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国際VHF

c0041039_16292694.jpg つい先日の3月20日、朝日新聞「私の視点」に今回のイージス艦事故の背景に「大型船と漁船やヨット・ボートなどの小型船との間に共通の通信システムがない」ことがあると訴え、小型船にも簡単な手続きと軽い費用負担で国際VHFを開放して欲しいというヨットマンの署名入りの記事が出ていたと友人が教えてくれた。ボクは大新聞が国際VHFについて発言したヨットマンの意見を記事にしたのを見て大いに驚いた。
 世の中変わりつつあるのかな、と。



◆イージス艦事故  共通の通信システム作れ 

朝日新聞 opinion  2008.3.20

岡 敬三 (元会社経営者・小型ヨットオーナー )

海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船清徳丸が、2月19日早朝に衝突事故を起こしてから1ヵ月が過ぎた。この間、関係者の手で事故原因の究明が進められているが、背景には、発見の遅れとともに、大きさや目的が異なる船種間での交信が難しいという、日本に特有の事情があったように思えてならない。事故を教訓に、気軽に連絡を取り合える共通の通信システムを構築すべきではないか。

大型の船舶は、世界共通の規格である国際VHFという近距路用無線電話を積んでいる。国際ルーールでは常時、「16チャンネル」という特定の周波数を受信することとされ、緊急時はこのチャンネルで呼びかければ相手船や周辺の船と交信できる。

漁船の多くや小型レジャー船はこのルールの対象外だが、米国やカナダ、ニュージーランドやオーストラリアなど多くの国は、そうした船にも16チャンネルの常時受信を奨励している。共通の通信基盤こそが海難防止の基本だからだ。

そのために、米国では国際VHFと同じ規格で、出力だけを弱めた「小出力型国際VHF無線機」が1万円程度で販売されている。この無線機は無線免許の取得が不要で手数料も安いので、小さな漁船やレジャー船も手軽に利用できる。

ところが、日本はこうした流れとは一線を画し、いまも船種ごとに縦割りの通信システムを守り続けている。

日本の漁船は、国際VHFとは別の周波数帯の漁業用無線を使うことが一般的で、大型船と気軽に呼び掛け合える状況にはない。

小型レジヤー船向けには、16チャンネルを使って国際VHFとも通信ができる「マリンVHF」というシステムがあるが、高額な費用負担などが敬遠されてほとんど普及していない。

これは、88年に起きた海自の潜水艦「なだしお」と大型の釣り船第1富士丸の衝突事故で、共通の通信システムがないことが問題視されたため91年末にできた。国際VHFで使う周波数の一部だけを使えるように機能を絞ったものだが、販売されている無線機は1種類しかなく、価格は20万円近くする。電波利用料や数年ごとの再免許手数料などもかかるため、小型レジャー船のオ-ナーの多くは高額な費用負担や面倒な手続きを避け、アマチュア無線や携帯電話を使っている。

当時から、多くの船が国際VHFを気軽に使えるようにすれば海難防止につながる、という指摘があったが、関係省庁に顧みられることはなかった。

その結果、20年も前に提起された問題は、いまも解決されていない。私は20年以上にわたり、アマチュア無線機を積んだ型ヨットで国内外を航海しており、4年前の夏には、濃霧の北海道・日高沖で、30隻以上の漁船団と出くわして恐怖を感じたことがある。この時はレ-ダーに映った船団が急接近してくるのに気づきながら、呼びかけ合う手段はなく、相手が避けてくれるのを祈るしかなかった。

米国などのように、漁船やレジャー船に小出力型の国際VHFが普及していれば、私は16チャンネルで呼びかけ、こちらは速度の遅い帆船であり注意して欲しいと伝えられただろう。そうすれば、相手もレーダーに映る船の正体を理解できて安心できただろうし、衝突の予防にも有効だったと思う。

再び悲劇が繰り返される前に、日本も簡単な手続きと軽い費用負担で、漁船や小型レジャー船などあらゆる船種に小出力型の国際VHFを開放する政策に転じるべきだ。私には、縦割りの仕組みと複雑な制度が、海上交通の危険を高めているように思えてならない。


 海の上では小型漁船もプレジャーボートもごく小さいフネなので衝突事故が起これば一番弱い立場にある。航海中、大型船の航法に疑問があればVHFで相手に確認し退避する用意もできる。欧米など先進国ではVHFは安全備品の一つであってだれでも使える道具として価格も安くて普及している。ボク達だって安全が一番だと思っているし、手軽に国際VHFが使える環境が実現できれば大変うれしい。

c0041039_16273217.jpg 日本では1988年に起きた潜水艦「なだしお」と大型つり船「第一富士丸」の衝突事故で共通の通信システムがないことが問題化し日本独自のマリンVHFが出来たが出力は5Wで価格は20万円もするとかで普及せず現在に至っている。左画像がフルノの5Wで20万円のマリンVHFだ。

 ボクの周辺でも昔はハンディのマリンVHFを持っていた人もいたがこの頃はまったく見かけなくなったし、メーカー主催の3級海上特殊無線技士の講習会も開かれなくなってしまった。この通信システムすでに過去のものになってしまったようだ。

 旅客や貨物を運ぶ船舶は航行区域と大きさに準じた通信設備の設置が法律で定められていて、船の建造時にセットされトータルの船価となっている。

 一方、個人が楽しむために買うヨットやボートはオーナーの遊び方に応じた装備を後から自由に追加して行く。勿論、外洋レースなどは無線機の搭載が義務化されているので価格が高くて手続きが面倒でも装備する。でも、義務もない普通のヨットやボートに安全装備として普及させようとした時は「便利で安い」がキーワードになるだろう。

 昔、携帯電話が現れた頃はレンタルでも高いモノだった。やがて普及が進み、小型化してきたが、爆発的に増えだしたのは規制が緩和され価格が劇的に安くなってきた頃からだ。国際VHFも技適などの規制を緩和するだけで、現在国際VHFとして充分こなれた価格と思われる150ドル前後から数多く販売されている。機種はアイコムなど日本のメーカーのものも多いので技術的には何の問題もないと思う。
 実際、個人輸入のVHFを根性と努力(資金も)で開局している先達は大勢いらっしゃる。出来ないと言うのは役人OBが天下る先の利権守りがまず優先されるのかもしれない。

 この問題は前から各方面で議論されている。Webで検索するとNPO法人「海の会」などの掲示板に色んな意見が交換されている。ご参考に。
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by pac3jp | 2008-03-31 16:41 | ヨットの艤装と艤装品  

関西国際ボートショー 2008(番外)

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 ボートショーでもヨットやボートを販売する会社間で多分競争はあるんでしようが、皆さんさりげなく、そして仲良くやっているように見える。
 陸上ではエンジン、セールメーカー、艤装品、船底塗料、マリンウエァ、近隣マリーナなど競合するブースも並んでいる。場違いのようなマンション販売のブースまであり可愛いコンパニオンが声を掛けてくる。

 中でも人が集まり賑やかなのは単価が安いヨット用のパーツやデッキシューズ、ボート用洗剤などのブースだ。木製カヌーや小型のディンギーも展示してあるが、木工作が好きそうな人達がなにやら専門的な話をしているなどだけで一般的な人気はないようにみえる。

c0041039_9355164.jpg そんな中、暇そうにしているセールメーカーの前においてある面白い看板を発見した。

 牧場の柵の中だろうか、おとなしい羊が群がっている構図のポスターだ。それも通りと反対側、後ろ向きに置いてある。

 なんにも知らないボクがつまらん質問をした。
「あんたとこのセールは純毛ウール製か?」

ちょっと困った表情で
「このヒツジ達は○ースの・・・ 」とおっしゃり、ついでにヒツジの群れの意味までもお聞きする。

 それでよく見れば図柄の下に if you want to win. から始まるコピーが書いてある。やっと分かった! ○ースは彼等のライバルで彼はアメリカのセールメーカーの下部販売店なんだ!

 そして、この看板はうるさいのでこっちへ引っ込めてきたと、いう。
 日本ではこのようなコピーはまだ受け入れられないのかなぁと、思いながら、やっぱ、ライバル達がひしめくボートショーなんだとちょっと納得した。
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by pac3jp | 2008-03-28 09:46 | ウオッチング  

関西国際ボートショー 2008 (2)

 毎年、春のボートショーでは輸入された高価な新型ヨットを見るのを楽しみにしている。自分で買って乗ろうとは思わないが、デザイナーとビルダー、それに艤装品メーカーが智恵を絞って考えた新しい船型や艤装品を見るのは大いに楽しい。
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 今年も新艇の出展は少なかったが、久し振りにドイツのデヘラー34が出てきた。デヘラーヨットの新艇はいつも新しいモノが付いているので桟橋からよく観察すると、船型は今頃はやりの形で以前のモデルと比べるとかなりボリュームがある・・・あれっ、デッキには何かありそうだ。
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 バウデッキにファーレックスの新型ファーラーが装備されていた。ファーラーの巻き取りドラムがデッキ下に取り付けられたタイプだ。一般的にこのタイプはフォアステイがデッキを貫通している部分は大きな穴が開いている。でも、この新製品はデッキ貫通部分はベアリング付き?のフランジで保持されている。フォアステイのタック部分がすっきりと収まってファーラーが付いているのを感じさせないスマートさがある。
 左画像はファーラー部の外観、右画像はコントロールロープの取り回し。ブロックが2個入っているので多少重いかも。
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 バウパルピットに小型でカッコいいLED両色灯 LOPOLIGHT製(1NM用)が付いていた。(↑左画像)
 船尾灯も同じデザインのLED船尾灯だ。(↑右画像)
 ちなみにマストトップにつける全周灯は日本の規格に合格しないので桜マークのKOITOをつけているとディーラーからお聞きした。
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 サイドデッキにバタフライタイプのセンタークリートを発見した。よく見れば舫いロープが掛かったクリートも当然同じタイプのクリートだ。デッキのクリートはシートが絡んだり蹴躓いたりするので、専用ガードをつけたり、テープでカバーしたりする。ボートには沈下タイプのクリートなどがよく装備されているが、ヨットでは頑丈そうなこのタイプの方が良さそうだ。

c0041039_13214484.jpg 画像はスターンに装備されたラダーステップ。不幸にもヨットから落水してしまい、ヨットに戻れなくなった時、水中からラダーステップを降ろせる仕掛けの有無がそのヨットマンの運命を左右する。
 これは画像を見ても分るが、水中からでも引き出せる伸縮タイプの梯子である。海水の冷たい時期、ハーバー内の落水事故で助かる確率は確実に上がるでしょうね! ただ、通常に降ろす場合に落ちそうになる恐れも・・・。

 結局、デヘラー34の見学はデッキを一回りしただけでコクピットもキャビンも入らずだった。従ってヨットの帆走性能も値段も聞かずにヨットを降りた。印象ではクラブレーサーらしかったが、クリートなどヨットの隅っこしか見なかったので全体はよく分らなかった。でもボクはこれで充分楽しんだ。
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by pac3jp | 2008-03-26 13:32 | ウオッチング  

関西国際ボートショー 2008 (1)

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 3月21日(金)~23日(日)の3日間、関西国際ボートショー 2008が開催され、ここ新西宮ヨットハーバーではフローティングショー部門がビジターバースと係留桟橋の一部を使って開かれた。

 出展されていたフネはモーターボート系が圧倒的に多くてセールボートは19隻でモーターボートの半分以下である。世の中の景気が良いのか悪いのか判らないが、ヤマハやトヨタの標準装備でも1億円以上する大型ボートの売れ行きが好調で納期は2年先になるとかの噂だったが、「まぁ、ビルダーの建造能力が大してないので・・・」の声もある。

 一方、ボートショーに出展されている小型のボートは多い。頻繁に試乗艇が行き交っている。最近はハーバーの桟橋や陸置ヤードに並ぶ小型のボートは確かに増えてきた。こちらの販売は好調のようだ。

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 ヨットは19隻と、一見多いように思うが串桟橋に係留されているのでこじんまりとした展示だ。新艇は135EからX-34とデヘラー34の2隻、オカザキヨットからELPHIA29、33の2隻、小豆島の岡崎造船から林賢之助デザインの30fのクルージングヨットが1隻。他は昨年と同じようにオーナーヨットを借りてきて展示されていた。

 陸上展示はモーターボートの数が多いのにエンジンや航海機器のブースが例年より少なくなっていた。いつも来ているフルノのブースもないがきっとどちらも南港の方に出展しているんだろう。
 初めて見るブースは兵庫県のアチコチに出来たボートパークを管理するNPO法人「兵庫県の水域の秩序ある利用を進める会」だ。東播磨地区のボートパークの募集パンフレットにキレイなアメリカのマリーナの写真を使っているので、ボクも「エッ!」と一瞬目を疑ったがボートパークで「そんなエエトコはないわな!」と思い直した。でも、水と電気はないが、ここ新西宮ヨットハーバーの約10分の1の係留料金で留められるボートパークはちょっと魅力的だね。

 ついでに、西宮浜ボートパークの募集状況について、このブースに詰めている女性に「不法係留対策艇以外は係留できないの?」お聞きすると、一般の受付も出来るはずとの返事があった。でも、まだ古い桟橋に数多くの不法係留ヨットが残っているのに・・・。

 ヨット界でも関西ボートショーは大きなイベントなので遠来のお客さんもこられる。デヘラーヨットにはヨットデザイナーの大橋さんが、そしてヨットやボートのイラストを描いている高橋唯美さんの姿も久し振りに拝見した。二昔前、九州でボクの似顔絵を描いてもらってそれ以来・・・年をとられたなぁ~が実感! だが、自分も同じ年を数えているのに。

 土日の2日間、ハーバーをウロウロしていて今年のボートショーの一番人気は何だったろうと思うと、やっぱり、ハーバーから大阪南港へのシャトルシップでしょうネ。好天の海を30~40分、無料でクルージングできるボートショー巡りの小さい船旅が積み残しも出る程の人気はよくわかる。ボクもいって見たかったが1日3便しかないので残念ながら断念した。来年も無料ならば是非とも行くぞ!!
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by pac3jp | 2008-03-24 14:30 | ウオッチング  

省エネ帆装船の今昔(3)

 1980年代の石油危機には省エネ帆装船が開発され、大小船舶が実用に供せられたが、程なく石油価格の安定や、意外にセールなどの維持にコストが掛かりその後に続く帆装貨物船は日本では造られなかった。
 いま、原油は1バレル100ドルを越え、燃料高は車は勿論、船舶においても大変な時期にきているようだ。そんな時、NHKアーカイブで1983年に建造された帆走貨物船を冬の日本海でテストした「帆装タンカー荒海をゆく」と題する番組が再放送された。そして、その番組の冒頭に2007年12月15日ドイツで進水した最新の「貨物帆船」の映像が流れた。

世界初の貨物帆船がハンブルク港で進水式
報道メディア:北ドイツ放送(ndr)
発表日:2007年12月15日
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写真:北ドイツ放送(ndr)

 蒸気機関の発明以後には貨物船も含めて帆船は姿を消していたが、地球温暖化対策が叫ばれ、原油価格がバレルあたり100ドルに近づく昨今、ドイツでは《世界初の貨物帆船》が、連邦大統領夫人の臨席の下で12月15日に進水式を祝った。この船は1月にベネズエラに向けて処女航海に出る。
 全長 132 m のこの船の特長は、主機関のディーゼル・エンジンをコンピュータ制御のパラグライダ式の帆が助ける点にある。帆の面積が160 m2 ならば 20%、320 m2 ならば 30% の燃料が節約できる計算とのこと。600 m2 の帆も準備中。

 
 パラセールを推進力に採用したのはさすがドイツ人だが、「世界初の貨物帆船」と言っているのはちょっとおかしい。日本ではパラセールタイプは無かったがマストに展開するセールを持つ貨物船は20年前には存在した。凧のように揚げるパラセールは大洋の貿易風帯をずっと追手で走る航海ならもってこいだが、風が横に振れたり前に回れば効果はない。大圏コースを航海する本船では片道しか帆走できないかもしれない。また、風向の変化が多い日本沿岸を航海する内航船ではまず無理だろう。

 実はドイツで82年前の1926年、風力を利用する貨物船「バルバラ」が造られている。セイルではなく3本のローターを風力で回転させ推進力を得るという発想で造られたそうだ。その原理は野球の変化球と同じ理論によっている。
 大雑把にいうと、投手が投げたボールが回転していると、その回転でボールの表面の片側に空気の圧力の高い部分が出来、その反対側が低くなる。その圧力差でボールの進む方向が変わり、変化球となる。その原理を使い、ボールの代わりに風の中で大きな円筒を回して円筒の外側に圧力差を起こし、それが起す力で船を推し進めるというものだった。
 地中海への初航海では主機関で約10%の節約が出来た。でも、追手の航海では変な癖が出てうまく走らなかったらしい。

 1980年代には省エネのテーマは燃費や人件費の低減が主だったが、現在は地球温暖化対策が大きなテーマとして叫ばれている。
 日本の船舶でも政府が主導して「エコシップ」(エネルギー消費効率の優れた船舶)など進めているが、船舶の主推進力を自然のエネルギーから調達するという正面から向き合う省エネの大物アイデアはなくソーラーパネルや風車で貨物室の照明を賄うなど小物?省エネ対策や固定バラストを装備し、バラスト水の量を減らし海域の環境保全に当るなどがあるが・・・。

 開発リスクの大きい帆走型より、抵抗の少ない船型やガスタービン対応型新船型 、電気推進式二重反転プロペラ型ポッド推進器を用い電気制御による人員の削減や操船の簡易化など補助金の付きそうな「エコシップ」の方向に進もうとしているのだろうか。

【関連記事】1:省エネ帆装船の今昔(2)
【関連記事】2:省エネ帆装船の今昔(1)

参考図書:酔狂な船たち 三宅啓一著
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by pac3jp | 2008-03-21 12:09 | 帆船  

掃海艦 MSO-303「はちじょう」

 好天の日曜日、春霞で煙る海上自衛隊阪神基地に大型の掃海艦が停泊しているのが見えた。いつもここを基地にしている500トンクラスの掃海艇よりかなり大きい。近くによって見ると艦番号303、「はちじょう」だ。
 岸壁にトラッククレーンが止まりクレーンのアームが高いデッキの掃海装置上に伸び、乗組み員がケーブルリール付近に集まりなにかの整備をしているようだ。マストには桜一つの代将旗が揚がっている。
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基準排水量:1,000t
ディーゼル:2基 2軸
   速 力:14kt
 主要兵装:20ミリ機関砲x1・深深度掃海装置一式
   馬 力:2,400PS
   定 員:60名
 主要寸法:67x11.8x5.2x3.1m(長さ、幅、深さ、喫水)

●船体は外板を4層構造とする木製で、現役では世界最大の木造艦です。

 この「はちじょう」は明石海峡事故で沈没した船から流出した油で海洋汚染が広がり、兵庫県知事の災害派遣要請に応じて横須賀から急遽駆けつけ、土曜日の3月15日、明石海峡の水深約80メートルの海底に横たわる貨物船“ゴールドリーダー”の船体や、周囲の状況の確認作業に出動してきたばっかりだ。

c0041039_933866.jpg 搭載している対潜水艦用の深々度機雷の処分を主目的とした、S-7(2型)機雷処分具をつかい海底に沈んだ貨物船の情報を集め、海保に提供するそうだ。新聞では「水中カメラがついた探査機を使い」と表現しているが「機雷処分具」は立派な高性能兵器である。
 
このS-7(2型)機雷処分具(長さ約3.4m、幅1.8m)は本船より電源を供給する方式なので長時間の水中捜索もできるが、500トンクラスの掃海艇「うわじま」型に装備されているヨーロッパ製のS-7(1型)機雷処分具は本体に搭載された電池で駆動するため最大2時間の水中作業しか出来ず電池を使い果たすと、充電のための時間が必要になるとか聞いた。
 
 潮流の激しい明石海峡では艦の性能や装備も掃海艦の方が適しているので遠くの横須賀から派遣されたのだろう。

画像左上はS-7(2型)機雷処分具と吊り下げ用のガーター、左下は本体装置

3月18日、地元新聞の報道によると、

県と第五管区海上保安本部からの災害派遣要請を受けた海上自衛隊が十五、十六日に撮影。画像から船の名前や国際機関に届けている船の登録番号が判別できた。ゴールド号が船首をほぼ北向きに、船体の右側を下にした状態で横倒しになっていることも分かった。燃料タンク付近も調べたが、二日間の調査では油漏れの個所や衝突時の損傷跡などは確認できなかったという。
 海面上の油はほとんどみえなくなり新たな油漏れも確認されていないことや、ゴールド号の引き上げは技術的に困難であることも報告された。
 一方、県と同本部は十七日、派遣目的が達成されたとして、派遣艦艇の撤収を要請した。


 これで沈没した貨物船は明石海峡のアチコチにある沈船仲間に入り、墓標代わりの沈船マークが長くチャート上に残るのでしょうね。 合掌。
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by pac3jp | 2008-03-19 09:25 | ウオッチング  

クルージングヨット用のストームジブ

c0041039_13434719.jpg ヨットレースでロングを帆走していた頃、風が吹き上がり、ナンバー3+ツーポンでもオーバーキャンバスになってきた時、次はストームジブを用意したもんだが、沿岸のクルージングを長くやっていてもストームジブを上げてセーリングする場面に会うことは割合少ないし、ファーリングジブが普及してからはストームジブの定まったセット方法がなかったことあって、ヨット乗りの間でもストームジブの必要度の考えは様々だ。

 ストームを揚げるような荒れた海でバウにいってストームを揚げるなんてとんでもない。「機帆走で近くの港に逃げ込むよ!」のご意見が大半かも知れないが、いい避難港が風下になく頑張らなくてはならない場面も当然ある。長いクルージングに出る前、万全と思う用意をしておくのは金毘羅さんのお札より心安らぐかも。

 そんな時、元レーサーのベテランヨット乗りから新しいクルージング用のストームジブを作ったから見に来るようにと誘われた。
 ヨットは36f、セールメーカーはノースだ。ストームジブのセットは巻かれたファーリングジブに厚手のダクロンクロスで出来たストームジブのラフを被せるようにして8ヶ所をハンクスで留める。
 ピークに付いたスペクトラのペンダントにスピンハリヤードを繋ぎホイストする。
 セールを見ると、ピーク付近は規則通りオレンジのクロスが貼り付けてある。セールのタックは波を掬わないために長めのペンダントが必要だが、1mくらいのスペクトラのペンダントが付属している。従ってタックペンダントはファーラーのアイに止める。

c0041039_1348176.jpg 右画像はファーラーに被せる場所に使われているハンクス。合計8個使われている。
 昔のジブはみんなこれだった。塩噛みして動きが悪いハンクスに苦労したなと思いながら見ていた。(便利そうな思えるジッパーは強度がなく駄目らしい)

 他にもファーラーの上からストームを揚げる方法はある。また、フォアステイを使わずにディンギーセールのようにラフにワイヤーを入れたストームセールをフライングで揚げる方法もあるそうだが、かなり小型のヨット以外は無理だろう。

 このクルージングヨット用ストームジブは国内で最大手?のノースセールが作ったセールなので、この方法がファーラーの上からストームジブを展開する「日本標準」になるのかも知れないが、まだもっと良いアイデア出てくる可能性は充分ありそうだ。
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by pac3jp | 2008-03-17 13:53 | ヨットの艤装と艤装品  

ストームセール

c0041039_90183.jpg 新たなエリアへクルージングするため、限定沿海から全沿海や近海に航海区域を変更しようとすると、火薬など通常の法定備品のほかに桜マークは必要ないが予備帆(ストームジブ)が必要と定められている。

 そして船検の都度、予備帆のチェックはあるが検査官がストームジブをよく理解してないのか、スピンでも検査を通ったと聞いた事もあるが・・・。

※左のヨットは船検要件ではないトライスルをセットしている。
 でも、【JSAF 外洋 特別規定】ではストームセールについて以下の規定(抜粋)がある。

ストームジブの面積はフォアトライアングルの高さの二乗の面積の5%以下で、ラフがフォアートライアングルの高さの65%以下であること。
●ストームセールは外部から一番見分けやすい色(蛍光色ピンク、もしくはオレンジ、または黄色)の生地で作られるか、セールの両面に一番見分けやすい色のあて布をする事。
ストームジブならびにトライスルにアロマティックポリアミド(ケブラー)、カーボン、もしくはそれに近い繊維は使用してはならない。スペクトラやダイニーマまたはそれに近い材料は許される。
ストームトライスルはブームに関係なく独立してシーティングが可能で、(メインセールのラフ長さ)×(メインセールのフット長さ)の数値の17.5%以下の面積であること。ストームトライスルはヘッドボードとバテンがあってはならない。

 荒天用セイル展開のトレーニング

1.ストームおよびヘビーウェザーセイルを受講者の艇に搭載する。
2.そのセイルはどのようにセットするのか?
3.そのセイルは艇内のどこに詰まれているか?
4.たとえ、穏やかな天候であっても時々 練習することの重要性。
5.ものすごい荒天時、縮帆することで、リグにかかるプレッシャー変化の理解。
6.艇の上を乗り越えるような波は、いい加減に収納している、デッキ上に低く過ぎてセットしている、セイルを 流失させる危険性。
7.ストームセイルに重たい金属のシャックルを付けることの危険性。
8.ストームセイルに目立つ色を使用することの重要性。
9.荒天時にメインセイルを降ろしてブームにラッシングし、トライスルをブームなしでセットすることの重要性。

 以上のように外洋レースに参加するには細かく決められたレギュレーションをクリアしなくてはならないが、クルージング艇では船検の要件をを満たせば検査はOKだ。しかし、安全第一を考えたらJSAF-SRの規定に合致するストームセールが欲しい。

 ボクもストームジブとトライスルは持っているが、特にサイズの指定はしなかったので上記の規定(フォアトライアングルの高さの二乗の面積の5%)で作られているらしく、試しに揚げてみるとかなり大きく感じる。実際の荒天で使うにはジブの5%やトライスルの17.5%はMAXなのでもっと小さく作ったほうが良いように思うし、同感だというヨットマンも多い。

 上の画像はトライスルを揚げて回航してきたレーシングヨット。仕舞い込んだストームセールも時々は点検とハンドリングの習熟も兼ねてマストに展開して見るのもいい考えだ。

【関連記事】1:シーアンカーとドローグ
【関連記事】2:レーダーリフレクター
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by pac3jp | 2008-03-14 09:13 | ヨットの艤装と艤装品  

日本(NIPPON)シーボルト著

 「日本」はシーボルトが1823年から6年間、日本で行った調査を基に、日本と周辺の地理、歴史、文化、風俗、動植物など幅広い分野について豊富な挿絵と共に紹介している。1832年から20年にわたってオランダで出版されたものである。
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 上の挿絵はFIOGO(兵庫)とある。千石船が何隻も帆を休め、人家も多い。江戸時代後期の風景である。この兵庫津は平清盛が築港したといわれ大輪田の泊りの時代から長く栄えてきた湊である。
 和田岬に囲まれた湾内で背景に菊水山らしいのが見えるので南から北の方角を描いた物だろう。

c0041039_1130139.jpg シーボルトといえば有名な愛人「お滝さん」だろう。シーボルト来日間もない時期にシーボルトと同棲するようになり、1827年、娘イネをもうける。イネは成長して、日本初の西洋医学の女性医師として活躍した。

 このいきさつは数々の小説や映画になり物語はよく知られているが、ボクもこの様な「お滝さん」の肖像画を見るのは初めてだ。きりっとした賢そうな顔つきである。

 たまたま、友人とのお喋りの中で、外人好みの日本人女性はどんな人なんだろうと話題になり、オペラになった「蝶々夫人」など思いつく名前を並べていたが、本人の画像がなければ、かって映画に出演していた女優さんをイメージしてしまい信憑性がなくなるし・・・と、言っていた矢先にこの肖像画だ。

c0041039_11321012.jpg この「NIPPON」に描かれた挿絵はシーボルトのお抱え画家が描いたのだろうが、精緻な筆致で美しく書かれて、写真がない時代に資料として役に立つように考えられている。一方、Webで探すと日本人絵師が描いたお滝さんの絵もあったが、描かれた時期が違うのか、少しほっそりと描かれたいる。
 混血で碧眼の美人だったと伝えれるイネの画像は見つからなかった。・・・残念!


 シーボルトは日本から追放されてから30年後に再来日しているが、また、お手伝いさんに手をつけ子供をつくっている。どうも仕事は出来るが、女に手が早い好色な外人だったのかもしれないね。
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by pac3jp | 2008-03-12 11:38 |  

磁気探査中

c0041039_15474463.jpg 近くの船溜まりで磁気探査中と表示した小型の作業船がいつも係留している。今、神戸港内で埋め立て工事はないので、平日の磁気探査の仕事も多分ないのでしょうね。

 以前は港内の防波堤の改修工事や空港島の埋め立て造成工事の前にはこの作業船をよく見かけた。海底にある金属製の危険物を捜しているのだ。それは戦争中、B29から落とされたが爆発しなかった不発弾や、沈んでしまった機雷など危険な物体を探し出して除去するためにきめ細かく海底を探査している。

 水中で見つかった不発弾は海上自衛隊の掃海部隊が処理する。たとえ陸に囲まれた川や池でも海自の仕事になるそうだ。だが、海岸の砂浜などでは陸上自衛隊が処理するという。その線引きはダイバー作業があるかないかで決まるそうだ。

 神戸空港島の着工前、不発弾の爆破処分をした際の報道写真を見たことがあるので、発見された古い爆弾は全て爆破処理をするんだと思っていたが、最近、海自のOBで実際に処理作業に携わった人からお聞きすると、回収した古い爆弾は一定量まとまれば外洋の2000m以上の深海に投棄されていたという。

※海洋汚染を防止する「ロンドン条約九六年議定書」に伴い、不発弾の海洋投棄が平成十九年四月から禁止されている。

 現場で爆破処理をする不発弾や機雷は、動かすと危険なものなどで周囲の漁具や建造物などに爆破の影響が出ない場合に行われるそうだ。予め磁気探査船がマークした位置に民間のダイバーが潜り現物を確認し、処理の前準備をしておく。その後、掃海艇のダイバーが入り起爆装置を外す、あるいは水中処分に決まれば不発弾にプラスッチック爆弾を取り付け遠隔操作で爆破処分する。

 神戸港など重要港湾や関門海峡などは大量の機雷がまかれ、今だその残骸が発見されるが、空港島の磁気探査でも大量の爆発物が発見され地元の掃海艇だけでは手に負えず、呉や横須賀から応援がきて大騒動だったこともあったらしい。そこにはアメリカ製のものではなく国産の砲弾などがどっさり投棄されていた。敗戦のドサクサに処理に困った部隊が神戸港の沖に捨てたのだろうといわれた。当時、その場所に空港が出来るなんて誰も想像出来なかっただろう。

 先年は戦時中、迎撃戦闘機「紫電改」などを製造していた深江の川西航空機(現、新明和工業)近くのマンション工事現場で大きな不発弾が見つかり、JRや阪神電車、幹線道路も長時間通行出来なくて大いに迷惑した。
 陸で物騒な物が見つかれば大変だ。まだ処分がし易い?水中のうちにちゃんと見つけて処分しといてくださいね。
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by pac3jp | 2008-03-10 15:51 | 特殊船