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「はやぶさ」帰還カプセル特別展示 in KOBE

c0041039_14182812.jpg やっと神戸にも、あの「はやぶさ」の帰還カプセルがやってきました。

 早速、2011年1月27日、開催初日に神戸港・ポートアイランドにある神戸市立青少年科学館で特別展示されているカプセルの見学に出かけた。主催者は混雑を予想して通常の入館コースとは別に遠回りのアプローチを設定していたが平日の木曜日なのでスムースに見学することが出来た。入り口左手の円筒形の建物にプラネタリウムシアターがある。

 新館4階の展示会場は一方通行で、見直すために後戻りすることは出来ない不便なルール。係員が解説してくれるがある程度の予備知識がないと分り難い。それに特別展示品はロープと床に張った立ち入り規制テープの外からの見学となり、遠くから眺める感じで視力の落ちたボクにはちょっと辛く、小型の双眼鏡が欲しかったなぁ。

c0041039_1419199.jpg 前面ヒートシールド
 コメント:秒速12kmという速度で大気に突入するカプセルは15MW/m2、スペースシャトルの30倍という厳しい「空力加熱(くうりきかねつ)」に晒されます。空力加熱は機体に衝突して急にせき止められた空気が高温になり、機体を加熱する現象です。この3,000度もの空力加熱から機体を守るのがヒートシールドの役目です。ヒートシールドはアブレータという熱防御をするための炭素繊維強化プラスティックからできています。
 ヒートシールドの裏面(インスツルメントモジュールに触れる内側部分)に敷き詰められた白い綿状のものは断熱材で、外からの熱が内部に到達するのを遅らせます。前面ヒートシールドは、背面ヒートシールドと一緒にパラシュートを開く際に分離され、そのまま地上に落下しました。過酷な空力加熱を経た後、さらに秒速40m/sで地上に激突したはずですが、思いの外、損傷もなく奇麗な状態で発見されています。本体の下に鏡が置いてある。この展示物はレプリカでした。

c0041039_1420513.jpg 背面ヒートシールド
 コメント:背面ヒートシールドは、別名パラシュートカバーとも呼ばれます。ヒートシールドとして背面側の加熱から機体を守る役目をすると同時に、パラシュート開傘時には、パラシュートを引き出す役目もします。分離後カプセルが単独飛行しえいる際の温度を解析予測しやくするため、アルミを蒸着したカプトンテープが貼付けてありましたが、再突入をした後は、特にその合わせ目部分を中心に模様のようにテープが燃え残っています。

c0041039_14205819.jpg パラシュート
 コメント:パラシュートは、サンプラコンテナを含むインスツルメントモジュールに接続され、これを緩降下させます。強く、軽く、そして容積をとらないよう、ポリエステル製の十字形状の傘体(布の部分)が採用され、パラシュートが開く際に絡まったりしないよう、十字以外の部分はネットで張られています。カプセルは計画通り高度約5kmで開傘し、十数分かけてウーメラ砂漠に着地しました。インスツルメントモジュールが風に引きずられて損傷するのを防ぐため、パラシュートは着地直後に分離されましたが、実際には無風であったため、すぐ脇に留まった状態で発見されています。

c0041039_14213897.jpg インスツルメントモジュール
 コメント:インスツルメントモジュールの上部は、そのままカプセルの背面にあたるため、耐熱材料である支持アブレータ、サンプラアブレータで守られています。中心部には、イトカワサンプルを入れておくための円筒状のサンプラコンテナ部があり、その周囲に搭載機器部が配置されます。パラシュートはそれらを取り囲むようにドーナツ状に収納されています。
 一番下には、錘(おもり)付きのひものようなビーコンン発信アンテナがぶら下がっています。内部には再突入カプセルとしての様々な役目を果たす心臓部である電子機器が収められています。

c0041039_14222989.jpg 搭戴電子機器
 コメント:はやぶさからの指令を覚え、再突入カプセルとしての様々な役割を果たす心臓部です。

 小惑星イトカワの微粒子サンプルを格納してきたカプセル。左はカプセル外観。右はカプセルを上から覗いた画像。この部品の展示はありません。

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 約7年の宇宙旅行を終え、無事に地球へ帰還したカプセルの見学を終えると1階のプラネタリウムシアターで「HAYABUSA-BACK TO THE EARTH-帰還バージョン ディレクターズカット」を鑑賞する。実物を見たあと心地よいシートにすわり、天空を飛ぶ「はやぶさ」の長い冒険旅行の物語にもすっかり感動した。

下のCG画像は地球からスイングバイしてイトカワへのコースに乗る「はやぶさ」とイトカワに着陸しサンプルを採取しようとする「はやぶさ」。

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展示物は撮影禁止だったので画像・コメントはJAXAのフォトアーカイブからお借りしました。

【関連記事】:ウーメラ砂漠から「はやぶさ」のカプセル回収作業完了!
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by pac3jp | 2011-01-31 14:53 | 航空・宇宙  

日本の船(海から見た日本史) 画 谷井建三 解説 谷井成章

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 表紙は平成22年度NHK大河ドラマのハイライトだった慶応4年(1867年)坂本龍馬の海援隊が運航する「いろは丸」と御三家・紀州藩の「明光丸」が六島沖で衝突した現場が描いてある。

 船のイラストを描かせたたらどう見ても一番だろうと思っている谷井建三さんが小さな和船のイラスト集を故郷の富山・魚津市で出版されたので、つい最近買い求めた。 A-4版 39ページ 定価1,000円(送料など必要)

 和船系の書籍ではモノクロのイラストで表される和船の図を谷井さんが描くと、色彩豊かに船と背景、それに人物が配され誰にでもそのフネの大きさがちゃんとイメージできてとてもわかり易い。

 ページを繰っていると江戸中期の田沼意次の終わりの時代、天明6年(1786年)に建造された1500石積の「三国丸(さんごくまる)」が冬の日本海を間切り航行している絵があった。
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 三国丸は輸出用産物である俵物(干しあわび、フカヒレなど)を専門に運ぶ廻船で長崎~日本海経由の蝦夷地交易に従来の年1回の航海から冬季も運航をする海運の合理化を図るため耐航性のある新型廻船として幕府が建造した。ジャンク式の隔壁と肋骨が入った船体構造、舵は弁才船の吊り下げではなく楫釣木で支持する洋式、ジブ・スパンカーなど洋式帆装、そして和式の総屋倉を持つ和洋中の折衷船である。

c0041039_612399.jpg たった一隻だけ建造された折衷船「三国丸」の外観図は日本にはなかったのですが、ルイ16世から太平洋の探査を命じられフランス海軍大佐ラ・ペルーズ率いる艦隊は、日本海を北上中の1987年6月、隠岐の北東海上で日本船2艘に遭遇しました。ブロンドラ海軍中尉が目と鼻の先を通過した1艘の絵を残しています。特異な船首の洋式の補助帆と船尾廻りの形状からして、この船に該当するのは三国丸以外にはありえません。画家の観察眼は鋭く、一瞬すれ違っただけなのに三国丸の特徴が見事にとらえられています。
(ミツカンWeb「和船の技術と鎖国の常識」より)

 家康以来の農本主義が行き詰まってきた徳川幕府が財政改革のため、老中田沼意次の手により重商主義に大きく舵を切った時代だった。北方からはロシアが通商を求めて南下してくる。

■天明3年(1783年)仙台藩の工藤平助が著した「赤蝦夷風説考」により国防の緊急性や蝦夷地の金山の開発などを老中に建白。結果、老中田沼意次は丈夫な調査用新造船二隻を建造し蝦夷地に最上徳内らの調査隊を送ることにした。しかし、船は調査がすめば民間に払い下げ、建造費の一部を回収する。それに蝦夷地には空船では危険とかで往復とも交易品を積むとかして抜け目なく、総経費三千両でもって請負人の全責任おいて運用するという民間委託のようなかたちがとられた。

■天明5年(1785年)蝦夷地調査隊 江戸を出帆。

■天明6年8月(1786年)田沼意次罷免 長崎~蝦夷航路に「三国丸」就航した同じ年だった。

■天明8年(1788年)三国丸は完成からたった3年目に能登沖を航行中に暴風に遭い、乗組員は伝馬船で飛島に逃れ、船は出羽国赤石浜に漂着して破船した。

 田沼意次の失脚で政治はまた質素倹約の農本主義に逆戻りし、新しい機構を盛り込んだ新型廻船「三国丸」の同型船がもう造られることはなかった。


【参考Web】:谷井建三と成章のアート塾
【参考Web】:ミツカン水の文化センター 和船の技術と鎖国の常識

【参考資料】:和船Ⅱ 石井謙治著 法政大学出版局
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by pac3jp | 2011-01-23 06:24 |  

2010年のIMB海賊報告センターレポート

 アデン湾などソマリア沖での海賊被害が時々新聞などで報道されるが、ボクはもうボツボツ収まってくるのかななんて思いながら記事を読んでいた。
 国際社会はNATO諸国をはじめ日本も護衛艦「きりさめ」「ゆうだち」の2隻とP-3C哨戒機を2機派遣しているし、中国や韓国も新鋭艦をこのエリアに派遣し商船を海賊被害から守る活動を続けているという。だが↓画像の、2010年海賊被害マップを見て驚いた。
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 大西洋とインド洋、マラッカ海峡から東シナ海に至る海のマップ上に実際に海賊被害にあった船舶と攻撃されそうだった船、それに不審船がマークされているが、特にソマリア沖から紅海、イエメン沖などインド洋にマークが重なりあってしまっている。
 でも良く見ると海賊が現れた回数は多いが実際の被害にあった船はその割には少ないようで、各国の海軍が出動していて護衛活動している効果は充分あるようだ。実際のマップはここをクリックして下さい。

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 米国海軍艦艇から撮影したソマリア沖の海賊。
AK47やその他の自動小銃、RPG-7などで武装している。

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■2010年8月19日、P-3Cが不審な物件を搭載したダウ船(多数のドラム缶を積載)及び上の画像の小型船舶(8名乗船、はしごを搭載、船外機2基を装備)を視認し、付近に所在する艦艇に情報提供を行った。フランス艦艇から発艦したヘリコプターは、不審な小型船舶の前方に警告射撃を行い停船させ、フランス艦艇による立入検査を実施したが、海賊の疑いはあったものの、証拠不十分であったため、解放した。
(海自Web P-3C活動報告より)

 警備艦艇の派遣状況は以下の25カ国になる。

1.アメリカ 2.イギリス 3.イタリア 4.イラン 5.インド 6.オーストラリア 7.オランダ 8.カナダ 9.ギリシャ 10.サウジアラビア 11.スウェーデン 12.スペイン 13.シンガポール 14.韓国 15.中国 16.デンマーク 17.ドイツ 18.トルコ 19.日本 20.ニュージーランド 21.パキスタン 22.フランス 23.ポルトガル 24.マレーシア 25.ロシア
(Wikipedia 「ソマリア沖の海賊」より)

 多くの海賊の中にはドジな連中もいて軍艦を獲物と間違って襲い、各国海軍の連携作戦の標的にされたしまった海賊もいたようだ。

 2009年3月29日、ソマリア沖のアデン湾において海賊がドイツ海軍のレーン級補給艦シュペッサルトを襲撃する事件が発生した。アメリカ海軍第5艦隊のプレスリリースによれば、シュペッサルトは海賊から銃撃を受け、それに対し乗船していた武装警備隊員が銃によって反撃を行った。
 その後シュペッサルトは各国海軍に対し応援を求め、オランダ海軍のフリゲート デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン、スペイン海軍のフリゲート ヴィクトリア搭載のSH-60Bヘリコプター、スペイン空軍のP-3M哨戒機、さらにはアメリカ海軍のワスプ級強襲揚陸艦ボクサー搭載の海兵隊ヘリであるAH-1W及びUH-1、及びギリシャ海軍のフリゲート プサラなどと共に海賊を追跡した。
 およそ5時間の追跡の後、シュペッサルトの武装警備隊及び臨検チームが7名の海賊を拘束し、彼らの武器を押収した。アメリカ軍によれば、海賊達がドイツ海軍の補給艦を民間船舶と勘違いして襲撃した可能性があるとしている。



 日本の重要なシーレーンであるマラッカ海峡周辺エリアの海賊被害の数はソマリア沖より少ないが警備する艦艇が少ないのか襲撃が成功してしまう確率が高そうなのが問題ですね。

最新News韓国人8人乗船の運搬船がインド洋で乗っ取り (中央日報 1/16)

【関連記事】1:ソマリアの海賊たち
【関連記事】2:インドネシアに巡視艇3隻の引渡し 
【参考Web】:ソマリア沖の海賊 Wikipedia
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by pac3jp | 2011-01-15 17:58 | ウオッチング  

2011年 またも騒がしくなってきた南極海

 1月になって南極海で日本の調査捕鯨が始まったらしく、またもやシーシェパード(SC)の妨害活動を各メディアが一斉に報道した。

c0041039_636347.jpg 今シーズンからSCは沈没したアディ・ギル号の代りの突撃ボートに「ゴジラ号」が登場した。このトリマランボートは前のボートによく似た外観をしているが、船体長は12mも大きく、排水量41トン、全長34.9m、幅14.1m、速力24ノットでその前身は1998年に動力船による世界一周の最短記録(74日20時間58分)を作ったケーブル&ワイヤレス・アドベンチャラーでその後オーシャン・アドベンチャラーとなっていた。

c0041039_6395795.jpg ちなみにアディ・ギルの前身アースレースは2008年に60日23時間19分の新記録だったので「ゴジラ号」は10年前だったが24ノットの速度では2週間も余分にかかっている訳だ。でも、遅いといっても捕鯨船と競えば充分に早い速力を持っているがアディ・ギル号と同じ高速タイプのトライマランなので細かい操縦性能に不安はないのだろうか?

 一方南極海での活動はゾディアックなどを多数搭載し、ドクロマークを衛星通信用レドームにを書き込んだ母船がいる。スティーブ・アーウィン号だ。
全長53m、速力16ノット、排水量1000トン、船籍オランダ。

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 日本の調査捕鯨船はエコテロリスト達の妨害活動に放水銃などで対抗している。

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c0041039_6454618.jpg まぁ、民間船は海賊やテロリストにもそう強力な武器をつかう訳にはいかないが、中東のアデン湾で海賊対処活動している自衛艦などはM-2機銃と共に長距離音響発生装(LRAD)などで海賊を撃退しているそうなので大音響装置は使える可能性はありそうだがちょっと高いかもしれないなあ。

 ・・・などと思っていたが、調査捕鯨船には既に装備されていてLRADを使って抗議船を撃退したことがあるそうです。

【LRAD】とは 
テロリストなどの接近を妨害するため搭戴されている対人用で非殺傷性(生命に危険を及ぼさない)のものでは、転倒や打撲の危険がつきまとう高圧放水などよりも安全に暴徒を鎮圧することが期待されているが、大音圧に曝された場合(特に130dB SPL以上では瞬間的であっても)、2008年時点の医学では治療困難な音響性外傷や感音性難聴などの障害が残る可能性がある。

この装置はモデルによるが、直径80cm程度の椀型か四角形をしており、重量は30kg前後で、有効範囲にある対象に向け作動させる事で、攻撃の意欲を無くさせる効果もある。これは暴動などの際に催涙ガス(催涙弾など)を使用すると呼吸器疾患のある者が重体となったり死亡する危険性があるため、これに代わるものとしての利用が期待されている。ただしその一方で、断続的に強力な音波を照射された場合、聴覚障害の危険性があることも示唆されている。このため運用面では、制圧目的の場合には一度に数秒程度とし、連続照射を前提としていないことがメーカー側から示されている。

この装置は、指向性を持っているため距離の離れた限られた範囲内に音声メッセージを明確に伝えることにも利用でき、例えば災害発生時に相手側に無線受信機がなくても被災者に適切な指示を伝えたり、群衆の中の特定集団にのみ指示を出す(廻りの人間の妨げに成らない)事も可能である。

また、2009年2月7日に報じられたところでは、調査捕鯨船に対して抗議船による体当りなど、過激な妨害活動を行っているシー・シェパードに対し、日本の調査捕鯨船団が2009年2月からLRADを用いて、同団体の接近を阻止することに成功している。管轄する水産庁側は、事前に警察庁などと協議し、国内、国際法のいずれにも抵触しないことを確認し、違法性は無いとしている。抗議船船長は「この装置により妨害活動に集中することが困難になったことを認めざるを得ない」とコメントしているため、期待された効果を発揮しているようである。
(ウィッキペディアより)

【関連記事】1:エコテロリスト シーシェパードの新兵器!! 
      2:シー・シェパード「アディ・ギル号」南極海での行状! 

【参考Web】:シーシェーパード 調査捕鯨を妨害 南極海 日経WEB版
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by pac3jp | 2011-01-07 07:05 | 漁船