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気の毒なヨット

c0041039_12475660.jpg GW前半の日曜日、プロペラにロープとホンダワをしっかり巻きつけたヨットが修理のために上架されていた。よくみるとロングキール全面に座礁したような傷が付いている。前部はロングキールの鉛が所々露出しているが大したダメージはないようだ。ロングキール後部に座礁による傷がある。FRP層が破損し、破口からは充填された発泡体が見えている。多分ここから船内に浸水しているだろう。キール後端からラダー下部に延びたアームはバランスラダーの支持とロープなどの巻付きを防ぐプロペラガードを兼ねた頑丈な構造になっている。
 だが、アームからラダー下部にいたる座礁の衝撃でラダーはハルに押し付けられ積層が2枚に剥離してしまっているのが見える。

 クラシックタイプのヨットによくあるプロペラガードは他艇のアンカーやノリ網のような横に張られたロープからはペラのガードは出来るだろうが、自艇から不用意に流してしまったロープはガードできない事もあるだろう。でもラダーにロープが絡むことはないし、安全性は割合高いはずだった。
後に見えるのはナウティキャット331。

 このヨットがどんな状況で座礁したのか分らないが、ロープや海草を噛んだプロペラが回らなくなり、セーリングで浅瀬から脱出できる風が無かったか、あるいはセールの推進力より潮流が速く、危険な場所に押し流されてしまったのかもしれない。

 一般的なヨットに装備されているハンギングラダーは座礁の衝撃にも一番弱いし、また、ペラにロープなども絡みやすい。毎年GWが終わると1隻や2隻はラダーシャフトの修理している。
 クルージングタイプのヨットがよく装備しているのがスケグラダーだ。プロペラガード構造には出来ないが、強度的には両者の中間になる。

c0041039_1248255.jpg 参考にキールとラダーのギャップにロープなどが引っかかるのを防ぐロープガードのイラストを掲載したが、スケグラダータイプのヨットでキールからスケグにSUSワイヤーを渡せばプロペラガードの役目は果たせそうに思うが、どうだろう。


 楽しいクルージング中も実際にトラブルになってしまわなくても「ヒヤリ、ハット」はよくあるが、自分だけは事故に会う筈がないと信じて(思い込んで)航海していたように思うなぁ。

 今週末からはGW後半が始まり、各地にクルージングされるフネも多いでしょうが、航海計画をしっかり立て、危険な近道をせず、見張りを怠らず、船旅を大いに楽しんできて下さい。そして、少々は業者を喜ばせること?はあっても怪我なく無事で帰ってきてくださいね。
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by pac3jp | 2008-04-30 13:00 | ウオッチング  

古野電気がセールボート用航海計器を新発売!

最近、一般紙の経済面で古野電気が【最新型 「インスツルメント」FI-50シリーズを開発】という記事が出ていた。


多種多様な航海情報を表示!
優れた視認性のセールボート用航海計器を開発!


c0041039_13342555.jpg上:インスツルメント「FI-50」各表示器
下:風向風速センサー(オプション)

このほど古野電気は、セールボート(ヨット)用の航海計器「インスツルメント」FI-50シリーズを開発しました。

この計器は、専用センサーとの接続により、風速、風向、水深、船速、水温、船首方位、目的地方位、自船位置など、セールボートの安全航行に不可欠なあらゆる情報を集中表示できる「インスツルメント」です。

本器では、あらかじめ表示したい項目を選択しておくことで、操船中でも機器操作を行わずして、必要な情報を素早く読み取ることができます。表示器は、昼夜を問わず視認性が優れたディスプレィを採用し、安心かつ安全な航行に貢献します。
なお、本シリーズはセールボート用として開発されていますが、パワーボートや他の船においても活用が可能です。

■国内発売予定時期・・・2008年4月
■年間販売予定台数・・・3000セット(海外含む)



 ヨット用でFURUNO製品といえばまず、GPS関連機器だろう。魚探機能をもつGPSプロッターなど多くのヨットが装備している。小型レーダーもFURUNOブランドをよく見かける。そのほかでは外洋向けのヨットでの気象FAXか。漁船用は多いがヨット用は少なかった。

 ヨットの航海計器メーカーは前から数社あるが、ボクのクルージングヨット仲間では「レイマリン」が多いようだ。このブランドは以前「オートヘルム」といっていたが7~8年前からアメリカの巨大軍需企業「レイセオン」のグループに入り、前にはなかったレーダーが商品に加えられるようになった。
 余談だが「レイセオン」は太平洋戦争当時、双眼鏡で索敵する日本の連合艦隊に対して電波兵器「レーダー」を装備したアメリカ海軍が圧倒的に優勢な戦いを進めたのも「レイセオン」が開発したレーダーがあったからといわれている。

 大分前、プレジャーボート用レーダーのアメリカ市場でフルノとレイセオンが競っていると聞いた事があるが、今回はフルノがレイマリンの得意分野であるインスツルメント分野に参入するのを聞くと、日本人としてはウレシイが厳しい価格競争に勝てるかどうかが問題だし、年間3000セットも販売しようとすると中々大変そうだ。それにオートパイロットが商品にないのがちょっと不満だが、フルノのエレクトロニクス商品群に電力や油圧パワーを必要とする類似商品もなくノウハウがないので仕方ないのかな。

 2008年版のウエストマリンカタログにはGPSのガーミン社もインスツルメント市場に参入している。 そして、ヨーロッパ系の通販カタログによると
FURUNO FI-50 INSTRMENTSは

FI-501 Wind     907.00
FI-502 CHWind    452.00
FI-503 Digital    518.00
FI-504 Muiti     452.00
thru-hull senser    145.00
junction box      263.00

と価格表示が出ている。日本でも安く買えると良いと思うが逆輸入したほうが安いなんてことにならないようにして欲しい物だね。
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by pac3jp | 2008-04-28 13:53 | ヨットの艤装と艤装品  

メガヨットのフェンダーアジャスター

 係留時にフェンダーを4本もライフライに吊り下げると結構な重さになる。それに、離着岸時は桟橋に擦れてスタンションが曲がりそうなテンションが掛かってしまう時もある。ライフラインは乗員を落水から守る大事な安全装備だと考えたら、ライフラインには常時フェンダーの負荷をかけず、ワイヤーやスタンションを伸びや金属疲労から防がなくてはならない。ガンネルレールから吊り下げたり、専用のクリートをつける方法もあるが、面倒だったり、取り付位置を変更出来ないなど不自由な面もある。

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 先日、ニスを塗ったチークのブルワークからうまくフェンダーを吊っているケイマン船籍のメガヨット(CHIMERA 100f)が泊っていた。

 それはブルワークのカーブにぴったりと合うように作られた固い皮の成型品のように見える部品だ。ブルワークに当る内側はボアのようなスレ止めが貼り付けてある。フェンダーを吊り下げるロープはガイドがついたカムクリートで位置を調整する。ロープエンドは落下防止のためライフラインに結んでおくようだ。これだと確かにフェンダーの位置の微調整もし易いね。

 このタイプのアジャスターは木製のブルワークを持っているグランドバンクスやナウティキャットなど高そうなフネに合いそうだが、普通のヨットでも自艇のガンネルにぴったり合う寸法で、本体はアルミでゴムのスペーサーを挟んだジグを作りカムクリートを取り付けたらいけそうに思うけど・・・どうかな?

c0041039_9481897.jpg ウエストマリンのカタログでフェンダーハンガー系の商品を見ると実に多くの種類がある。アメリカ人はフェンダーのロープを縛るのがそんなに苦手なんだろうかと思わせるほど色々ある。まぁ、価格も安いので試しに買ってみようということもあるのだろう・・・。

 因みに、昨年寄港したメガヨットはどうだったかと思い返すと、セールヨットの「エンデバー」の場合、フェンダーは画像左のようにブルワークについたハンドレールに縛ってあった。
 また、画像右のモーターヨット「ホエールソング」は高いブルワークの上についたハンドレールに同じく縛ってあった。大型ヨットは大きなフェンダーを吊っているのでライフラインには付けず頑丈なハンドレールやスタンションの根元に縛ってあり、まぁ、常識的な選択ではありますね。
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by pac3jp | 2008-04-25 09:56 | ヨットの艤装と艤装品  

迷惑な漂着物

c0041039_1228964.jpg ヨットハーバーの隅っこの桟橋に古びたブイが舫ってあった。近づいて見るとノリ養殖エリアの周辺に設置してある灯浮標である。灯器は既に無く、支持柱は折れ曲がり、浮力体の金属タンクは破れ、浮力はタンクの中の発泡体だけでもっている。かって灯器に電源を供給していたケーブルは海に浸かりフジツボや藻が絡まっている。一見しただけでも長らく漂流してきたブイとわかる。

 ハーバーの作業員に聞くと港内の出入り口に近い波除用の浮桟橋に漂着していたのでこちらに持ってきたという。大阪湾でもこんな大きな物が流れているのだ。ヨットやボートなど小型船ならこれにまともに衝突すると重大な損傷を受けるのは必定だ。昼間ならよく見張っていれば避けられるが夜間ならよほど注意しなくては発見できないだろう。皆さん、見張りは厳重に、オーパイで居眠りは厳禁ですよ!

 漂着物といえば、ボクが子供の頃、台風の影響で海一面に太い杉の丸太が流れ、海岸を埋め尽くすほど漂着した年があった。
 子供たちはその夏、海の遊びは丸太を縄で縛っていかだ遊び、一本に乗ってのカヌー遊びと大いに楽しんだ。波で流れてしまっても幾らでも作って遊んだもんだ。やがて沖に丸太を回収する船がやってきてボク達の夏も終わり、楽しかった思い出が残った。

 また有名なところでは、伊良湖の砂浜に流れ着いた椰子の実を拾った話を民族学者の柳田國男が、その様子を島崎藤村に語れば、「名も知らぬ遠き島より流れよる椰子の実ひとつ・・・」の詩が生まれ、長らく日本人に歌い続けられる歌になった。

 漂着物も分類すれば自然物系、人工物系に分かれるが、海岸近くに住んでいる人は、やっぱりそのまま食べられるワカメや貝など自然物を拾うとうれしいみたい。年配のオジサン達は流木を拾い、根っこを綺麗にカットし、ニスを塗り、アチコチにオブジェで飾っている。それを頂いた我家では植木鉢の台などに重宝しているのだ。
 また、エコな生活を目指す人たちは海岸に流れ着く流木を集め、鋸で挽き、斧で割り冬の燃料として蓄える。運動不足の解消には絶好だとおっしゃてはいるが、薪ストーブを置ける家と大量の薪を貯蔵できる倉庫も必要なのが最大の難点か・・・。

 一方、人工物系では手紙の入ったビンなどは夢があって楽しいが、危険な物が入った容器や漁具の一部、古いブイ、廃油ボールなど迷惑な漂着物もおおい。日本海沿岸では隣国で不法投棄された漂着物のニュースもよく見かける。

 だが、下記の様な漂着物を採集し、その中にある多くのメッセージから環境問題や民俗学的にも考証し、楽しむのを「ビーチコーミング」といい、専門の学会まである。ボクも少し興味がある遊びだ。

◆浮子や漁具  海外の漁具や浮子、ガラス浮子、ルアー、網や船道具など
◆日用品    異国製ビン類、陶磁器やビーチグラス、ライターなど
◆海の生物   魚類、貝類、蟹類、カメ、イルカ、ほ乳類など
◆陸の生物   鳥類・ほ乳類・両生類の遺骸あるいは骨・歯など
◆植物や流木  ココヤシ、ゴバンノアシ、モダマなど様々な種子や流木など
◆その他    軽石やメノウなど鉱物や化石を含んだノジュールなど

 でもボクは海の近くで育ったのでワカメや生きてるタコなど実利的なものが拾えるとうれしいな。今でも時化の翌朝早く海岸を散歩すればきっと「三文の得」はありそうだね。


【参考Web】:漂着物学会(Japan Driftological Society)
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by pac3jp | 2008-04-23 12:41 | 歴史・民俗  

ペラクリンを塗る

c0041039_12502293.jpg 海上係留しているヨットやボートにとって最低でも1年に1回は上架して船底の汚れを落とし、キールやラダーそれにスルハル金物の状況をチェックし、船底塗料の塗り替えとプロペラの点検、ジンクの交換、それにプロペラ用防汚塗料を塗り替えなければならない。
 延び延びになっていた船底塗料の塗り替え作業を延べ8工数かけてやっと先週末に出来上がった。

 この上架整備の作業をボク達は昔からズッーと土、日の2日間でやってきた。運悪く土曜日が雨になり3日間掛かることもあったが基本的には2日で作業を終了するスケジュールでこなしてきた。

 船底塗料はインターの「ボートガードエクストラ」を使っているがこれはそう問題はない。
 問題はプロペラ用防汚塗料のペイントだ。最近は中国塗料の「ペラクリン」がこの分野の市場を制覇したようで、このハーバーで見る限りボートもヨットも殆どが使っているみたいだ。

 ボクも以前は色々と使ってきたが、塗料の性能がイマイチなのか塗装方法がまずかったのか、シーズン中何回も潜ってプロペラのフジツボを掃除したもんだった。いまは「ペラクリン」を塗っているが前回上架してから1年4ヶ月経っていてもプロペラ翼にはフジツボの付着はなかった。だがボスの部分はしっかりと付いていた。ここは一度塗面を傷つけたことがあったからだ。

 今年も慎重に「ペラクリン」を塗る。
 まず上架して船底を洗い、プロペラに付いている汚れを落とし、素地が出るまで磨く。これで1時間半かかる。ペラにエッジングプライマーを塗る。乾燥時間は最低の3時間をとる。天気は曇り、気温16℃くらいなのでまぁちょっと少ないが仕方がない。
午後2時、「ペラクリン」本体塗料を塗る。2日間の上架では乾燥時間が取れないのでメーカー指定の2回塗りはしない。乾燥時間は明日3時半までの25時間半、日曜日は晴天なので気温も上がるだろうから加温など不要と楽観していた。

 そこに顔見知りのヨット業者がやってきた。「いつも僕の仕事を見られているので、今日は見学させてもらおう!」と言っている。
 いつもプロの仕事は流石と勉強させて貰っているが、その本職に見られていると緊張する。そんな様子をみてボクにプロペラの塗り方のコツなどを教えてくれた。
 彼等の上架日数はプロペラ塗料の乾燥時間が必要なので3日間はとる。そして「ペラクリン」を塗るのはプロペラ全面を塗った後プロペラを回転させながらプロペラのエッジ部分に塗り重ねてゆく。この部分は塗料が最も水流で取れ易いからだとおっしゃる。
 
 ボクは時間の余裕がないので試してみなかったが、余り厚塗りすると翼端で乱流が発生してプロペラの効率が落ちるのではないかと思うが、そこはプロの仕事だ。推進効率は落とさず防汚機能は長持ちさせる特別のノウハウがあるのだろう。

 昨日、予定通りに午後3時半、ヨットは海に戻った。
 これからは水温も上がり、フジツボも新しい棲家を求めて元気にやってくる。友人のヨットはフジツボ避けの新しいホースが艇体横に廻らされた。新しい「フジツボ生態論」の持ち合わせがないボクは「ボートガードエクストラ」と「ペラクリン」がしっかりとフジツボの攻撃からヨットを守ってくれるのを心から期待している。

【関連記事】:アイデアヨットマン
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by pac3jp | 2008-04-21 12:57 | シーマンシップ  

「そうりゅう」のスターリング機関発電装置

c0041039_8265551.jpg 昨年12月に進水したAIP潜水艦「そうりゅう」に搭載されているスターリングシステムはどんな燃料をどう燃焼してどんなガスでピストンを動かすのだろうと思っていたが、つい最近川崎重工が発刊した「原動機100年史」の「スターリングエンジンの製造史」の項に「そうりゅう」のスターリング機関発電装置のライセンス国産へ向け研究開発してきた経過からボクが知りたかったレベルのシステム概要はわかった。

 左の図がスウェーデン海軍で実用化されたコッカムス社のスターリングエンジンの構造と主要目だ。
 艦内タンクに貯蔵された液体酸素を高圧酸素としケロシンを燃料ととして使用している。このスターリングエンジンは、下部がディーゼル機関に近い構造をしているが、上部の構造はガスタービンの燃焼器に近い構造をしている。
 製造にはスターリング機関特有の高圧作動ガス(ヘリウム)のシール技術、ガスタービンにも勝るとも劣らない耐熱耐食材料技術が要求される。
 また、機関本体のほかに周辺装置である液体酸素貯蔵供給装置、排気ガス放出装置などが必要。

 研究試作段階では冷却器及び加熱器などからのヘリウム漏れ、高温用熱電対の断線および燃料噴射ノズルでの著しい不均一燃料噴射などの不具合が発生したが、ライセンサへ情報を提供し部品交換や改良などで研究試作段階が終わる頃にはトラブルはなくなったようだ。

c0041039_829049.jpg 16SSに搭戴される前に練習艦「あさしお」の船体を切断してスターリング機関2群を組み込んだAIP区画を追加し実用試験を行った。液体酸素貯蔵供給、排ガス放出、発電システム制御、防音・防振の各技術の確認が行われた。この実用試験中、熱電対の断線、配管からヘリウム漏れ、弁類の固着など不具合もでたが迅速に部品交換、修理を行い支障なく実用試験は終了したという。

 「そうりゅう」のスターリング機関発電装置は練習艦「あさしお」搭載のMkⅡ型から加熱器、燃焼容器の改良や配管数の削減による部品寿命や整備性の改善が図られたMkⅢ型が搭戴されることになった。(上の画像)

 「そうりゅう」にはこの発電プラントが4群搭戴されている。合計240kwの電力が発生し、潜航中のバッテリー充電や艦内電源に当てられ、より長時間の潜航が可能になるのでしょうね。
 また、システム搭載による艦の大型化を抑えるため、発電機の小型化、機関及び発電制御装置の統合などのハード面の改良と酸素タンク圧力の過昇を抑えるための減圧運転機能などのソフト面の改良も実施された。
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 上の画像、少し見難いが、スターリング機関系統図を見ていたらこんな疑問がでてきた。
●酸素や燃料の配管にそれに燃焼室まで緑の窒素ガス管が接続されているのはエンジンの運転を止める時か或は非常停止でしょうか?。
●水色の冷却水系はエンジン容器やシリンダー冷却器、排気ガス冷却などは清水冷却なのでどこか別に海水との熱交換器があるのでしょうね。
●排気ガスは海水に溶かして放出するのでしょうが、泡がでてプクプクと音がでるとまずいのでどうするのでしょうね。  ど素人の疑問でした・・・。

 そして、下記参考図書によると川重は既に18SS(H18発注の潜水艦)用のスターリングエンジンの国産に着手したあった。

【関連記事】:新鋭AIP潜水艦 501「そうりゅう」
【関連記事】:静かに動くジェネレーター

【参考Web】:スターリングエンジンて何?

【参考図書】:原動機事業100年のあゆみ  川崎重工業㈱ 機械ビジネスセンター
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by pac3jp | 2008-04-18 08:39 | ウオッチング  

洲本港 宴会クルージング

 淡路島の海の玄関、洲本観光港も関空と結ぶ高速船が昨年3月で廃止になり港内はガランとしていた。ターミナルビルはボートレースの舟券売り場に改装され、皮肉にも島内の競艇ファンが集まり賑やかになってきた。当然ビル内では競艇ファン向けに喫茶店や食堂も営業している。
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 ボク達の仲間で宴会クルージングの話しがでたとき、大阪湾で十数隻のヨットが停泊できて宴会場が近くにあるところといったら使われなくなった高速船用の浮桟橋がある洲本港とあと1~2ヶ所くらいしか思いつかない。
 この桟橋は兵庫県洲本土木事務所が管理しているで申し込めば誰でも停泊できるはずである。今回の幹事さんが役所に桟橋の使用許可を申請したが、先方に個人のプレジャーボート向けに決まったフォームがなく本船の船舶代理店がする手続きに準じて書類を作らされたとぼやいていた。まぁ、いずれ簡単な手続きで泊れるようになるだろう。

 この浮桟橋は沖から見て右側は水産庁の取締り船用に貸してあるそうで、ボク等は左側に係留した。遅れてやってきた他の数杯のヨットは何も知らずに右側につけていたが夕方、水産庁の船が帰ってきて、さぁどうするかと見ていたら浮桟橋は諦めて岸壁に係留していた1隻のヨットを蹴散らしてそこに停泊した。

c0041039_933969.jpg 宴会場は港から近い旅館「なべ藤」。おすすめ日帰りプラン(露天風呂と宴会料理で6千円、お酒は別途)の大宴会?をする。

 宿のロビーにはご先祖が苗字帯刀を許された書き付けや、遊女屋が盛業だった頃の写真、新渡戸稲造など有名人の色紙などが展示してあり歴史ある旅館を感じさせる。

 この旅館は天保元年(1830年)創業、淡路島最古の老舗旅館で昔から多彩な人びとが訪れており、大正から昭和にかけて文豪・谷崎潤一郎が定宿にしていた。小説「蓼喰う虫」は昭和3年~4年にかけて大阪毎日新聞に83回にわたり連載された新聞小説で客室から眺めた景色や汽船の音について描かれている。そして谷崎潤一郎ゆかりの宿として知られている。

 ボクも谷崎潤一郎の小説をいくらか読んだ記憶はあるが殆ど覚えてないし、映画化された「痴人の愛」などは成人向けの映画だったように思うので純真な少年だったボクは見ていない。

 谷崎は文豪としてよく知られた作家で阪神間に長く住み多くの作品を書いたので関西生まれの作家だと思っている人もいるが、東大中退で30歳まで東京の下町に住んだチャキチャキの江戸っ子だった。37歳の時関東大震災で被災し京都へ、そして神戸・本山、岡本、魚崎、住吉と関西で13回も移り住んだ。昭和19年、谷崎潤一郎59歳、空襲が阪神間に及ぶにつれ岡山県に疎開する。やがて終戦とともに京都へ、そして熱海から湯河原へと転居する。
結局、阪神間で働き盛りの30年を過ごしたことになる。

 「蓼喰う虫」は神戸・岡本に住んでいた42歳の作品で千代夫人との離婚を考えていた時期だったという。そんな谷崎潤一郎が文章を推敲していたであろう「なべ藤」二階から、ボクは、震災後に内港を埋め立て綺麗に区画された広い道路とポピーが咲く花壇を眺めながら、たかが宴会クルージングでも昔のように船溜りのざわめきとエンジンの響や汽笛が聞こえてくればもっと旅情をかんじるのになぁ~と思ったことであった。

参考Web:名作の舞台「蓼喰う虫」谷崎潤一郎
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by pac3jp | 2008-04-16 09:20 | クルージング  

お嫁に行ったヨット

c0041039_14282314.jpg 昨日、クルージングの帰途、淡路島・津名沖で見覚えがあるヨットが我々とミートする針路で大阪方面に機帆走しているのを見つけた。
 そのヨットはボクが乗っていたヨットではないが、フルドジャーを装備していてコクピットにいてもそう寒くなく快適だったので去年の冬にはこのヨットであちこちへのランチクルージングの度に乗せてもらっていた。

 だが、オーナーが段々とレース指向になってきてメインファラーのクルージング艇では満足できなくなりサイズUPしたクラブレーサーに乗り換えるため嫁に出したのだった。

 丁度、子供の頃から見ていた近所の娘さんがお嫁に行き、しばらく経ってから街でばったりと出会ったときと同じようなの印象を受けた。
 トレードマークだったドジャーは外されすっきりした外観に変わっていた。でも目鼻だちは変えようがない。レーダーの位置、ブームの補強、特殊なバテンポケットなど親譲りのつくりは元のままだが名前も変わり、もうすっかり他家のお嫁さんである。

 ボクもお嫁にやったヨットが何隻かあり偶にチラッと再会するシーンもあった。
 一度は琵琶湖で開催されていた「鳥人間コンテスト」をテレビを見ていて湖面に集まったギャラリーヨットの中に一瞬だったが前に乗っていたヨットを発見したことがあった。黄色のハルカラーと変わったストライプが特徴だったので直ぐにそれと判った。琵琶湖で乗られているのだ!と分っただけだが、その後の消息が少し分り安心した。

 もう一隻は県内だが少し離れた港で活動するグループに嫁に行ったフネもあった。たまにその港の付近を通ると釣船やボートに囲まれ寂しそうに浮いているのを見ることもあった。何年かたったある日、ボクの職場から見えるヨット泊地で、業者が管理している桟橋に赤の三本ラインが入ったヨットがうらぶれて繋がれていた。やがてそのヨットもどこかに売られたのか姿を消してしまった。

 直前といってももう12年も前だが、今のフネの前に乗っていたヨットは「KAZIの個人売買」でお嫁にいったので相手オーナーの顔も大阪湾内の定係港も知っていた。でも海上で会ったのは大規模な海上イベントが開かれた時のたった一度きりだった。ハルにオーナーの好みだろうか動物のイラストが可愛く描いてあった。オーナーと奥さんで大事に乗られているような感じでうれしかった思いが記憶に残っている。

 いずれにせよ普通の手入れをしておくだけでもFRPヨットの寿命はオーナーの寿命よりはるかに長いだろう。現在でも船齢30年位のFRPヨットはどこにでもある。ヨットから見ればオーナーを次々と代えながらその長い人生、いや、艇生?を過ごしていくのだろう。ヨット達よオーナーの遊びに優しく付き合い、危険な嵐からクルーを守り、海とヨットを充分楽しませてやって欲しい。そうすれば歴代のオーナー達は手入れも怠らず、長く可愛がってくれるはずだ。
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by pac3jp | 2008-04-14 14:35 | ウオッチング  

市販のアンダーウォータースコープは・・・

 海水が冷たい時期に潜って船底やプロペラを点検するのは大変だと誰もが思っているが、世の中には便利な道具が様々ある。でもこんな道具は買ってまで手に入れる程の物ではないので自作の方法を以前(2月)に提案してみたが、何でも自分で作るより買ったほう早く良い物が手に入ると思っているリッチなヨットマンも勿論いらっしゃる。

 4月に入り近所の桜も満開になり、水温も上がってきたのでプロペラの汚れが心配になってきた。

 以前からリッチ派の某オーナーが通販で「AMPHIBIANS SCOPE」と称する水陸両用のスコープを買ったと聞いていたので、メーカー品を試して見ようと思い、それを借りてちゃっかりと保管している友人のヨットに寄ってみた。
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 このスコープは太さ30mm×長さは1.5m位で落水防止のロープが付いている。(浮力はないみたい)
 水中にはいる先端部分はパイプの開口部がある。中に鏡があり光は90度屈折して防水された対物レンズに入る(黒い部分)
 鏡と反対側に接眼レンズがありここから船底を観測する。

c0041039_1061428.jpg 早速、寒い時期から借りっ放しにしている友人がお手本を見せてくれるという。ケースから出して、さぁ水中へと言ったところでコロンと鏡が外れてしまった。接着材が悪かったようだ。耐海水用?の接着材が必要だね。
 とりあえず、接着されていたと思われる部分に鏡を取り付け水中へ。プロペラがあると思われる方向にスコープを向け、鏡の方向も変えながらプロペラを捜すが全く見えないとおっしゃる。
「2月には見えたのになぁ~」
 今年の2月は特別に透明度がよかった。10数年このハーバーにいるが海底まで見えたにはこの時だけだった。
 暖かくなった4月になってからは海水の透明度はどんどん下がり、いまや1m前後か。
それに加えスコープのレンズが暗い。太陽の光が当る水中は何とか見えるが日陰になる水中ではよっぽど近づけなくては像すら見えない。

 ボクも使わせてもらったがまったく同じ。
「鏡の位置がわるいのかなぁ」
「でも水中から引上げ、陸ではちゃんとよく見えるよ!」

 水質汚濁が激しい大阪湾奥のこのハーバーでは真冬の透明度が上がる一時期は有用だが、一年中は使えないだろう。レンズの口径を大きくしてもっと明るい視野が確保できなければプロペラの汚れも観測できない。
 幾らで買ったか知らないが「2万~3万円はするはず」と通販グッズに詳しい仲間がいう。

 ボクは、厳冬期はその効能を信じて某オーナーにお借りし、5月になればウエットで潜ることにしょうかな。

【関連記事】:アンダーウォータースコープ
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by pac3jp | 2008-04-11 10:09 | ウオッチング  

アメリカ艇「WESTWARD」を見学する。(2)

c0041039_9485586.jpg 先週土曜日、ビジター桟橋の入り口で前日に「WESTWARD」を訪問したという知人から面白いエンジンを積んでいるので見に行こうと誘われ同行したが、また翌日、こんな船が大好きな友人達とクラシックなエンジンを再度見学するために訪問した。友人が素晴らしいエンジンだと褒めたせいか、今度はエンジニア自らあれこれと説明してくれる。

 シリンダーの下部には「ATLAS IMPERIAL OAKLAND CAL.USA 」と表示がある。1924年の建造時から搭戴さている主機関だがサビが出ているような所は全くなく完全に整備されているのだろう。ちなみに、もうこのエンジンメーカーは存在しないそうだ。

船の歴史年表によると(ディーゼルエンジン関係)

1893年 ドイツ人ディーゼルが無点火式内燃機関を発明。ディーゼル機関と称せられる。
1897年 ディーゼルはMAN工場で単筒、タテ型機関を造る。最初の信頼しうる機関。
1904年 ロシア船(1150トン400HP)最初の舶用ディーゼル機関の始め。
1911年 英国貨物船トイラー号がディーゼル船として始めて大西洋を渡る。
1921年 英国ドラマ号(8441トン)は最初の航洋ディーゼル客船。
1924年 米国「WESTWARD」進水。大阪商船客船音頭丸(688トン)日本で最初のディーゼル船。
ニュージーランドの客船(18500トン)太平洋で始めての大型ディーゼル客船。
1927年 世界で建造中のディーゼル船のトン数、初めて汽船のトン数を越える。


 このように「ウエストワード」が建造された時代は第一次世界大戦も終わり、戦時に開発された技術が民間に転移され新型船においても蒸気機関から内燃機関のディーゼルに舶用エンジンが変わり始めた時代でもあったのだ。
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 機関室中央に大きなディーゼルエンジン本体が据わっている。このエンジンはボア9インチ×ストロークは12インチ位か、靴のサイズだという。回転数は280回転/分、4気筒150HPのディーゼルエンジンだ。床からの高さは約1.7m、長さは2mくらいある。少し小ぶりだが、いつか映画でみたUボートのエンジンのような雰囲気がある。クランクケースから弁を駆動する多数のコンロッドが立ち並びシリンダーヘッドにはロッカーアームと手動のハンドルが各シリンダー毎についている。

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 始動は圧縮空気を使う。機関室に大きな空気タンクが3本ある。コンプレッサーが見あたらないので空いたシリンダーで空気を圧縮する仕組みかも知れない。エンジンの前には重さは1.5トンもある赤いフライホイールが付いてそれで油圧ポンプが駆動されている。

c0041039_9512593.jpg エンジンの下部にカムとクランクで駆動される赤く塗られた燃料噴射ポンプがある。
 エンジンの冷却システムは我々エンジンのようにジャケットに清水を通す方法でなくて潤滑油を海水冷却する方法らしい。エンジンの下に熱交換装置があるとのこと。

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 エンジンの出力側をみると見るからに巨大な機械式の逆転機がついている。操作はブリッジの舵輪の右にあるハンドル回し操作する。直径2インチはありそうな太いシャフトが幾つかのベベルギヤやユニバーサルジョイントでブリッジから逆転機にリンクしている。そして、その動きが大きなドラムのブレーキをかけることによって内部の遊星ギヤーが逆転に切り替わる仕組みだという。最近のコンパクトな逆転機から見ればなんとも原始的なシステムに見える。

 このエンジンのスロットルレバーはブリッジの逆転機用ハンドルの下についている真鍮のレバーがそうである。現在のボートについているクロームメッキで輝いているモノとは大違いだね。

 このサイズのボートが一般的にどの位のエンジンを搭載しているのかよく知らないが、ロングレンジクルーザーは巡航速力が10ノットや12ノットの設定なのでプレーニングタイプのボートに比べ概して低出力のエンジンだ。この船は150HPのエンジンで2000ガロン(7.4トン)のディーゼル燃料を搭載できるのでかなりの距離を航海できそうだが木造の古い船体は激しい波浪の中を長く航海するのは辛いだろう。きっと好天が続くシーズンまでゆっくりと過ごし、凪の海をゆったりと渡ってきたのでしょうね。

 ボクはヨット用で小型のディーゼルエンジンしか知らないので説明も誤解している部分もあるかと思います。よく分らないところはハーバーで直接機関長にお聞き下さい。気さくにおしえてくれますよ。
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by pac3jp | 2008-04-09 10:18 | ボート