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尖閣諸島のスクランブルとサイバー攻撃

 先月、8月末、2011年7月10日~11日に警察庁ウェブサイトがサイバー攻撃で閲覧出来なくなったが、そのIPアドレスを解析した結果、90%が中国からだったと報道された。そのきっかけは7月4日の尖閣諸島において航空自衛隊のF-15が中国偵察機に対してスクランブル発進したことに対する報復だったらしい。

 国籍不明機が自国の防空識別圏に入れば戦闘機がスクランブルするのは世界の常識なのにそれに報復するなど過剰反応だろうと思っていたが、中国の大手検索サイトの掲示板に書き込まれたサイバー攻撃の呼びかけと原因としているテレビニュースのURLには自衛隊の活動が過剰に表現された「あおり動画」が長々と写されていた。

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 画像は中国のY-8型電子情報収集機。機首下部と垂直尾翼の前あるドーム内にあると思われる大型アンテナなど大小のアンテナで電子情報を収集している。
(統合幕僚監部提供)

c0041039_17571932.jpg 同機は、日中中間線付近を北緯27度付近から北緯31度付近まで飛行。その飛行パターンは7月の4日、7日の航跡と非常によく似ており、沖縄から九州西部の自衛隊や米軍の電子情報を収集したのではないだろうか。 一般的に、収集した電子情報は分析され、電子妨害や電子防御を行なう機材に設定されるとともに戦術分析に役立てられる。電子機器の高度化にともなって、電子情報は複雑化しており、定期的な情報の収集と高度な分析がなければ、電子機器への妨害や同機器からの防御の効果は低くなる。そのため、今後も同機が同空域へ定期的に飛来する可能性は高い。
(NetIB News 8/3)

 また7月31日には尖閣諸島のEEZで中国の海洋調査船がケーブルを曳航しながら航行しているのが発見された。

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c0041039_17592378.jpg ←↑ 11/07/31 尖閣沖EEZ航行中の中国の海洋調査船「北斗」
(第11管区海上保安本部提供)

 尖閣周辺のEEZで中国海洋調査船が7月31日午前7時25分ごろ、沖縄・尖閣諸島の魚釣島北北西約61キロの日本の排他的経済水域(EEZ)で、中国の海洋調査船「北斗」が、船尾からワイヤのようなものを4本ひいた状態で北西方向に航行しているのを第11管区海上保安本部(那覇市)の航空機が確認した。
 11管によると、尖閣諸島周辺の日本のEEZ内で中国の海洋調査船が確認されたのは今年初めて。水質調査などを行っているとみられ、無線で調査を中止するよう呼びかけたが応答がないという。11管は巡視船などから監視を続けている。尖閣諸島周辺では30日、中国の漁業監視船が日本の接続水域内を一時航行しているのが確認されていた。

 南シナ海の南沙諸島では中国船は他国調査船のケーブル切断など手荒な手段で権益を確保しているようですが、尖閣では海保も遠くから無線で注意するだけ?なので中国船は安心して仕事に集中しているようです。
 ちょっと前に海底資源調査船「資源」が調査中に不注意で航路を横切った自衛艦に曳航ケーブルを切断された事故がありました。この手は使えそうですが誰か・・・。

 ボクも航海中、スターンから曳いていたラインを漁船やモーターボートに切られことは何度もありましたが謝られたことは一度もなかったなぁ。

【参考資料】サイバー攻撃の呼び掛けがなされた掲示板(警察庁Webより)
 
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by pac3jp | 2011-09-03 18:12 | 航空・宇宙  

3次元海底資源調査船「ラムフォーム・Wクラス」

c0041039_15125724.jpg  三菱重工業は、ノルウェーの資源探査会社大手ペトロレウム・ジオ・サービス社(PGS)から3次元海底資源探査船2隻を受注、14日に現地で契約調印した。2隻のオプションが付いており、2013年春から順次引き渡しの予定。

受注したのは、PGS社が“ラムフォーム(Ramform)・Wクラス”と呼ぶ新型の3次元解析能力を有する海底資源探査船で、全長約104mながら最大船幅が70mと広く、広範囲の探査能力を持つのが特長。ディーゼル発電機による電気推進であるため、航行時の静粛性にも優れる。 船尾から数キロメートルにおよぶ複数のストリーマー・ケーブル(ハイドロホンと呼ばれる振動センサーを内蔵したケーブル)を曳航し、音源から発した音波が海底面や地層境界に当たって跳ね返ってくる反射波を受信して、地層構造を3次元的に解析する。PGS社では新型の船尾幅を従来の探査船に比べ30m拡張することにより、ストリーマー・ケーブルを最大24本と大幅に増やして、一度に広い範囲を探査できるようにした。

 (三菱重工業ニュース 2011.4.15より)

 5月26日、南シナ海のベトナムのEEZ内で海底資源調査中の国営石油会社の探査船が中国の艦船3隻によって調査ケーブルを切断される妨害を受け、ベトナムは「重大な主権侵害」と強く非難し、南シナ海領有をめぐり対立する中国とベトナムの緊張が高まっていると報道されている。

 高価な海底資源調査船を持っている国は少ないのではと思っていたが、アジアでは中国が12隻に、韓国も4隻に保有数が増えているという。日本は上記のノルウェーPGS社から「ラムフォーム・ヴィクトリー」を買ってやっと1隻確保したのにべトナムは中国との対抗上自前でフネを確保したのか、とりあえず外国からの傭船だろうか。
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 南シナ海・東シナ海で小さな?バトルを繰り返す隣国の中国では保有する海底資源探査船の数は12隻と多いがストリーマー・ケーブルの数が2~4本と少なく探査の効率も悪いからか、今回、アジア最強の探査船「海洋石油720」を建造し、その引渡し式が4月22日行われたと報道している。
 この船はストリーマー・ケーブルの数は「資源」の12本と同じだがケーブル長さが8000mと長いのが特徴だという。

c0041039_15151372.jpg 一方、韓国では以前から日本海の竹島にも近い対馬海盆でメタンハイドレードの調査をしていたが、昨年、2010年にはフグロ社(本部オランダ)の海底資源調査船フグロシナジー(Fugro Synergy)号(左画像)で対馬海盆の水深約950mから水深約2,300mまでの約10地点でボーリング及びコア採取を行いその傭船料は3,700万ドルだという。
 日本が2006年に傭船した「ラムフォーム・ヴィクトリー」も1ヶ月あたり10億円だったが多分同じような相場金額なんでしょうか。でも長引くと大変だ!

 この調査船は3次元資源探査船と違い深海を掘削してコアを採取する機能があるフネなので大きなヤグラを持っている。最近進水したJOGMECの「白嶺」にもフグロ社の掘削装置が搭載されることになっている。装置納入と同時に当然必要な深海掘削作業のオペレーションのノウハウやその解析技術もきっと高いのでしょうね。

 日本の海底資源調査船は新しい「白嶺」もストリーマー・ケーブル装置を1本持っているがメタンハイドレード・熱水鉱床などの深海ボーリングやマンガン塊などの採取がメインになるだろう。「資源」は石油・ガス田の3次元探査が主になるのだろう。それに地震の調査もあわせてやっているというが・・・。
 漁船や航行する内航船舶も多い日本近海で6kmもある長いケーブルを12本も幅広く曳きながら航行する作業は大変です。たまには潜水艦に絡んでしまうこともありますしね。

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上画像 3次元海底資源探査船「資源」

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 12本ものケーブルを繰り出すシーブが並ぶ40mもある幅広い船尾。船体色が違うが以前の「ラムフォーム・ヴィクトリー」2006.9月撮影

 三菱重工さんでは今回受注したPGS社の探査船でも韓国の造船所と激しい競争になったと聞いている。以前はこのジャンルでは中・韓とも競合しなかったのに最近は国家の海底エネルギー獲得方針にあわせて中国や韓国も特殊船にも力を入れているようだという。

 確かに日本のメタンハイドレード開発は隣国との摩擦がない本州南岸の南海トラフだけでやっているが、日本海や東シナ海にも有望なエリアがあり隣国たちは着々と開発を進めているのに日本だけが何もしないと持っていかれてしまわないかとボクは大いに心配している。
 

【参考Web】:海底資源探査船 ラムフォーム・ビクトリー号
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by pac3jp | 2011-06-12 15:31 | 特殊船  

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の新調査船「白嶺」

 2010.10月にJAMSTEC(海洋開発研究機構)の「ちきゅう」を見学したとき、沖縄海域の海底熱水鉱床からボーリングされたサンプルコアを見たことがある。それには日本が必要としている金属のうち銅、鉛、亜鉛、金、銀、それにレアメタル類も多く含まれているという。でも、熱水鉱床は700m~3000mの深海にあるので商業採掘は中々むつかしいらしい。

 「しんかい6500」でもその熱水鉱床を調査した画像などは見たことはあるが、それを資源として開発しようという雰囲気ではなかったなぁ。
 同じような海底調査船を運用しながら文部科学省所管ではどうも本来目的が違うようだった。

c0041039_16592821.jpg 海洋資源開発となるとやっぱり経済産業省所管で、石油公団と金属鉱業事業団を前身とする「JOGMEC」が運用する「第2白嶺丸」や「資源」が出てこなくてはならない。
 我が国は世界第6位の広いEEZをもち、その海底にはレアメタル等の金属鉱物資源やメタンハイドレート等が豊富に存在するといわれている。しかし、海底資源に目覚めた隣国から自国の権益を守るためにはしっかりとした調査が必要と目覚め、やっと日本にはなかった石油・天然ガス探査の三次元探査船「資源」を中古船ながら海外から購入した。
 でも自前だった海底調査船「第2白嶺丸」も建造からすでに30年がたち自動船位保持装置もないなど装備が古くなったので遂に新しい調査船を建造することになった。(船体220億円+調査機器75億円の合計295億円の予算がついた)

 新調査船は、平成22 年7月に三菱重工業株式会社下関造船所で起工し、平成23 年3月23 日に進水式が執り行われ、今後、調査機器の据付など艤装を経て、平成24 年1月末に完成、就航の予定であると報道された。

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 新海洋資源調査船「白嶺」の主な仕様
全  長: 118.3m、幅:19.0m、深さ:9.2m
総トン数: 約6,200t
航海速力: 15.5kt
航続距離: 約9,000海里
最大搭載人員: 70人(乗組員34 人,調査員など36 人)

 バルバスバウの後方には2組のトンネル型のスラスターと昇降旋回式(360°旋回が可能で、かつ昇降して船体内に格納可能なタイプ)のスラスターを装備する。一方、船尾部分の船底はバトックフロー船型(平らな形状)をしており、2基のアジマス推進器(360°旋回が可能)や船の直進性を向上させるためセンタースケグと針路安定フィンが設置される。

 また、停船状態や低速航走状態にて長時間のサンプリング調査や観測作業を行うことから、船体動揺を軽減するためのビルジキール及び減揺タンクを装備する。この結果耐航性能としては、最大風速15m/s、有義波高3mの気象海象条件下で、船体の横揺れを5度以内、縦揺れを2度以内、上下揺れを1.5 m以内(いずれも片振幅)に押さえることが可能である。

 船体中央部にはムーンプールを配置し、大型のつり下げ型調査機材の投入揚収が可能である。また、ムーンプールの船底部と作業デッキレベルにはそれぞれ2枚の蓋からなる扉を装備しており、巡航時やムーンプール作業等の状況に応じて扉の開閉(観音開き)が可能である。
また、新調査船ではこのムーンプールを利用して船上設置型掘削装置(取り外し可能)による掘削作業を予定している。

 新海洋資源調査船「白嶺」の発電・推進システムの諸元
■主発電機関(ディーゼルエンジン):最大出力2,635kW×720rpm-1×4基
(補助発電機関:最大出力860kW×900rpm-1×1基)
■主発電機:AC6,600V、60Hz、2,450kW ×4基
(補助発電機:AC450V、60Hz、800kW×1基)
(非常発電機:AC450V、60Hz、250kW×1基)
■推進電動機(プロペラ駆動用電動機):船尾アジマス推進器3,200kW×2基
■バウスラスター(トンネル式)790kW ×2基
■バウスラスター(昇降旋回式)820kW ×1基

 「白嶺」は電動機駆動による電気推進船であり、ディーゼルエンジンに直結させた発電機により、インバーター制御の電動機でプロペラを回転させて船の推進力を得る。この方式はプロペラの回転数の制御が容易で操縦性が良く、また振動が少ない等のメリットがあるため、調査船向きの推進システムである。さらに使用電力の負荷に応じて4系列の発電機関の運転台数を制御することで、効率的、経済的な運用が可能なパワーマネジメントシステムを備えている。また、エンジンで直接プロペラを回転させる方式では船体におけるエンジンの設置箇所に制約があるが、電気推進方式ではエンジン・発電機セットの設置箇所は自由にレイアウトすることが可能となり、調査船の用途に合わせた最適な船体の設計が可能となる。近年建造される世界の客船や海洋調査船の多くが、この電気推進システムを採用している。
 この船の発電機の総出力は10,850KWとなり昔の船とはえらい変わりようだ。

 搭載する装置の中でも特筆すべきものは、海底着座型掘削装置及び船上設置型掘削装置である。なお、掘削中の本船は2基のアジマスと3基のスラスタの自動船位保持装置(DPS)により総合制御される。

■海底着座型掘削装置の主な仕様
c0041039_1650336.jpg① BMS:深海用ボーリングマシン現有機(左画像)
稼働水深:6,000m
掘削長:20m
空中重量:4.8t(コア満載時)

② BMS50M:新型深海用ボーリングマシン
稼働水深:3,000m
掘削長:50m
空中重量:約15t(コア満載時)

○特徴
新型のBMS50Mは、AC3,000V、3φ、60Hzの電力を供給する38.1mmφの光・動力複合ケーブルにより接続され、海底に着座する水中部本体と、船上から本体をコントロールする船上部で構成される。 水中部は電動モーター、油圧ポンプからなる動力ユニット、パワースイベル等の掘削ユニット、ドリルビット・インナーチューブ等の掘削ツールを格納するマガジン状のラック(ストレージマガジン)などから構成される。本体の下部の3脚の接地脚が独立に垂直方向に伸縮することで、1mの段差、30度の平面傾斜地に設置可能。 

■船上設置型掘削装置の機能(下画像)
c0041039_16512580.jpg 船上部に掘削機本体を設置し、ムーンプールから掘削ロッドを海底に降ろして海底下を掘削する装置。掘削対象の土質条件に併せて、掘削ツールが変更可能である。圧力保持掘削ツールを搭載することで海底下に賦存するメタンハイドレート試料の採取が可能。

○主な仕様
稼働水深:最大水深2,000m
掘削能力:400m
掘削システム:ライザーレス、パワースイベル駆動

○特徴
マリンドリルのドリルデリックは、掘削機器及びダウンホールツール(ドリルパイプ内を通過する各種サンプル採取・測定装置類)を、安全かつ問題なく広く安定したサンプリングプラットフォームに装備し、動揺補正装置を備えた堅固なツインタワー形式の装置で、新調査船の中央部にあるムーンプールに合せて設置される。
通常、石油掘削など大規模・大深度の掘削の場合、ライザーと呼ばれるドリルパイプと掘削泥水が通る二重構造のパイプを船底から海底面に設置された噴出防止装置まで取り付ける「ライザー掘削方式」が採用されるが、本システムの場合、掘削深度が400mであり、ガスや石油の噴出の可能性が極めて低いことから、「ライザーレス掘削方式」、つまり、ドリルパイプだけを用いた掘削方式を採用している。

 我が国周辺海域では、島弧~海溝系に属する沖縄トラフ及び伊豆・小笠原海域において、多くの海底熱水鉱床が発見され、これらの内、いくつかは広範囲に分布することが確認されている。また、分布水深が700~1,600 mと世界的にも浅く、中央海嶺に分布するものと比較し金・銀の品位も高いことから、技術的・経済的にも開発に有利であると期待されている。

 現在JOGMECでは沖縄海域(伊是名海穴)及び伊豆・小笠原海域(ベヨネース海丘)を中心に、海底熱水鉱床の資源量を評価することを目的として、深海用ボーリングマシン(BMS)を用いたボーリングコアの掘削調査を実施中である。

 海底資源開発のうち、熱水鉱床については、10 年程度を目処に商業化を図ることが海洋基本計画に盛り込まれていて、平成30年には採掘に目途をつけるということだと思うがあと7年ですがさて・・・。

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 日本近海の海底熱水鉱床位置図


【参考Web】:JOGMEC 新海洋資源調査船の建造について  
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by pac3jp | 2011-06-05 17:11 | 特殊船  

中国 最新の深海調査船「蛟竜」

 昨年10月に神戸港で「しんかい6500」を見学したとき、会場で東シナ海の海底資源がらみで中国の7000m級深海調査船が話題になっていた。どんなフネだろうと思っていたら、既に完成し、船名が当初の「和諧」から「蛟竜」に改名されもう実際に中国近海の深海で潜水活動をしているという。聞いた覚えがある「蛟竜」という船名は太平洋戦争末期に日本海軍が水中の特攻兵器として開発・配置した小型潜水艇の名と同じですね。

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 2010年8月26日、中国の科学技術部と国家海洋局は、中国が自力設計・自主開発した初の有人深海調査船蛟竜が深さ3,000m級の潜水テストに成功したと発表した。これにより中国はアメリカ、フランス、ロシア、日本に続き深さ3,000m以上の有人潜水技術を確立した5番目の国となった。

 国家海洋局によると蛟竜は2010年5月~7月にかけて南シナ海の深度3,000m級の海域で計17回にわたり潜水テストを行い、最大深度は3,682mに達した。


 中国は「自力設計・自主開発」と発表しているが、中核技術である、耐圧殻の設計・製造はロシア、浮力材やマニピュレーター、水中投光器はアメリカ製で水中TVカメラ、デジタルカメラ、イメージング・ソナーなどは日本から導入している。

 チタン合金耐圧球は内径が2.1m、内部容積4.8立方m、材質はTi-6AI-4Vチタン合金製。完成品の真球度は0.4%で「しんかい6500」と同じグレードになっている。でも、成型方法は日本やアメリカの半球成型工法でなく、チタン合金の天板に6枚の側板をTIG溶接し、熱処理のうえで機械加工により研磨して半球を二個造り、これをさらにTIG溶接して球にしている。これはロシアの「コンサル(Consul)」と同じ方法で設計・建造に実績を持つロシア企業が製作を担当したという。

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 ↑ 画像はX字配置の舵と4基のベクトル合成駆動式の固定スラスタ。船体前寄りに上昇下降・旋回用の小型スラスタ2基と船首上部にトンネル式のサイドスラスタがある。

 バッテリーは酸化銀-亜鉛電池で110KWH(110V-800AH)が搭戴されていて日本の「しんかい6500」より30%容量が大きいので6時間の連続潜水作業が可能となった。日本も当初は酸化銀-亜鉛電池を搭載していたが2004年に軽量・高性能のリチウムイオン電池に取り替えられた。

 深海調査船と母船の間には画像伝送システムを持っているが伝送速度は80kbpsと遅くカラー画像1枚を送るのに30秒もかかるという。我家のインターネットは100Mbpsなので想像できない遅さです。

 中国の有人潜水船の開発目的は軍事技術の取得が第一で、海洋資源などの探査も計画されているといわれ、ボクもそう思っているが、このところ世界中で中国の鉱物資源・エネルギー獲得の勢いはすざましくこの深海調査船ものんびりと海底生物の科学調査などはやらずにズバリ、海底資源の探査とその利権の獲得が主目的になる深海調査船だろう。

c0041039_13594747.jpg 昨年の潜水テストではしっかり、南シナ海の3,759mの深海底に中国の五星紅旗を立てたという。日本やアメリカの6500m級を越す7,000m級深海調査船を持ったことで世界一の座についたという嬉しさか、いや、やっぱりこれも国威発揚なんでしょうかね。

参考データ
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 深海の海底資源の探査が主ならば4,000m級でも充分だが・・・。

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リストの中では中国の7,000m級「蛟竜」とアメリカの6,500m級「新アルビン」が最新型だがこの船はまだ進水していない模様?。


【関連記事】:有人潜水調査船「しんかい6500」
【参考Web】:海外における深海有人潜水船の開発動向と我が国の進むべき道
【参考資料】:「世界の艦船」2011年3月号 中国初の深海調査船「蛟竜」
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by pac3jp | 2011-02-13 14:11 | 特殊船  

有人潜水調査船「しんかい6500」

 支援母船「よこすか」の後部甲板の格納庫に「しんかい6500」が台車に乗って置かれていた。完成から20年、1000回以上の深海調査をこなしてきたもうベテランの深海調査船だ。

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完  工:1990年4月  総トン数:26.7トン
全  長:9.5m    航海速力:2.5ノット

 正面からみると正に深海に住む爪をもつ怪物の感じもするが各種カメラや投光ライトに説明板を吊り下げ少し愛嬌もある。正面の丸いラムネの口のような部分が乗員の覗き窓だ。世界の海を潜ってきたとはいうがFRPの船体外板は傷もなくきれいだ。両舷の一部側面は見学用に透明のパネルが張ってあり内部の部材が見える。

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 リチウムイオンのバッテリーBOXや接続された電力ケーブルも垂直スラスタのダクトもプロペラの油圧ポンプやモーターも、そして上部には浮力体のブロックが詰まり、と部品みんなに680気圧の水圧が直接掛かるのだ。大丈夫だろうかとボクは心配するが、いらぬ心配だろう。

 ただし、正副パイロットと研究者の3人が乗る部分のみが直径2mの真球のチタン製の耐圧殻になっているのだ。それも高い水圧下では少しのゆがみが殻の破壊につながるため、耐圧殻は可能な限り真球に近づけることが求められ、その精度は直径のどこを測っても0.5mm(真球度1.004)の誤差しか許されないという厳しいものだ。

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 「しんかい6500」と母船とは音波を使って情報交換をしている。電波と違って海中の音波の伝わるのは1.5km/secでとても遅い。深度6000mの「しんかい」から母船に電話の音声が届くのが4秒もかかる。気の短いせっかちな人はとても電話が出来ないなあ。でも水中TVカメラが撮影する映像は8秒に1枚のスロースキャンで母船に送ることが出来る。

 深海底の位置もGPSではなく音波を使った測位システムで確認される。位置情報は予め用意された海底地形図の上にプロットされる。

 最近は「ちきゅう」も沖縄トラフのレアメタルを含有するといわれる熱水噴出鉱床付近を掘削したとサンプルコアが展示されていたが、「しんかい6500」は早くから日本周辺の深海調査をやっていて、南海トラフのメタンハイドレートは有名だが南西諸島海域でもマンガン団塊や厚いマンガンに覆われた斜面が、また二酸化炭素やメタンのガスハイドレートも見つかっている。これらは天然資源のないわが国の貴重なエネルギーなのでしっかり活用してもらいたものだ。

 資源確保に躍起の隣国では7000m級の潜水調査船を建造中だと聞いていたが、もう就役しているかもしれない。日本も世界の全ての深海を調査できる次世代有人潜水調査船を早く造って欲しいもんですね。

【参考資料】:BlueEarth 2007/1.2月号 「しんかい6500」17年の軌跡
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by pac3jp | 2010-10-29 07:38 | 特殊船  

支援母船「よこすか」と「しんかい6500」

 平成22年10月16日(土)神戸港・しおさい岸壁で「テクノオーシャン2010」でJAMSTECに所属する「ちきゅう」と「しんかい6500」と支援母船「よこすか」の見学イベントがあった。

 この日は好天に恵まれ船の見学には絶好の日だった。5千人の見学者があると聞いたが、小さな子供たちを連れた家族グループが多かったのも良かったですね。それにわざわざ東京からやってきた若い人とも出会う。

 ボクは昨年にも「ちきゅう」を見学したが、人気の大型探査船なので見学者の長い列につられて、つい並んでしまい、昨年と同じコースで一回りしてきた。
 お隣に停泊する「よこすか」は4000トンクラスの船なのに57000トンの「ちきゅう」の隣ではとっても小さく見える。

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c0041039_1356484.jpg全長:105.2m 幅 :16.0m 深さ:7.3m 喫水:4.7m
総トン数:4,439トン
航海速力:約16ノット
航続距離:約9,500マイル
定  員:60名(乗組員45名/研究者15名)
主  機:ディーゼル機関 2,206kW×2基
推進方式:可変ピッチプロペラ×2軸
竣  工:1990年

 この船は有人潜水調査船「しんかい6500」の支援母船として建造されたので深海探査の支援に特化した設備を持っている。

c0041039_168145.jpg その一番は深海に潜航する調査・探査船との通信・航法管制に必要な高性能な音響機器が搭戴・運用されている。そのために母船から放射される雑音が多くては本来の効果が発揮できないのでエンジンや発電機の防振対策や雑音の出にくいプロペラ形状、それに機関室の様々な防音対策を講じて、建造当時は非軍事向けとしては「世界一静かな船」といわれたという。
今は深海巡航探査機「うらしま」の母船としても活躍している。

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 「よこすか」の船内を見学する。ブリッジに入ると船齢20年を感じさせるブリッジで液晶ディスプレーがずらりと並ぶ「ちきゅう」とは大分違い、多くがアナログ系の装置でディスプレーはレーダーや電子海図の表示パネルなどだけのようである。

c0041039_1491081.jpg ブリッジの背面にガラス管を使っている珍しいアナログ計器盤があった。表示は「ヒーリングタンク」「吃水」のプレートが付いている。ヒーリングは両舷のタンクレベルを表示していて、吃水は船首・船尾の吃水レベルを表示しているらしいが、「これ何ですか」とお聞きするともう別のセンサーに変わり今は使っていないと半分だけのお返事だった。

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 船内通路を見学しながら通過するがブリッジの階下付近に珍しく和風で纏めた小さな会議室があり、毛布を折り畳んでオブジェ風にした飾りが3つ並んでいた。きっとこの船には少々のあそび心をもったクルーが、深海の難しい仕事から帰ってくる仲間のためにこんな心使いがあるのかもしれないなぁ。上の画像は左は孔雀、右はバラです。

 さらに船内通路をわたり後部甲板の「しんかい6500」の格納庫に入る。(続く)
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by pac3jp | 2010-10-24 14:14 | 特殊船  

10月16日(土)「ちきゅう」「しんかい6500」などの一般公開

 10月14日~16日まで神戸港・ポートアイランドでTechno-Ocean 2010が開催されます。
メインの会場は神戸国際展示場ですがイベントとして海洋調査・研究などの最前線で活躍する研究船や潜水調査船の船内を見学できます。

c0041039_792568.jpg (独)海洋研究開発機構(JAMSTEC)の所有する「ちきゅう」「しんかい6500」「よこすか」、国土交通省の「Dr. 海洋」の4隻が揃うのは珍しいです。是非ご覧ください。

←画像は'09/2 神戸港・六甲アイランドにて

 船内の見学には、必ず事前のお申し込みが必要です。
 下記ご参照のうえ、必要事項を官製往復はがきにご記入のうえ、お申込み下さい。

締め切りを延長しました!定員になり次第しめきります。と、表示がありますので行きたい人はお早めにね。
      
公開日時:平成22年10月16日(土)

ちきゅう   (受付時間 10:00~15:00)しおさい岸壁(ポーアイ西側岸壁)
しんかい6500、よこすか(受付時間 10:00~15:30)しおさい岸壁   
Dr.海洋    (受付時間 10:00~15:10)新港第4突堤  


 特に5万7千トンの「ちきゅう」号は日本国が建造した船舶では戦艦大和に次ぐ大きな船だそうです。
 船内には興味深いモノが一杯で、一見の価値あり。


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by pac3jp | 2010-10-04 07:19 | ウオッチング  

地球深部探査船「ちきゅう」見学 番外編

 前2回の記事で深海底の掘削装置と採掘されたコアの難しそうな研究の一部をご紹介したが、今度は門外漢のボクがこれなんだろう?と思ったもの3件をご紹介する。

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 まず、「ちきゅう」の傍によると後部デッキサイドから太い浮力体が付いたホースが幾本も出ていて、上部デッキのホースハンガーらしきものに引っ掛けられている。そして少し前方には船内から太いパイプが船外に伸びていて、その先は頑丈なゴムホースに繋がり端は手すりに止めてある。
 本船は停泊すると給油・給水それに陸電を給電するホースや電源ケーブルなどをつないでいることはあるが、大抵は船側に各種接続口がありホースをぶらぶらさせていることはない。画像は左舷の岸壁側だが、ヨットで沖から眺めても右舷の同じ位置にもホース類のハンガーがあった。

 近くにいた女性クルーにホースの用途を聞いてみるとセメント、水、燃料など用です、と教えてくれた。油と水は普通だが、そうか、海底に穴を掘るとパイプを固定するのに大量のセメントがいるんだ、とあの太いホースを見て納得する。

 「ちきゅう」がライザーパイプで掘削中は海底と直径50センチもある太い金属パイプで繋がっている。流されたら全てパーだが、船はGPSやその他の位置センサーで6基のアジマススラスタを制御して風波や黒潮などの潮流をものともせず、ちゃんと定位置を保っている。

 一方、数ヶ月にも及ぶ掘削では人員はヘリで交代し、燃料や水、セメントなど重い物資は補給船が運んでくる。補給作業は「ちきゅう」に横付けして積みかえれば良いと思っていたが、そうではないらしい。補給船が接舷すると本船のコントロールが難しくなるため為、同じDPS(自動船位保持装置:Dynamic Positionig Sistem)を装備した船でなくてはならないらしい。そうか、舫いを取らずに積み替えるのだ。そのためより条件のよい舷側から補給するため、両舷にホースが用意されているのかな。このホースは航海中も舷側にセットしたままのようだなぁ。

c0041039_1736963.jpg もう一つ、岸壁から「ちきゅう」を見上げているとデリックエリアの一部分だけ木製の大きな壁がある。船内の居住区も鋼板白ペイント仕上げで防火完備のオイルリグのようなフネなのに何故ここだけ可燃物の壁になっているのだろうと不思議に思った。
 赤いユニフォームを着た掘削チームの持場らしいので近くにいたリーダーらしい人に聞いてみると、「あれはドリルパイプを海底から次々と引き上げてゆく時、まず、壁に当ててパイプを揃えてゆくためだ」という。「木製の壁だと柔らかいので当ててもパイプに損傷が起きないからね。木の壁は寿命がくれば張り替えるのも簡単だよ」とおっしゃる。それはそうだ、それに機械装置ばかりの中でこの木質の温かみはとっても気分がいいね。

c0041039_17363480.jpg 最後の1件、この「ちきゅう」は150人が乗組む船舶なので左右4艇と船尾に1艇の5艇の救命艇が搭載されている。画像の30フィート75人乗りの救命艇は3番艇なので右舷の前から2番目に装備された救命艇だが、上から見るとキャビントップにダビットからやり出したポールから細いセンサーのようなワイヤーリードが艇内に引き込まれている。何のためのリードだろうと一瞬考えていたが、見学の行列に押されて通り過ぎてしまった。今、画像を見てもよく分からない。これからも救命艇を上から眺める機会は割合少ないけど・・・でも、まぁいいか。
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by pac3jp | 2009-02-21 17:38 | 特殊船  

地球深部探査船「ちきゅう」見学 Part2

 この船は海底油田を掘削するオイルリグに自力で航行できるディーゼル電気推進システムと掘り出したコアを調査研究するための大規模な研究室が設けられているのだ。

c0041039_16365012.jpg 赤い作業服を着たドリルマンと呼ばれている人達は映画などで偶に見る中東の油田で働いている技術者とイメージが重なる。この船を運航する官庁船らしい船員と荒っぽそうなドリルマン、それに世界各国からやって来る優秀な研究者達と毛色の違った人々が集まって未知の地球内部を明らかにしようとしているのだ。
 特に日本の地球物理学者や地震学者は近く熊野沖の南海トラフで発生が確実視される南海地震の発生メカニズムの研究やその実証に力が入っているようだ。

c0041039_16385886.jpg ラボを見学すると、どこの病院にもあるCTスキャンが設置された部屋がある。掘削され、地底のままに密封されたコアの中身をCTスキャンで素早くチェックする。このCTは人用でソフトも共用なのでモニター画面には人型のシンボルが出てくるとか。ベットに乗っているのが採掘されたコア。
 最近では犯罪など死因の確認にもこれを使いたいと言っているらしいが、死体はもう健康保険に入ってないので費用の出所がないので当分は駄目でしょうね。

 ボクが面白いと思ったのが地球内部の生命(微生物)活動を調べる「生命探査」の分野だ。地球の約7割を占める海洋、深海底のさらに奥深く、海洋地殻とよばれる地球の内部環境にも、実は小さな生物(微生物)が大量に生息している。「海底下生命圏」という。そこは太陽の光が届かない暗黒の世界である。そこに生きる微生物の食べ物は海水から沈降する有機物を食べるので従属栄養微生物と呼ばれている。

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 それらは地質学的スケールで生息している。一代が数百年~数千年生き続ける、とっても長生きな生物なのだ。確かに地底深くで生息していると海水に溶けた栄養が地中まで届くのに時間がかかるし、地中を自由に移動できないので、彼らはずーっと腹を空かしたまま静かに生きているんだ。なかなか子孫を増やそうという気が起こらないのは当然だね。

 火星に生命は存在するのかと、昔から盛んに論議されているが、我々が住むこの地球のどのくらい深いとこまで生命が存在するのかはこれからやっと議論が始まる。海底下の深部に広がる「生命圏の果て」を知る手段は今のところの日本とアメリカが主導する「ちきゅう」の掘削にかかっているという。

 昨年、八戸沖80kmの海底で、石炭層の上にある深さ350mのメタンハイドレートを含む火山灰層から極めて活性の高いバクテリアの凝集構造が検出されたというお話があり、そしてこれらのバクテリアの数を正確かつ自動的に計数するモデルを開発して有名な「ネイチャー」にその論文が掲載されたと、ちょっと自慢げな話もあった。

 論文に詳しいボクの友人にこの話をすると「論文はネイチャーに掲載されるのが値打ちではなく、どれだけ皆さんに引用されたかが大切なんだ」とおっしゃる。
 それは勿論そうだ。生命探査のような未知の分野では、まだまだ面白い発見も多そうだし、ネイチャー好みの新しいネタもある。でもこの分野の研究者はまだ少なそうなので引用数はどうでしょうかね。

 でもボクは結構面白い分野の研究だと思いましたがね・・・。

【参考資料】:人類未踏のマントルを目指して-「ちきゅう」の科学的成果- セミナーのパンフレットより
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by pac3jp | 2009-02-19 16:43 | 特殊船  

地球深部探査船「ちきゅう」を見学する

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 2月15日(日)修理中のアジマススラスタもやっと直り、出港を控えた昨日、神戸港六甲アイランドで「ちきゅう」の一般公開があった。
 風はなく日差しが暖かい絶好の見学日和になったので見学者が続々と埠頭の岸壁に集まってきた。ボクの近くには群馬や愛媛ナンバーの車も止っている。今朝の地元新聞によると9300人の見学者が詰めかけ最大3時間待ちだったそうだ。

 ボクも1時間くらい並んで船内に入った、57000トンは大きな船だった。国(日本)が今までに造った船では「戦艦大和」以来、2番目の大きさだという冗談がお偉方スタッフから出ていたくらいの大きさである。

c0041039_1725427.jpg タラップを上り、まずはDVDの映像で海底掘削の仕組みを予習してから高い位置にあるブリッジへ、その後、安いビジネスホテル風の居住区を通り中心部の掘削装置がみえる場所で、DVDを見て浮かんだ素朴な疑問を掘削スタッフに聞いてみた。

 この船は水面下2500mの海底から地中を深さ7000mまで掘ることが出来るという。そのため最初は次々ビットやパイプのサイズを換える作業をする。ライザーパイプと噴出防止装置が繋がり船と海底が一本のパイプで直結すれが幾ら掘削ビットや小さいパイプを差し込んでも問題ないが、それ以前の海底の穴と船の間がただの海の場合が問題だ。
 船から2500mも下にある海底の穴に再度ビットやパイプをどう挿入するのだろうと考えてしまった。海には潮流もある。まして「熊野灘」は黒潮が流れている。それに深海は真っ暗だ。さて、どうするのかな・・・。

 それに、通常、掘削作業は長期間洋上で留まって作業する。相当な気象条件まで作業は可能だが台風がやってくることになれば海底に噴出防止装置のバルブを閉め機材を残し、長いライザーパイプは撤収して「ちきゅう」は安全な海域に避難する。台風が過ぎればまた元の場所に戻りパイプを繋ぎ作業を続ける。その時も場所の特定はビーコンらしいが装置にパイプ類やケーブルを接続するのはリモコンの手探りではきっと大変だろうと思っていたが・・・。

c0041039_174174.jpg お返事は「穴の近くにカメラを搭載した無人潜水艇(右画像)を配置し、様子を見ながら作業をしています」とおっしゃった。そういえばこの船を持っている「海洋研究開発機構(JAMSTEC)」は「しんかい6500」や「かいこう7000」など多くの深海調査・探査船をお持ちで機材もノウハウも充分だ。これくらいの深さなら大したことではないのだろう。
 まず一つの疑問は解消した。

c0041039_1761039.jpg 画像はラックにのったライザーパイプのフランジ部分 長さ27mあって全部で2500m分で90本積んでいる。イメージ図にもあるが、ストレスを吸収するゴムのパイプ部分もある。
でも重いパイプを90本も繋いでぶら下げると海水の浮力を考えてもかなり重そうだが、ヤグラや巻上げシステムも大丈夫なのかちょっと心配した。
 でもちゃんと安全係数をかけて設計してあるからボクが心配することはないでしょうね。

【関連記事】:地球深部探査船「ちきゅう」が神戸港で修理中
【関連Web】:地球発見
【関連Web】:ライザー掘削(動画)※重いです
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by pac3jp | 2009-02-16 17:17 | 特殊船