タグ:レーシングヨット ( 13 ) タグの人気記事

 

イタリアからの新艇 Part2「グランドソレイユ37」

 センターハウス前で朝から忙しそうにしている知り合いのヨットディーラー氏から声を掛けられ短い雑談をする。そしてビジター桟橋に回るとセールカバーにGS37と表示された真新しいセーリングクルーザーが停泊していた。
 GSとあるのでボクの記憶中枢からは昔のレーサー「ゴールデンシャムロック」なる名前がまず浮かんだが、これは古すぎるのですぐさま「ボツ!」。スターン付近をよく見ると「GRAND SOLEIL37」と表示してある。昨年のJAPAN CUPでよく走っていたB&Cデザインの四角なハルのグランドソレイユ 42Rと黒いハルの49Rを思い出す。
c0041039_1083462.jpg

c0041039_108573.jpg

c0041039_1010983.jpg

 この3連休はB&C(ボーティン/カーキーク)設計の新艇「グランドソレイユ37」の試乗会のようでデッキには既にイチサンゴイーストの社長さんが乗っている。お客さんらしきヨットマンもお一人いらっしゃるが、お一人では物足りないのか、さきのディーラー氏はボクに試乗しましょうとしきりに勧める。残念ながらボクにも約束があったので艇内の見学を少しさせてもらうだけで勘弁してもらった。

 ヨットはこの頃はやりのハイパフォーマンスセーリングクルーザーだ。10月の横浜ボートショー前に輸入し、ボートショーに出展したのち、つい最近新西宮ヨットハーバーに回航してきたという。

c0041039_1010434.jpg 船型は純レーサー(GS42R)のように極端な箱型ではなく普通に近づいている。バウの形は直角で水面からは浮いているし、LOAもLWLも殆ど同じ長さで機走では8.5ノットも出るらしい。

 デッキ外観はヘルムスマンシートやコクピットにはチーク材が張ってあり、ドックハウスの上はドジャーがセットできるようなデザインになっているし、キャビンにもちゃんとした内装もある。普通のクルージングヨットのように見えるが外観から見えない部分がきっとレーサーになっているはず。カーボンのスピンポールがセットしてあったが、いまやカーボンなど普通の艤装品になっている?

c0041039_10114750.jpg

c0041039_172498.jpg 速さの秘密はまず、水中にあるキールだろうか。左のフレーム構造図からキールを見ると他のB&Cのキールと形はよく似ている。仕様では約2トンで2.4mの深さがあるとなってる。深いキールを吊リ下げるハルのキール支持部分はかなりのストレスが掛かるはずだ。普通のクルージングヨットのようにFRPの船底に直接ボルトで取り付けるなど出来ないだろうか。このフネはキール取付け部、マストステップ、左右のシュラウドなど強度が必要な部分を亜鉛メッキの一体フレームで受止め、船体の剛性を上げているという。その為、両舷床の一部に蹴躓くような出っ張りなど出来ているが、ここら辺りが早さの秘密かな・・・。

c0041039_10122424.jpg エンジンは「ボルボセールドライブ 4気筒 D2-40」38HPである。標準仕様ではD1タイプらしい。ボルボはこのタイプから110Aのオルタネータが標準で付いている。エンジンルームも手前側に少し余裕があるのでアウトプットの機器が多少はセットできるのかも知れない。

 今年9月のSRY42に続き、またイタリアからグランドソレイユ37の新艇が入ってきたが今後のレースシーンではどうなるんでしょうかね。ここでは昔、J24が、それからマム36がはやった時のように今はX35ワンデザインクラスがにぎやかになっている。

 ボクはレースボートの世界はよく知らないが色んな考え方の出来る才能あるデザイナーが知恵を絞って速いヨットを生み出し、そこらじゅうに帆走している風景も、見てて面白いなと思っている。

【関連記事】:レーシングヨット、はやりの船型は・・・。
[PR]

by pac3jp | 2008-11-25 10:22 | ウオッチング  

イタリアからの新艇 SLY 42(スライ 42)

 先週、見かけないツインステアリングの新艇らしい40fクラスのヨットがハーバー内を航行しているのは知っていたし、週末にはセンターハウスの前でクルーやセールメーカーが艤装品やジェネカーシステムの点検や調整をやっているのも見かけた。

 昨日、近くで拝見すると2007年のジャパンカップで活躍した「グランド・ソレイユ艇群」と同じイタリアのヨットビルダー「SLY yacht社」のSly 42とクラス名が表示されている。このヨットはヨーロッパでのYacht of the year for 2008に選ばれたそうで、ジャンルは高速クルーザーレーサーになるという。
 最近はレースヨットでも船内にはちゃんとした内装があるのが普通になってきた。勿論乗っていてもがらんどうよりキレイなキャビンの方が気持ちがいい。でも時々桟橋でマットを担いでいるクルーの姿もみるので、オーナーさんによっては快適よりフネの軽さを求める古い感覚が残っている方もまだいらっしゃるようですね。
c0041039_16423518.jpg

c0041039_16425379.jpg

c0041039_16433794.jpgLength overall   12.80 m
Waterline length  11.15 m
Beam      3.80 m
Draught     2.50 m
Reduced draught  2.25 m
Dispacement    6.900 kg
Ballast      2.450 kg
mainsail + jib 108%   111 m2
Mainsail 64 m2 JIB 108% 47 m2
Gennaker     180-220 m2
Engine       40 Hp
Diesel tank     170 Lt
Water tank     320 Lt

 外観はレーサーらしいカーボンマストと対照的にコクピットには2本のチークベンチが、そしてフロアはチークが全面に張られている。そこにカーボンのツインステアリングホィールがあり、これは大径のシングルタイプともチョイスできるらしい。
 すっぱりと切り落とされたようなバウにはジェネカーを展開するカーボンポールが収納されていてセールを展開するときは2mも飛び出してくる。

c0041039_16451558.jpg
 キャビンのインテリア画像はビルダーのHPからお借りしたがレッド系とブルー系のインテリアを選べるようだ。

 新しい大型ヨットがジェネカーを楽々と操作しているのを眺めていると、もう重いスピンポールと複雑な作業が必要なスピネーカーはもう古いシステムだろうかとも思うがレースの場合はレーティングの関係もありなんともいえないがクルージングヨットはやっぱり操作の簡単なジェネカーでしょうね。
[PR]

by pac3jp | 2008-09-22 16:57 | ウオッチング  

新しいレーシングヨット part2

 新しく入ってきた大型レーシングヨット「TP52」はこのところ毎週、サポートボートと沖に出て熱心に練習やチューニングをしているのだろうハーバーに帰ってくるのも一番遅いようだ。

c0041039_15462227.jpg
 先の日曜日、初めてKYCのポイントレースに出場するための準備が整い、桟橋につながれているヨットを近くで拝見した。
 レーシングヨットの戦闘区画であるコックピットは全長54fの半分もありそうな長さと15人ものクルーが動ける幅がある。中央には大型レーサー定番のハーケンのコーヒーグラインダーが2基据え付けてある。横幅が広いので当然ダブルステアリングシステムだ。黒いホイールは簡単に外れるのか係留中片方は定位置に格納されている。

 朝、レースの時間に合わせて出港してゆくコミッティボートを見て、出港準備をしている仲間のヨットに便乗させて頂き「TP52」のレースを見学することになった。

 レース海面のお天気は曇りで、NE15kt位の風が吹く絶好のレース日和だ。
ボク達がレース海面近くに到着すると11隻の純レーサー達はちょうどスタートしたばっかりだ。各艇が風下からいいスピードで上ってくるので全速力で彼らの風下に回る。
 上マークで見学するか?の声もあったが、52fのレーサーが15~16Ktのクローズホールドで帆走すると32fのクルージングヨットでは機帆走の全速力でも多分追いつけない。近くの下マークで待つことにする。

c0041039_10391274.jpg
 暫くすると遠くに「TP52」の白いジェネカーが見えてきた。2番手はまだ見えない。
白いジェネカーが2回のジャイブをし、その姿がだんだん大きくなってきた。やっと後方に2番手以降のスピンが連なってくる。ダントツのトップだ。

c0041039_10395069.jpg
 下マークのコミッテイボートからC旗が揚がり上マークが「20度・1.6NM」に変更されたと表示されている。「TP52」は1艇で悠々と下マークを回航して上りのコースに入ってゆく。スピンポールがないジェネカーだとマーク回航も簡単に見える。(巧いからだ!)
2番手は大分遅れて「CORL45」がマークを回り、後続艇もそう遅れず次々と回航していった。

 最終艇がマークを回航するとコミッテイボートが直ぐに下マークにフィニッシュラインを設定した。
 やがて、大きなジェネカーを揚げたまま流し込みのフィニッシュとなった。
ファーストフィニッシュ。
 ハンディを考えてもトップだろと思わせる充分なリードがあった。

 ヨットは風の力で走るので風がまったくなけば大型レーサーでも動かない。でも15ノットも吹けば大きい方が断然早い。今回も2番手につけていた45fのフネと比べると長さでも7f、40fクラスだと12fもの差がある。
 ボク等のレベルでも30fクラスのレースに42fのレーサーが入ってきたらファーストフィニッシュは到底無理だし、色々困惑するかもしれないなぁ。

 こんなご意見もあった。
「ハンディキャップレースはある程度のレベルの範囲でやるもので、中古とはいえ元F1レーサーと公道レーサー?が同じサーキットで勝負しようとしてもオモロイことはなにもない!」とおっしゃる。

 でも、いつの時代も一番になりたいと願うオーナーは大勢いらっしゃるのでこういうアプローチも勿論「あり」ですよね。

【関連記事】:新しいレーシングヨット 
[PR]

by pac3jp | 2008-08-27 10:56 | ウオッチング  

オリンピッククラスのキールボート「スター級」

 北京オリンピックは毎日にぎやかに報道されているが、セーリング競技はマスコミの関心も薄いし、成績もいまひとつのようでテレビにもそう映らない。ヨットハーバーでセーリング競技の話題がでても日本人選手が出ている「レーザー」や「470」・「49er」「RS:X」(ウインド)などは知っているが、オリンピッククラスは新しデザインでスピードが出るディンギーばかりで昔からのキールボートはもう過去のものになっているのだろうと多くのヨットマンは思っているようだ。

c0041039_15183442.jpg ところが昨日、上架用桟橋で珍しく?オリンピッククラスの2マンキールボート、スター級を艤装しているチームがいらした。
 お声をかけると「鈴木君が負けたのでオリンピック出場枠が取れなかった・・・」とおっしゃった。そこで、日本にもスター級でもオリンピックキャンペーンをやっていた選手がいたんだと気がついた。

<検索すると>
北京五輪出場枠が懸かるセーリングのスター級世界選手権が4月11日、米フロリダ州マイアミで開幕し、鈴木国央(和歌山ク)和田大地(日吉染業)組は第1レースを9位で滑り出した。北京五輪で実施される艇種で最大サイズ(全長6・9メートル)の同級は、五輪出場16枠のうち残り4枠を今大会で争う。 (共同)。
結果は、最終レースで85位を獲得。総合26位と健闘しましたが、日本の国枠獲得は達成できませんでした・・・とあった。

【スター級】
メンズ・キールボート 
全長:6.90メートル
幅 :1.73メートル
重量:730kg(キールを含む)
セイル面積:25.73m2

 スター級は1911年にアメリカで設計された二人乗りのキールボートで、1932年からオリンピッククラスになり今回で17回目となりオリンピッククラスで一番古いクラスだ。100年近い伝統をもつ格式あるクラスなのでアメリカズカップセーラーやゴールドメダリストなどもわんさといる。また、普通のスター級は星のマークが赤ですが、世界ナンバー1になると金の星をつけてもOKとなるルールもあるとか。

c0041039_15214585.jpg ちなみにセーリングのウンメンズ・キールボート種目は3人乗りソリング級から同じくイングリング級(6.35m)に変更された。北京2008ではイギリスチームが金メダルを獲得した。(左画像)


 ボクが知っているオリンピックキールボートは
スター級  1932年~2008年 東京オリンピックもこれだった。新西宮ヨットハーバーにあり細々と活動中。
ドラゴン級 1948年~1972年 東京オリンピックもこれだった。新西宮ヨットハーバーにあり活動中。
ソリング級 1972年~2000年 あちこちのヨットハーバーの片隅で朽ち果てていたけど・・・。

 このスター級を見ていて感じたこと。その一、マストにブームを固定するグースネックの位置がかなり低い。当然ブームも低い。タック、ジャイブは頭を完全にコックピットに沈めなくては大事(ギロチン)になるよ。その二、キールボートは高価なので普及しないといわれているが、スター級の隣に25mものカーボンマストをもつ54フィートのレーサーで20人ものクルーが作業する様子をみてしまった後ではスター級がほんのポケットクルーザーのように見えてしまった。・・・多分大きな錯覚だったのでしょうね。
[PR]

by pac3jp | 2008-08-18 15:32 | ウオッチング  

新しいレーシングヨット

c0041039_1057743.jpg
 八月はじめ、上架ヤードに高い船台に乗った大型のレーシングヨットがいた。つい最近アメリカから輸入されたそうだ。
 すでにレース実績のあるヨットらしくセールやその他装備品が収納された20フィートの専用コンテナが近くに置いてある。
 このヨットは以前からファー47でレース活動していたチームが新たにフネを入れ替えたようだ。

 近くにいたクルージングヨットを専門に販売しているディーラーに「なんちゅうヨット?」と聞いてみるが知らないとおっしゃる。有名なプロダクションヨットではないようだった。

c0041039_10581148.jpg
 あとでヤードのレーシングヨット情報に詳しい人に聞くと「TP52」だという。トランパック52と読むようだがロスとハワイ間で行われる有名な外洋レースに勝つためにデザインされたレーシングヨットだろう。

 大きな船体を下から眺めると、大きなバルブがついた深いキールと幅も厚さもない小振りなラダー、それにジェネカーを上げるバウのカーボンポールが目立つ。ステムはストンと直角に切れているがミジップはグランド・ソレイユのように四角い断面はなくファーのような素直な船型である。

c0041039_10593989.jpg レーサーのラダーは一般的に長細いが、54フィートのラダーにしては特別に厚さ、幅とも狭いように見える。またこのラダーを吊っているシャフトが細かったらラダーに掛かる荷重はどうして受けるのだろうと心配したが、よく見ると普通のラダーポストとは違う強度の出る構造をしている。(左画像)

 昔、キールは船体の横流れを抑えて風上への揚力を発生する機能を持つ、なんて思っていたがあの幅が狭いキールでそんな機能が発揮できるとは思えない。ただ、重いバラストを船体と連結し、スタビリティを発生させる構造体にしか見えないなぁ。でもしっかりと風上に上っているらしいので文句はないけどね。

 「このヨットだったらあの高いマストを持ち100fを越すエンデバーよりずっと早いでしょうね」と、いう人もいるが確かに追っ手の強風を受け、プレーニングしてすっ飛んでゆく姿を想像するとそうだが、比べる対象がちょっと違うように思う・・・。

 この52フィートのヨットがハーバーで上架されたレーサー中で最大のサイズになった。これからKYCのポイントレースやオープンレースで走っている姿を近くで見る機会もあるのでその走りを注目することにしょう。

【関連記事】:レーシングヨット、はやりの船型は・・・。    
[PR]

by pac3jp | 2008-08-15 11:03 | ウオッチング  

歴史と伝統あるディンギーたち

 ここ新西宮ヨットハーバーは個人が保有するディンギーの保管業務はしていない。学連とYMCAなど団体のフネとオープンデッキのキールボートが艇庫やヤードに保管してある。係留桟橋がない、近くの芦屋海洋体育館と住み分けしているのだろう。

c0041039_11132751.jpg 少し前、ヤードでトレーラーに乗って整備中のA級ディンギーが2隻いた。どっかのレースに遠征するのだろう。
 昔のA級は木造で重そうだったがそれはFRPの船体だった。ちょっと持ち揚げてみると「そう重くはない」という感じだ。
 メカニックがあれこれと部品を点検していた。業者任せでリッチですね。さすがに学連の超OB達が乗り込むレースヨットだ。

 ボクは学連ヨット部のOBではないのでこのクラスには乗ったこともないから何とも思わないが、若かりし青春の日々このヨットで練習に明け暮れた学連OB達にはなんとも懐かしいフネなんでしょうね。
 最近は地域選手権レースや全日本大会などイベントも盛り上がっているそうである。

c0041039_11143719.jpg このハーバーには社会人が乗るディンギーがもう一艇種ある。それはかってのオリンピック制式キールボート「ドラゴン」クラスだ。昔はオール木造の素晴らしいヨットもあったが、今はハルもデッキもFRPになっている。このクラスは今でも割合活発に活動している。ボクも以前に乗っていたJ24で一緒にレースをやったこともある。
 J24などは混雑したレース中に接触や衝突などもたまには起こるが、ドラゴンにぶち当てたら高くつきそうだと思っていると、向こうさんは大昔のオリンピックセーラーだったベテラン達が睨むので、つい、遠慮しながらマークをまわったもんでした。

c0041039_11154018.jpg 画像はドラゴンのオープンデッキだ。スキッパーは底上げした浅いコクピットだが、クルーは深いコクピットに入っている。強風で波が出てきたら艇内に打ち込んだ水を排水するのが大変でしょうね。かなり重いバラストを装備しているキールボートなのでバウとスターンに大き目の浮力体を入れて浮力を確保しているのかも知れない。

 コクピットを覗くと複雑な艤装になっている。シンプルなクルージングボートに乗っている人から見れば「なんでこんなにややこしいロープが要るの?」と思うが、ワンデザインボートはハルもリグも基本的には同じなので、レースはセーリング技術で勝敗が決まる。そこでスキッパーは感覚でシートやコントロールロープををもう「1センチ引いて!」なんていう。そのときに必要になるのであれこれロープが多くなりメジャーまで貼り付けてあったりする。(これはボクの独断です・・・)

 ず~っと前、強風の海で頑張ってハイクアウトしていた時、いずれハイクアウト不用のキールボートに乗りたいと願っていたが、実はレースボートであるドラゴンもハイクアウトは必要だったのだ。

 最近、知り合いのディーラーがクラシックなキールボートの雰囲気をもつ小型のデイセーラーを輸入したので見ませんかと誘われた。これからはロングクルージング指向のような危険?な遊びから卒業して、ハーバーでのんびりと海とヨットをおしゃれに楽しむのは如何ですかという。

 ちょっと気持ちは動いたが、今までのヨットライフから考えて「おしゃれに」なんてボクにはとても出来ないと、すぐに悟ったものだった。
[PR]

by pac3jp | 2008-07-11 11:19 | ウオッチング  

キールを交換したヨット

c0041039_9584911.jpg この一年ほどに輸入された最新のレーシングヨットのキールはみんな深いキールの先に砲弾型のバラストがついたタイプになってきた。昨年のジャパンカップではバルブのない深いフィンキールをもつヨットが勝ったらしいが、バルブキールの方がスタビリティ的には有利だろうと素朴に思うがレーシングルールの関係もあるので不勉強のボクはよく分らない。
↑画像は07.7月に進水したX-41odのキール


c0041039_9594071.jpg 昨年冬、ハーバーの上架ヤードで大型レースヨットの物と思われるバラストキールが無造作に転がっていた。ワイヤーで吊り上げる時に出来たのかキールのエンドエッジが欠けている。でも、キールの底に座礁した跡はない。座礁したヨットを修理するためにキールを取り外したのではないようだった。
・・・その後上架されたレース艇の列にそのキールの旧持ち主を発見した。


c0041039_1001543.jpg 数ヶ月間キールとマストがない42fのヨットが船台に寂しく載っていたが、先月新しい新型キールが到着したようで取り付け工事が始まっていた。形を見ると最新レースヨットに装着されているのと同じようなバルブキールだ。勿論、バルブ部分のデザインに細かい違いはあるのだろうが外観はよく似ている。

 昔はヨットの性能を上げる目的でキールの交換をした話は時々耳にしたが、この頃は今のヨットの性能が不満なら新しいデザインの新艇に乗り換える方が手っ取り早いのでマストやキールを取り替える工事を見ることは少なくなった。

 でも、エコロジーが叫ばれる現在、再利用できる鉛のキールだけ取り替えて最新の性能が得られ、ヨットのレース寿命が延びたら、回りまわって廃プラスティックも出ず、環境に対しても最高かな。

 先日、新キールで初めてのレースにエントリーするのだろうか、近くの桟橋に係留していた。キールの形状が大きく変わったので走らせ方やリグの細かいチューニングも必要なんでしょうが、今後のレースシーンでの好成績を祈っている。
[PR]

by pac3jp | 2008-04-02 10:09 | ヨットの艤装と艤装品  

レーシングヨット、はやりの船型は・・・。

c0041039_1693580.jpg ボク達、クルージングヨット乗りから見れば、陸上保管されているレーシングヨットの世界は、同じハーバーにいても全くの別世界でレーシングルールの変遷や、最近早いヨットや、今はやりのヨットデザイナーは誰々とかもよく知らないのだ。

 でも最近、8月11日から新西宮ヨットハーバー沖で始まるジャパンカップ2007に向け各地からレーシングヨットが回航されてきている。ハーバーの上架ヤードには見慣れない外来のレーサーが並びはじめた。汎用船台に乗らない彼らの専用船台は遠くからトラックに乗ってやってくるのだ。

↓画像は2隻の「グランド ソレイユ42-R」
c0041039_1695951.jpg 海面で練習やチューニングをして夕方上架されているのを見ると、LOAの違いはあるが、同じ船型をしたヨットが並んでいる。正面から見ると幅は狭く四角い断面の船型である。丁度、見た感じは焼酎の紙パックにキールとラダーを付け、バウを長くシャープにしたようなもんだね。

 近くにいたセール屋さんにお聞きすると、「今はこれでないと勝てないのです!」だって。この四角い箱のような船型でヒールすると水線長が延びてすごく早いらしい。この革新的なヨットデザイナーはスペイン人のBotin&Carkeekという。そう聞くと近所にある「ファー」のボートが古くさく見えるから不思議だ。

 そういえば一昨年の12月に真っ黒で四角い大型レーサーが輸入され、進水式をやっていた。どこか外国のレースで勝ったフネを買って来たと聞いた。それは多分ワンオフのボートだったのだろ。早いヨットをデザインできるデザイナーを素早く雇ったのはイタリアのヨットビルダー「グランド ソレイユ社」だ。同社からプロダクションレーサーとして42fと52f発売されている。

↓画像で同じ格好のスターンが三つ見える。

c0041039_1611748.jpg そのグランドソレイユ42-Rが3隻も集まってきた。ワンオフのB&C 49fと46fをあわせて5隻も同じデザイナーのヨットが集まっているで「Botin&Carkeek」は「今年一番のはやりで人気のヨットデザイナー」と言えるね。今年のジャパンカップ参加艇数は13隻(KYCのHPより)なので5隻(36%)は異常に多いのかなとボクは思っているのだが・・・。

 あと多いのはXヨットの4隻だ。ボクの知っている時代は社長がヨットデザイナーをしていたので、今でもビルダー自前のデザイナーかもしれないね。そうしたらレースフリート中で「2番目(30%)に流行っているデザイナー(ビルダー)」ということになるね。

以前の記事から:レース艇
[PR]

by pac3jp | 2007-08-06 16:21 | ウオッチング  

ピカピカの新艇がやってきた!

c0041039_844039.jpg
 先月オーナーにお会いしたときには7月の中頃には神戸港に到着予定と聞いていたが、今日はもう7月21日(土)だ。もう来ているかなと思いディラーのメカニックに聞くと「そこに浮かんでいるよ!」と教えてくれた。
 近くの桟橋から白いハルに白のカーボンマスト、黒く大きなステアリングホィールが印象的なピカピカでシャープな新艇を眺めていると、丁度このフネの先任クルー氏がやってきた。「一番に見にきやはるかなと思っていましたよ!」とおっしゃる。ボクも心待ちにはさせてもらっていたが、全くの野次馬なのでそんなに失礼なことは出来ませんよね。

c0041039_8444448.jpg 新艇は台風4号の影響で少し遅れて着いたようだが通関も新艇艤装もスムースに進み、割合早くハーバーに着いたようだ。もう既に計測も済ませたとのこと。さすが手際が良い。

 オーナーの了解を得て少し見学させてもらう。最近は船齢14年38fの元レーサーにも乗せてもらっているが、41fのレース艇のデッキに上がるのは初めてだ。コクピットにベンチシートはあるが、さすがに広い。スターンに回り、カーボンステアリングを握ってみる。ステン皮巻きに比べ握った感じも軽く、回転は勿論、軽やかだ。

 バックステーはテークルと大口径ドラムを組み合わせたマンパワー方式。ヨットのデンマーク人デザイナーはレース艇のクルーはバイキングの血を引く巨漢が勤めるもんだと考えているのだろう。日本人では屈強な部類?には入りそうなレースクルーでもこのバックステーはキツイらしい。
 そう言えば昔、X33のメンシートがオリジナルではとても引けないので、シートエンドにもう一つ4パーツのテークルをつけたと言っていた。簡単に計算してみてもバイキングの末裔達のパワーと比べて日本人は1/4のパワーしかないのか・・・ちょっと悔しいね。

 キャビンはまだ計測や艤装の準備で片付いてはいないが、バルクヘッドの壁にオーナーの趣味なんだろう陶板の額がもうボルトでしっかりと固定されていた。楽器を奏でる女性の図柄だ。ボクの古い記憶によると彼は幅広く音楽を楽しむというよりも特定の歌手の歌に入れ込んでいたようにも思っていたが、年と共に音楽の趣味も変ってくるので、今はどうなのかは知らない。

c0041039_8461663.jpg 内装は純レースボートと大きく違ってクルージング艇なみの装備がしてある。大きなテーブルを挟み両舷の収納棚、それに高級な素材のシートと温水シャワーも使えるなどキャビンだけ見れば普通のクルージングヨットだが、高いカーボンマストに2.5mもある深いバルブキールは正にレーサーそのものだ。

 エンジン命のクルージング派はまず、どんなエンジンだろうと大いに興味がある。このフネはコンパクトなサイズのボルボ D2-40 4気筒 1.5L 40HPセールドライブが載っている。エンジンの整備性は良い。エンジンルームの両サイドが開放できるし、コンパニオンステップを取り外すと前面がオープンする。防音材が厚いのか、かなりの重さがあるようだがその代わりにエンジン音は静かだと聞いている。燃料タンクはアルミ製で推定で80~90L位かな。100Lは入らないと思う。清水タンクは180Lのプラスチックの大きなタンクがバース下にある。

c0041039_847620.jpg 洗面所で面白いバルブを発見した。それはベイスンとシャワーの排水とトイレの給水バルブに普通のボールバルブとは違う軽いプラスチックのバルブが使われていた。このヨットには重くて水中の抵抗になるブロンズのスルハル金具は付いてないのだ。粗忽なクルーに壊されないように隔壁で囲まれている。でも一見しただけだがどう使うのか分らなかった。

 新しいレース艇を見学させてもらうのも楽しいが、彼らの新艇は8月のジャパンカップでレースシーンにデビューするという。ボクらも応援に行って素晴らしい走りを是非楽しませて貰いたいと思っている。オーナーはじめ皆さん頑張ってくださいね~!!

以前の関連記事から
1:フネがないヨットレーサー  
2:
船台を準備中   
[PR]

by pac3jp | 2007-07-25 08:53 | ウオッチング  

新旧ウインチあれこれ

c0041039_13153223.jpg ←新艇のX35ワンデザインのドックハウス上にあるハリヤードウインチに新型のウインチが付いていた。ロープを巻きつけるドラム部分の直径が大小と2種類になっている。ウインチハンドル1回転でロープを巻き取るスピードが違うのだ。また、スピントリム等で大のドラムにスピンシートを掛けると巻く回数が少なくても充分な摩擦力が得られてウインチマンが巻き取るのも早い。小さいドラムは普通のメンやジブハリヤードなどのトリムに使うのだろう。スピンを多用するレーサー向けの装備でボクのフネにもしあっても宝の持ち腐れかな。


c0041039_13155455.jpg ←レーサー用と言えばこれ。大型レーサーに装備されているコーヒーグラインダーとか呼ばれていたが本名は知らない。腕力のあるウインチマンがクランクハンドルを回し、トリマーがシートを調整する。アメリカズカップなどタッキングマッチのシーンなどで筋肉マン達が懸命にクランクを回している映像を見たことがある。


c0041039_13161668.jpg ←中型C/Rヨットで一般的なリューマー#40セルフテーリングウインチ。ハリヤードなどマスト周りのコントロールに使っているが、今月中に電動ウインチに取り替えられる。理由はメンハリを揚げるのがシンドイから。クルーがいればマストサイドでハリーヤードを引いてくれるが、一人でやると・・・その気持ちはボクでもよく分る。電動ウインチは安くなったといっても#40でも本体だけで3000ドルもする。それに電源や取り付け工事費も必要だ。ボクだったらフィットネスクラブに通いその資金を筋肉に投資してみる。(筋肉が増強されるかどうかが大きな問題だが・・・)でも上手くいけばフネも重くならずにらくらくウインチも巻けるし悩みの体型もすっきりするはずだ。

c0041039_13173085.jpg 右は船齢40年のヨットに付いている年代物のウインチ。ブロンズか砲金で作られ建造時から装備されていたオリジナルのシートウインチだろう。また厚板を積層して作られたウインチベースも素晴らしい。オーナーが真鍮磨きのマニアならピカピカでもっと見栄えがするのにね。このタイプのウインチも古い木造艇にはよく付いていたが最近は少なくなった。ご近所の船齢36~38年位のヨットにも付いていたように思ったが、壊れてしまったのかピカピカ光る最新式のステンレスのウインチに取替えられていた。新型はパワーもあり故障もしないがクラシックなヨットには文化財的価値?もあるのでそれに似合うウインチが相応しいと思っているのだが。
[PR]

by pac3jp | 2007-07-18 13:23 | ヨットの艤装と艤装品