発見する。

 近世の弁才船の船材について書かれた史料によると船体部分の航(かわら)、中棚、上棚などは樟・杉・欅が上木で、栂・樅・松・桂・椎は下木である。杉は白太を除き、松は樹脂の多い肥松を使えば上木だ。
 戸立(トランサム)は樟・欅、みよし(船首材)は樟・欅、床船梁は欅が良い。大きく長い材は松・杉を、巨大な舵のラダーシャフ(身木)には樫、ラダーは松である。また前後の目立つ化粧板には樟が使われていたようだ。(大坂・瀬戸内海の船)

 現代でも和船の伝統を僅かに残すFRPの小型漁船でも係船ビットやアンカーローラーを載せている腕木などにその強さと耐腐朽性を買われて今でも樟が使われていると言う。

 欅も強度がある木材だが甲板などで風雨や紫外線に長時間されされると腐朽してくるが、欅と樟を張り合わせて腕木などに使うと欅の寿命が伸びるようだよ、と大工さんに教えてもらった。
 クスノキなどこれからも絶対?フネで使うこともないボクは、へぇ~、樟の樟脳が効いているのかなと、ただ単純にそう思っているだけだが。

 ちなみに、広島の世界遺産、厳島神社の沖に建つ大鳥居も樟を柱に用いている。


【参考Web】:クスノキ(樟)ウイッキペディアより
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by pac3jp | 2010-03-12 11:21 | 歴史・民俗  

ヨットでピアノを弾く

 ずっと前、西田敏之の「もしもピアノが弾けたなら」という歌がヒットしていた頃、叶わぬ夢ながらボクもピアノが弾けたらと思ったものだった。その時、一念発起したオジサン達はもうかなりの腕になっているはず、でもやっと今、自分のヨットにその環境を整えたヨットマンがいらっしゃる。

 ヨットはちょっと古いヤマハ30S、左舷のチャートテーブルを改造してキーボードをセットすろことにしたが、誰もが持つピアノのイメージはやっぱり“黒光り”するピアノフィニッシュだろう。オーナーはこのテーブルを鍵盤カバー兼楽譜立てに新しく製作しなおし、ピアノフィニッシュで仕上げた。(下の画像)

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 ピアノ上のアクリル窓の収納部と右は12Vスイッチボード。AC100V用のコードがアチコチに見えるので陸電はまだ工事中のようです。元のチャートテーブル内に収まっているピアノのカバーは木製だが、上の棚が映るぐらいの仕上げになっている。

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 上の画像はカバーを開けてこれから演奏しようと言うところ。楽譜立てに写真を撮っているボクが映ってしまった。「うまい具合に収まっていますね」とお聞きするとこのヨットのサイズに合うキーボードを巻尺をもって捜したきたとおっしゃる。さすが!

 でも電子楽器は便利ですね。自動演奏でも、難しいヶ所は繰り返し演奏してくれる。近所に喧しければヘッドホンでも楽しめるのだ。
 もうしばらくすれば、このヨットであっと驚くピアノ演奏を聞かせてくれる日も近いのかもしれないなあ。

c0041039_1453890.jpg ヨットで楽器を弾くといえば、'05年の九州周航の折、波穏やかな瀬戸内海で箏の音を聞きながら航海したこともある。
曲名は宮城道雄作曲の「春の海」だったとか。(左画像)

 パートナーは毎日必ず箏を弾くという日課を休まず遂行するため小さめの箏をヨットに積み込んでいた。お客さんに披露することはなかったが毎日ボクが生演奏を聴かされていた。まぁ、何十年も箏や三味線の音は聴かされて続けていますので、もう風の音や小鳥の囀りくらいに自然の音に聴こえていますけどね。

【関連記事】:ヨットの旅と音楽
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by pac3jp | 2009-11-16 14:57 | 音楽・パーティ  

戦艦「大和」の木甲板

 分厚い鋼鉄で建造され、砲弾が炸裂する中で活動する軍艦などは可燃物である木甲板など無縁と思っていたが、日露戦争で有名な日本海海戦の連合艦隊旗艦「三笠」の開戦直前の艦橋を描いた絵画を見ると、東郷司令長官や参謀の秋山真之が立っているのは木甲板だった。

 現在の護衛艦は木デッキは勿論、チーク材で豪華に造作した艦長室などもないでしょうね。
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 でも、戦前は戦艦の甲板は帆船時代からの伝統的で、歩きやすさや甲板下の諸室の保温などを考えて水平装甲鈑上には木甲板が張られてきたという。ちなみにハワイにあるアメリカの戦艦「ミズーリ」にも木甲板が張ってある。

 本物の戦艦「大和」も艦首、艦尾を除く装甲甲鈑に台湾ヒノキの木甲板が張られていた。1/10スケールの「大和」はヒノキだと木目の都合が悪いので木目が詰まって色合いのいい「たも材」になったようである。

c0041039_16273568.jpg ←「大和」の木組みを忠実に再現したという木甲板の端部の収まり具合。
 施工した大下棟梁は終戦のころ呉海軍工廠で少年工として働き、戦後は造船所で船大工としてずっと働いてきた人物だという。

c0041039_1630944.jpg 一方、ボクらが乗るヨットでもFRPを成型しただけのデッキより、チークの木甲板を張るとコクピットの座り心地が良かったり、キャビンの暑さや寒さを防いだり、ノンスリップ効果も大きいのでデッキワークの安全度が増すなどクルージングヨットにとって良いことは多い。

 丁寧に木口を収めたバウデッキ付近。小豆島・岡崎造船製のヨットから。(右上画像)

 チーク合板を張ったヨーロッパのプロダクションヨットのコクピット付近、チーク合板の周りは黒い接着剤で防水処理をしてある。昔のチーク合板は評判が悪かったが、この頃のは中々丈夫そうで剥がれてしまったデッキは見かけなくなった。(右下画像)

 デッキ材も色々でヒノキでデッキを張ってある漁船もあるし、スギやベイマツの甲板を張った船舶はあると思うね。でも、豪華客船はきっと素足でも歩ける磨き上げられたチークでしょうね。
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by pac3jp | 2009-09-15 16:36 | ウオッチング  

クラシックヨット「BABA35」

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 このところMバースに中型ヨットが増えてきたように思う。一昨日の日曜日、P3桟橋に行くとロバート・ペリー設計、台湾のターシンが建造したダブルエンダーでカッターリグの「BABA35」が新しく入っていた。そのフネはバウスプリットを持つどっしりとしたクラシックヨットでハルは最近クルージングヨットの間で流行っている濃い緑に塗ってある。デッキの木部もニスできちんと仕上がっていて、剥げたところもなく全体にきれいに手入れされているヨットである。

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 外洋仕様ヨットの定番装備であるブームレストが装備されている。ブームは木造の白色ペイント仕上げでブロック類も木製だ。ドジャーとビミニはクルージングヨットの必需品なのでこれもちゃんと付いている。
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 左画像はマスト基部であるが、金物の取り付け方で木造のスルーデッキマストだと思われる。デッキには大き目のドラドBOXつきのカウルベントがマストの前後左右に4個配置されている。ブームバンクは付いてない。右の画像はクラシックヨットの伝統的なルーバードア、しっかりとニスが塗ってある。こう見ていると、ハルはFRPのようだが、どうもこのデッキは木造みたいだなあ、こまめなメンテを怠ったらアチコチから雨漏りする恐れもあるかも。

c0041039_15304713.jpg ダブルエンダーのコクピットはトランサムが開放されてないのでなんとなく囲まれているようで安心感はありますね。それにこのスターンは何んにも装着してないのですっきりしていますね、でもロングクルージングに出ようと思うと多くの皆さんがスターンに載せているあの大荷物をさて、どこに仕舞うかが大問題ですなぁ。

 眺めていてこのヨットの船齢はどの位だろう考えてみると、デッキ?やマストが木造であることからかなり古いと思われるが、外観は大変きれいだ。最近に大規模レストアされたのかも知れなし、よくわからない。

こんな外洋仕様のクルージングヨットをしっかりとメンテし、週末のみにゆったりと乗りこなしている優雅さや余裕がいいなぁと、感想を漏らすと、それがアーバンヨットライフだよと、お仲間はいう・・・。

 もし、ボクがこんなフネを持てたとしても○△不足で優雅のかけらもないメンテのスパイラルにハマりそうな気がするなあ。やっぱりクラシックヨットは「見てるだけ!」が一番ですかね。
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by pac3jp | 2009-09-01 15:35 | ヨットの艤装と艤装品  

今年もメンテの季節がやってきた・・・

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 沖は寒そうな季節風が吹き、時化模様だが高い堤防で囲まれた泊地の奥はちょっとした陽だまりになっている。そこでマイヨットのデッキ工事に取り組んでいるオーナーさんがいらした。

 コクピットのシートをチークのバテン張りにする計画だ。このヨットはコクピットにウォーターブレーク様の突起がないストレートなデッキ構造なのでバウから打ち込んだ海水がコクピットに流れ込むらしい。古いクルーの皆さんはそんなもんだと思っているので何とも思わないそうだが、たまに乗り込むクルーはそのたびにズボンの尻が濡れてしい、それがちょっと苦痛になっていたという。

 そこで、オーナーはゲストクルーの忠告を受け入れ、FRPのコクピットシート部分に8mm厚さのチーク材を貼り付け、滲んでくる海水からお尻を守り、かつデッキの見栄えもよくなる一石二鳥の工事を始めたのだった。

 でも、チーク材って高いんだろうと思うが、プロがつかう厳選された材料は当然高価である。でもチークも天産品である。生育した土地の条件はそれぞれ違い、木の大きさ、色合い、木目、木目の流れなど様々に違う。そんなチーク材から広いボートデッキに使えるよう小割製材して選ぶわけだが、中には木目が波打っていてプレーナーにも掛からないようなチーク材も出てくるという。

 これが「アマチュア・カーペンター?」の狙い目だ。逆目が出てもペーパー研磨する手もある、色合いが多少違っても短いバテン張りだと目立たない。

 バランスよく部材を並べ、張り付ける用意をしていたオーナー曰く、「あちこちの寸法を測ってみるとこれが以外に左右均等ではないんだね」とおっしゃる。それはリグのテンションの影響か、長い間に船体が歪んだのか、あるいは最初から適当にハルとデッキを接合したのかと思ったりするが、どちらにせよヨットは車や工作機械のように正確に作られた工業製品ではないらしい。自動車メーカーが造るPONAM-45でもデッキの寸法にばらつきがあると聞くもの。

 ブーン、ブーンとサンダーでチーク材を研磨する音が聞こえてきた。これからクリート部分などの細い工作にかかり、あと数週間で完成するだろう。新年には黄金色に輝く新しいチークシートで初乗りが出来るでしょうね。きっと。
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by pac3jp | 2008-12-08 16:40 | ウオッチング  

大工さんのまな板

 このところ、マスコミの報道はアメリカ発の金融不安と株安のニュースばかりで一向に良い話はないが、大型モーターボートは売れているらしい。と、いっても発注したのは大分前で納期が今になっているだけのことですが。

c0041039_17245930.jpg でもボクがいつもお世話になっている大工さんは年末までに3隻のボートにチークデッキを張る予定だとおっしゃっる。今月末に1隻目が出来上がるらしいのでちょっと様子を見に行ってきた。

 ボートも海に浮いていると桟橋から簡単にデッキに乗り移れるが、工場内では船台上にあるのでデッキはかなり高い場所になる。作業階段を上り作業中のアフターデッキを見ると、もうデッキハッチやファイティングチェアー基台などコーナー部分の部品は定位置に仮付けされている。これから長い部材を貼り付ける工程がはじまるようだ。

c0041039_17262053.jpg そんな広いデッキになにやら幅が広くぶ厚いチーク板が置いてある。デッキ部材にしては不細工なものが、と思って聞いてみると「こう使うんやで」とデッキ部材のチークの小口に目地を入れるための切込みを刻んで見せてくれた。そして次々と細かい鋸作業をこの台でこなしてゆく。

 そうか、料理屋の板前さんはまな板の上で包丁を使い料理を作ってゆくが、船の大工さんもやっぱりデッキ上のまな板で材料を鋸で引いて仕上げていくんだ。材料と使う刃物も職種も違うが、いい仕事をしょうとする職人さんたちは日本人の文化である俎板に行き着くのかなと、思ったりしたが少し考え過ぎだったかな。

 国産のヤマハマリンやトヨタマリンの大型ボートにはビルダーオプションでチークデッキの設定はなく販売店オプションになっているらしく工場出荷後に現地で工事することになる。
 外国で建造されるボートはビルダーでチークデッキが施工されるのが普通だが、国内大手のヤマハでも木のデッキを張れる技術者が少なくなってしまったのでしょうね。

 皆さんも手入れが面倒だとかおっしゃらずデッキにチークを張ってみたらいかがですか。夏のシーズンなど、きれいに手入れされたチークデッキを素足で過ごすのはなんとも気分がいいものです。ベンチシートだけでも雰囲気・気分が変わりますよ!!
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by pac3jp | 2008-10-29 17:33 | ボート  

チーク厚板から柾目板を切り出す

c0041039_11461583.jpg いつもお世話になっているヨット屋さんのヤードに行くと重いチークの厚板が10数枚も積んであった。近く、55fのモーターボートのデッキを張る予定なので製材所で挽いてもらったものだという。

 お話しを聞いていたらデッキに張るチーク材は柾目のものを張るんだとおっしゃる。デッキ材の木目まで気にしてない、いい加減なボクは「そうなんだ」と思いながらよく見ると確かにボクのフネもデッキに張られたチークは柾目材だった。さらに詳しく観察すると板目に近い部分も少しはある。

 今回はこの幅250mm×厚さ50mm×長さ2.5mの厚板からチークの柾目デッキ材(幅50mm×厚さが10mm×長さ2.5m)を切り出すとおっしゃる。ボクは単純に幅と厚さを決めて厚板を挽けば良いと思っていたが、丸太から板目挽きされた厚板は円弧を描いた木目になっている。適当に挽けば柾目もあるが板目の物も出来てしまう。でも丸太から切り出された幅広い板が全部柾目になっているモノは少ないので製材で工夫するそうだ。

 まず、板材の柾目と板目の違いがよく分らない人は、
このWeb→●板目と柾目●の解説を読んでみよう。

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 板によって木目が違う、そして、その木目によって切り出すプランも変わってくる。この厚板(↑画像)から柾目の薄板を切り出そうとすると、こう切るのかなと思ってイメージを書き込んでみた。寸法などは考えてないラフプランだ。両端は横に挽き、中心部は縦に挽けば大体柾目に挽けそうだ。チークは高価な木材なので無駄のないように切り出さないといけないのだ。ちなみにこのチークの厚板は1枚10万円もするそうです。

c0041039_1153781.jpg 4枚積んであった厚板の一番下には濃い目のチーク材がある。チークも天然材料なので育った場所によって色合いや木目も違う。同じデッキでモザイク模様になったら不細工なので一本の丸太から挽かれた材料を使うという。デッキ材もバテンばかりでなくコーナー部分やステップ部分は幅広い材料が必要だ。これは別途で調達してあった。

 職人さんのお仕事を見学するとホント勉強になります。自分がやった訳でもないのに、時々お仕事を見学していただけでも工事が完成した時は、実際うれしいもんですね。これからが楽しみですわ(^^♪
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by pac3jp | 2008-01-30 11:55 | ボート