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熊本・八代海の打瀬網漁

 白い帆に風を一杯に孕んだ打瀬船が海に浮かぶ景色は日本の海の原風景のように思いますね。
 そんな風の力で網を引く打瀬網船は、かって漁船に強力なエンジンが積まれていなかった時代には日本全国で行われていた。しかし、Webで検索するとあちこちで打瀬船イベントとしてはあるようだが打瀬網漁業としてはもう北海道と九州・八代海だけの2ヶ所になってしまったという。

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 先日、NHKテレビで八代海・芦北漁港で「みようとぶね」の打瀬船を取材した番組があった。帆走漁船の生き残りでもあるのでヨット乗りとして興味深く番組を見た。

c0041039_10575315.jpg ボクが持っていた打瀬船のイメージは古い写真や模型から、長さは凡そ35尺、長めのバウスプリットと2本マストのジャンク風のリグで当然風上に上れる帆走性能を持っていると、思っていた。その例として98年前の1912年、愛媛の漁師たちが帆走打瀬船でアメリカに密航したこともあった。(下記の関連記事参照)

 映像で見る現在の打瀬船は、長さは随分大きくなって長さ50尺、4本マスト、特別に長い伸縮式のバウスプリット、運航用のエンジン、漁場で網を横に曳く追手専用の大小の帆、セールコントロールと網揚げ兼用の動力ウインチがある。それは昔の打瀬船から上り性能を切り取り、その分網を曳く機能を向上させているようである。操業の様子を見ると、6枚の帆を風の強弱で調整するのは大変そうで、ちょっとしたレーサー並みのチューニングをしている。まぁ、これが直接漁労の成果に結びつきますからね。

 この付近の4つの漁港に31隻の打瀬船がエビを獲る操業していて、この芦北漁港には23隻の打瀬船があり、世代の継承もでき若手が乗る船もあるという。

c0041039_1103770.jpg 底曳き網漁船はボクのホームグランドの大阪湾でも、重い網を一日中引き回し、燃料の消費も大変だろうし、それに重負荷で高価なエンジンの寿命も早いのだろうと他人事なのに心配してしまう。
 その点、ここの打瀬船は風と潮など自然現象に大きく影響を受けるが、地球環境に優しい本当にエコな漁業である。昔から行政や関係者間で漁場の規制などがきちんとされてきたのでこの伝統的な漁法が現在まで残ったのでしょうね。

 エコな漁法といえばこれも昔からある瀬戸内海・備讃瀬戸の「こまし網漁」がある。潮流の早い備讃瀬戸の真ん中で網船を止め、大きな口を開けた網を潮で流し、潮流に乗ってくる魚を獲る。漁師さんは転流まで昼寝をしていれば良いのだ。

 漁師さんにとってはエコな漁なのだが、シーズンになると航路付近はこまし網のブイだらけ、機走力の弱いヨットにとっては大変な緊張をしいる漁法だと思っている・・・。
 一方、セーリングで操業中の打瀬船は機帆走のクルージングヨットでも充分に避けられる速度ですので、八代海をクルージングした時にはお仕事の邪魔をしないように見学でもさせてもらいましょうかね。


【関連記事】1:95年前に太平洋を帆走で渡った男 
【関連記事】2:こまし網って知っていますか 
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by pac3jp | 2010-01-19 11:04 | 漁船  

ソーラーセールで太陽系をセーリング!

 昨年、呉の大和ミュージアムでJAXAの小惑星探査機「はやぶさ」のドキュメント映画を見た。大きさがたった500mくらいしかない小惑星イトカワに到達し、そこの岩石サンプルを地球に持って帰るというプロジェクトだ。現在も進行中で大変面白いなあと思っていた。

 今度、JAXAではソーラーセイルを持つ小型ソーラー電力セイル実証機「イカロス」を打ち上げ、省エネ(燃料なし)で半年かけて金星を目指すと言う。

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 ↑イカロスのミッション
 H-IIAロケットで種子島宇宙センターから打ち上げられたイカロスは、その後、惑星間軌道上で、太陽指向でスピン分離します。数週間で膜面を展開し、薄膜太陽電池による太陽光発電を実現します(ミニマムサクセスレベル)。打ち上げ後半年間でソーラーセイルによる加速・減速を確認し、膜面の方向を調整して軌道制御を実施します(フルサクセスレベル)。

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 ↑ソーラーセイルは、超薄膜の帆を広げ太陽光圧を受けて進む宇宙船です。ソーラー電力セイルは、帆の一部に薄膜の太陽電池を貼り付けて大電力発電を同時に行い、制御システムを駆動するエネルギーを得る。

 「イカロスキャンペーン」では、あなたのお名前とメッセージをDVDに収録し、「イカロス」に載せ、金星軌道に向かって宇宙の大海に旅立つというものです。

 ボクも早速メッセージを送っておきました。世界中で2010/2/28までにキャンペーンに応募の先着20万名様に限り、名前をアルミプレートに刻印してイカロスの帆の先端にあるおもり(先端マス)に搭載してくれるという。

 セーリングなので色々と心配もあるが(誰かさんのヨットと違う?)、早めに応募して、分身だけでもお先に宇宙旅行をさせてやりませか!!

ソーラーセールとは
太陽の光がソーラセイルの表面で反射すると、光子という光の粒のエネルギーが帆への運動量に変換されます。これが宇宙空間でソーラーセイルを加速させる「押す力」となるわけです。その加速度はとても小さいのですが、連続して発生できます。化学エンジンを使ったロケットでは、燃料を燃やすことで目的の速度に到達させられるのですが、燃料消費を抑えるために運転を停止する必要があります。他方でソーラーセイルは常時加速を続けることで、結果として相対的に短い時間で非常に速い速度へと到達させることができるのです。推進力の方向は帆の太陽に対する角度を変えて制御でき、軌道速度を加速も減速もさせることができます。(JSPEC HPより)

【参考Web】JSPEC 月・惑星探査プログラムチーム
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by pac3jp | 2010-01-04 16:44 | 航空・宇宙  

スピネーカーのトラブル

 先週末の夕方、半開きのスピンをフォアスティに巻きつけて沖から帰ってきたヨットがいた。ハーバー内を機走でスピンをバタバタいわせながら自分のバースに向かっている。どうも単純な絡みではないようだ。ジブシートとスピン、そしてスピン用のソックスも一緒に絡んでしまった様子だ。

 その日は夕方になっても風は落ちず、港内でも12~14ktくらいは吹ている。

 隣のバースにいるヨットにスピンが絡まないかと遠くから心配しながら見ていたが運良く高い防波堤の風下になりうまく追手でバースに収まったようだ。

 暫くして近くを通るとオーナーとクルーらしいお二人が疲れたご様子でヨットから降りて帰ろうとされていた。「大変でしたね!」と声をかけると「はぁ・・・」と返事をされ、センターハウスの方角に歩いてゆかれた。
 ヨットはバースに入った時のまんまだった。半分開いたスピンが時々風を孕んでバタバタといっている。自分たちで回収できないのでヤマハなどヨット業者に応援を頼みに行ったのかなとボクはそう思っていた。(スピンが破れたら高いものにつくもんね!)

 ところが彼らはそのまま帰ってしまったらしい。

 すてる神あれば、ひろう神ありで、ヨット乗りには大変気になる「セールのシバーする音」で、ご近所にお住まいでボランティアのハーバー警備隊を自称されているボクらのお仲間がたまらず、ついに出動された。

 お一人でジブを出し、スピンやソックスのハリヤードを調整、シートを加減し、大汗をかきながら歴戦のテクニックも有効だったのだろうか何とか巻きついたスピンを回収できた。でも、本当はセールがシバーしながら破れてしまうのをなんとしても見過ごせないというヨット乗りの本性からのお手伝いだったのでしょうね。

 ご苦労さんでした!

c0041039_13185668.jpg ボクの隣の桟橋に係留している34フィート艇からメインファーラーが1mと少し繰り出されパタパタと音がしているのが聞こえる。目のいい人が見るとメインセールのクリューがもう千切れていてリーチコードだけでセールが開いているという。

 近くで見るとメンセールがどこかで噛んでしまい完全にファーリング出来なかった為、途中で巻くのをで止めたみたいだ。やり直す時間がなかったのか、セールは長くシバーさせると破れることを知らなかったのかもしれない。この場合はもう手遅れでセール屋さん行きだが、もう少し早く発見できたらお手伝いして上げたのにね。

 確か、以前にもジブセールを破っていた。きっと小さな出費など気にしない太っ腹のオーナーさんかもしれない。
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by pac3jp | 2008-08-11 13:26 | ウオッチング  

セルフタッキングジブのクリュー

 あるとき、ボートショーで売れ残って近くに係留している「ハンゼ34」のファーリングされたジブのクリューに付いている5個のクリングル(鳩目)はなんためにあるんだろうと聞かれたことがあった。

c0041039_3224682.jpg 普通のヨットではジブセールもメンセールもクリューにあるクリングル(鳩目)は1個だけである。急に聞かれても「はて・・・?」と思うが何もでてこなかった。でも、どこかで同じように作られたクリングルを見た記憶はあった。

 このヨットの場合、1本だけのジブシートは上から2番目のクリングルにつないである。

 想像力を働かせて推理をしても大していい答えも出そうにないので、知り合いのセールメーカーに聞いてみた。
 それはセルフタッキングジブのクリューに通常ついていてジブシートのシーティング角度を調整してセールを効率よく展開する為にいずれかのクリングルを選んで使うのだと教えてくれた。

 そうか、ジブのリーダーの機能があの上下に並んだクリングル位置なのだ。でも風が強くなってきてジブをファーリングし、少し高目の角度にしたい時にはリーダー場合はカーを前へ持っていったらOKだが、このシステムではジブシートを上へ結び替えなくてはならない。

 メンドクサイもんですねと言うと、クルージングで乗っていて調整する人は少ないですとおっしゃっていた。そりゃーそうだろう。ジブのリーダー位置が調整できてもそのまま走っているヨットもよくあるからね。

c0041039_3165365.jpg セルフタッキングジブは名前のとおり、タックの際は舵を切るとジブは勝手にタックしてくれる。ジブシートを入れ替え、ウインチで巻き上げる手間は必要ない。省力的ではあるが、半面ジブのエリアが小さく、メンが大きくなる。追っ手でジブのみの帆走ではパワーがでないなどマイナス要因もある。画像はハンゼ34のセルフタッキングトラック。

 以前はデヘラーヨットにも装備されていたが、今はどうなっているのか知らない。このハンゼ34は微風域ではオーバーラップジブも使えるような艤装になっている。

《セール関係用語の説明》
クリュー
セイルの後方下隅の部分。 メインセイルではアウトホールを結び、ジブセイルではジブシ-トを結ぶ。
クリュー・クリングル
クリューに取り付け、ジブシートをつけるための鳩目穴。
タックセイルの前方下隅部分。メインセイルはグースネック(マストとブームの接合部)に、ジブセイルは船首のタック金具に取り付けられる。
ジブシート・トラベラー(リーダー)
シート・トラックをスライドする金具で、ここにブロックやシート・リーダーが付きジブセイルを引く位置を調節する。スライドカーとも呼んだり、全体を指してリーダーと呼んだりする。

【関連記事】:セルフタッキングジブ
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by pac3jp | 2008-05-16 03:25 | ヨットの艤装と艤装品  

初めてのスピンラン

c0041039_911079.jpg ボクのいる桟橋にも「まだヨットを始めたばっかりです」とおっしゃる新人ヨットマンが増えてきた。年代は団塊世代の方々だ。

 数年前からリタイヤした団塊世代がヨットの世界にどっと入ってくるだろうと予想していたヨットディーラーたちは彼等に見栄えがよく、値段の安い?、新艇や中古艇を売り込もうとしのぎを削っているのだろう。

 でもそのヨットは彼等が本当に欲しいヨットとは限らないのだ。ディーラーの甘い言葉と先輩や周りの思惑で決まってしまったヨットが自分のヨットライフにとって本当にこれでよかったのかと思い返すには少々の時間がかかる。

 先週末、ヨットを始めて2年になるというオーナーさんが初めてスピンを揚げるというので仲間とお手伝いに行った。彼が手に入れたヨットはCRUISINGと表示はあるが外観をみると細身のレーサーという印象の「C/R」タイプだ。以前はクラブレースに使われていたフネでスピンポールはちゃんと「カーボン製」、セールはケブラーが一式積んである。レース好きが買えばぴったりだが、レースに興味がないオーナーにはケブラーセールも「猫に小判」。でも、白いセールでも順風のセーリングは誰にとっても楽しい。手が揃っていればスピンランは最高だ。



 今朝から結構なNEのブローが吹いている。午後からはもっと強くなる予報だ。
 とりあえず、ハーバー内でスピン用艤装品を確認し、スピンをセットして揚げてみる。オーナーはブローが鳴らすリギンの音で海に出たくなさそうだったが、久し振りにスピンに触れた面々はもうすっかりやる気満々になっている。

 ハーバーを出ると既に追っ手の風、波は小さい。メンを上げ、ジブを出してセーリングを始める。N~NE15ktくらいで20ktほどのブローが入る海面だ。早速スピンをUPする。艇速がぐっと増し、ブローでは8ktを越えたとGPSを見ていたオーナーが叫んでいる。彼もはじめて見る自分のスピネーカーだ。「これは写真をとらなくては!」とデッキのアチコチでデジカメを構えている。

 ブローが入り緊張するデッキで「だれか外から撮ってくれないかなぁ!」とオーナー氏がいうと「帆船は見ている分には優雅でキレイけど乗ってる方はいつも大変ですよ!」と昔、日本丸で航海した経験もある雇われクルー氏が言っている。

 今日は岸からの風で波は小さいが、本当によく振れる風だ。
「スピンランは首が疲れるね!」とはスピントリマーの声、ヘルムスマンもマストトップの風見が頼りなので同じ感想。
 30~40分も走ると沖の目的地付近に着き、スピンを下ろし、クローズホールドのコースに入る。上りはヘルムスマンとコクピットにいるトリマーの受け持ちだ。レース中なら風上に並んでハイクアウトだが今日は適当なところで寛ぐ。

 やがて、本日の昼食場所の北港ヨットハーバーが見えてきた。風も強くなってきたので帰りのスピンランはもう無理だろう。ランチはビール片手にゆっくりとお喋りしてすごす。

 ヨットの好みは様々だ。ヨットは早くなければならないと考える人。ヨットはスピードより乗り心地が一番という人。一人で乗る人、大勢で楽しみたい人。早くて快適、大勢でも一人でも乗れて価格の安いヨットが欲しいなど欲張りの人もいる。本当に人の好みは百人百様だ。

 縁あって手に入れたヨットの個性と自分の好みを擦り合わせ、必要なら大胆な改修をも含めてしっかり手を入れ、新人ヨットマンの皆さんが長くヨットライフを楽しんで欲しいと思っている。

【関連記事】:初めてのヨット
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by pac3jp | 2008-05-14 09:17 | ウオッチング  

クルージングヨット用のストームジブ

c0041039_13434719.jpg ヨットレースでロングを帆走していた頃、風が吹き上がり、ナンバー3+ツーポンでもオーバーキャンバスになってきた時、次はストームジブを用意したもんだが、沿岸のクルージングを長くやっていてもストームジブを上げてセーリングする場面に会うことは割合少ないし、ファーリングジブが普及してからはストームジブの定まったセット方法がなかったことあって、ヨット乗りの間でもストームジブの必要度の考えは様々だ。

 ストームを揚げるような荒れた海でバウにいってストームを揚げるなんてとんでもない。「機帆走で近くの港に逃げ込むよ!」のご意見が大半かも知れないが、いい避難港が風下になく頑張らなくてはならない場面も当然ある。長いクルージングに出る前、万全と思う用意をしておくのは金毘羅さんのお札より心安らぐかも。

 そんな時、元レーサーのベテランヨット乗りから新しいクルージング用のストームジブを作ったから見に来るようにと誘われた。
 ヨットは36f、セールメーカーはノースだ。ストームジブのセットは巻かれたファーリングジブに厚手のダクロンクロスで出来たストームジブのラフを被せるようにして8ヶ所をハンクスで留める。
 ピークに付いたスペクトラのペンダントにスピンハリヤードを繋ぎホイストする。
 セールを見ると、ピーク付近は規則通りオレンジのクロスが貼り付けてある。セールのタックは波を掬わないために長めのペンダントが必要だが、1mくらいのスペクトラのペンダントが付属している。従ってタックペンダントはファーラーのアイに止める。

c0041039_1348176.jpg 右画像はファーラーに被せる場所に使われているハンクス。合計8個使われている。
 昔のジブはみんなこれだった。塩噛みして動きが悪いハンクスに苦労したなと思いながら見ていた。(便利そうな思えるジッパーは強度がなく駄目らしい)

 他にもファーラーの上からストームを揚げる方法はある。また、フォアステイを使わずにディンギーセールのようにラフにワイヤーを入れたストームセールをフライングで揚げる方法もあるそうだが、かなり小型のヨット以外は無理だろう。

 このクルージングヨット用ストームジブは国内で最大手?のノースセールが作ったセールなので、この方法がファーラーの上からストームジブを展開する「日本標準」になるのかも知れないが、まだもっと良いアイデア出てくる可能性は充分ありそうだ。
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by pac3jp | 2008-03-17 13:53 | ヨットの艤装と艤装品  

ストームセール

c0041039_90183.jpg 新たなエリアへクルージングするため、限定沿海から全沿海や近海に航海区域を変更しようとすると、火薬など通常の法定備品のほかに桜マークは必要ないが予備帆(ストームジブ)が必要と定められている。

 そして船検の都度、予備帆のチェックはあるが検査官がストームジブをよく理解してないのか、スピンでも検査を通ったと聞いた事もあるが・・・。

※左のヨットは船検要件ではないトライスルをセットしている。
 でも、【JSAF 外洋 特別規定】ではストームセールについて以下の規定(抜粋)がある。

ストームジブの面積はフォアトライアングルの高さの二乗の面積の5%以下で、ラフがフォアートライアングルの高さの65%以下であること。
●ストームセールは外部から一番見分けやすい色(蛍光色ピンク、もしくはオレンジ、または黄色)の生地で作られるか、セールの両面に一番見分けやすい色のあて布をする事。
ストームジブならびにトライスルにアロマティックポリアミド(ケブラー)、カーボン、もしくはそれに近い繊維は使用してはならない。スペクトラやダイニーマまたはそれに近い材料は許される。
ストームトライスルはブームに関係なく独立してシーティングが可能で、(メインセールのラフ長さ)×(メインセールのフット長さ)の数値の17.5%以下の面積であること。ストームトライスルはヘッドボードとバテンがあってはならない。

 荒天用セイル展開のトレーニング

1.ストームおよびヘビーウェザーセイルを受講者の艇に搭載する。
2.そのセイルはどのようにセットするのか?
3.そのセイルは艇内のどこに詰まれているか?
4.たとえ、穏やかな天候であっても時々 練習することの重要性。
5.ものすごい荒天時、縮帆することで、リグにかかるプレッシャー変化の理解。
6.艇の上を乗り越えるような波は、いい加減に収納している、デッキ上に低く過ぎてセットしている、セイルを 流失させる危険性。
7.ストームセイルに重たい金属のシャックルを付けることの危険性。
8.ストームセイルに目立つ色を使用することの重要性。
9.荒天時にメインセイルを降ろしてブームにラッシングし、トライスルをブームなしでセットすることの重要性。

 以上のように外洋レースに参加するには細かく決められたレギュレーションをクリアしなくてはならないが、クルージング艇では船検の要件をを満たせば検査はOKだ。しかし、安全第一を考えたらJSAF-SRの規定に合致するストームセールが欲しい。

 ボクもストームジブとトライスルは持っているが、特にサイズの指定はしなかったので上記の規定(フォアトライアングルの高さの二乗の面積の5%)で作られているらしく、試しに揚げてみるとかなり大きく感じる。実際の荒天で使うにはジブの5%やトライスルの17.5%はMAXなのでもっと小さく作ったほうが良いように思うし、同感だというヨットマンも多い。

 上の画像はトライスルを揚げて回航してきたレーシングヨット。仕舞い込んだストームセールも時々は点検とハンドリングの習熟も兼ねてマストに展開して見るのもいい考えだ。

【関連記事】1:シーアンカーとドローグ
【関連記事】2:レーダーリフレクター
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by pac3jp | 2008-03-14 09:13 | ヨットの艤装と艤装品  

新しいブームバング?(ブームキッカー)

 昔、ディンギーに乗っていた頃はブームバングといえばロープ式のものだった。帆走中にも頻繁に調整し、お隣に負けないよう一生懸命走っていた。セーリングが終わればブームをデッキに落とし、セールを片付けていた。24フィートクラスのクルーザーも同じシステムだった。メンハリを緩めるとドサッとブームとセールが落ちてきた。

 最初の30フィートクラスのクルーザーにはトッピングリフトの機能を併せ持つソリッドのエアー式のブームバングが付いていた。これはメンを降ろしたり、リーフなどする時などブームが落ちてこず大変便利だと思ったもんだ。でも暫くするとエアーが抜けてくるトラブルがよく発生した。

c0041039_1043177.jpg やがて、ソリッドのブームバングはエアー式からメンテナンスフリーのコイルばねを内蔵したタイプに変わってきた。この時代が長く続いたようだが最近新しいタイプのブームバングを取り付けたヨットがいた。
 それはFRP製の丸棒の剛性を利用してブームを支えるタイプ。正にトッピングリフトの替わりをするものだ。価格もソリッドタイプに比べて部品の数も少ないので安そうだし、既にロープ式のブームバングを持っているヨットには好都合だ。体重を掛けたり無理やり抑えると折れる可能性もありそうだがシンプルなのが良い。

 この少し古いヨットの近くであれこれ作業をしているセール屋さんがいた。お聞きするとこのブームキッカーは当社が取り付けたとおっしゃる。ブームバングなどはセールメーカーのテリトリーなんだと思い当たった。
 ブームキッカーから目を移して周りを見ると、ドジャーの窓が新しい、メンセールもセールパックも新品だ。フォアスティに巻き取られたジブもどうやら新品らしい。スピンも買ってもらったとおっしゃる。どうりで嬉しそうな顔である。「このオーナーさんはヨットを乗換えはったのですか?」と聞くと、そうではないという。

 レーサーならいざ知らず普通のクルージングヨットでスピンを含めたセール1式を新調するフネはそうざらにない。セール屋さんが喜ぶはずだ。ボクの仲間ではこの10年間でそんな人は誰もいなかった。セールは修理しながら使うもので、クロスの劣化が著しく修理不可能と宣言されてやっと新調するのだ。 と、ボクなどはそう思っている。

 が、中にはちゃんとヨットのメインエンジンはセールと考える正統派のヨットマンもいる。毎年、小笠原定期便を運航している長距離セーラーだ。彼はたびたびニューセールを作っていると聞いている。確かに燃料補給が出来ない外洋で一旦、微風域に入ってしまうと帆走能力の劣るヨットでは航海日数が増え、積み込んだ食糧が目的地に着くまでに切れてしまう事態にもなる。

 外洋を渡るクルージングは頑丈で早いヨットと新しいセールが必須だが、その替わりに食糧と燃料を満載してゆく手もあるね・・・。
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by pac3jp | 2008-02-20 10:48 | ヨットの艤装と艤装品  

セルフタッキングジブ

c0041039_1510773.jpg 最近、ボクと同じ桟橋にまだ船名も書かれてない新艇らしきヨットが係留している。「Hanse342」と表示がある。オーナーらしき人物も見かけないのでディラーが一時保管しているのかも知れない。

 このヨットはドイツで建造されたヨットで全艇種にセルフタッキングジブが標準で装備されているらしい。「hanse342」にもファーリングされた小さいジブとマスト前にセルフタック用のジブトラックが付いている。普通、ファーリングされたジブからは左右両舷に2本のジブシートが出ているが、このジブからは1本だけジブシートが出ている。

ジブシートがリードされている経路は

1.ジブのエンドからジブトラックのブロックへ。
2.ジブブロックからマストの第2スプレッダー上約1m上のマストシーブへ。(ちょっと見えにくいがデッキライトとスプレッダーの間くらい)
.マスト内を引き下ろし、マスト下付近からマストステップに並んだブロックへ。
4.そして、デッキ上をリードされコクピットのウインチへとリードされている。

 このジブシートで「あれ!」と思ったのがジブトラックからかなり高い場所にリードされていたことだった。あんなに高いところにリードするとロープも無駄だし、マスト付近にシートがブラブラして邪魔になるなと思っていた。もう一隻、セルフッタキングのヨットを参考にしようと近くの古いデヘラー36と比べると、「ハンゼ342」程高い位置ではないが、それでもスプレッダー下50cmぐらいの高さにマストシーブがついていた。

c0041039_15131814.jpg ボクはセルフタッキングのヨットに乗ったことがないので経験者にお聞きすると、低い位置でリードされたセルフタッキングジブはジブシートに風に合わせたテンションを加えると、自由に動くトラック上のブロックがセンターに寄りすぎ、セールが開かず効率が落ちる。あの位の高さにリードして丁度良い、との返事。

 シングルハンドでも上りのコースを走っていると何の造作もなくタックが出来て大変便利だが、フリーになるとパワー不足を感じるのかこのヨットにはバウにジェネカー用のポールが付いていたし、コクピット両舷にはジェノア用の大きなシートウインチも装備してあった。

 そういえば電動ウインチ1台で全てのコントロールロープを操作できた先進のデヘラー36は大きなメインに小さなセルフタッキングジブが省力装備だったのだ。でも小さいジブで帆走っているのは見たことないなぁ~。いつも紋入りのでかいジェノアが目立っていたわ。
 でも、最近は小さいのが復活しているかも知れないネ。
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by pac3jp | 2007-12-28 15:19 | ヨットの艤装と艤装品  

プロファールのブームファーラー

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 11月23日~25日の3日間、秋のボート(ヨット)ショーがビジター桟橋で開かれていた。お天気は絶好だったが、出品各社の販売意欲も低いのか、陸上のショップも春の半分もないし、勿論、海上の展示艇もヨットは新艇3隻と中古艇4隻の合わせても7隻と少ない。桟橋には業者の姿のみ目立ち、お客さんはチラホラ。先月に停泊していたあの有名な「エンディバー」の見物人から見ても格段の差である。(それは当然だが・・・)

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 でも、ここで新しい小型ヨット用のブームファーラーを見つけた。フランスのプロファール社が製造したブームファーラーである。
 
c0041039_84258.jpgクリエーションが出品した24fのモーターセーラーにセットしてあった。ブームファーラーのサイズは違うが、以前ボクのお隣さんが取り付けたデンマーク製の「ハイローリーファー」程、がっしりとした構造には見えないが、プロファールのジブファーラーと同じくフランス製らしいシンプルな構造のようだ。営業マンによると、同じサイズではハイローリーファーより安いという事だった。

1.巻き取りドラムが前にある。ハイローではブームエンドにある。
   ロープの抵抗が少ないのでセールのアップダウンが軽くなる。
2.マストとセールグルーブの間にフェアーリングカバーがない。
   隙間を通る風でマストの作る乱流域が減るとか・・・。
3.調整の出来ないソリッドブームバングでブームが支持されている。
   ブームの角度が固定される。調整不要?
4.ブーム形状が三角形で少し不細工。
   安くてもちゃんと動けばOKだ!

 ヨットのファーリングシステムはかなり普及してきて、クルージングヨットではジブファーラーが付いてないフネは珍しくなってきた。だがメインのファーラーは34fクラスから上ではマストインファーラーも大分あるが、24f~30fクラスではまだまだ少ない。

 このクラスにこれから新規参入してくる団塊世代の皆さんにも安く使いやすいメン(ブーム)ファーラーを提供できれば、ヨットも「やさしい操作で楽しく乗れる」と感じていただき、今後ヨットファンの層を嵩上げしてゆく一つの手かもしれない。

 また、安くて使いやすいブームファラーは高齢化著しい年金ヨットマンの福音となりうるか!!


ご参考1:プロファール社Web ブームファーラー
   2:ハイローリーファー インブームメインセールファーリングシステム
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by pac3jp | 2007-11-30 08:50 | ヨットの艤装と艤装品