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大学ヨット部の遠征はいま・・・

 新西宮ヨットハーバーには阪神間の何校もの有名大学の艇庫がありここにヨット部を置いている。彼等の練習海面はハーバー防波堤の外側から沖の一文字の間である。ここでは小は小学生の操るOPクラスから高校生のFJクラス、大学生の470、スナイプクラス、一般社会人のシーホッパーやレーザーが入り乱れて練習やレースをやっている。

 ボク達がこの海面で自由にセーリングしようとしてもちょっと狭いなぁという感じである。国体などの大きなレースの時はきちんと区画されているが、いつもは大小のディンギーが乱舞しているようにみえる。

 30数年もこの海で遊んでいると学生達が乗るヨットが変わってきたことがわかる。艇種は470やスナイプと変わりはないが、まずボロセールをつけているヨットは居なくなった。それに見るからに汚い格好で乗っているクルーも見当たらない。そして最大の変わりようは学生レーシングディンギーの世界に女性レーサーが多くなった事だ。

 いま、大学生の彼や彼女たちが生まれた1986年~1990年はまさにバブルの頃だった。ボクは土地も株も持っていなかったので、そうバブルの実感はなかったが、ヨット仲間でも「今住んでるマンションを売ったら豪華クルーザーと一戸建が買える」なんて話をよく聞かされた。おっと、これは本文とは関係ない。 まぁ、豊かになった日本で育った若者たちだ。

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 先週、ディンギーの艇庫前に大勢の学生が集まり、校歌や応援歌を大声で歌って試合に臨む選手達を激励しているような集会をしていた。学連ヨットはこの時期「新人戦」でもあるのだろうか。駐車場やヤードに外来のヨットを積み込んだ車が何台か止まっている。

 昔は学生ヨット部の遠征と言えば2トン積みのレンタカーにラックを組んでヨットを運んでいたイメージがあったので、目の前にいるバタフライ型の扉を開いた大型トラックに積まれているたった6隻のヨットに驚いた。車の側にユニフォームを着たドライバーとアシスタントが荷卸しを待っていた。こんなトラックで運べば雨でも雪でも泥道でも汚れることなく運んでくれる。ラクチンだが費用は大分掛かりそうだ。

 その費用は学校が負担するのかクラブが負担するのか知らないが、どっちにせよ授業料を出している親か、学校に補助金を出している国民の税金で賄われているのだろう。でも、運転の下手な学生に高いヨットを運ばせるより、事故の心配もない運送業者に運んでもらう方がかえって安くつくとの考えも納得できる。

気がつくと、この世界もどんどん変わってきてますね。ホント!!
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by pac3jp | 2008-05-30 09:47 | ウオッチング  

APRS

c0041039_1035389.jpg 最近、ボクのお仲間で、何でも無線でコントロールすることがお好きなオーナーさんから「APRS」という位置情報システムを知っているかと聞かれたが、PHSを使って徘徊老人や盗難建設機械などを捜索していることや、大阪マーチスなどが管理する500トン以上の「AIS」(船舶自動識別装置)は知っているがヨットの航行情報をPCに表示するシステムは知らないなぁ、と答えると、とりあえずmy QTHにシステムを設置したので見てくれと、そのURLとヨットに搭載する際に参考になるWeb URLを教えてくれた。

 もう大分昔になるがアマチュア無線でFM-7や9801を使いパソコンFAXやアメリカからTNCを輸入してパケット通信を細々とやっていたこともあった。時代はまだインターネットはなくニフティサーブでパソコン通信の時代だった。その時代に使っていたTNCが役に立つという。探してみたがやっぱりない。だが、いまやCPUの高速化とソフトの進化で当時のハードウェアはもう必要ないようだ。

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↑画像はAPRSの概念図です※。
 
 APRS とはBob Bruninga(WB4APR)氏が開発した amateur (ham) radio 局によって使われ、位置情報、天気情報、テレメトリー、そしてメッセージなどの情報を無線を通して共有するものです。たとえば、車に GPS receiver、VHF transmitte、 HF transceiver そしてトラッカーと呼ばれる小さなマイコンを搭載し、速度や移動方向をパケットにして送信します。そのパケットは近くのiGateによって受信され、インターネットへ送り込まれます。 インターネットに接続されたシステムは送信機がなくても情報をAPRS-IS(Automatic Position Reporting System Internet network)へ流すことができる。


 このシステムは、移動体に装備したGPSデータをVHFアマチュア無線でインターネットに送り、PC上のWebで無料提供されているグーグルマップを使って見るシステムだ。電波を発信する移動体(ヨット)は免許がいるが、自宅のパソコンで奥方が旦那のヨットを見守っている分には免許は不要。ケイタイの電波も使わないので勿論、通信料もいらない。
 ゲート局のサービスエリアにあれば他艇の情報も把握できるが、VHFの届かない外洋では使えない。でも、日本一周など沿岸を航海する場合、ゲート局があちこちにあれば便利に使えるね。

ヨットにARPSを搭載する要件
1.無線従事者免許証(アマチュア4級以上)
2.無線局免許証(コールサイン記載)
3.144MHzの電波型式(パケット)が免許に記載されている
4.144MHz FMモードの送受信出来る 無線機
5.144MHz 送受信可能なアンテナ
6.無線機及びPCを駆動する電源
7.PC(出来れば XP以上)
8.GPSセンサー(10,000円くらい)
9.TNC(ターミナル ノード コントローラ)ソフトで代用できる

 既にパソコンの電子海図と無線設備があるフネは新たなソフトをインストールするだけでARPSが直ぐに運用できる。局免が切れている人は再免許申請を、従免がない人は確かハーバーでも養成コースを開催していたがもう済んでしまったのかな。でもどこでもやっているので取ってきて下さい。

 パソコンは苦手だがシステムは使ってみたい人は無線機にGPSを接続するだけでARPSを運用できる新型無線機もあるのでご心配なく!!

 クルージング以外でも、このシステムを使ってレースをしたらお世話するコミッティもヨットのタクティシャンもきっと楽だと思うが、折角いい風を見つけてトップを走るレーサーとしてはこの美味しい場所は是非一人占めにしたいのでPCの電源を切っておこうかなど、つい思ってしまうのだが・・・。

【参考Web】yacht bbs: http://www2s.biglobe.ne.jp/~yacht/yachtbbs/trees.cgi?log=&v=1156&e=res&lp=1156&st=0   ←コピペしてください
※画像は上記web内、新高丸/JQ2XAFさんのAPRSシステム開設データよりお借りしました。
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by pac3jp | 2008-05-28 10:14 | ヨットの艤装と艤装品  

フランス艇「ALIBaba」号を訪問するが・・・

c0041039_13345696.jpg ビジターバースに海外からのロングクルージング風のヨットが1隻係留しているのが見えた。
 友人と表敬訪問をしようと昨日そのフネを訪れた。近くで見るとフランスの3色旗が翻っている。ヨットは海外からのクルージングヨットとしては小振りな34フィート位だろうか。でも、フランス艇らしくハルにはサカナのイラストがサイケデリックに描いてあり、そのハルはアルミのようだ。船体デザインは昔日本でも流行ったタンブルフォームがついた船型だ。

 デッキの外観はトランサムにウインドベーンは付いているが使ってはないようだ。スターンにソーラーパネルを載せたアーチがあり、そこからコクピットを覆う大きな日除けカバーがしてある。自転車が2台桟橋に止まっているのでオーナーは在艇のようなので声を掛けてみると、気さくそうなキャプテンが顔をだした。

c0041039_13353143.jpg 例のごとく、これまでの航海をお聞きすると、フランスの大西洋岸を5年前に出港して、地中海、スエズ運河、紅海、インド洋で長く滞在し、南太平洋から北上、日本に来たという。
 これからはアリューシャンからアラスカのアンカレッジへ、カナダ沿岸を南下し南北アメリカ大陸を含む環太平洋クルージングを続けて母国フランスに帰り、クルージング資金を稼ぎ、また次のクルージングに向かうという。

 それに、彼は「今は仕事中で忙しいのでのんびりお喋りしてる時間がない。申し訳ない」とおっしゃる。何の仕事だろうと思うが、アラスカに向けてあれこれ出港の準備が忙しいのだろう。奥方が旦那を指図しているらしい声が奥から聞こえてきた。(フランス語なのでワカラナイ)

 あとで考えると、どうも以前にあのサイケなイラストを見た記憶がある。調べてみると07/08/26に新西宮ヨットハーバーに来ていたことが分った。昨年8月以来、9ヶ月間は日本各地や隣国の韓国などを巡ってきたのだろう。

 この世界に詳しいヨットディーラー氏の話によると世界遺産をヨットで巡る旅をしているフネも結構あるらしい。観光地としてはユネスコが認めた一級品ばかりなのでどこの国の世界遺産でも、まず当たり外れはないだろう。ここにくる外国艇は京都と姫路城は必ず観光しているそうなのでやっぱり「世界文化遺産」は大きな魅力ですよね。
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by pac3jp | 2008-05-26 13:40 | ウオッチング  

サミットがらみで騒がしくなってきた神戸港

c0041039_916068.jpg 平成20年5月24日(土)~26日(月)に神戸市で開かれる主要国(G8)環境相会合を前に、警備の準備が大詰めを迎えているという。
 地元新聞には神戸港でJCG特殊警備隊(SST)の大型インフレータブルボートが会議を妨害しようとするボートを排除する訓練をしている写真が大きく出ていた。
 昨年はドイツで開かれたG8首脳会議では、環境保護団体のゴムボートが航行禁止海域に侵入、警備船艇と衝突し、負傷者が出た。神戸ではそんな事は絶対させないということなんだろう。
 海からの妨害に備え、巡視船艇が30隻も集合していると報道されている。

 そんな時期、警備には直接関係はないはずだが、なぜか海自の大型ヘリがハーバーの上をよく飛んでくる。護衛艦(DD)に搭戴されている哨戒ヘリよりもかなり大きいので掃海・輸送ヘリ(MH-53E?)だろうか。


神戸港を利用される皆様へ

北海道洞爺湖サミット
環境閣僚会議に伴う海上警備にご協力を

~第五管区海上保安本部・兵庫県警察・兵庫県・神戸市からのお願い~

期間 平成20年5月23日(金)~26日(月)
海域 ポートアイランド・神戸空港周辺海域

期間中は、船舶の航泊(航行、停泊等)の自粛等にご協力をお願いします。
 神戸港を利用される皆様の船舶交通の安全のため、必要に応じて港則法に
基づく船舶の航泊の制限を実施することがあります。
 ご理解・ご協力をお願いします。

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 と、こんなポスターがハーバーのゲートに貼ってあり、サミット期間中はピンクに塗られた神戸港・神戸空港付近には来るなと書いてある。空港沖にブイが臨時に3つ打たれて航泊の制限エリアが設けけられている。モーターボートなどはテロリストに盗られない様にしっかりと張り番しとくようにとも言っている。どうしてもハーバーランドでランチをしたいへそ曲がりヨットマンは事前に港長に申請しなくてはならない。が、もう締め切られている。

 今回のサミットと全く関係はないが、ずっと前に神戸港に来た、国際環境保護団体では老舗のグリーンピースの帆船「RAINBOW WARRIOR」のデッキに載っている彼等の戦闘ボートを撮影したことがあった。下の画像のボートは目立つ傷はないが、他の搭戴ボートは歴戦の傷跡に黄色いパッチが沢山貼ってあった。
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 先日、南極海で調査捕鯨をしていた日本の捕鯨船に薬物など投げ込んで攻撃した「シー・シェパード」など過激な彼等の活動は「エコテロリスト」と呼ばれている。

 どちらにせよ物騒な連中には来てもらいたくないね。何事もなく会議が終わる事を祈っている。

(注)エコテロリスト(Eco-terrorist)とは環境問題や動物の権利擁護を口実に非合法の破壊、脅迫、暴行などのテロ活動を行う者。アメリカ連邦捜査局のテロリスト分類に基づく呼称。環境テロリスト、エコナチ(econazi)、環境狂(environmentalist wacko)とも。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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by pac3jp | 2008-05-23 09:29 | 海保  

最近見つけた「?」2件

c0041039_923334.jpg ハーバーには外来艇が係留するビジターバースがある。いつもボート・ヨットの試乗会や年に数回は大規模にボートショーなどのイベントをやっている。昨年、エンデバーが来た時はこの桟橋も一般の外来者で大賑わいだった。

 ハーバーの係留桟橋に部外者は入れないが、ここは誰でも入る事が出来る。ビジター桟橋はコンクリートの本船用浮桟橋と同じ様な構造で海面までの高さは88cmもある。30cm~40cmの係留桟橋でも上がれないのに、ここから落水したら絶対上がれない。一般港などの岸壁には所々にゴムのステップがついていて落水者が陸に上がれるようになっているのにどうするのだろうと前から思っていた。

 つい最近、このビジターバースのホンに目立たない場所に「救助梯子」が設置してあるのを発見した。
 「救助梯子」はK.Y.Cメンバー艇が多いエリアに以前から設置してあったのでK.Y.C の予算で設置したのかと思っていたが、どうもそうではないようだなぁ。

【関連記事】:救助梯子(SAFETY LADDER)


c0041039_923261.jpg もう一件は上架作業中のヨットで発見した。こえは冷却水インテークストレーナの向きが「?」である。
 以前にモーターボートとヨットの冷却水の取り入れ方の違いについて書いたが、たまにボートと同じ方向に取り付けられたストレーナを見ることがある。
 でもこのヨットはセールドライブに換装されていて冷却水はドライブから取り入れるのでスルハルの冷却水インテークは不要のはずだが、予備で開けてあるのかもしれないし、発電機のインテークかもしれない。どちらにせよエンジンを停止したらきちんとバルブを閉めておいた方がいいでしょうね。

【関連記事】:冷却水インテークストレーナの向き
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by pac3jp | 2008-05-21 09:30 | ウオッチング  

ハーバーで人気一番の写生スポット

 気持のいい、そよ風が吹く初夏から晩秋まで、週末になると先生に引率されたカルチャースクールの生徒さんがよくここへ写生にやってくる。ヨットハーバーには絵心をそそる魅力がきっとあるのだろう。

c0041039_1661777.jpg 今日も十人ほどの学生風の男女がハーバーウォークのアチコチでキャンバスを広げている。桟橋に繋がれたボートやヨットを真剣に描いているのだ。声を掛けてみると大学のゼミの仲間で来ていると教えてくれた。いつものカルチャースクールのオジサン・オバサン達よりはもっと専門的に勉強している人達だろう。

 そこで、「描くのはオーナーが来てないフネにしなさいよ。この前には、まだ描いている途中なのにボートが出港してしまい慌てていた人もいたよ!」などとつまらないアドバイスをしてしまった。

 ボクは彼や彼女がヨットハーバーに沢山浮かんでいるヨットやボートの中からどんな基準でそのフネを選んで描いているのかと前から興味があったのでよく注意して見ていると、いつも人気のある対象物(ヨット)があるスポットは存在するのだ。

c0041039_1664042.jpg 今日はその場所にゼミの指導者らしき人物がキャンバスを据えている。

 対象物(ヨット・ボート)を絵に描こうとする人にフネから何か訴えるものがなくてはならないと思うが、そこにはFRP製のヨットに混ざってニスで仕上げた木造の小さいクラシックタイプのクルージングヨットが繋がれている。普通のヨットマンでも「ええなぁ~!」と思わせる雰囲気を持っているヨットである。

 多分「ヨット乗り」ではないはず?の彼等もよくそのヨットを描いているとしたらやっぱり誰がみても同じように思うんだね。

 誰が見ても「いいなぁ~」と思わせる条件は何も高価で豪華なフネでなくてもいいのだ。

●ちゃんとデッキが整理整頓され不要なものが残ってない。
●船体に汚れや傷がなくキレイに手入れされている。
●デッキのペイントあるいはニスの部分がキチンと塗られている。
●整備が出来ていて、いつでも出航できる態勢にある。

 ヨットのデザインには各人の好き嫌いはあるが、愛情を持って維持管理しているさまが伝われば、このフネはオーナーから「愛艇」として可愛がられているのだ。「いいなぁ~」と誰からも思われることだろう。
 そんな風にボクもやりたいが・・・。
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by pac3jp | 2008-05-19 16:11 | ウオッチング  

セルフタッキングジブのクリュー

 あるとき、ボートショーで売れ残って近くに係留している「ハンゼ34」のファーリングされたジブのクリューに付いている5個のクリングル(鳩目)はなんためにあるんだろうと聞かれたことがあった。

c0041039_3224682.jpg 普通のヨットではジブセールもメンセールもクリューにあるクリングル(鳩目)は1個だけである。急に聞かれても「はて・・・?」と思うが何もでてこなかった。でも、どこかで同じように作られたクリングルを見た記憶はあった。

 このヨットの場合、1本だけのジブシートは上から2番目のクリングルにつないである。

 想像力を働かせて推理をしても大していい答えも出そうにないので、知り合いのセールメーカーに聞いてみた。
 それはセルフタッキングジブのクリューに通常ついていてジブシートのシーティング角度を調整してセールを効率よく展開する為にいずれかのクリングルを選んで使うのだと教えてくれた。

 そうか、ジブのリーダーの機能があの上下に並んだクリングル位置なのだ。でも風が強くなってきてジブをファーリングし、少し高目の角度にしたい時にはリーダー場合はカーを前へ持っていったらOKだが、このシステムではジブシートを上へ結び替えなくてはならない。

 メンドクサイもんですねと言うと、クルージングで乗っていて調整する人は少ないですとおっしゃっていた。そりゃーそうだろう。ジブのリーダー位置が調整できてもそのまま走っているヨットもよくあるからね。

c0041039_3165365.jpg セルフタッキングジブは名前のとおり、タックの際は舵を切るとジブは勝手にタックしてくれる。ジブシートを入れ替え、ウインチで巻き上げる手間は必要ない。省力的ではあるが、半面ジブのエリアが小さく、メンが大きくなる。追っ手でジブのみの帆走ではパワーがでないなどマイナス要因もある。画像はハンゼ34のセルフタッキングトラック。

 以前はデヘラーヨットにも装備されていたが、今はどうなっているのか知らない。このハンゼ34は微風域ではオーバーラップジブも使えるような艤装になっている。

《セール関係用語の説明》
クリュー
セイルの後方下隅の部分。 メインセイルではアウトホールを結び、ジブセイルではジブシ-トを結ぶ。
クリュー・クリングル
クリューに取り付け、ジブシートをつけるための鳩目穴。
タックセイルの前方下隅部分。メインセイルはグースネック(マストとブームの接合部)に、ジブセイルは船首のタック金具に取り付けられる。
ジブシート・トラベラー(リーダー)
シート・トラックをスライドする金具で、ここにブロックやシート・リーダーが付きジブセイルを引く位置を調節する。スライドカーとも呼んだり、全体を指してリーダーと呼んだりする。

【関連記事】:セルフタッキングジブ
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by pac3jp | 2008-05-16 03:25 | ヨットの艤装と艤装品  

初めてのスピンラン

c0041039_911079.jpg ボクのいる桟橋にも「まだヨットを始めたばっかりです」とおっしゃる新人ヨットマンが増えてきた。年代は団塊世代の方々だ。

 数年前からリタイヤした団塊世代がヨットの世界にどっと入ってくるだろうと予想していたヨットディーラーたちは彼等に見栄えがよく、値段の安い?、新艇や中古艇を売り込もうとしのぎを削っているのだろう。

 でもそのヨットは彼等が本当に欲しいヨットとは限らないのだ。ディーラーの甘い言葉と先輩や周りの思惑で決まってしまったヨットが自分のヨットライフにとって本当にこれでよかったのかと思い返すには少々の時間がかかる。

 先週末、ヨットを始めて2年になるというオーナーさんが初めてスピンを揚げるというので仲間とお手伝いに行った。彼が手に入れたヨットはCRUISINGと表示はあるが外観をみると細身のレーサーという印象の「C/R」タイプだ。以前はクラブレースに使われていたフネでスピンポールはちゃんと「カーボン製」、セールはケブラーが一式積んである。レース好きが買えばぴったりだが、レースに興味がないオーナーにはケブラーセールも「猫に小判」。でも、白いセールでも順風のセーリングは誰にとっても楽しい。手が揃っていればスピンランは最高だ。



 今朝から結構なNEのブローが吹いている。午後からはもっと強くなる予報だ。
 とりあえず、ハーバー内でスピン用艤装品を確認し、スピンをセットして揚げてみる。オーナーはブローが鳴らすリギンの音で海に出たくなさそうだったが、久し振りにスピンに触れた面々はもうすっかりやる気満々になっている。

 ハーバーを出ると既に追っ手の風、波は小さい。メンを上げ、ジブを出してセーリングを始める。N~NE15ktくらいで20ktほどのブローが入る海面だ。早速スピンをUPする。艇速がぐっと増し、ブローでは8ktを越えたとGPSを見ていたオーナーが叫んでいる。彼もはじめて見る自分のスピネーカーだ。「これは写真をとらなくては!」とデッキのアチコチでデジカメを構えている。

 ブローが入り緊張するデッキで「だれか外から撮ってくれないかなぁ!」とオーナー氏がいうと「帆船は見ている分には優雅でキレイけど乗ってる方はいつも大変ですよ!」と昔、日本丸で航海した経験もある雇われクルー氏が言っている。

 今日は岸からの風で波は小さいが、本当によく振れる風だ。
「スピンランは首が疲れるね!」とはスピントリマーの声、ヘルムスマンもマストトップの風見が頼りなので同じ感想。
 30~40分も走ると沖の目的地付近に着き、スピンを下ろし、クローズホールドのコースに入る。上りはヘルムスマンとコクピットにいるトリマーの受け持ちだ。レース中なら風上に並んでハイクアウトだが今日は適当なところで寛ぐ。

 やがて、本日の昼食場所の北港ヨットハーバーが見えてきた。風も強くなってきたので帰りのスピンランはもう無理だろう。ランチはビール片手にゆっくりとお喋りしてすごす。

 ヨットの好みは様々だ。ヨットは早くなければならないと考える人。ヨットはスピードより乗り心地が一番という人。一人で乗る人、大勢で楽しみたい人。早くて快適、大勢でも一人でも乗れて価格の安いヨットが欲しいなど欲張りの人もいる。本当に人の好みは百人百様だ。

 縁あって手に入れたヨットの個性と自分の好みを擦り合わせ、必要なら大胆な改修をも含めてしっかり手を入れ、新人ヨットマンの皆さんが長くヨットライフを楽しんで欲しいと思っている。

【関連記事】:初めてのヨット
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by pac3jp | 2008-05-14 09:17 | ウオッチング  

舵を失ったヨット

c0041039_14332142.jpg 上架ヤードにキールに傷があり、ラダーが折れた小型ヨットが船台に乗り修理を待っていた。舵がなければ普通のクルージングヨットは動かせないが、幸いこのヨットは船外機を持っているので機走でなら航行は可能だ。多分自力でハーバーに帰ってきたのだろう。

 舵(ラダー)はヨットの針路を定めたりフネのバランスを取るための重要な部材だが、船底に取り付けられていて簡単に点検なども出来ない。だが、アウトラダーは構造が簡単で点検もしやすいので小型のクルーザー入門艇やクラシックタイプのヨットによく採用されている。

 しかし、座礁などの事故に会うと2組のガジョンとピントルで支えられているだけなので、ハルからシャフトで吊られているバランスラダーやスケグラダーよりも弱いという話もある。

 舵板の折れた断面を見ていると、それはFRP成型品で、ピントルを取り付ける舵板の前部は合板が入り、ボルトなどの圧縮荷重に耐える構造になっている。その他の部分はFRP内にウレタンの発泡体が充填されているようだ。
 でも、折れた断面をよく見ていたらピントルを固定するSUSの貫通ボルトが合板内でサビが出ている。ここでサビが発生することは強度部材の合板に水が入り強度が落ちていた可能性もある・・・。

 一般的なシャフトタイプのラダー構造を見ると、シャフトから舵板部分に入ると数本のフレームがあり、それがFRPの舵板を支え、空回りを抑える。でもラダー先端のほうはただのあんこだけになっているが、座礁などの衝撃でもシャフトが曲がることはあっても舵板がポッキリと折れて、落ちてしまうことはないだろう。

c0041039_14343213.jpg 一方、20fクラスで一番値段が高そうなヨット「フリッカ」のアウトラダーは右画像のようになっている。
 頑丈で大きなラダーがトランサムとキールの3箇所で支持されたいる。キールがラダーより少し深く、ラダーを座礁などの衝撃から守っている。最下部にはガジョンを保護するジンクまで付いている。クラシックタイプのアウトラダーは殆どがこれと同じ構造をもっている。

 この大型連休のクルージングで深刻なトラブルに見舞われたヨットはどうも3隻だったようだ。既に業者が修理に取り掛かっているフネもいる。今年はフィンキールを外して修理しているヨットは、今のところいないが、どうもロングキールタイプの当り?年だったようだ。
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by pac3jp | 2008-05-12 14:39 | ヨットの艤装と艤装品  

6級海技士

5月初め、地元新聞夕刊にこんな記事(↓)が掲載された。


初の女性ペア、船長&機関長 神戸港の遊覧船

c0041039_911913.jpg 遊覧船に乗務する船長の瀬戸中智美さん(右)と機関長中沢望さん=神戸港(撮影・峰大二郎)

 神戸港の遊覧船「ファンタジー」(一五二トン)に、女性の船長と機関長のコンビが誕生した。女性が両方を担うのは珍しく、同港の遊覧船やクルーズ船では過去に例がないという。二人は「『神戸の遊覧船といえば女性の船長さんと機関長さんが乗る船』と観光客にいってもらえるよう頑張りたい」と張り切っている。(安福直剛) 

記事の全文はここをクリック。


 記事を読みながら、時代は変わり女性の職業として「船乗り」が選ばれる時代になってきたのだな、と強く感じた事だった。
 遊覧船でも20トン未満の小型船舶を使った船では女性の船長さんも前からいらっしゃった。だが、神戸港では小さい部類の遊覧船といえども総トン数が152トンともなるとボクから見るともう立派な本船だ。
 この船の運航には平水区域で200トン以下、出力750kw以下のエンジンを搭載した船舶の船長、機関長には6級海技士(航海、機関)以上の資格が必要なのだ。

 6級海技士は大型船舶の海技士になる最初の資格である。バブルの頃、土地投機で大もうけした不動産業者などが外国からデッキにヘリコプターを積んだ20トンをはるかに越える大型ボートなどを輸入して派手に乗り回していた。当時、不動産会社の社員などはこのボートの運航メンバーとして丙種航海士免許などを取に行かされた人もいたという。

 最近は内航船のブリッジ当直にも海技士資格が必要となり、資格を持たなかった船員さんに6級海技士の免許講習をする教習所が数多くある。所が、このところヨットハーバーでもこの資格が話題になる事があった。小型船舶操縦士からスキルアップして本船用の海技士を目指すヨットマン、ボートマンが出てきたのだ。
 その一人でボクの知り合いは、今は船舶関係の会社に勤めているが、既に通信教育コースを受講中だという。「テキストの内容も中々難しいよ」とおっしゃっていた。それにこれはプロの資格なので資格取得には乗船履歴がいるのだ。
 これがちょっと大変だが不可能なことは絶対ないはず。頑張ってください!!

 ハーバー近くの芦屋市に海技大学校がある。ここは3級~6級海技士までの内航船向け海技士の養成をしている学校で、そこの練習船「海技丸」は近くの深江岸壁にいつも泊っている。そうか、練習船は教室なので日曜日はお休みなのだ!

注【海技大学校は、船員(船員であった者及び船員になろうとする者を含む。)に対し船舶の運航に関する高度の学術及び技能を教授すること等により、船員の資質の向上を図り、もって海上輸送の安全の確保に資することを目的とする、船員の教育機関です】

c0041039_943795.jpg 練習船「海技丸」
  沿海区域・第4種船
  主要寸法
  全長:38.00メートル
   幅: 6.80メートル
  深さ: 3.30メートル
  喫水: 2.50メートル
総トン数:157トン
主機関 :800HP
 この船の船長は6級海技士(航海)、機関長は6級海技士(機関)と2名の船舶職員がいれば運航できるはずだ・・・。

 これから6級海技士資格を取ろうと思うと、正攻法では、まず船会社に就職して、海技大学校で座学1.5ヶ月+乗船実習2ヶ月を収め、会社の船に6ヶ月乗れば6級海技士の受験資格ができるので国家試験に合格すれば晴れて免許を獲得できる。

 ボクも小型船舶操縦士からスキルアップして、なにか世間の皆様のお役に立ちたいとは思っているが、その門戸はかなり狭そうだなぁ。
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by pac3jp | 2008-05-09 09:17 | 特殊船