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ポンツーン着岸にご注意!

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 先日、友人が係留している桟橋で原因は分からないが、大型ヨットがポンツーンに乗り上げ、桟橋の一部が壊れたと教えてくれた。彼のヨットに寄ったついでに見てみると、分厚い板で積層されたデッキ材が硬いプラスティックの緩衝材もろとも20センチほど壊れていた。所が、当のヨットのステムは、かなり傾斜のついたクラシックなステムが幸いしたのか、乗り上げたときに付いた自艇の船底塗料が少し残っているだけでゲルコートにも傷はないようだった。

原因を勝手に想像すると
1.目測を見誤りアスターンを入れるタイミングが遅れた。
2.コントロールケーブルの故障でギヤがアスターンに入らなかった。
3.エンジンが停止した。
4.フェザーリングペラの故障でギアはアスターンに入ったがフネが勝手に前進した。
5.その他諸々・・・

 沖からハーバーに帰り、多くの視線を感じながら自分のバースにスマートに着岸したいのは誰しもだが、これが中々難しい。風向・風速・潮流など自然条件が毎回違うこともあるが、ヨットの操船システムが突然故障することもある。
 まず、桟橋のすぐ沖で着岸のシュミレーションをしてみる。フェンダー・舫いロープOK、スロットルはOK、アスターンギヤはOKか、とフネの作動状態を確認することが大切だ。

 ボクのお仲間の話では、昔、2機掛けのモーターボートで着岸しようと桟橋に近づき、レバーをアスターンに入れたら片方は後進に入ったが、もう一方は前進に入ったままになっていた。リモコンの故障でボートは急に回転を始めてしまい隣のフネには当たりそうになるし大慌てだったよ、とその体験を話してくれた。

 つい最近、ご近所でもプロペラの故障が原因で桟橋に衝突してしまったオーナーがいらした。ヨットが比較的軽いので桟橋を壊す程の損害はなかったけど、自艇の当り所が悪く、水線上のステムに少し損害がでた。

 原因をお聞きすると、上架して整備中から2翼フェザーリングペラの動きが悪いのが気になっていたとおっしゃる。業者は水中ではペラに水圧が掛かるのでうまく動くはずだといったらしいが、結果はボクも始めて聞く、上記原因の4.「フェーザーリングペラの故障でギアはアスターンに入ったがフネが勝手に前進した」状況になったらしい。

 オーナーはいつもの通り、バースにフネを入れ、アスターンを一発吹かせて定位置で止めようとした。ところが、その日はアスターンの一発が前進を加速させてしまった。あっと、思ったがすでに遅く桟橋に衝突!!

 ボクも3翼フェザーリングペラをつけている。上架しているとき、後進にするとピッチは反対になるのは動かして知っているがどういう仕組みでそうなるのか詳しく調べたことはない。でもちゃんと機構位は理解しておく必要はありそうだ。
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by pac3jp | 2008-12-03 09:45 | ウオッチング  

地球深部探査船「ちきゅう」が神戸港で修理中

 神戸港、六甲アイランド西側の公共岸壁に高い掘削やぐらが大きなコンテナクレーンを遥かに凌ぐ高さを誇って、遠くから見ても「ちきゅう」が停泊しているのが一目で分かった。
 2006年6月に四突のポートターミナルで一般公開していたので今回もその準備かなと思って近くに行ってみると、オイルフェンスも張ってあり、どうも何かの工事をしているような感じである。前回は都合で見学出来なかったので今回は是非ともと思っていたのに少し残念。

 帰って調べてみると、
今年2月からの始まった「ちきゅう」の中間検査の際、アジマススラスター(船位保持のための360°回転可能な推進機)のギア損傷が判明し、佐世保造船所においてドライドック工事(後部2基のアジマススラスターギア交換)をしたのち、平成20年11月19日~平成21年2月下旬まで神戸港岸壁における工事(残り4基のアジマススラスターギア交換)を実施すると独立行政法人海洋研究開発機構から発表されていた。

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長 さ:210m
幅  :38m
喫 水:16.9m
総屯数:57,087トン
乗組員:150名
速 力:12ノット(巡航10ノット)
海面からの櫓の高さは121mある。

c0041039_8385198.jpg 左の画像はアジマススラスタの作動表示パネル

 「ちきゅう」のDPS(自動船位保持装置:Dynamic Positionig Sistem)は最大で風速23メートル/秒、波高4.5メートル、海上流速3-4ノットまでの環境でその能力を発揮することができ、数ヶ月、長ければ1年間以上もほぼ定点に留まることが可能となっている。このため船底に6個のアジマススラスタとバウには普通のサイドスラスタも装備されていてGPSや各位置センサーから得る情報を元にコンピュータが処理し、各ユニットの動きを管理しながら船位を保ち、長く続く掘削中も全長210mもある大型船が定点から15mくらしか外れないとか。

 「ちきゅう」のパワーユニットは
三井ADD型ディーゼルエンジン:7,170HP×6基 これと連結される主発電機は5,000kw×6基、それとは別に補助発電機:2,500kw×2基があり合わせて発電設備として35,000Kwの出力を持っている。

 因みにアジマススラスターはプロペラ直径3.8mで出力4,200Kwのものが6基あり、ユニット1基の重量は160トン、うち20トンがモーターの重量であるという。(下画像参照) それにバウのサイドスラスタ 2,550kw×1基がある。

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 掘削作業は、海面に浮かぶ船から海底に、太く長いパイプを伸ばし、その中のドリルパイプが海底下約7,000mの深くまで堀り進んで次々とコアを堀り出してゆく作業をするわけだ。本船は定点にいるといっても本当に大丈夫かなぁとボクはそう思うが、深い海ならパイプの揺れはある程度は許容(パイプの長さの5%までとか)されても、浅い海では支障が出るらしく「ちきゅう」は水深500mより深い海で運用することになっているそうだ。

 でもボクの疑問は「ちきゅう」はまだ建造されてたった3年の中間検査の段階で深海掘削船の主要な装備であるDPSのアジマススラスターのギヤ損傷が発生し、今回、約10億円もをかけて修理工事をするわけだが、まだそんなに「ちきゅう」を酷使するほど使ってないだろう。故障がちょっと早いのではと思い調べて見ると、

 中間検査の開放検査で損傷が発見されたアジマススラスタのベベルギア(回転方向を直角に曲げるときに使うギア)には、

●ホイールの歯元に垂直シャフト側(ピニオン)の歯先が接触することなどによるギア表面からの亀裂発生。 (上の左画像を参照)
●浸炭焼入れ深さ不足等による内部せん断応力に対する強度不足あるいはギア内部に介在する不純物によるギア内部からの亀裂発生。

 と、設計・製造上の欠陥から損傷が発生したので現在使用しているギア全て(6基)については、設計変更して新たに製作するギアに交換することとした。と発表されている。

 神戸港で工事が終わった平成21年3月中旬から「ちきゅう」は紀伊半島沖の熊野灘において機器確認、試験掘削等を実施し、その後IODP(※統合国際深海掘削計画)によるライザー掘削を開始する予定だという。

 先に東シナ海のガス田開発などで中国とEEZの解釈などで色んな問題が発生していたが、これからは大陸棚、あるいは深海底に存在する資源などの調査も近隣国に負けず積極的に行い、日本の正当な国益を守り次代につなげてゆかなくてはならない。このIODPの地球環境変動、地球内部構造、地殻内生命圏等の解明などが国益とつながるかどうかは分からないが、全く未知の世界、マントルの奥深くまで新しい発見を求めて頑張って来てください!!

統合国際深海掘削計画 (IODP: Integrated Ocean Drilling Program)とは
日・米を主導国とし、平成15年(2003年)10月から始動した多国間国際協力プロジェクト。現在、欧、中、韓の21ヶ国が参加。日本が建造・運航する地球深部探査船「ちきゅう」と、米国が運航する掘削船を主力掘削船とし、欧州が提供する特定任務掘削船を加えた複数の掘削船を用いて深海底を掘削することにより、地球環境変動、地球内部構造、地殻内生命圏等の解明を目的とした研究を行います。


【関連記事】:調査船 ラムフォーム・ビクトリー号 
【参考Web】:フリー百科事典『ウィキペディア』より「ちきゅう」
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by pac3jp | 2008-11-28 08:47 | 特殊船  

新型、省エネ船のプロペラ

 神戸港の西側、和田岬には三菱重工・神戸造船所がある。そのポンドでは数隻の潜水艦が艤装工事や定期検査だろうかひっそりと泊っている。その向うの船台にはこのところNYKの大型自動車運搬船が連続で建造中である。

 地元新聞が地球温暖化防止のキャンペーンなかで人々の暮らしを支える裏方の世界でも省エネ対策が着実に進んでいると自動車運搬船の新型推進システムを紹介していた。
c0041039_9325152.jpg それは画像でも分かるがプロペラの後、舵スケグの前に省エネにつながる「ステータフィン」と呼ばれる固定の羽根車を取り付けている。
 これは通常、船舶が航走することにより捨てられるエネルギー(プロペラ回転流)を回収して推進効率の向上をはかる装置で、ボルボペンタ搭載のモーターボートでもよく使われていて皆さんご存知の二重反転プロペラ(CRP)は最も効率よく旋回流を回収できるが、複雑・高価なため一般の貨物船には用いられていない。それに比べ「ステータフィン」は、CRPの後方プロペラを固定したものでCRPと比較して簡便・安価である。そしてこの翼のデザインは複雑な計算で割り出したもので三菱重工の特許になっているという。

 ステータフィンとはプロペラ後方の舵に設置してプロペラ回転流を回収する、高速・痩せ型船に適用可能な省エネ装置である。自動車運搬船を対象に、ステータフィンの設計と、理論計算及び模型試験による評価を行った。さらに、実船において、速力試験のほかに、信頼性及び性能の確認とステータフィンの基礎データ取得を目的としてフィンの応力計測、振動計測及び作動状況観察を実施した。その結果、省エネ効果のほか、強度・振動面で問題の無いことを確認した。当社建造の自動車運搬船では、ステータフィンが標準装備となりつつある。今後は、コンテナ船等、さらに高出力主機装備船への適用を検討していく。(三菱重工技報より抜粋)


c0041039_9341839.jpg 一方、省エネ推進装置のなかでも高級なシステム、ハイブリッド型CRP ポッド推進方式(イメージは左画像)は 2004年6月に就航した新日本海フェリーの総トン数16,800トン、最高速力32ノットの“はまなす”“あかしあ”に採用され、この2隻は在来型の2軸推進方式を採用した場合と比較して13 %の燃料消費量低減を達成し、運航コストの改善とCO2 排出量の削減に貢献しているという。だが残念なことにこれらの船の主要機器は大型クルーズ客船で実績のある外国製だった。

ディーゼルエンジン:フィンランド  ワルチラ 12V46C 12,600kW×2基
電動ポッド推進器 :フィンランド  Azipod  17,600kWx1基

 ポッド推進器とは、ポッド状の容器の中にモータを組み込み、モータに直結したプロペラを駆動させる推進ユニットである。“あかしあ”はポッド推進器を主プロペラの軸心延長線上に配置して、主プロペラとポッドプロペラを1組の二重反転型プロペラ(CRP)とするよう近接して配置している。近接した2つのプロペラをお互いに反転させることにより、プロペラ回転流回収効果が得られる。主プロペラは可変ピッチプロペラで、クラッチ付き減速機と中間軸を介して2基の中速ディーゼル主機関により直接駆動される。後方に位置するポッドプロペラは主発電機からの電力によりポッド内の電動モータで駆動される電気駆動式である。(三菱重工技報より抜粋)

 地球温暖化防止のためにヨット乗りは何をすればいいのだろう。ヨットの省エネって、何だろうと考えてもやっぱり、エンジンに過度に頼らず今まで以上に風の力を利用してフネを走らせることでしょうね。僅かな風でも前進力にする良いセールと抵抗の少ない船型、レースで早いXヨットみたいなフネが良いのかなぁとも思うが、でも、やっぱりセーリングの腕を磨くのが一番か。

【参考Web】:PDFファイルです→高精度パネル法を用いた高性能ステータフィンの開発
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by pac3jp | 2008-11-21 09:49 | 貨物船  

予備のプロペラを積んだ貨物船

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 先日、神戸港・六甲アイランド東側のコンテナバースの外れにパナマ船籍の中型バラ積み船が空荷で泊っていた。貨物ハッチの上に移動式のクレーンが装備されているので、ここで荷役する船ではないなぁと見ていたら、向こうからフレンドリーなクルーが手を振っていた。

c0041039_10531924.jpg 左舷ブリッジ下の甲板に4枚翼のプロペラのような物体が縛ってある。なんだろうと思って近づいてみるとやっぱり直径4mはありそうな本物のプロペラだった。塗色はクレーンや前マスト、ボートダビットなどデッキから上に出っ張った構造物と同じ黄銅色に塗ってある。どうも予備のプロペラが保管されているようだ。

 神戸港周辺では大小の本船が数多く行き交っているがデッキに予備のプロペラを準備している船は初めて見た。確かに本船だって航海中にプロペラが脱落する可能性はゼロではないはずだし、漂流物や浅瀬でプロペラが損傷することもある。そんな緊急時には近くのドックまで曳航してもらい自前のプロペラに取り替えれば直ぐに航海が続けられるわけだ。

 この船が予備のペラをクレーンで搬出しやすい場所に用意しているということは、プロペラに損傷を受け易い海域を航海しているのか、あるいは過去にこの手の事故で痛い目にあった経験がある船長が乗っているのかもしれない。

 ヨットでもビルダーが正規の手順でセットした状態ではプロペラが脱落することは少ないと思うが、セールドライブではプロペラを外さなければジンクの交換が出来ない機種もあるので、ここでオーナーの手でプロペラ脱着作業が行われる。
 本来こういう船の重要な装置を専門家以外が脱着作業をする可能性があれば「フールプルーフ設計」になっていなければならないのだろうか、ボルボのセールドライブでプロペラが脱落してしまった話はよく聞く。ご近所で4隻、よその泊地のヨットマンなどは2回も落としたとおっしゃる。

ペラの脱落経験者は彼等なりに対策を講じている。

1.予備のプロペラ一式を用意している。
2.ダイビングセットを用意している。(潜って探す!)
3.ペラが落ちない最新のバージョンに交換する。
4.高くても専門業者に作業を依頼する。

 ボクの場合はシャフトドライブなのでまだ1回もペラを取り外したことはないが、上架のつど必ず点検はしている。でも万一のことを考えて予備のプロペラは艇内に常備している。
 風は弱く、潮は早い瀬戸内海のクルージングはエンジン頼りの場面も多いので、日頃から機走系の整備やその予備品の準備が大事ですよね。

【関連記事】:プロペラが落ちた!
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by pac3jp | 2008-10-22 10:55 | 貨物船  

Volvo Penta IPS システム

c0041039_16132166.jpg このところ入れ替わりながら、ずっとハーバーのメンテナンスハウスでは大型のモーターボートが2隻並び、新艇のオプション艤装の工事をしているようだ。
 先週末、ここで新艇のチークデッキを張っている大工さんの仕事を見学にいったとき、隣の船台に乗ったボートが変わった形をしたプロペラをもっているのに気がついた。

c0041039_16134265.jpg アウトドライブにデュオプロがついた形をしている。上画像の右が船首なのでドライブは後進になっていると思っていた。
 でも、ドライブの後ろ側を見るとどうもエンジンの水中排気口のようだ。そうするとやっぱりドライブ本体は舵板でペラは舵の前についているのだと納得した。

 近くにいたヤマハのメカニックに聞いてみるとこのボートは「マーキー420SC(スポーツクーペ)」でドライブはボルボIPS600でエンジンはD6だという。

c0041039_16141396.jpg (パンフレットの要目によると)
全   長:12.40m 
全   幅: 4.20m
吃   水: 1.2m
燃料タンク:1,136L
清水タンク:530L
エンジン :D6IPS×2(310hp×2、370hp×2、435hp×2)

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 ボルボのIPSはハーバー内の取り回しにジョイスティックを使って操船できるシステムであることは情報としては知っていたが実際に現物を見るのは初めてだった。ジョイスティックでの操船はトヨタのポーナム45でも別のシステムが載っているが、このボートは強力な主エンジンで取り回しをするのでバウスラスターは不要ですっきりとしたバウになっている。

 最近のエンジン、マリンギアーもケーブルでコントロールした時代は過ぎ去り、ひき続きステアリングシステムまで電気コントロールの時代が到来したようで、このボートもステアリングにはエレクトロニックステアリングを採用していて、感覚的にはオートパイロットのポータブル発信機をホイールで操作するようなもので、勿論ケーブルや油圧装置は一切使用してないという。
 船長が操舵した舵角をステアリングポジションセンサーからそれぞれのIPSに別個の電気信号で指示を送りボートを制御する。そして、このドライブは固定ではなく前進方向に左右28度の角度を別個に変えることが出来る。(上のペラを後方から撮った画像で船底に可動範囲がグレイの扇型でみえる)

 このような複雑なシステムの操作は人間に替わってコンピューターが受け持つようになってきたのだ。これからはスロットルやステアリングの故障でもワイヤーをたどって故障ヶ所に行き着くという古典的な修理はもうできないなぁ。故障箇所を検索・診断するパソコンが要るようになってくるだろう。
 大変な時代だが、ボクの場合はまったく関係な~い・・・はず。

【参考 Web】:ボルボIPS
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by pac3jp | 2008-10-17 16:22 | ボート  

神戸市港務艇「竜王2」RYUOH2

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総トン数:195.00ton
機関出力:3,600PS
速  力:14.50 kt
所  属:神戸市
建  造:1995/03 金川造船 神戸
装  備:給水装置、消防設備、オイルフェンス搭載

 外観はよく見かける大型のコンテナ船などの入出港をサポートしているダグボートである。バウに大型タイヤの防舷物を取り付け、デッキに大きなウインチが載っている。船体もペンキの剥げたところもなく手入れのいいダグボートにみえる。

 クルーにお聞きすると神戸市の所属だとおっしゃる。なぜ、民間のダグも多いのに神戸市が「竜王2」を運用しているのだろうと疑問に思っていた。
 調べてみると、2~3年前に給水設備を追加し、オイルフェンスも搭載する防災型多機能ダグだったのだ。通常は港湾管理者が船舶に飲料水を提供する「運搬給水」業務についているようだ。以前はもっと小型の給水船があったようだが船舶の大型化で間に合わなくなってきたのかもしれない。それにボクの知っている岸壁の給水所も無くなってしまったし・・・。

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 ブリッジに上がると正面に主機とレックスペラの操作コンソールがある。中央の丸いハンドルが複合操縦ハンドルで、微速から全速までの前・後進、停止、旋回、横進などの操船を正確、迅速に行うことが出来る。隣のレバーは主機のスロットル。右舷側のコンソールはウインチ操作卓だ。

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 少し見難いが川崎レックスペラを装備した「竜王2」のドックでの写真である。
レックスペラは各々が360度旋回し任意の大きさの推力を発生することが出来るのだ。
■プロペラ直径:1.8m 旋回速度:10sec/180度

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 機関室を見せてもらうと主機はヤンマー6気筒1800PSディーゼルエンジンが両舷分2台が据わっている。船尾寄りに発電機が2基、1台は稼動中だった。

c0041039_853131.jpg 主任務の給水設備は船体前部タンクに90トン、船体後部右舷に15トン、同じく左舷に15トンの合計120トンの清水を搭載することができ、80トン/時間の能力がある。画像は潜水艦救援母艦「ちよだ」の給水風景だが、船により給水設備も様々で旧ロシア船籍の船舶などは給水口の口径が小さくて、直接ホースが繋げず細いホースで長時間かけて給水したことあるとのこと。

 また、船によっては船首からの給水を指示され、波や風がある沖の泊地で船首同士をくっつけての給水となり、難しい舫いとりとなるがダグボートの持つ能力を最大限に発揮することでカバーするという。

【関連記事】:港で見つけた格安の自動販売機
【参考資料】:みなと物語「近畿」VOL.13 国土交通省 近畿地方整備局
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by pac3jp | 2008-08-01 08:59 | 特殊船  

プロペラ防汚塗装不要論その後

 何事も他人の意見を鵜呑みにせず、自分で試して見なければ決して納得できないヨットマンがいる。5月初め、上架ヤードでプロペラを研磨中のオーナーのお話しはこうだった。

 「今年から1年間3回の上架を予定しているので、プロペラは基本的に塗らないことにした」とおっしゃる。で、次は8月の上架予定。「その間、約3ヶ月はプロペラ無塗装でゆく。船底も新たに塗る事をせず、ジェットポンプで洗い、タッチアップだけで済ます」とおっしゃる。

c0041039_923429.jpg 7月上旬、ヤードで作業中のくだんのオーナーに出会った。「予定より早い上架ですね、プロペラの汚れ具合はいかがでしたか?」とお聞きすると、ニャッと笑い、「いっぱい(フジツボが)ついていた」とのお返事。船底を拝見するとこちらは予定どうりにタッチアップの跡が見える。勿論プロペラにはペラクリンがしっかりと塗装されていた。

 今後のメンテナンスをどうするのかは聞かなかったが、どうやら今まで通りの方法でやるようである。

 春から海水温が上昇し、水生生物が活発に活動を始める時期に静かに止っている磨かれたプロペラなんかはフジツボ一族が格好の棲家と思うのだろう。彼らは毒物をしっかり塗りつけたプロペラでもスクレーパーで細い傷をつけるとそこからちゃんと棲みついてしまうのだ。
 フジツボはいつも動いているペラや船体にはつかないようだが、海草類など他の水生生物はしっかりとくっついて成長してゆくものもありそうだ。

c0041039_921943.jpg そこで突然思い出したのが、7月6日に太平洋を110日間の航海を終え帰港したマーメードⅡの水線付近にイガイのような水生生物がついているのを見たことだ。このハーバーでは見たことがない種類だ。多分、外洋を航海中の船体に途中から便乗してきた生物だろう。このハーバーが彼らの生育環境に適していれば繁殖する可能性もある。

 
 でも何故付いたんだろう。フジツボや貝類は動いているものには付きにくいのに。
そうか!平均速力1.6ノットでは潮流に流され、対水速度はほとんどなかったので彼らは流木に付くように簡単に棲みついてしまったのかもしれないね。

【関連記事】:プロペラ防汚塗装不要論?
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by pac3jp | 2008-07-25 09:27 | シーマンシップ  

神戸港散策 簾の奥の潜水艦

 久し振りに神戸港を沖から入港した。三菱・神戸造船所は次々とエバーグリーンのコンテナ船が船台に乗っていたが、最近はNYKの自動車運搬船がシリーズで建造中のようだ。
 三菱の港内を覗くと1週間ほど前の7月9日、感電・火災事故で大騒ぎをしていたAIP潜水艦「そうりゅう」も静かに浮かんでいた。ポンド内には他にも定期検査中の潜水艦も2隻いるが、その区別は特徴あるX舵だ。進水時は艦番号も501と表示してあったが今は消されている。

 しばらく行くと兵庫埠頭の北側にある川崎造船の浮ドックで新造の大型貨物船が船底の塗装をしていた。リフトに乗った作業員2名が長い竿のようなスプレーで巨大な船底を塗っていた。

c0041039_1111661.jpg 気がつくとお隣にも中型の浮ドックがある。どうも船が入っているようだが簾が掛かっていてよく見えない。近くによって確認すると潜水艦が入っていた。こちらにはペラがあるのでどうも船尾のようだ。プロペラらしきものに白地に緑の二重丸が書かれたカバーがかけてある。潜水艦のプロペラ形状は軍事機密なのだ。簾の隙間から僅かに見えるのを「8枚ペラやなぁ」と仲間は推測したが、これは機密○○にあたるで、の声。
 隣の貨物船は5翼のプロペラが丸裸で見えている。

 浮ドックの船首側に回るときっちりと簾が掛かっていて全く中は見えない。どうも頭隠して尻隠さず風の簾だったが、ここは港内観光船も通るコースなので工場側がサービスで「ちょっとだョ」と見せて呉れているのかなと勝手に合点する。

 昼食はいつもの所にフネを止め、ハーバーランド煉瓦倉庫街のスパゲッティ屋さんでとる。食べ放題の焼きたてパンが特に美味しいのだ。

c0041039_111479.jpg 最近、水陸両用バス(ダック)を使ったツアーが港内遊覧するために海に入るスリップがハーバーランドに出来た。以前は摩耶埠頭の端っこから海に入り神戸港の場末の港内を巡っていたが、やっと賑やかな港内を楽しめるようなコースになったようだ。観光客もきっと喜んでいるだろう。
 このスリップが造られた場所はずっと前には復元船の「サンタマリア」が係留保存されていたところで、跳ね橋もあり景観はいい。奥まった場所で低い岸壁があり小型のプレジャーボートには丁度ぴったりのランチ一時係留の場所だと思っていたが、長らく開放されず放置されていた。やっと使われるようになってもただのダック用水路では勿体ない。立派な岸壁と静かな水面があるのにね。

【関連記事】:新鋭AIP潜水艦 501「そうりゅう」
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by pac3jp | 2008-07-16 11:06 | ウオッチング  

プロペラ防汚塗装不要論?

 好天に恵まれた大型連休中のヨットハーバーはクルージングにお出掛けのヨットやボートでアチコチにカラバースも多く桟橋は閑散としている。上架ヤードも3月、4月は船底塗装などメンテナンスのフネで賑やかだったが、昨日、5月4日は海の遊びもハイシーズンで上架ヤードで作業しているヨットはたった2隻とちょっと寂しい。

c0041039_16372916.jpg そんな時期だったが、熱心にプロペラを磨いている知り合いのオーナーがいらした。 
 今の時間からプロペラ塗料を塗ると乾燥時間が充分取れないのではと心配方々見ていると、彼は「今年から1年間3回の上架を予定しているので、プロペラは基本的に塗らないことにした」とおっしゃる。で、次は8月に上架する予定らしい。「その間、約3ヶ月はプロペラ無塗装でゆく。船底も新たに塗る事をせず、ジェットポンプで洗い、タッチアップだけで済ます」とおっしゃる。

 既に年間3回の上架で不自由なく乗れると実証した海上係留ボートのオーナーから聞いたという。1年で3回なら、4ヶ月間隔になるが、夏場にフジツボがよく付くので5月、8月、11月位がプロペラ掃除の上架時期だろうか。

 確かにコンテナ船や大型フェリーなどはプロペラ塗料は塗ってないようだ。定期船なので港で人や車を積み込む時間以外は航海中で、従ってプロペラはずっと回っている。それでも時々はダイバーが潜ってプロペラを磨いていると聞いている。その結果、プロペラの効率が上がり、燃料など運航コストが軽減できるらしい。

 一方、我々の乗るヨットなどは週末に数時間乗るだけで殆どが桟橋に繋がれている。
フジツボや海草のタネがどのように船体やプロペラに取り付くのかよく知らないが、走っている時より止まっている方がより汚れやすいだろうと思うのだが・・・。

 彼のヨットが3ヵ月後の8月にどうなっているか楽しみだ。もし、プロペラがキレイなままだと不要な海洋汚染源を一つ減らせて大変結構なことだ。
 だが、ヨットはボートと違い元々の速度が遅く、少しだけペラが汚れ、たった1ノット遅くなってもパーセンテージから見れば大きいからね。
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by pac3jp | 2008-05-05 16:46 | ウオッチング  

気の毒なヨット

c0041039_12475660.jpg GW前半の日曜日、プロペラにロープとホンダワをしっかり巻きつけたヨットが修理のために上架されていた。よくみるとロングキール全面に座礁したような傷が付いている。前部はロングキールの鉛が所々露出しているが大したダメージはないようだ。ロングキール後部に座礁による傷がある。FRP層が破損し、破口からは充填された発泡体が見えている。多分ここから船内に浸水しているだろう。キール後端からラダー下部に延びたアームはバランスラダーの支持とロープなどの巻付きを防ぐプロペラガードを兼ねた頑丈な構造になっている。
 だが、アームからラダー下部にいたる座礁の衝撃でラダーはハルに押し付けられ積層が2枚に剥離してしまっているのが見える。

 クラシックタイプのヨットによくあるプロペラガードは他艇のアンカーやノリ網のような横に張られたロープからはペラのガードは出来るだろうが、自艇から不用意に流してしまったロープはガードできない事もあるだろう。でもラダーにロープが絡むことはないし、安全性は割合高いはずだった。
後に見えるのはナウティキャット331。

 このヨットがどんな状況で座礁したのか分らないが、ロープや海草を噛んだプロペラが回らなくなり、セーリングで浅瀬から脱出できる風が無かったか、あるいはセールの推進力より潮流が速く、危険な場所に押し流されてしまったのかもしれない。

 一般的なヨットに装備されているハンギングラダーは座礁の衝撃にも一番弱いし、また、ペラにロープなども絡みやすい。毎年GWが終わると1隻や2隻はラダーシャフトの修理している。
 クルージングタイプのヨットがよく装備しているのがスケグラダーだ。プロペラガード構造には出来ないが、強度的には両者の中間になる。

c0041039_1248255.jpg 参考にキールとラダーのギャップにロープなどが引っかかるのを防ぐロープガードのイラストを掲載したが、スケグラダータイプのヨットでキールからスケグにSUSワイヤーを渡せばプロペラガードの役目は果たせそうに思うが、どうだろう。


 楽しいクルージング中も実際にトラブルになってしまわなくても「ヒヤリ、ハット」はよくあるが、自分だけは事故に会う筈がないと信じて(思い込んで)航海していたように思うなぁ。

 今週末からはGW後半が始まり、各地にクルージングされるフネも多いでしょうが、航海計画をしっかり立て、危険な近道をせず、見張りを怠らず、船旅を大いに楽しんできて下さい。そして、少々は業者を喜ばせること?はあっても怪我なく無事で帰ってきてくださいね。
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by pac3jp | 2008-04-30 13:00 | ウオッチング