タグ:エンジン ( 27 ) タグの人気記事

 

ヤンマーの【KMG65E】フライホィール発電システム

 セーリングクルーザーに搭載される新しい航海機器・情報機器に加えて快適な環境を求めるユーザーも多くなりヨットの電力需要は高まるばかりだ。そしてその対策には大型のオルタネーターの増設や専用の発電機を搭載することで対処してきた。

 でもオルタネーターの増設にはエンジンルームのスペースの問題があり、専用発電機は別のエンジンを搭戴するため、そのスペースと給水・排気・燃料系などが必要だし、パンダなど小型ジェネレーターは防音ケースに入っていても結構うるさい音がする。

 ヤンマーからセーリングクルーザーの36F~42Fクラスに推奨されるディーゼルエンジンで3JH4E(39HP)と4JH4(54HP)の2機種でセールドライブにも対応し、最大6KVAの出力を持つ小型フライホイール発電システム「KMG65E」をオプションでセットすることが出来るマリンエンジンがヨーロッパで発売されている。

c0041039_89713.jpg

 ↑画像にあるようにエンジンとギヤBOXとの間に組み込む。大きさは 320×360×145ミリメートルで重さは20.5kgのユニットだ。シャフトドライブタイプはサインカーブACの230V-3KVAを2セットまで、6KVAの出力が取り出せる。SDタイプは1セットの3KVAのみになる。
 画像のエンジンはユニットが別の塗色になっているが実物は本体と同色に塗装されている。

c0041039_893240.jpg左図は「KMG65E」1台の出力カーブ図です。

■1000rpmで4A(0.92KVA)
■1500rpmで8A(1.84KVA)
■2000rpmで12A(2.7KVA)

■2100rpm以上で3KVAのフル出力が得られる。

 ボクのお仲間がメインエンジン(ヤンマー3YM)駆動の2KVAの発電機をエンジンルーム下に取り付けエアコンを使っているが主機を1800RPMくらいで回すと充分冷房効果は有るとのことだ。勿論電子レンジもOKです。
下の【関連記事】ご参照ください。

 今回この新しいジェネレーター内蔵のエンジン(4JH4AE)を搭載したセーリング・クルーザーがXヨットから「XC42」として新発売された。

 船内の電源がヨーロッパ系の230Vとなり、アメリカや日本の家電を使うにはダウントランスが必要になるが、やがてアメリカ市場向けの110Vタイプも現れるだろう。

 電力に余裕があるとエアコンのほかに長いクルージングに出ると欲しいのが全自動洗濯乾燥機だ。いつか「HR46」に装備されていたのが230Vタイプだったのでヨーロッパではフネやモービル用の洗濯機があるのだろうかと思ったことがあったなぁ。

まあ、贅沢に家電が使えたら快適だが、これらは全て燃料を消費して得るものだと意識して・・・などはいらぬお節介かな。

【参考Web】:KMG63Eジェネレータの紹介(PDFファイル)
【関連記事】:オルタネーターの増設を考える(3)
[PR]

by pac3jp | 2010-09-30 08:22 | ヨットの艤装と艤装品  

ターボチャージャー

 かってのヨット仲間でエンジンを大事にするあまりだろうか、無風の海でもエンジンの回転はアイドリングの少し上で、ノロノロと機走していた人がいた。その全く反対のヨットマンもいた。彼はエンジンは最大出力で回すものであると確信していた。レースが終わり機走で帰港となるとアクセルレバーは一杯まで倒し、全速力で帰っていったものである。(いつでもトップをとりたい?)

c0041039_14583869.jpg 作業台の上に故障したのかモーターボートの大きなターボチャージャーがおいてあった。

 そのアメリカ製のボートは目の前を黒潮が流れる和歌山の漁港に繋がれていて、いつもはカツオやマグロのトローリングに使われているという。修理担当のメカニックにお聞きすると「このボートはトローリングスピードで長時間運転するとエンジンに良くない」とおっしゃる。
 確かに5~6ノットのスピードはヨットでは巡航速度でもモーターボートではアイドリングスピードであり、高速ディーゼルエンジンが効率的に動く温度にもならない効率の悪い運転状況のようだ。トローリング専用のフィッシャーマンや漁船はちゃんとトローリング速度にセットできるギヤーを持ってるという。

 モーターボートで大阪湾奥から串本沖までカツオ釣りに出漁するには数時間の高速運転時間があり、その後トローリングに入り、また帰路は高速運転となるので途中の低速運転は問題にならないが、このボートのように出港から5分で魚場、そして一日中低速で曳きまわしているとやがてこうなってしまうそうだ。

 車でもボクの弟が仕事で使っている2トントラックがたびたび故障して困っているというので、「まだ新しいのになぜ?」と聞いてみると、走る距離が短いからだという。道具と資材を積み、狭い道路を1.5km先の得意先へ行き、仕事終われば帰ってくる。1日たった3kmだけ。
 そんな日が多いから車の持つ本来の性能を充分発揮できないうちに運転を終わってしまうので、高回転高出力のディーゼルエンジンが駄々を捏ねているらしい。

 確かに機械類は大事にとっておいても駄目で、きちんと整備をしながら使っているほうがずっと長持ちするのは誰でも知っている。だがエンジンは高い燃料を食うので「ちょっと節約」と考えた時に魔が差すのでしょうかね。

 かって、ノロノロと走らせていたヨットのエンジンはずっと前に故障してしまった可能性は高いなあ。そして全速力で走らせていたヨットマンは今でもおNEWのエンジンをフルスロットルで走らせているはずだ!・・・とボクは思う。
[PR]

by pac3jp | 2010-04-23 15:00 | ボート  

ヤンマー3YM30エンジンに換装中!

 いつもお世話になっているマリーナのヤードに古いアメリカ製らしいバウスプリットを持つクルージングヨットが上架され修理中だ。下から見るので実際より大きく見えるが、30フィート弱のヨットのようだ。

c0041039_16425377.jpg 傍らにオランダから輸入された新品のヤンマー3YMが入った木箱が置いてある・・・。

 このエンジンが欲しいヨットマンはたくさんいると思う。30フィートクラスのヨットはヤンマーの2GMやボルボの2002など18hpクラスのエンジンが搭載されていた。古くなって故障やパワーがいまいちだったりすると、お隣のヨットに搭載された3気筒の高出力エンジンが羨ましくなってくるのだ。同じように単気筒9hpの非力さに愛想を尽かし3発のエンジンに乗せ換えたオーナーもいたという。こんな話はよく聞く。

 数年前、ボクのお仲間艇2隻がそれぞれの理由で2GMから新品の3YMに乗せ換えた。余った2GMを処分するのは大変だろうと思っていたがすぐに引き取り手が現れ難なく処分できたという。
 2GMは古いYAやYSエンジンを今も大事に使っているオーナーが安く手に入る中古の2GMを待っているのだ。それにヨットのエンジンは出入港が出来れば充分だと考えていたビルダーが造った30フィートで1GM搭載などというヨットを買ってしまったオーナーなどが多分?探しているエンジンでもあります。

c0041039_16433343.jpg だが、この3YMの換装で出てくる古いエンジンは残念ながらヤンマー2GM ではありませんでした。
 このヨットが活動する潮流の激しい海域にあわせて当時としても大き目のISUZU3気筒エンジンが搭載されていた。 このヨットは確か25~30年位前、船外機仕様ながら太平洋を渡って日本にやって来たとフネだと聞いたように思う。その後オーナーが変わりこの船内機が搭載された。それから計算してもかなり古いエンジンだ。嵩も3YMなど最新型よりも大分大きい。外観も長い間手入れされなかったのかギヤーBOX付近には錆が発生している。分解しないと状態は分らないが補修パーツはもうない可能性もありそう。

 最近のヨット用ディーゼルエンジンはヤンマーとボルボで市場を分けているが、ちょっと前まではこの「いすゞ」を初めヤマハ、クボタ、ミツビシなど小型漁船用のエンジンを転用したヨットもあったし、数年前にマツダを積んでいたドイツ艇もいたなあ。

 ボクはボルボエンジンとの付き合いがずっと長かったけど、「隣の花は赤い!」かも知れないが、ヤンマーの方が良かったように思っている・・・。
[PR]

by pac3jp | 2010-01-28 16:49 | ヨットの艤装と艤装品  

セールドライブを補機にしたボート

 近くのバースにいらしたヨットのオーナーさんは以前から南西諸島など、ロングクルージング志向の方だった。

 彼はヨットではいつも機帆走でクルージングしていたし、風がよくても真上りだったり波が高ければ出港しない。それに最近はセールの出し入れもチョット「しんどい」など考えていると、何もクルージングヨットにこだわらなければロングのクルージングもできるトローラなどのボートに乗り換えても自分の遊びとしてはそう変わらないだろうということになったようだ。

 ドルが安くなった時期を狙ってアメリカ製のタグボート「Nordic Tug 37」を注文したと聞いていたが、ボートビルダーの船台が空いていたのか割合早く新艇が届いていた。

 最近、そんな彼のボートを少し見せてもらった。名前は「タグ」だがスタイルは「グランドバンクス」などと同じようなレイアウトで豪華なキャビンに贅沢な装備も付いている。

c0041039_1344979.jpg全 長:12.19m
重 量:10.250kg
燃 料:1,226L
清 水:545L
主 機:ボルボ370hp×1
レンジ: 1,000 NM @ 8 knts
(varies with load and cruising conditions)

 デッキにライフラフトとEPIRB、衛星電話までちゃんと装備されていたので全沿海区域は航行できるようだ。7月のトカラ群島皆既日食にも行きたいとおっしゃっていたのでボートに変わっても南西諸島にアプローチするフネの準備は整っているのだ。

 主機は高速のフィシャーマンと違ってディーゼル1基である。軽油1.2トンの満タンで8ノットならば1000マイル航海できるとカタログデータにあるが、もし故障したら困るので補機をつけたとお聞きした。
 小型のモーターボートのスターンによく小さい船外機を載せているのを見たことはあるが、このフネはボートビルダーも初めての工事だったという、セールドライブ(ボルボ・D1-13 11.8Hp)を補機として左舷オフセンターに付けたとおっしゃる。非常の場合、これで、静かな海面ならば5ノットで航行可能になるそうだ。
 でも通常の航海中には補機のプロペラが邪魔になるでしょうね、そうか、フォールディングペラをつける手もあったなぁ。

c0041039_1362171.jpg

 船検ではボート内の船内主機エンジンは機関室に据付られている物で、スターンロッカー内に別のエンジンが据え付けられたらそのロッカー自体にエンジンルームの要件を満たす消火設備などを設けなければならないと指示されるなど中々難しかったとお聞きした。
 確かにアフターデッキ下にあるエンジンの消火設備もさることながらエンジンに海水が被らないような防水ハッチも完全なものが必要になる。

 先月も沖縄・残波岬の沖で大きさの違う3隻グループの機帆走ヨットと行き会った。大きい方は40fクラス、小さいほうは30f位だが、大馬力のエンジンを搭載しているのか、波を蹴立て他のヨットと同じ速度で北を向いて走っていった。

 ボク達の沿岸クルージングは殆どが機帆走だ。そして、スキッパーの多くは、もしエンジンがトラぶればセーリングしながらなんとかエンジンのリカバリをしてと少し甘く考えているだろう。それにヨットのエンジンは補機だとして整備もそれなりだったりするもんね。

 でも、ボートに転向し、航行中にエンジンが止まれば最後ですよ。ヨットマンの甘えは捨て、フネの完璧な整備と、もしもの時のリカバリのスキルをしっかり身に着けることが必要ですね。

 補機のセールドライブはとても高そうですから!!
[PR]

by pac3jp | 2009-06-18 13:12 | ボート  

Volvo Penta IPS システム

c0041039_16132166.jpg このところ入れ替わりながら、ずっとハーバーのメンテナンスハウスでは大型のモーターボートが2隻並び、新艇のオプション艤装の工事をしているようだ。
 先週末、ここで新艇のチークデッキを張っている大工さんの仕事を見学にいったとき、隣の船台に乗ったボートが変わった形をしたプロペラをもっているのに気がついた。

c0041039_16134265.jpg アウトドライブにデュオプロがついた形をしている。上画像の右が船首なのでドライブは後進になっていると思っていた。
 でも、ドライブの後ろ側を見るとどうもエンジンの水中排気口のようだ。そうするとやっぱりドライブ本体は舵板でペラは舵の前についているのだと納得した。

 近くにいたヤマハのメカニックに聞いてみるとこのボートは「マーキー420SC(スポーツクーペ)」でドライブはボルボIPS600でエンジンはD6だという。

c0041039_16141396.jpg (パンフレットの要目によると)
全   長:12.40m 
全   幅: 4.20m
吃   水: 1.2m
燃料タンク:1,136L
清水タンク:530L
エンジン :D6IPS×2(310hp×2、370hp×2、435hp×2)

c0041039_16143768.jpg

 ボルボのIPSはハーバー内の取り回しにジョイスティックを使って操船できるシステムであることは情報としては知っていたが実際に現物を見るのは初めてだった。ジョイスティックでの操船はトヨタのポーナム45でも別のシステムが載っているが、このボートは強力な主エンジンで取り回しをするのでバウスラスターは不要ですっきりとしたバウになっている。

 最近のエンジン、マリンギアーもケーブルでコントロールした時代は過ぎ去り、ひき続きステアリングシステムまで電気コントロールの時代が到来したようで、このボートもステアリングにはエレクトロニックステアリングを採用していて、感覚的にはオートパイロットのポータブル発信機をホイールで操作するようなもので、勿論ケーブルや油圧装置は一切使用してないという。
 船長が操舵した舵角をステアリングポジションセンサーからそれぞれのIPSに別個の電気信号で指示を送りボートを制御する。そして、このドライブは固定ではなく前進方向に左右28度の角度を別個に変えることが出来る。(上のペラを後方から撮った画像で船底に可動範囲がグレイの扇型でみえる)

 このような複雑なシステムの操作は人間に替わってコンピューターが受け持つようになってきたのだ。これからはスロットルやステアリングの故障でもワイヤーをたどって故障ヶ所に行き着くという古典的な修理はもうできないなぁ。故障箇所を検索・診断するパソコンが要るようになってくるだろう。
 大変な時代だが、ボクの場合はまったく関係な~い・・・はず。

【参考 Web】:ボルボIPS
[PR]

by pac3jp | 2008-10-17 16:22 | ボート  

2008 関西フローティングボートショー

c0041039_1552973.jpg

 2008 kansai floating Boat Show と看板が立っていたのでモーターボートだけのボートショーだが、オカザキヨットがなぜか1隻だけ29fのヨットを出品していた。これが目立つ場所なので立ち寄るお客さんも多くちょっと得した様子。

 会場を一回りしたが1億円をはるかに超える高いボートと沿岸で釣りを楽しむ小型ボートの2極化が進んでいるように感じた。でも小型ボートといえども1千万円以上はするようだが・・・。

c0041039_15524450.jpg

 ボートは特に興味はないので陸上のブースを眺めていると日本水路協会が港湾案内を並べていた。順次新版に替わっているが全12冊のうち9冊が新版タイプに替わりましたといっている。最新版はつい1週間前に発売されたらしい。古い日本測地版はあと、北海道東岸・東方、北海道西岸、南西諸島の3冊が残っている。少し前には新版待ちで品切れの本もあったが今は全て揃っているという。

 販売担当者によると今後、ヤマハボートさんが新艇を販売したときにオーナーさんの活動エリアの港湾案内を買ってもらうようにするとかおっしゃっていたが、釣りが主体のボートオーナーさんが港湾案内を見ながらクルージングなどするのだろうか、これはちょっと疑問だね。

c0041039_15532012.jpg

 もう一つ、マロール(株)のブースに展示されていたエンジンリモコンのデモ機があり少し説明してもらった。画像右上がエンジンコントロールレバー、その左下がリモコンで上からタイマー、中がシフト・スロットル、下が舵ダイヤル。左側の箱がリモコンの信号をモーターパワーに変えプッシュプルケーブルで右上のエンコンレバーを操作する。電力がダウンしたりリモコンが不要なときは直結操作も出来る。

時々漁港でこんなシーンを見る。
 沖から帰ってきた一人乗りの漁師さんが水揚げ岸壁に近づくとリモコンを持ってブリッジからデッキに出てくる。そしてバウに行き、もやいを持ち、リモコンで舵とエンジンをコントロールしてぴったりと岸壁に横付けする。

 こんなエンコンシステムが欲しいと思うヨットマンは少ないでしょうが、ヨットも一人乗りが多いので例を一つ、岸壁槍付けの場面を想像すると、バウで舫いロープとリモコンを持ち岸壁の距離を見ながら前進もアスターンにも入れられる。舫いも場所によっては自分でとれる。楽チンですよ!

マロールのパンフの商品名は「釣楽リモコン」、流し釣を楽にします! とコピーにある。

●前進と中立のシフト操作をタイマーで自動操作で繰り返し
●最適にプログラムされたシフトの前進・中立時間
●前進だけでなく後進のタイマーも可能
●前進・中立・後進のシフトとスロットルのリモコン操作も可能
●フルスペックタイプでは舵操作のリモコンも可能

 この装置はブリッジにある前進・中立・後進のシフト操作レバーとエンジンスロットルレバーの 2レバー式手動エンジンリモコンの中間にコードリモコンのアクチエーターを入れてプッシュプル式で操作している簡単なシステムだ。
 値段をお聞きすると舵の駆動方法によっても変わってくるが40f位の釣ボートなら70万円くらいで装備できるらしい。

 今年5月~6月にあの有名な「春一番Ⅱ」がハーバーに来ていた。出港でバースから出るとき、オーナーが舫いを外し、スターンデッキでリモコンを握り、アスターンでバースを出て出港していった。野本先生なら櫓を使う場面だが現実的な次のオーナーさんは瀬戸内漁船並みの操船で松山へ帰られた。
 ボクもやっぱりこっちだなぁとその時思ったことだった。

【関連記事】1:プレジャーボート・小型船用港湾案内をWebで見る
【関連記事】2:バックカメラで見張る!
【関連Web】:マロールマリン
[PR]

by pac3jp | 2008-10-15 16:09 | ウオッチング  

ヤンマー1GMのシリンダーヘッド

 いつもお世話になっているヨットヤードの作業台に外観は錆もなく、そうくたびれてはいないヤンマー1GMのシリンダーヘッドが乗っていた。古いヤマハ30Sの補機として搭載されていたエンジンのものだ。

 30fのヨットで9hpのエンジンでは小さいと思うが、ちょっと昔には「ヨットはセールで帆走るのだ!」との風潮が強く、レース艇などはエンジンは港の出入りさえ出来れば小さく軽いものが良いとされていし、ビルダーも船価をいくらかは安くできるからなぁ。

 このエンジンは以前の泊地からこのヤードまでの数マイルはなんとかヨットを動かしてきたようだが、オーナーがそのヨットを手放したとたん、いくらセルを回しても起動しなかった。この1GMはそこで事切れてしまったのだ。

c0041039_1048531.jpg

 「仕方がないのでヘッドをめくってみるとこれだよ!」とヘッドを見せてくれた。そこには吸気口の錆びた弁座と接触面まで錆が出た吸気弁が転がっていた。
 これでは圧縮が上がりようもなく起動しないのは当然だ。でもオイルで潤滑している部分がなぜ発錆するだろうと細かく観察するとシリンダーヘッドに細かいクラックが入っているのを見つけたという。ここから冷却水の海水が滲み出し吸気弁が錆びたのだろう。当然シリンダーにも入っているはずだがロックしてしまう程の量は入らなかったようだ。

 ディーゼルエンジンで一番丈夫に作られた部分なので簡単には壊れないはずだが、なぜヘッドにクラックが入ってしまったか原因は聞き忘れた。でももうこのシリンダーヘッドは修理出来ないのでバルブも含めてアッセン交換だろう。

 まぁ、エンジンも永く使えばあちこち痛んでくるし、ハーバー仲間の新型エンジンを搭載したヨットに軽々と追い抜かれるようになってくると上位クラスの中古エンジンか、なければ新品エンジンに換装するか、いっそ、ヨット本体を乗り換えるか、と悩ましい日々が続く時がやって来る。

 ボクの仲間でもこの数年に30f、32f、36fのヨット3隻がヤンマーの3YMに乗せ換えた。理由はそれぞれだったが、その結果、2GMが2台とボルボ2030が1台、計3台の現役で支障なく動いていた中古エンジンが売りに出た。

 古いYA-8・YS-8・1GMなどの単気筒エンジンから2気筒に、2GMからは3気筒エンジンに載せ換えたいオーナーは多いらしく、業者経由、あるいはネットで引き取り手はすぐに現れ、今は嫁入り先で元気に働いているという。

 でもね、使用経歴のはっきりしないエンジンを安く買ってもあとあと苦労しますよ、問題が少ないのは新品エンジンです。と、ベテランはおっしゃっているが、さて・・・。
[PR]

by pac3jp | 2008-10-08 11:01 | ヨットの艤装と艤装品  

セールドライブエンジンの外付けジンク

c0041039_1235534.jpg 翌日の進水式を控えてあれこれと準備しているババリア34のセールドライブ付近の船底を見ると、ボルボ純正の3翼フォールディングペラの上に変な円盤形ジンクが付いているのを発見した。プロペラ用のジンクはちゃんとドライブストラットにセットしてあるのに。

 なんだろうと思い担当ディーラー氏にお聞きすると、このエンジンユニットは従来と違いエンジン本体とドライブとは電気的に絶縁されていて、そのためエンジンから別のアース線がエンジン専用ジンク端子に配線されているとおっしゃる。
 このジンクは船底から10mmくらい浮かせ、水中抵抗の断面積は小さいが電極の表面積は最大に稼げるようにつけてある。でもレーサーなどは余分な突起物としてきっと嫌がるでしょうね。
c0041039_12372748.jpg
 セールドライブがヨットの補機に搭載されるようになってからもう20年以上にもなると思うが、ボルボのエンジンではエンジン本体にはジンクは付いていなかったし、別に専用のジンクが必要だったこともずっとなかった。

 ボクが何故?と思っても誰も教えてくれないが、ボルボのヨット用小型エンジンはOEM先がちょいちょい変わる。OEM元のエンジンメーカーのポリシーでセールドライブのジンクではエンジン本体の電食保護が出来ないと考えていたら、別途にということになるかもしれない。

 また、最近はやりの地球環境にかかわるEU規制の網がかかり使えない部品が出来たとも考えられる。そいいえば大分前にアスベストがらみで大幅にパーツリストが入れ替わったこともあったなぁ。

 どっちにせよオーナーは上架のたびに高価な2種類の専用ジンクを用意しなくてはならないわけだ。
[PR]

by pac3jp | 2008-06-16 12:48 | ヨットの艤装と艤装品  

ヨットに浸水!!

 微風の紀伊水道を機帆走で快調に南下しているとき、ふとキャビンを覗くと、どうも何時もと様子が違う。フロアの上で水が動いているのだ。僅かなヒールにつれてバースの隅に水が集まってくる。

 今日は漂流物や浅瀬に乗り上げた衝撃も感じなかった。清水タンクから漏れ出したのだろうか?
 とにかく舐めてみる。 「海水や! 最悪、沈没の恐れもあるで!」

 ずっと以前、時化た海をクルージングしたとき原因不明の浸水があった。その後、その浸水は自然に止まり原因の追究まではしなかった。
 もしかして、その部分が再び破口し、浸水を始めたかも知れないと、パニックになり始めたが、よく見るとエンジンルーム付近から海水が流れ出てくるようだ。

c0041039_1349222.jpg エンジンハッチを開けると海水冷却水回路の中間に入っている部品に接続された細い排水チューブから勢いよく海水が噴出してくる。原因は発見したが対処法を思いつくまでバケツに受けて艇外に捨てていたもののキリがないのでエンジンを停止し、フネを漂泊させてこの部品(アンチサイホンバルブ)を思い切って分解、塩かみしたバルブを洗浄し、慎重に再組立をして修理は無事に終了した。

 と、仲間のシングルハンダーから「えらいことやった」話をお聞きした。

 この故障はバキュームバルブが塩かみで開きっ放しになってキャビンが水浸しになったので直ぐに発見できたが、バルブが固着してサイホン回路が出来てしまった場合、エンジンの排気弁からシリンダーに海水が流れ込みピストンがロックしてしまうなど重大な故障につながる。このパーツがエンジンルームにあるのは知っているが何のために付いているか知らないヨットマンも多そうだ。ボクのフネの場合、エンジンが止るとバキュームバルブが作動しエアーが入る「キューッ」と音がする。その音でバルブの作動を毎回確認している。(関心のある方は下の【関連記事】をご参照ください。)
 でも、エンジン冷却水を取り入れるキングストンバルブを毎回ちゃんと閉めて帰る習慣をお持ちのオーナーならばこの心配はない。

 ボクが彼のヨットのエンジンルームを拝見すると例のバキュームバルブ(アンチサイホンバルブ)の横にどこかのお札が張ってある。ヨットにはマストやチャートテーブル付近に金毘羅さんのお札などがよく張ってあるがエンジンルームに張ってあるのははじめて見た。オーナーがエンジンを最も頼りにしているのは理解できるが機械は神様に頼むよりマニュアルをよく読んだほうがもっと効果的だとボクは思っているけどね・・・。

【関連記事】:海水冷却水がエンジンに浸水
[PR]

by pac3jp | 2008-06-02 13:55 | シーマンシップ  

最近見つけた「?」2件

c0041039_923334.jpg ハーバーには外来艇が係留するビジターバースがある。いつもボート・ヨットの試乗会や年に数回は大規模にボートショーなどのイベントをやっている。昨年、エンデバーが来た時はこの桟橋も一般の外来者で大賑わいだった。

 ハーバーの係留桟橋に部外者は入れないが、ここは誰でも入る事が出来る。ビジター桟橋はコンクリートの本船用浮桟橋と同じ様な構造で海面までの高さは88cmもある。30cm~40cmの係留桟橋でも上がれないのに、ここから落水したら絶対上がれない。一般港などの岸壁には所々にゴムのステップがついていて落水者が陸に上がれるようになっているのにどうするのだろうと前から思っていた。

 つい最近、このビジターバースのホンに目立たない場所に「救助梯子」が設置してあるのを発見した。
 「救助梯子」はK.Y.Cメンバー艇が多いエリアに以前から設置してあったのでK.Y.C の予算で設置したのかと思っていたが、どうもそうではないようだなぁ。

【関連記事】:救助梯子(SAFETY LADDER)


c0041039_923261.jpg もう一件は上架作業中のヨットで発見した。こえは冷却水インテークストレーナの向きが「?」である。
 以前にモーターボートとヨットの冷却水の取り入れ方の違いについて書いたが、たまにボートと同じ方向に取り付けられたストレーナを見ることがある。
 でもこのヨットはセールドライブに換装されていて冷却水はドライブから取り入れるのでスルハルの冷却水インテークは不要のはずだが、予備で開けてあるのかもしれないし、発電機のインテークかもしれない。どちらにせよエンジンを停止したらきちんとバルブを閉めておいた方がいいでしょうね。

【関連記事】:冷却水インテークストレーナの向き
[PR]

by pac3jp | 2008-05-21 09:30 | ウオッチング