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伝説の「黒ひげ」の海賊船から錨を回収する!

 5月にはジャック・スパロウの「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」が封切りされて「黒ひげ」も出るので是非とも見てこようと思っていたが、見逃してしまい、残念ながら今度はWOWOWで見るしかないなぁと、あきらめていたが、先日、カリブ海最強の海賊だった「黒ひげ」の旗艦「クイーン・アンズ・リベンジ号」(アン女王の復讐号)の錨が引き揚げられたと報道されていたのでちょっと黒ひげを調べてみた。

 伝説の海賊「黒ひげ」船のいかりを回収 米調査隊  2011.05.28(CNN)

c0041039_7541084.jpg ノースカロライナ州沖の海底を探索している同州の調査隊は27日、18世紀に活躍した伝説の海賊「黒ひげ」の旗艦のいかりを回収した。このいかりは黒ひげの旗艦「クイーン・アンズ・リベンジ号」の3つのいかりの1つで、重さは3000ポンド(約1360キロ)ある。
続きはここから 


 海賊船「クイーン・アンズ・リベンジ号」は1718年に米ノースカロライナ州ボーフォート沖の浅水域を航行して座礁・沈没したと考えられている。同船は278年後の1996年にトレジャーハンターたちによって発見された。そこはボーフォートのアトランティック・ビーチの2kmほど沖の水深7mの場所だった。その後、船は州当局に委譲され、考古学者や博物館員が少しずつ積み荷を引き揚げてきた。将来はノースカロライナ海洋博物に収蔵する予定で数年前から段階的に船に積まれている品の回収作業が行われている。

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 「黒ひげ」はイギリス生まれの海賊。1716年から1718年にかけて北は米ペンシルベニア州から南はカリブ海まで荒らしまわった事で知られる。 黒ひげは注目されるのが大好きだった。燃える瞳と轟くような声をもつこの巨漢は、深紅のマントを愛用していた。戦いに飛び込む際には点火した導火線を髪にからめ、胸には6丁の拳銃を吊り下げた。ラム酒に火薬を注ぎ込み、火をつけてから飲み下すのが好きだったとも言われている。この余りに印象的な黒髭の姿が、後の小説や劇、映画などに登場する海賊の姿の元になった。

 黒ひげと呼ばれた男、エドワード・ティーチの出自は明らかではない。『ロビンソン・クルーソー』の作者デフォーと同一人物という説もあるチャールズ・ジョンソン大佐は、1724年の大著『英国海賊史』で、英国ブリストル出身と記した。黒ひげ伝説の大半は同書が基になっている。

 ティーチは、英国王に敵船の略奪を許された私掠船の乗組員から海賊に転じたという。当時の英国にはティーチと同じような船員上がりの海賊が何千人もいた。なにしろ1隻襲撃すれば、稼ぎは当時の金額で2万ポンド(現在の約5億円)に達することもあったのだから無理もない。山分けしてもその取り分は、堅気の船員が生涯に稼ぐ金額の何倍にもなったのだ。

 ティーチが海賊として名をはせたのは1716年、ベンジャミン・ホーニゴールド大佐という有力な海賊の下で帆船を指揮していた頃だ。ティーチはほどなくホーニゴールドの傘下を離れ、スティード・ボネット少佐と連合船団を組む。

c0041039_7562033.jpg ボネットはカリブ海の島、バルバドスの裕福な農園主だったが、口うるさい妻から逃れるために海賊になったと伝えられている。ティーチの指揮で、二人の船団は、現在のキューバのハバナから米国東岸のデラウェア湾の海域を席巻し、11隻の船を捕らえた。
(右画像は黒ひげの海賊旗)

 カリブ海のセント・ビンセント島付近で、ティーチはフランスの奴隷船ラ・コンコルド号を襲ったことがある。相手が投降すると、ティーチはベキア島という小島に乗組員や奴隷の大半を下ろし、小さな帆船と数トンの豆だけを残して置き去りにした。奪った大型の奴隷船には40門の大砲を据え付け、船名を“アン女王の復讐”と改めた。こうして当時のカリブ海で最大最強クラスの海賊船を手に入れたティーチは、意気揚々と出帆していった。その時から1年以上に及ぶ、歴史に残る略奪の旅が始まった。

 やがて黒ひげとその船団はイギリスの軍艦、パール(HMS Pearl)によって、ノースカロライナ州オラコーク湾に追い詰められた。激しい戦いの中で黒髭は死ぬまでに25回以上剣や銃で傷つけられながらも暴れ回り、死後にパール艦長のロバート・メイナードの手によって首を切り落とされた。彼の頭は船首に吊るされた。


 引き揚げられたフィッシャーマンタイプのアンカーは1360kgとさすがに大きなものですね。船が大型の航洋帆船なので当然ですが日本では18世紀の千石船には1番錨で300kgくらいでしたね。でも8番錨までと数は持っていましたよ。

 獰猛で知られるカリブの海賊の頭目にも恐妻家はいたようですね!!
  (アンダーライン部分参照)

【参考Web】1:カリブ海最強の海賊:18世紀初頭、米国東岸とカリブ海を席巻した伝説の海賊「黒ひげ」。ノースカロライナ沖の沈没船調査の結果から、その実像に迫る。
【参考Web】2:ノースカロライナ海洋博物館
  
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by pac3jp | 2011-07-18 08:00 | 歴史・民俗  

進徳丸メモリアル(2)

 深江丸をはじめ神大海事科学部に所属する船艇が停泊するポンド東側の用地に設置された「進徳丸メモリアル」を訪れる。夏草に埋もれていたようだが業者の若者が草刈の真最中である。もう暫くで作業完了の見込みだ。

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 デッキに上がりマストを見上げる。その昔は最後尾に立っていたジガーマスト(22.4m)で帆船時代は41.5mもあったという。マストの回りに汽笛やホーンなどが置いてある。
 振り返れば屋上には舵輪が載った大きな窓のブリッジ風の船室がある。そのブリッジ内には船長公室、隣には主機関の一部と実習生居室などが配置されている。

 施設の周囲に進徳丸のアンカー、プロペラなどの装備品と当時の木造の交通艇「むこ丸」(深江の沖に停泊した進徳丸への交通艇として活躍し、多くの学生が学校のポンドから、むこ丸により進徳丸に乗下船した。)が展示してある。

 1923年(大正13年)生まれの練習帆船・進徳丸は当時一般的な石炭を燃料とするレシプロ蒸気機関を搭載していた。舶用ディーゼル機関がやっと使われはじめたという時代だった。

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主機関(Main engine)
三段膨脹往復蒸気機関 2基 帆装を取り外して汽船で運用された時代もこのスチームエンジンだった。
1基 625HP 総馬力 1,250HP
高圧シリンダー:直径305mm 中圧シリンダー:直径 508mm 低圧シリンダー:直径838mm  ストローク:600mm
速力(機走) 10.5ノット (帆走) 13.0ノット

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【ご参考に】三段膨張機関の動作例

 赤で示されている高圧蒸気がボイラーから入り、青で示されている低圧蒸気として排気され復水器へ送られる。弁室は対応するシリンダーの左側に位置している

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トロットマンズ・アンカー(Trotman's Anchor)

 ヨーロッパの帆船で多く使用されており、フリューク部が可動式になっている。潮の満ち引きが激しいヨーロッパならではの錨である。
 特徴:爪の背に突き出ている突起が海底に引っかかり、爪が土中へ貫入するようになっている。片方の爪が土中に入ると、もう片方が寝た状態になる。初代の日本丸、海王丸にも搭載されていた。

c0041039_6194773.jpg 実習生居室の壁には、「追憶」のプレートが入った額が掲げられています。

昭和22年7月24日播磨灘二見沖において爆沈の悲運にあい、多数の死傷者を出した。戦後これを引き揚げ、神戸三菱ドックに曳航、改装修理が施され、昭和22年5月30日進徳丸は再興された。当時実習生として乗船していた高等商船学校第二期生らがこれを記念し、真実と自由と友愛の証として、真鍮板に「追憶」を刻し、昭和23年3月10日第一教室(学生食堂)左舷の壁に掲げた。以来、光り輝く青春の象徴として親しまれ、多くの実習生の手により磨き続けられた。(説明板より)

※窓際にあるその説明文の下線の年数が間違っていました。進徳丸が米軍の攻撃を受けたのは昭和20年の7月24日でした。

【関連記事】:進徳丸メモリアル(1)
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by pac3jp | 2010-08-14 06:41 | 帆船  

新しいアンカーシステム

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 先のヨットショーで最大のヨットは45フィートの「Moody 45DSe」だった。後から見るとダブルステアリングだし、幅が4m以上ある特大サイズなので一瞬カタマランかなと思うほどスターンにボリュームがある。ヒールすると風上は怖いだろうし、ツインラダーは当然絶対必要ですよ!

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 伝統的なクルージングヨットはバウの頑丈なアンカーローラーに重いCQRアンカーが鎮座しているのが常となっていたが、数あるビルダーの中にはそこに新機構を組み込もうと試みるビルダーやデザイナーがいる。↑左の画像はデヘラーヨットの例だがアンカーはデッキ上になく、ステムに埋め込み人力に頼らずアンカーリングできる方式だ。↑右の画像は「Moody 45DSe」のバウだがすっきりしてまるでレーサーのバウみたいだ。

c0041039_6565218.jpg キャビンはデッキサルーンなので広いのは当たり前なので、バウの大きなアンカーウエルも見やすいように開放されているのを見に行く。
 新型のアンカーシステムを搭載しているというのだ。アンカーは50ポンドのデルタアンカー、下向きで頭も後を向いている。シャンクの部分がステンレスの構造物で保持されていて、その奥に蓄力用の油圧シリンダーのようなものに連結されている。(左上の画像)

 ディーラーの営業マンがデモしてくれる。「25kgのアンカーは重いですよ!」と、「こうやって」と油圧シリンダーのそばにあるペダルを踏むとその重いアンカーが自分で立ち上がってきた。あとはアンカーローラー収まったシャンクにを手をそえてバウの定位置にあるピンにセットするとアンカー準備は終わる。あとはストッパーを外しアンカーレッコーすればOKだ。錨鎖はピンでデッキと固定されているアンカーローラーに乗って繰り出されしっかり保持されているらしい。(左下の画像)

 揚錨したあとは錨や錨鎖を水洗するホースがチェーンロッカー内に用意されている(ホースリールが少し見えている)。全てが終わるとデッキハッチを閉めれば蹴躓くものもないすっきりとしたバウデッキになる。

 このヨットの外観や内装から想像するとフルタイムのクルージングなど想定になく、アンカリングする頻度は割合少ないのでアンカーやウインドラスなど邪魔物はデッキ下に収納しておいてデッキはシンプルにしとこうという考えだろう。

 ボクはアンカーシステムは使いやすくて故障しないシンプルなのが一番と思っている。このような複雑?な連結機構や油圧かバネかは知らないが海水を被るバウのデッキ下にある蓄力シリンダーなど特に心配だ。面白いけど実用にはなるのか疑問だなあ。
 でも、頻繁に使うことはない装備なのでそう問題は起こらないのかも知れない・・・。
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by pac3jp | 2009-10-26 07:05 | アンカー  

昔の漁船が使っていた碇(レプリカ)

 現在は船の錨と言えば金属製でもっぱら鉄で造られたものが普通だが、近世までの日本では鉄は砂鉄から製鉄されていて結構高価な素材だった。従って近世当初は多量の鉄材が必要な錨などはかなりの資力がある領主の船舶や裕福な商人の大型商船しか購えなかったらしい。

c0041039_1641849.jpg 江戸時代の物流に大活躍した、菱垣廻船や樽廻船などの弁財船(千石船)は大小合わせて八本の四爪錨を装備していたと言われている。大阪港のなにわの海の時空館にある復元船「浪華丸」の一番錨は80貫(300kg)もある鉄の錨である。以下、番が一つ下がる毎に5貫目軽くなり画像の立っている七番錨は50貫(188kg)ある。

 一方、昔から沿岸で漁をしていた舟は今も使っている鉄と木を組み合わせた唐人錨などを積んでいたのだろうか、あるいは昔ながらの石の碇を使っていたのだろうか、どっちだろうかと前から思っていた。

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 今年のクルージングでは種子・屋久~奄美・沖縄までの博物館や郷土資料館で地元の漁業に関する展示の内「イカリ」に注目して見て来た。そこでは大昔の刳り舟の時代から、サバニやイタツキ船などが小さいエンジンを搭載する以前は、沿岸で漁労をする小舟の碇は石と木を組み合わせたもの、あるいは綱を取り付けやすい穴をあけた丸い石、石を網袋に詰めたものなどであったという。

c0041039_1685537.jpg 碇のレプリカを見ると現在の漁船のバウに載っているアンカーも素材が木からステンレスになっているが同じ形をしている。岩場やサンゴ礁に引っ掛けて船を止め、もし外れなければエンジンパワーで引けば爪が伸びて岩から錨が外れる。原理は一緒だが昔の木の爪の方がサンゴ礁には優しそうだなぁ・・・。

 そう見ると小型の沿岸漁船が唐人錨などを使うようになったのは鉄が大量生産で安くなった事もあるが多くの漁船がエンジンを搭載し、今までより沖合いで漁をするようになり効率の良い錨が必要になってきたからだろう。

そして、石と木の碇はそこで有史以来の長が~い寿命が尽き、やっと博物館入りしたわけだ!

【関連記事】:古い碇
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by pac3jp | 2009-08-17 16:21 | アンカー  

ワイヤレスリモコンでウインドラスを操作する

c0041039_9132998.jpg 家電製品にはテレビ、ビデオ、エアコン、ステレオとワイヤレスリモコンがあれこれに付いていて便利に使っている。一方業務用にもどんどん進出している。工場の天井クレーンも小型トラックについているクレーンまでリモコン操作だ。小型漁船でもエンジンコントロール、操舵までリモコンで操作しているフネもいる。

 ヨットにもオートパイロットにオプションでリモコンが接続できる機種もあるが、まだまだリモコンをつけているヨットは少ない。先週末、ウインドラスにワイヤレスリモコンをつけたので見においでと誘われたので見せてもらってきた。

 ウインドラスのリモコンは以前からケーブルを接続して使うタイプのものはあったが、コネクター部分が潮に弱く故障が多かったのと操作ケーブルの長さに制限があるので使い辛いこともあった。

 ワイヤレスにすると幾つかのメリットがある。まず、ウインドラスの制御系の接続がデッキ下で接続でき回路の絶縁が良くなる。また軽くて小さなリモコンなのでどこでも入るし、マストの上からでも使えそうだ。それに機器が汎用品で安いこともある。例えば↓画像にある300MHZ帯受信機が9,800円、リモコン送信機が3,600円と価格表示してある。

c0041039_9142621.jpg 画像は艇内のスイッチパネルの側の壁面に取り付けられたリモコン受信部。4回路のリモコン接点を持っている。青い線がバウにあるウインドラスのマグネットSWにつながっている。配線工事もそう難しくはないそうで、簡単なウインドラスの回路図が読めたらご自分でも出来そうです。


c0041039_915021.jpg リモコン送信機は簡単な4点スイッチのものだ。→

 このシステムはウインドラスの操作の他にも落水時のエンジン停止、リモコンにIDも登録できるのでセキュリティに関連する装置のリモコン操作も出来そうだし、アイデア次第でヨット用としても色々用途はありそうだ。

仕様など詳しくはメーカーのWebで→ ナビシステム 
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by pac3jp | 2007-11-28 09:22 | アンカー  

スターンのウインドラス

 海のダンプカーといわれている、石材や土砂を運ぶガット船の係留作業を何回も見たことがある。彼らは荷下ろし岸壁に近ずくと船首のアンカーとスターンのロープににつながれたアンカーの2本を打ち、岸壁側は前後とスプリングを取り、船体と岸壁の間隔を3mくらい離して船を留める。ガット船は基本的にバケット荷役なので船体がローリングするので岸壁と船体が当らない間隔が必要だ。

 いつ見ても実に手際よく係留する。毎日やっているので上手いのは当たり前だが、そのアンカリング装置も我々のフネより格段に優れている。

 ボクもクルージングに出ると、時には槍付けで係留する。これもたまにしかしないので技も勿論道具にも工夫がない。従ってスターンデッキでロープが絡まり、もたもたと手際も悪い。その時思い出すのはガット船の船尾に据えられたリモコン操作でアンカーロープを巻きとるウインチだった。

 そんなスターンウインドラスを装備した「Minor 27 Range」がご近所にいらしたので見せてもらった。

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 ウインドラス本体と制御BOXはスターンのデッキ下に納まっている。アンカーロープはフラットなベルトタイプのロープである。ロープはトランサムに開けられた専用の穴から出て、スターンプラットフォームについたアンカーローラーへと繋がっている。↑左画像
 楽々と手を汚さずアンカーが打てる理想の装備のようだ。

↑右画像 操作ボタンはキャビンのステアリングハンドルの前にある。ボタンは三つ、PowerSW、巻き取りHigh・LowSW、アンカー昇降SW。
あれ!ハンドルの位置からはアンカーもアンカーロープも見えないが勘で操作するのかな?

c0041039_8244031.jpg このウインドラスはスウェーデン製で北欧ビルダーのボートやヨットに装備しているとメーカーHPに書いてあった。

品名:Winchmatic 
型式:MX52
電圧:DC12V
出力:500W
ロープ:60m


 また、数隻お隣のナウティキャット321にも可倒式のアンカーローラーとインナータイプのウインドラスが装備されている。コックピットのシート下に据付られていたが多分同じメーカーのロープウインドラスだろう。

c0041039_8293112.jpg ナウティキャットはバウにもチェーンのアンカーが装備されているのでこのロープ用のウインドラスはランチング用に使うのでしょうね。

 でも大阪湾奥のヘドロの海にアンカリングしたらえらい事ですよ。ドラムに巻き取るまでにキレイにヘドロを落とさないとデッキ下が汚れて後のお掃除が大変だ。

 もう一つ心配事がある。ベルトロープがきちんとドラムに巻き取れるかだ。一定のテンションを掛けながら巻くのだろうが、海の上だ、ロープが弛むこともある。ダンゴになって止まってしまう恐れはないのかな?

 このボートのオーナーでもないボクが心配しても仕方がない。今度試してみるとはオーナーさんの弁だが、ヨットを買ってから5年も経つのにアンカーなど入れた事もないというヨットマンもいるので使い心地が聞けるのは当分先かもかもしれないね。
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by pac3jp | 2007-11-23 08:33 | アンカー  

シーアンカーとドローグ

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 荒天時のシーアンカーとドローグの使い方を混同している人が時々いる。一般的にはシーアンカーとはバウから展開するパラシュート状の海錨で船首を風に対して立てるために使う道具だ。イカ漁船や釣り船などが沖合いで漁労するときに使っているし、釣り好きなモーターボートもよく使っている。普通の天気から荒天まで使うがサイズは調整が必要だ。販売されている商品の種類も多い。深いキールとマストを持つヨットは横に向いてしまってうまく風に立たない。でもキールのないカタマランはよく風に立と聞いている。

c0041039_10384328.jpg 一方、ドローグは荒天航行時に船尾から展開して風に押されてスピードが出すぎるのを抑えるために使う道具で外洋を航海するヨットなどに装備されている。パラアンカーよりは大分小さい。昔は船尾から長いロープを流し、古タイヤやアンカーチェーンをつけて減速し嵐をかわしたと航海記にはよく書いてあったが、今はドローグとして各種の製品が売られている。
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 左の画像は友人の34f艇に用意してあったドローグだ。WEST MARINEで to 35f 214.99ドル。














 日本セーリング連盟の文書に詳しい解説がありましたので以下をご覧下さい。


ヨットにおけるドローグの使用について(JSAF-SR 2005-2006より抜粋)

荒天の荒波に対するヨットの転覆防止にドローグがどのくらい役に立つかについてサザンプトン大学のWolfson研究グループはRORCへ報告書を出している。
船尾から流したドローグはヨットの船尾を引っ張り、艇体のスピードを落とし、船尾を前に引っ張られるようにする働きをする。
Wolfsonモデルのテストにおいてはこの姿勢はヨットが凌波することによって横方向への回転とロールオーバーを防ぐ事を証明している。ドローグかシーアンカーはSR4.27で推奨されている。
スターンからのドローグの展開は船尾からの波の打ち込みを避けられないため全ての開口は確実に閉められるようになっていなければならない。
この点に関し、SRでは例えばヨットは「ヨットは頑強で、水密構造に出来ていること、特にキャビン本体は打ち込む水の圧力とノックダウンの圧力に打ち勝てるよう建造されていなければならない」と要求している。
コンパニオンウエイを閉鎖するハッチボードとウオッシュボードは恒久的な何かの方法でー例えばラニヤード、などで固定されていなければならない。もしこのような基本的に重要な部材が流失もしくは破壊された場合には船尾から打ち込む海水で艇は見る間に水船になってしまうであろう。
コックピットロッカーのハッチも特別な注意が必要である。時によるとそれらは大きすぎ、ロッカーはハルの内部に直接つながっている。

これらはヨット全体の水密構造にとって重要であり、強固に閉じられるようになっている事が大切である。多く使われている簡易型のラッチは充分とは言えず、海においては南京錠型の物が良い。ハッチのヒンジやラッチの留め金具は螺子(ネジ)式ではなく、貫通型のボルトを使用すべきである。ロッカーの蓋やハッチにとって完璧なシール(水密)が大切である。
UKの運輸省は船舶に使われるライフラフト及びライフボート用のドローグの規格を決めている、それはヨットにも適用できるものでありセールメーカーでも製造できるものである。ドローグの口の径はヨットのLWLの10%から15%範囲内であるべきである。他の部分の寸法はこれの比例により計算されたい。

ドローグのラインについて
目安としてLOAの10倍の長さを使うと良い、そして波の周期で調整出来ると良い。材料としては三つ編みナイロンーアンカーロープが良い。
ドローグのエンドに使う重りについてドローグは充分水中に沈んでいる事が重要である、理想的には水面下10メーターぐらい沈める、重さとして20Kg位が良い。重りとして、ロープとドローグの間に10mチェーンをいれることも一つの方法である。

ドローグの展開について
艇を転覆させないためにはドローグが常に十分な張力で艇を引っ張り、艇が横方向に進路をそらさないようにする事である。その為にドローグが船尾から来る2番目から3番目の波の中にあるように調整すると良い。2本のドローグを並べて使うのも、片方のドローグが波浪中に転がったときにラインが緩む危険を回避する良い方法である。

艇への固定
シートウインチなどの強力な個所に固定する

ロープの面倒を見る
定期的にロープの位置をずらす事も、擦り切れを防止する為に大切である。擦り切れ防止用にナイロンスリーブをフェアーリーダーに通す事等も考える。

他のドローグ装備について
Jordanと呼ばれる連続型のドローグは長いロープにダクロン材料で出来た小型の円錐コーンを複数定間隔にロープに縫い付けられていて、コーンの先端は常に後方を向くようになっている。優れている点は、もし一つが波頭によって緩んだとしても、残りのコーンが艇を引っ張る構造になっていることである。

パラシュートもしくはパラアンカーはパラシュートの形状をしているシーアンカーである。展開の仕方はドローグと似ているものの、形状はもっと大きく、船首から展開するように設計されている。直径18フィート位が35-50フィートのヨットに対して適当と言われている。パラーアンカーはドローグの様にチェーンを付けて使用するのが良い。パラーアンカーは特に一部のマルチハルの権威たちに推奨されている。

 昨日、ロングクルージング指向のシングルハンダーたちと話をしていると、天候不順だった去年の4月、西宮~小笠原を航海したお二人は日時は違うが共にベアポールでの荒天航行を2~3日もし、かなりの速度で風下に流されたそうだが、幸い広い海域なので特に減速などはしなかったとお聞きした。確かにシングルハンドで荒天時に長いロープをつかってドローグを展開するなんて大ごとだろう。でも逃げ込む港がない外洋を航海するフネはそんな覚悟は最初からちゃんと出来ているんでしょうね。

注:イラストは「サクセスフルクルージング」VOL.2 舵社
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by pac3jp | 2007-04-02 11:14 | シーマンシップ  

スターンアンカーについて

 前にスターンのアンカーローラーについて書いたが、そこまで装備しているヨットは少なかった。だが普通の船尾錨は多くのクルージングヨットが装備している。まず、ボクのは25ポンドのフレークタイプのアンカーに8mmチェーン8m+18mmナイロンロープ50mがその装備である。ロープの繰り出しはアンカーバッグを使っている。そしてそのアンカーの引き揚げは現在まで何とか人力でこなしている。

c0041039_958913.jpg ヨットのスターンアンカーの種類やサイズはオーナーの好みで様々だが、数艇からその装備を観察させてもらった。
アンカーローラーに乗ってないアンカーは普通は手で揚げることになる。そうすると自分のフネがクルージング先で出会うであろう最大の風速のなかでも安全アンカーリングできるサイズを選ぶことになるが、原則は手で揚げることなので一番の条件は「軽い」ことだろう。

 ↑画像は33fのヨットにFORTRESSアルミアンカーをハンドレールに専用パーツで取り付けている。大きさははっきり判らないがカタログを見ると33f~38fが適応範囲のボートとなっているので多分10ポンドのアンカーだろう。スチールでは14Ib~18Ibクラスが互換なのでかなり軽くなる。

c0041039_9594599.jpg 次の画像は38fのクルージング艇だが同じく15ポンド位のFORTRESSをスターンアーチの中ほどに引っ掛けてある。アンカーチェーンはデッキの三方ローラーにリードされている。ロープがトランサムと擦れる部分はチャンと擦れ止めが取り付けてある。アルミアンカーは軽いので収納も簡単だ。このトランサムアーチをよく見ると右舷の高いところに小さいステップが付いている。潮汐差の大きい港で横付けしたときの乗降に便利かも。



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 ←もう一隻は同じくナウティキャットだがフラットロープを巻いたリールとスチールのフレークアンカーが並べてセットしてある。このメーカーのヨットはこういうアンカーとラインの配置になっている。でも使わないときはすっきりと片付くが、泥を洗ったり、塩抜きをしようとする時はリールから再度外さなくてはならないのでボクは面倒かなと思う。それにロープも高そうだ。

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 普通のブルースやデルタアンカーなどをアンカーローラーに載せて簡単に使いたいときにはスターンのパルピットにアンカーローラーをセットできたら便利だ。だが、そんな製品が通販カタログの中にあった。画像で見ると大き目のアンカーには使えないかもしれないが、アンカーローラであることは確かだ。これがあるとウインチで巻き上げたりローラーに常時アンカーを設置できる。

 どちらにしてもスターンアンカーの槍付けより選択余地のない泊地ではスマートに格好よくアンカリングしたいもんですね。
 それには、やっぱ、装備を手際よく扱える日頃からの練習がものをいうでしょうね。
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by pac3jp | 2006-12-01 10:19 | アンカー  

スターンのアンカーローラー装備

 クルージングヨットは大抵スターンにアンカーを取り付けている。日本の国内クルージングではスターンアンカーの槍付けが多いのもその理由かもしれない。そのスターンにセットされたアンカーをどう運用しているかはフネのアンカー装備が大きくものをいう。
 比較的小型のヨットで小さいアンカーならば手で充分引き上がられるが、アンカーとチェーンと合わせて20kgを越す重さになってくると辛くなってくる。スターンデッキに三方ローラーを取り付けてウインチで巻き上げるようにしたフネもあるがアンカーをセットしたままでおきたいときはどうしてもアンカーローラーが必要だ。

 我々のハーバーに係留しているヨットの内、スターンにアンカーローラーを装着しているフネは割合少ない。また、新艇から専用のアンカーローラーをセットしているクルージングヨットはナウティキャットだけだったと思う。

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 通常はスターンデッキからアンカーローラーを外へ突き出してそこにアンカーをセットしている。左側のヨットはチークの角材にアンカーローラーを取り付けて、反対側端のほうに小さなクロスビットがみえる。右側のヨットははダブルエンダーで船尾の形状が丸いのでアンカーローラーをブルワークから斜めに突き出し下からパイプで補強している。

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 上の2隻のナウティキャットはほぼ同じ仕組みだ。スターン下部に可倒式のアンカーローラーにブルースアンカーを付けている。アンカーを出し入れるときは外側に倒れて錨が船体に当たらない様になっている。フネの大きさがチョット違うが、アンカーラインはウインドラスに巻き取られるようになっているのだろう。

c0041039_953238.jpg もう一隻のナウティキャットはダンフォースアンカーがアンカーローラーにセットされている。アンカーローラーは船尾側に倒れてトランサムの端についている金具に嵌まり込んでアンカーローラーの揺れを抑えているのだろう。アンカーの付近にベルトタイプのアンカーロープがリールに巻かれて取り付けてあったので普通はそれをお使いなんだろう。

 
 
 近所の港で港湾工事のガット船がバウアンカーとスターンのアンカーを見事に使って岸壁に平行に係留し、土砂の荷役をして、終われば岸壁に押される強風もなんのその。自分のアンカーを引いてさっさと出航して行った。流石、と思って見ていたが、ヨットもバウとスターンのアンカーを本船並みのシーマンシップと強力なウインドラスが使えたら良いのにとは思うが、ボクらはフネで営業しているわけではないのだ。ゆっくりと、そして確実にアンカリングできたらそれで充分だね。
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by pac3jp | 2006-11-10 10:01 | アンカー  

アンカートラブル解消方法

 真夏の「阿波踊りヨットレース」は有名なレースなのでレーサーは勿論、レースに参加しないヨットまで徳島のケンチョピア・ヨット泊地に集まってくる。ここは川で両岸に多くのヨットやボートが船尾アンカー、槍付けで泊っている。水が濁っているので見えないが水底ではアンカーラインが網のように交差しているのだろう。そこへ何の考えも無くアンカーを打てば無事に上がってくる事自体が奇跡なのだ。

 そんな経験を幾度かすると、アンカーを打つと必ず引っ掛かるので自分のアンカーは入れないで「横抱きしてもらう専門」で行くのだ。と言うヨット乗りも出てくるが、ちょっとおかしいと思う。どこの泊地でも必ず横付けできる岸壁と横抱きさせてくれるフネがいるとは限らない。ちゃんと準備してアンカーを入れれば全く問題なくアンカーは上がってくる筈である。

c0041039_931451.jpg まず、アンカーのクラウン(頭の部分)に引き抜き用のアイが付いているので、そこにアンカーブイ、あるいは双綱のロープをつける。そしてそのロープを引けば大抵の引っ掛かりは外れる。
 でもCQRやブルースにはクラウン部分にそれようのアイが付いているが、何故かボクのダンフォースもどきには付いていない。仕方がないので双綱用に9mmの穴を開けてシャックルを付けるようにした。蛇足だがカタログを調べてみるとダンフォースタイプは本家純正も含めてクラウン部分にはアイはない。日本で売っているコピーはしっかり大きな穴が開いているのにね。

 アンカーブイは狭い漁港では使えないのでボクの場合は双綱をつける。アンカーのクラウン部のアイから10mm×12mロープをアンカーラインに沿って細く短いプラヒモで適当に縛ってゆく。それをアンカーラインと共に入れてゆく。アンカートラブルで錨を揚げる時は双綱を引けば紐は勝手に外れる。
 国産の市販品ではアンカーセイバーと呼ばれる商品もあった。根掛かりが多い磯付近でアンカーを入れて魚を釣る釣りボートなどには絶好だが多少の制約もあるみたいだった。

 少し前に古い英文のクルージングワールド誌から簡単なアンカーセイバーの作り方とその使用方法(下の図)を見つけたので今度試してみようと思っている。その道具は長さ60cmくらいで太さ12mm位の亜鉛めっき、ビニールコーティングをしたワイヤーの両端に18mmのシンブルが付いたアイをつけたものだ。
c0041039_932593.jpg

 図によると岩に掛かったアンカーチェーンを真上から引き上げ、クリートし、そのアンカーラインにループにしたアンカーセーバーをレスキューラインに付けてアンカーまで沈めてゆく。そして、チェーンを緩め海底に戻す。そうしてからレスキューラインを引き上げる。

 上手くいくかどうかは判らないがクラウンに穴が開いていないダンフォースアンカーの回収にはぴったりだなと思っている。ワイヤーも少し細いがステンレスの古いハリヤードだったらヨットハーバーの片隅に転がっていそうだし、他の部品もコーナンにある。簡単に自作できて、嵩ばらないので非常用備品として保存にも最適だと思うが・・・。
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by pac3jp | 2006-10-27 09:47 | アンカー