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メガヨットのフェンダー

 ボクはメガヨットのメカやキャビンの豪華さには全く興味はないが、装着されたフェンダーには少し興味がある。
 船舶は大型客船から小型ヨットまで自船が使用するに最適と思われる個性ある防舷物を持っている。それをあれこれ較べて見るのも面白いなぁと前から思っていた。
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 上の画像はモノハルの120f「アルカディア」の筒型フェンダーとチークのブルワーク保護とロープアジャスターを兼ねたメガヨットらしいグッズである。因みにこのフネは5本の傷もなくきれいなフェンダーを吊り下げていた。ロープアジャスターは硬い心材の内側にはフェルトが、外側には硬い皮革が縫い付けられロープガイドが2個とカムクリートが付いている。

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 上の画像はカタマランの「シルバークラウド」で、直径は1m、長さは2mもありそうな大きな筒型フェンダーが2個吊り下げられている。
 同じくブルワークからフェンダー用ロープは出ているがブルワークにチークのキャッピングはないので厚みの薄いロープ保護グッズが付いている。それはFRPらしい硬い心材に内側にはフェルト、外側には黒っぽい皮革が縫い付けられその上に摩擦に強いステンレスのプレートが張られてロープガイドが付いている。フェンダーロープのエンドはブルワークの内側にあるクリートに留めるのだろう。
それに吊り下げられたロープがハルを擦れないようにちゃんとロープにも擦止め(ハルの塗装保護?)もセットされている。


 両艇ともサイズは違うが同じメーカーのフェンダーのように見える。それにしてもフェンダーは各地で停泊するたびにその岸壁で汚れると思うのに全くの新品のようにきれいだなぁ。ボクたちがクルージング先で半分破れた俵フェンダーで停泊してきた姿と較べると、さすがは手入れの行き届いたメガヨットだと思わせますね。

 お断りをしておきますが、ヨットマンの全てがボロの俵フェンダーを使っているわけではありませんよ、ちゃんときれいに手入れされたヨット用防舷物をお使いのオーナーさんが殆どですが、中には漂流しているスチロールの塊を集めて防舷物に再利用しているリサイクル派のヨットマンもいます。

 ヨットの楽しみ方も色々ですから、見栄えを気にする方はそれなりに、個性派はご近所に迷惑をかけない程度に楽しんでくださいね。


【関連記事】:メガヨットのフェンダーアジャスター
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by pac3jp | 2009-08-12 11:32 | ヨットの艤装と艤装品  

メガヨット2隻

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 クルージングで暫くヨットハーバーを留守にしていたが、2ヶ月振りに行くとビジターバースに外国のメガヨットが2隻停泊していた。
 モノハルの方は少し前からいて、大きなカタマランは数日前に入港してきたという。共に船籍はカリブ海のジョージタウンである。シップカラーも同様で、紺のハルに白いデッキ構造物を持っている。

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 正面から見るとモノハルの「ARCADIA」の横幅はカタマランの「SILVER CLOUD」の半分位で小さく見えても全長は120フィートの立派なモーターヨットである。一見近づきがたいメガヨットでもハーバーに停泊していればなにかとコネクションが出来るものでボクの仲間たちが「あの豪華メガヨットを見学してきたで!」とあれこれ教えてくれた。

彼らが言うには
1.内装の豪華さ、ドアが帝国ホテル?並みだったなどキャビンの隅々までお金がかかっているように見えたこと。
2.ブリッジの航海機器がずらっとロールスロイスだったこと。デッキのチーク材は厚さが5センチ!もあるんだって。
3.主機関と発電機が同程度の出力を持っているなどかなり電化された船であることが窺えるなど。
4.でも、日頃乗っているヨットと余りにもかけ離れているので「羨ましいともおもわなかった」とか、など等・・・。

 オーナーはアメリカ人のリッチマンで瀬戸内海のクルージングが終わり、今は本国に帰っている。次の航海は地中海の予定なのでそれまでクルーたちはフネの整備をしながら回航の時期を待っているらしい。

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 一方、カタマランタイプの「SILVER CLOUD」はモノハルの「ARCADIA」より全長は少しだけ長いようだが、排水量はかなり大きそうだ。
 よく見るセールボートのカタマランと違って水中の魚雷型船体で上部構造を支え、吃水線を絞って造波抵抗と揺れを抑えスピードを確保しているのだろうか。大型高速のカーフェリーにも使われている船型である。

 桟橋から透明度の悪い海面を見ると赤い船底塗料が塗られた水中の船体がボーっと見える。またこの細い吃水線を前後二つに分けているのは高速航行時の引き波などの対策だろうか。
 桟橋を歩いているとカタマランのジェネレーターの音がやけに響いている。防音装置がいまいちよくないようだ。

 時々やってくるメガヨットの船籍は殆どがケイマンのジョージタウンになっている。本船のパナマ船籍と同じく税金対策の便宜置籍船でしょうね。先月も屋久島で見たこともない国旗をあげた日本人所有の82フィートのヨットがいたなぁ。お金持ちもそれなりの苦労はあるのかも知れないが胸を張って母国の国旗を揚げたら良いのにね。
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by pac3jp | 2009-08-10 11:40 | ボート  

日本のロイアル・ヨット

c0041039_1184143.jpg 今週はじめ、イラクの元大統領フセインのヨットが売り出されたとマスコミ各社から報道された。ロイアル・ヨットで有名なブリタニア号も超大国、アメリカ大統領のプレジデンシャル・ヨットも経費節減のためにずっと前に売られてしまったが、さすが独裁者フセインだ。ちゃんと高価な自分のおもちゃは持っていたのだ。


買い手付く?フセイン元大統領の「浮かぶ宮殿」売却へ (asahi.com 2008年11月4日19時43分)
 【カイロ=田井中雅人】イラク政府のダッバグ報道官は2日、フセイン元大統領が所有していた豪華船「オーシャン・ブリーズ」号を売却すると発表した。全長82メートルで、プールやモスク、ミサイル発射装置、小型潜水艇などを備える「浮かぶ宮殿」の売却価格は3千万ドル(約30億円)になると見込まれている。AFP通信が報じた。
 オーシャン・ブリーズ号は81年にデンマークで建造された。外遊中に国政が不安定化することを恐れた元大統領は、使用することはなかったという。現在、フランス南部ニース近くに係留されている。
 ヨルダンのアブドラ国王の関連企業が元大統領から譲り受けたと主張、英国の仲介業者を通じて昨年、3450万ドルで売却しようとしたため、イラク政府が所有権を主張して法廷闘争になった。フランスの裁判所がイラク政府の訴えを認め、今年7月にはヨルダン側が所有権を断念する書簡を示していた。


c0041039_1192715.jpg 幕末の日本でもロイアル・ヨットといわれる船はあった。それは1858年(安政5)将軍・徳川家定に対して英国のビクトリア女王から全長42mの60馬力・2本マストの蒸気推進ヨット、エンペラー号が献上された。この船は英国王室が日本国王(将軍家)用のロイアルヨットとして建造された船だった。
 せっかくの豪華な贈り物も幕末動乱の時代で将軍にそんな余裕はなかった。幕府は砲3門を持つこの船を「蟠竜丸」として軍艦に転用してしまった。そして榎本艦隊として江戸脱走、函館沖海戦で官軍の朝陽丸を撃沈するなど活躍した。

 また明治3年、政府はフランスからナポレオン三世妃のヨットだったスチールの外輪型スクーナー、ティポール号を灯台巡視船として買い入れ内外の貴顕を招き新設灯台の落成式などに接待している。

c0041039_11222814.jpg 明治8年、日本が計画し英国で建造された2本マストトップスルスクナー艤装を持つ汽船、明治丸(1000トン)が就航する。この船は公式には灯台巡視船として建造されたとなっているが本当はロイアルヨットとして造られていて「灯台巡視船であるとともに皇室用の船として計画された」と記録にある。この船は重要文化財として東京海洋大学に現存する。

c0041039_1110887.jpg 明治35年、大正天皇が皇太子の頃、長崎の三菱造船所に行幸した記念として三菱の総帥岩崎久弥男爵から献上された初加勢(はつかぜ)号がある。スピードを重視した細身の2本マストの汽船だった。全長:31m、80総トン、蒸気機関:230馬力、速度:11.38ノット。運航は諸外国に準じ、海軍の手に委ねられた。

 昭和は戦争の時代だった。ロイアル・ヨットどころではない。まぁ、現人神では遊べないということもあるが・・・。
 戦後、国の象徴となってしまった昭和天皇は海洋生物の研究のために葉山に「はたぐも」号という名の木造白塗りのモーター船をお持ちだった。海に出るときは漁港につながれた船を係員がご用邸の浜まで回航し小舟で移乗されたという。これもロイアル・ヨットとはとても言えそうにないなぁ。

 もう時代はロイアル・ヨットではなく日の丸をつけたジャンボになってしまったのでしょうね。そういえばもう少し小さめの専用機が欲しいなどいつか偉い人が言っているのを聞いたことがある。

【関連記事】:Yacht 「Whale Song 」(ホエールソング)
【参考資料】:ロイアル・ヨットの世界 小林則子著 文春新書
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by pac3jp | 2008-11-07 11:15 | 特殊船  

エンデバーとケイマンの旗

c0041039_9122914.jpg あのエンデバーがこのヨットハーバーに再来してからもう十日ほどになる。今回は一月ほどの滞在だと聞いているが、前よりクルーの数も多いしオーナーも来ているのだろうか、活発に動いている。「1週間のチャーター料がわずか80万円やで」という噂もあるがホントかなぁ。

 沖から帰ってくると桟橋の先で高いマストを持つ大きな船体をゆっくりと回し、アスターンで静かにビジターバースの中ほどに出船スタイルで係留する。ハーバーウォークから眺めるとネービーブルーの船体に赤くて大きな国旗が船尾に翻り大変印象的である。

 桟橋ではエンデバーを初めて見る人達だろうか、「どこの国の国旗?」とお友達に聞いている。ユニオンジャックが入っているのでイギリスの関係国には違いないが、オーストラリアでもないし、ニュージーランドでもない。船籍港の「ジョージタウン」も世界中に27ヶ所もあるのでこちらからの特定もちょっと難しい。

 ボクがここで見てる限りこの国旗を揚げて入ってくるのは「メガヨット」だけだった。定年退職後に世界を周航しているというヨット(セールボート)は大抵オーナーの母国の国旗を揚げている。この旗は世界中のお金持ちが資産運用に利用するカリブの「タックス・ヘーブン」で有名な島、ケイマン諸島の旗だ。オーナーの本国に船籍を置くと経費が掛かりすぎるのだろう。大型船のパナマ船籍みたいなもんだろうか。






c0041039_919527.jpg  ケイマン諸島とは
 西インド諸島を構成する諸島の一つ。イギリスの王領植民地(Crown colony)。グランドケイマン島、ケイマンブラック島、リトルケイマン島の3つの島からなる。人口は41,934人(2002年)で、首都はジョージタウンである。ダイビングでも有名。

 歴 史
 1503年5月10日、クリストファー・コロンブスのの4度目の航海中に発見された。無人島であり、岩と間違えるほど沢山の海亀がいた事からスペイン語で海亀を意味するラス・トルトゥガス(Las Tortugas)と命名された。しかし発見当時クロコダイルも生息していた事から、カリブ・インディオの言葉でワニを意味するケイマナス(Caymanas)と言う名で呼ばれるようになり、それが現在の「ケイマン」の名の語源になっている。
        出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


 旗のデザインはユニオンジャックとケイマンの紋章があしらってある。これにはウミガメがデザインされている。
 同じくイギリスの海外領土でアフリカ沖のナポレオンが流されたことで有名なセントへレナ島は帆船と聖ヘレナが描かれているし、アルゼンチンと領有を争って戦争になった南極にも近いフォークランド諸島の旗は同じく帆船とヒツジの紋章があしらってある。

 ケイマン以外のイギリス海外領土(植民地)の旗を揚げた船が日本にくるのはまずないないだろう。

 だが、イギリス連邦に参加している国は世界中に53カ国もあって、その人口は17億人もいて全世界の30パーセントにもなるという。イギリスってホントに今でもすごい国ですね!

 記事中にデジカメ動画を添付してみました。エンデバーの船尾から旗、そしてエキゾーストとそのノイズをとったものです。水量の多いほうはメインエンジンで小さいほうがジェネレーターだろう。画像に入っているテロップは試供版のコーデックを使ったため勝手に表示されている。
 Windowsでもこれからは動画ファイルのAVI(Motion JPEP)が標準で使えたら良いのにね。

【関連記事】:あのエンデヴァー(ENDEAVOUR)が来る!!
【関連記事】:エンデヴァーのウインチ
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by pac3jp | 2008-07-18 09:16 |  

メガヨットのフェンダーアジャスター

 係留時にフェンダーを4本もライフライに吊り下げると結構な重さになる。それに、離着岸時は桟橋に擦れてスタンションが曲がりそうなテンションが掛かってしまう時もある。ライフラインは乗員を落水から守る大事な安全装備だと考えたら、ライフラインには常時フェンダーの負荷をかけず、ワイヤーやスタンションを伸びや金属疲労から防がなくてはならない。ガンネルレールから吊り下げたり、専用のクリートをつける方法もあるが、面倒だったり、取り付位置を変更出来ないなど不自由な面もある。

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 先日、ニスを塗ったチークのブルワークからうまくフェンダーを吊っているケイマン船籍のメガヨット(CHIMERA 100f)が泊っていた。

 それはブルワークのカーブにぴったりと合うように作られた固い皮の成型品のように見える部品だ。ブルワークに当る内側はボアのようなスレ止めが貼り付けてある。フェンダーを吊り下げるロープはガイドがついたカムクリートで位置を調整する。ロープエンドは落下防止のためライフラインに結んでおくようだ。これだと確かにフェンダーの位置の微調整もし易いね。

 このタイプのアジャスターは木製のブルワークを持っているグランドバンクスやナウティキャットなど高そうなフネに合いそうだが、普通のヨットでも自艇のガンネルにぴったり合う寸法で、本体はアルミでゴムのスペーサーを挟んだジグを作りカムクリートを取り付けたらいけそうに思うけど・・・どうかな?

c0041039_9481897.jpg ウエストマリンのカタログでフェンダーハンガー系の商品を見ると実に多くの種類がある。アメリカ人はフェンダーのロープを縛るのがそんなに苦手なんだろうかと思わせるほど色々ある。まぁ、価格も安いので試しに買ってみようということもあるのだろう・・・。

 因みに、昨年寄港したメガヨットはどうだったかと思い返すと、セールヨットの「エンデバー」の場合、フェンダーは画像左のようにブルワークについたハンドレールに縛ってあった。
 また、画像右のモーターヨット「ホエールソング」は高いブルワークの上についたハンドレールに同じく縛ってあった。大型ヨットは大きなフェンダーを吊っているのでライフラインには付けず頑丈なハンドレールやスタンションの根元に縛ってあり、まぁ、常識的な選択ではありますね。
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by pac3jp | 2008-04-25 09:56 | ヨットの艤装と艤装品  

アメリカ艇「WESTWARD」を見学する。(1)

 毎年、桜が咲く頃になるとロングクルージングのボートが北からあるいは南からやってくる。今週はニュージーランドからまだ新艇のようにキレイな100fのスループが、アメリカ・シアトルからはクラシックな木造86fのボートがやってきた。

 2隻ともビジターバースに係留しているが、ボクが特に興味を引かれるのは木造船の方だった。彼等は一年前にシアトルを出てアラスカ~アリューシャン~小笠原~?経由で西宮に来たという。クルーはキャプテン夫妻とクルー二人の4人とラブラドール1頭。キャプテン夫妻は帰国中で不在。機関長がワンちゃんと留守番している。
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  船名:WESTWARD
  建造:1924年 (大正13年)
  長さ:86f
  幅 :18.5f
  深さ:9f
  主機:150HP オリジナルディーゼルエンジン搭戴
巡航速度:7ノット
 排水量:150トン
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 船体中央部にファンネルマークと黒く塗られた煙突がある。その煙突には年季の入った汽笛のホーンが2本出ている。そしてホーン用のトリガーワイヤーがブリッジに延びている。仕組みがなんともシンプルだ。ワイヤーをおってブリッジに入ってみると、舵輪の上、天井に建造時から付いているかのような時計とバロメーターに並んで無骨なレバーが2組付いている。これを引いて出港の合図をするのだ。
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 また、舵輪の前には豆絞りの日本手拭いでカバーされた?ステアリングコンパスがある。夜間の照明用だろか真鍮のホルダーに入った電球が時代を表わしている。ナビゲーション装置はフルノのGPSはあるがオートパイロットは見当たらなかった・・・が、どっかにあるでしょうね。

 ブリッジの壁には2002年に開かれたウッドンボートフェスティバルのポスターが貼ってある。よく見ると「WESTWARD」が描かれている。きっとウッドンボートの世界では有名な船なんだろう。

 この船は1924年、今から85年前にアメリカ西北部からカナダ、アラスカ方面の探検?やフイッシング、そしてアドベンチャートラベルのために建造されたらしい。当時としてはハイテクのディーゼルエンジンを搭載して第一次世界大戦で大もうけしたアメリカのセレブやVIP対象で運用されていたのかもしれない。

 1924年といえばやっと大阪商船がわが国で初めてディーゼル船(688トン三菱神戸)を建造した年だ。そして川崎造船でもフラガー式のディーゼルエンジンを搭載した貨物船が進水したと記録年表にあった。

 「WESTWARD」の85年にわたる長い歴史の中、時代もそしてオーナーも変わり船はパトロールボートや個人のヨット、チャーターボートなど色々につかわれてきて現在に至っている。

 欧米では船齢が百年に近い古い船をよく手入れして長く乗っている人達が割合いるようだが、そんな事が出来る環境(資金や技術)を持てるのもが羨ましいが、この船では建造時から動いている、よく手入れされて、今や宝物ともいえそうなディーゼルエンジンがある。一見の価値は確かにあった。これは次回ご紹介しよう。
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by pac3jp | 2008-04-07 17:18 | ボート  

あのエンデヴァー(ENDEAVOUR)が来る!!

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 週末、ヨットハーバーに入るとビジターバースに異様に高いマストが見えた。付近に60フィートクラスのレーサーもいるが、まだズバ抜けてそのマストは高いのだ。桟橋からヨットを眺めるとマストの高さに比べ、デッキの高さはかなり低く最近の40~50フィートのクルージングヨット並みである。

 エンデヴァーと書かれたスターンの船名から「あのエンデヴァーだと直ぐに判った」まさか本物がここにいるとは信じ難かったがハルのデザインは正にJクラスのものだった。高いマストトップにJクラスのフラッグが翻っていた。
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   ↑巨大なブームとフラットなデッキ

20年も前に読んだ「舵誌」に載っていた記事を思い出した。

 このヨットはイギリス(イングランド)がアメリカズカップに挑戦する為に1934年に建造した130フィートのJクラススループで1934年にチャレンジャーになり4-2で敗れた。その次もイングランドはエンデヴァーⅢでまたも挑戦したが、4-0だ敗れた。そして世界は戦争の時代に入り、第2次世界大戦が始まりヨットレースどころではなくなった。戦後も長らくエンデヴァーはテームズ川に放置され朽ち果てていたが、やがてアメリカの大富豪の女性がオランダの造船所でレストアを始め1989年に新たな姿に蘇った。

全長:39.56m
全幅:6.78m
深さ:4.76m
マスト高:50.36m
船体:6mm厚スチール
エンジン:キャタピラー402hp
巡航:10kt

 現在のオーナーは最初のオーナーではないだろうがヨットは最高のコンディションで維持されている。側で見てもスチールだというブルーのハルはピカピカと輝き、すり傷1つないし、テークデッキも完璧に磨かれている。
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 船体のデッキ以外の木部のニスはつい最近進水したかのようにみえる。オーナーは不在でクルーは12~13人乗っているようだがデッキに余分な物は全くない。金物は磨かれロープはきっちりとコイルしてある。
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 高いマストに巨大なセールを展開するメガヨットのでセーリングでも結構なスピードが出るそうでモーターボートで後ろに付いていてもそう遅いとは思わない位のスピードだという。

 70年も昔にデザインされたヨットなのにバウやスターンの優美なカーブが人びとを引きつける。桟橋を歩くヨットに関係のなさそうなオバさんまで「キレイな船やねぇ」と感心している。

c0041039_16361782.jpg レッドエンサインはケイマン諸島のものだ。船籍はジョージタウン。メガヨットはここに船籍をおく船が多いようだ。

 エンデヴァーは今、日本に滞在中で、横浜から新西宮ヨットハーバーへ来たそうだが、これからの行き先は聞かなかった。ちなみにこの豪華ヨットのチャーター料は10,000,000円/1週間だと噂で聞いたが、確かではないがその位はしそうな気もする。また日本人のクルーも募集しているらしいョと誰かが言っていた。

 ボクはエンデヴァーのチャーターなんかはとんでもないが、沖をセーリングする姿や、もし出来るならJクラスヨットの躍動的なマッチレースなどが見れたら最高だなぁ!!
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by pac3jp | 2007-10-29 16:43 | 帆船  

「Whale Song」part2

 前回の記事に関して各種の大型船舶に詳しいお仲間が「Whale Song」について色々な情報を教えてくれた。

1.この船は Gtonで185トン、2001年にTrinity Yacht New Orleans とHalter Marine Lockportで造られた。巡航速度は12ノット。
2.この船はIMOに正式に登録されたれっきとした本船だということ。因みに種別はYachtだそうです。
3.船籍はヤッパリ、Tax heavenで有名なケイマン諸島だった。
4.出港地はアメリカ東海岸のマサチューセッツ州からで、日本まではずいぶん遠い。と、いっていたよとお聞きした。


c0041039_12444337.jpg 以前にもアメリカの大手通販会社のオーナーがこのタイプのモーターヨットに乗ってきたことがあった。その船はホエールソングのもう二周りほども大きく思えた。船内に客船並みのエレベーターが付いていると聞いて驚いたのを覚えている。それに印象的だったのはアフターデッキに魅力的な金髪美人がデッキチェアーに寛いでいる図はボクが指をくわえて見ていてもそれだけの価値はあったね。


c0041039_1247876.jpg どちらにせよ、使っても使っても使い切れないほどお金持ちのアメリカのリッチマン達に違いない。セールボートで世界を回っているヨッティ達とは別の世界の住人なのだ。

 ボクの友人が大きめのボートで太平洋を回りたいと言ったら、今も世界周航中のヨットマンが「ヨッティはボートのオーナーとは遊んでくれないよ!」という。
 多分そうだろうね。モーターヨット側から見れば年金やアルバイトでクルージングをしている多くのヨッティは「貧乏臭い連中?」と思っているかも・・・。
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by pac3jp | 2007-09-12 12:56 | ウオッチング  

Yacht 「Whale Song 」(ホエールソング)

 日本でヨットと言えば一般的にはマストを持ったセールボートをそう呼んでいるが、英語で「ヨット('Yacht)とは、豪華な遊び船のこと。セールで走るかエンジンで走るかは問わない。」という。古くはビクトリア女王から将軍・徳川家定にプレゼントされたエンペラー号(375t)は改名されて幕府軍艦「蟠龍丸」となったが元はヨットだった。10年ほど前までエリザベス女王も王室ヨット「ブリタニア号」を持っていた。

 ボクの記憶の中で最高のヨットはギリシャのオナシス氏が持っていた「クリスチーヌ号」だろう。全長98mのカナダのフリゲート艦を徹底的に改造して、海賊に襲われても平気、それに丈夫で高速、そして超豪華なヨットとしてビックビジネスの場で使われていたのでしょうね。

 先週末、まぁ、ロイヤルヨット程ではないがハーバーのビジターバースに真新しく大きなモーターヨットがやってきた。全長は30m弱、船体はスチール。船尾に大型の衛星通信用のドームが2基とユニオンジャックと白い南十字星をあしらったオーストラリアの国旗が見える。煙突は左右に2本ある。そのうち1本からジェネレーターの排気が出ている。船内に人気はないが、リタイヤ後にロングクルージングしているセールボートを訪問するのとは違い、気軽に「こんにちは!」と声を掛けるのはチョット気が引ける雰囲気がある。
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 トランサムに GEORGE TOWN C.I. と船籍港が表示してある。「ジョージ タウン」をWebで何処だろうと調べてみると、まずアメリカ・ワシントンDC近くの「ジョージ タウン」が出てくる。次にマレーシアの「ジョージ タウン」、カリブ海の「ジョージ タウン」オーストラリア本土とタスマニア、そしてニュージーランドにも同じ名前の町がある。

 世界地図を出して「ジョージ タウン」を調べるとなんと27ヶ所も同名の町があった。その昔、移住したイギリス人が故郷の王様を偲んでその名を付けたのでしょうね。

アメリカ     15ヶ所
カリブ海諸国    4ヶ所
カナダ       2ヶ所
オーストラリア   2ヶ所
マレーシア    1ヶ所
ニュージーランド 1ヶ所
アフリカ     1ヶ所
南大西洋     1ヶ所


 調べているとトランサムに表示された「GEORGE TOWN C.I.」のC.I.は何だろうと急に気に掛かった。もしかして・・・タックス・ヘイヴンで有名なケイマン・アイランドの略だろうか?ここに船籍を置いておくと規制や税とかの維持費も安くつくし、イギリス領なので国旗はユニオンジャックでよく似ているしなぁ。

 一応、チラッと見えた国旗を根拠にオーストラリアのアデレート近くの「ジョージ タウン」から来たことにしておこう。
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by pac3jp | 2007-09-10 16:53 | ウオッチング