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チーク厚板から柾目板を切り出す

c0041039_11461583.jpg いつもお世話になっているヨット屋さんのヤードに行くと重いチークの厚板が10数枚も積んであった。近く、55fのモーターボートのデッキを張る予定なので製材所で挽いてもらったものだという。

 お話しを聞いていたらデッキに張るチーク材は柾目のものを張るんだとおっしゃる。デッキ材の木目まで気にしてない、いい加減なボクは「そうなんだ」と思いながらよく見ると確かにボクのフネもデッキに張られたチークは柾目材だった。さらに詳しく観察すると板目に近い部分も少しはある。

 今回はこの幅250mm×厚さ50mm×長さ2.5mの厚板からチークの柾目デッキ材(幅50mm×厚さが10mm×長さ2.5m)を切り出すとおっしゃる。ボクは単純に幅と厚さを決めて厚板を挽けば良いと思っていたが、丸太から板目挽きされた厚板は円弧を描いた木目になっている。適当に挽けば柾目もあるが板目の物も出来てしまう。でも丸太から切り出された幅広い板が全部柾目になっているモノは少ないので製材で工夫するそうだ。

 まず、板材の柾目と板目の違いがよく分らない人は、
このWeb→●板目と柾目●の解説を読んでみよう。

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 板によって木目が違う、そして、その木目によって切り出すプランも変わってくる。この厚板(↑画像)から柾目の薄板を切り出そうとすると、こう切るのかなと思ってイメージを書き込んでみた。寸法などは考えてないラフプランだ。両端は横に挽き、中心部は縦に挽けば大体柾目に挽けそうだ。チークは高価な木材なので無駄のないように切り出さないといけないのだ。ちなみにこのチークの厚板は1枚10万円もするそうです。

c0041039_1153781.jpg 4枚積んであった厚板の一番下には濃い目のチーク材がある。チークも天然材料なので育った場所によって色合いや木目も違う。同じデッキでモザイク模様になったら不細工なので一本の丸太から挽かれた材料を使うという。デッキ材もバテンばかりでなくコーナー部分やステップ部分は幅広い材料が必要だ。これは別途で調達してあった。

 職人さんのお仕事を見学するとホント勉強になります。自分がやった訳でもないのに、時々お仕事を見学していただけでも工事が完成した時は、実際うれしいもんですね。これからが楽しみですわ(^^♪
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by pac3jp | 2008-01-30 11:55 | ボート  

少し変わったジャイブプリベンダー

c0041039_14173553.jpg 最近、イギリス製のヨット(28F)がトリガー付きのジャイブプリベンダー(画像左)を装着しているのを見つけた。ボクも初めてみるタイプのプリベンダーだった。商品名は「ブームロック」と表示してあるが機能は多分同じだろう。トリガーでブームの位置を調整するのでしょうね。本体をブームに固定する構造なので音がしないのがいい。

 ヨットは強風で波のある海面を追っ手で走っているとメインセールのワイルドジャイブの危険性はいつもある。真面目に働くオーパイで航海中はひとまず安心だが、集中できない性格のオーナーが操縦するとぐっと危険が増すようだ。

c0041039_14182737.jpg そんなことでボクの仲間のクルージングヨットにもちょくちょく装着されている。それはブームから「ぶら下げる」タイプのジャイブプリベンダー(ブームブレーキの商品名もある)だ。仕組みはテークル(1/4~1/6)でテンション負荷調整して使ったり(画像右)ドラムに巻きつけたロープの摩擦を利用して急激に動こうとするブームを制御をするタイプ(画像下)などある。

c0041039_1420297.jpg ボクも以前はショートハンドで乗る時などよくジャイブプリベンダーを装着していたが、風が弱い時や機帆走の時にブームからぶら下がって「ガチャ、ガチャ」と音がして、やかましくて嫌だった。そして、最近は近場のクルージング中では必要な時のみ、スナップシャックル付きのロープで、ブームのアイから直接デッキのセンタークリートに繋いでいる。ジャイブの度に外す手間はいるが、なにより静かなのが良い。

ワイルドジャイブをするとリグの破損やクルーの怪我など起きやすいが予防する手は
1.真追手にしない。
2.早めに縮帆してヨットの動揺を抑える
3.波をよく見る。
4.ジャイブプリベンダーを取り付ける・・・などが思いつく。

 充分に予防処置をしていても、万が一、ワイルドジャイブが起こってしまえば、ジャイブプリペンダー本来の効果を期待できるのでショートハンドでクルージングするヨットには保険?の意味でも必需品かな。
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by pac3jp | 2008-01-28 14:26 | ヨットの艤装と艤装品  

エキストラ オルタネーターあれこれ

 ヨットハーバーの近くが主なクルージングエリヤだったり、いつも機帆走しているクルージングヨットなどはオリジナルのオルタネーターでことは足りているだろうが、真夏のクルージングでにオンザロックを飲みたいとか、アイスクリームを食べたいなど贅沢な事を考えると高性能な冷凍・冷蔵庫が必要になってくる。また、それを動かす大きめの電力システムがいる。そして、大容量のバッテリーとそれに見合う追加のオルタネーターが必要だ。

 ボクもクルージングはするが贅沢は唯一つ、「キンキン」は最高の贅沢だが「まぁまぁ冷えたビール」が飲めたら幸せなので、エキストラオルタネーターの必要はなかった。

 外洋を長期間クルージングするヨットは航海中の電力をオルタネーター、ソーラーパネル、風力発電機などから賄っているが一番信頼度が高いのは定期的に運転する必要があるエンジンに付属するオルタネーターだろう。

c0041039_9245827.jpg 昨年このハーバーに寄港した何隻かのロングクルージングヨットのエキストラ オルタネーターを見せてもらった。
 左の画像はオーストラリア人が乗るドイツ製43f位のセンターコックピットタイプスチールヨットのゆったりしたエンジンルームだ。特に苦労なしに60hp程のエンジン(ボルボ)の右舷側に白い大型のオルタネーターが取り付けられている。画像下側に標準のオルタネーターが付いているが大型に換装されている。


c0041039_9251698.jpg 右の画像は同じくドイツ人が乗るフランス製45fのセンターコックピットだ。エンジンルームはこのフネも広い。エンジンは日本でダイヤからMAZDAの3.0Lに換装したそうだ。オルタネーターは標準タイプがエンジン前部に付いているがエキストラ オルタネーターはエンジン後部に大型タイプが付いている。プロペラシャフトから駆動しているのかとも思ったが、どうも、シャフトとは別のパワーアウトプットに繋がっているようだ。そういえばMAZDAのタイタンなどのトラックにはダンプの油圧ポンプ等を駆動するシャフトがあった。このヨットは全ての電力はオルタネーターから得ている。現在はアラスカで越冬中(ソーラーではきっと駄目でしょうね)

 このようにクルージング専用に設計されたヨットのエンジンルームは比較的広いので追加のオルタネーターも割りに簡単に取り付けできるが、普通のプロダクションヨットはエンジンルームの大きさよりも、営業的にはキャビンの居住性を最優先するので、狭いエンジンルームに追加の機器を取り付けるのは工夫がいる。

c0041039_9255086.jpg 画像はタヒチからやってきたジャヌー43fのエンジンルームだ。コンパニオンウェイのステップを外すと出てくる普通のタイプ。標準のオルタネーターはプーリもヤンマー標準のようでスターター専用だろう。大口径のプーリで駆動される下側のエクストラ オルタネーターも防音材に埋まるようにして窮屈についている。このヨットは南太平洋発のヨットなので大きめのソーラーパネルが数多く付いていた。

 ヨットで消費する電力はそのフネで暮らす家族(クルー)のクルージングスタイルによって決まるのでしょうね。でも、最近のクルージングヨットは最低でも2台のオルタネーターは付いているようです。
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by pac3jp | 2008-01-25 09:29 | ヨットの艤装と艤装品  

ヨットでウオッシュレット part2

 前回(1/11)はヨットに既設のトイレをウオッシュレットが取り付けられる電動トイレに改造した例をご紹介したが、今回は国産ヨットビルダーが建造時に取り付けたウオッシュレットを見せてもらったのであわせて紹介しよう。

 ヨットは小豆島・岡崎造船が建造した「ブリアン32」、個室トイレに電動トイレとウオッシュレットが上手くセットされている。
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画像1.ウオッシュレットが閉まった状態の外観。メーカーは松下電工
画像2.ウオッシュレットを開いた状態。ウオッシュレットの便座がしっかりと載るためのFRP製のアダプターが付けられている。ビルダーが一番苦心したところだとか・・・。
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画像3.そのアダプターベースを下から見たところ。陶器のトイレボールにアダプターベースをシリコンで接着しているように見える。
画像4.マセレーターポンプ。このトイレはこの1台のポンプで海水吸入と粉砕・排出処理をする。

 ウオッシュレットでも建造前から計画しておけば部材の選定から、クルーの背丈に合わせた便座の高さまでチョイスできるし、スマートできれいに納まっていますね。

 電動トイレの話題が出ると必ず「ポンプの作動音の大きさはなんとかならないの?」というご意見が必ず出てくる。住宅用でも昔は大きな音がしていたが、この頃は大分静かになってきたようだ。
 マリントイレも高級なヨットやボートに付いている物は多分静かに流れると思うが、残念ながらボクにはそれを体験する機会はいまだに来ないが、皆さん、その内静かなトイレが出来ますよ。もう暫くご辛抱ください。
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by pac3jp | 2008-01-23 09:35 | ヨットの艤装と艤装品  

韓国人のヨット

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 昨年末から3週間ほどハーバーの作業ヤードに少し古いタイプのホルベルグラッシー352が上架されていた。右舷のスプレッダーに日の丸があがっていて、スターンにはドイツ国旗が翻っている。船尾のアーチにソーラーパネルがあり、風力発電機がクルクルと回っている。典型的なロングクルージング中のヨットである。でも、船底は長く上架されていたようにきれいだし、ドイツ人らしいオーナーの姿も見かけない。

 ヨット業者が新しいレーダーを追加したり、バウスラスターの新設工事などをしている。このHR352はセミロングキールなのでスラスタの必要性は認めるが、ロングクルージング中にこんな工事をしているヨットは珍しいなと思ってみていた。

 先週土曜日、いつものようにハーバーに出勤?すると、そのドイツ艇はもう既に出航してハーバーには居なかった。横で作業していた業者さんに聞くと「今日は下関くらいかな?」と言っていた。外来艇の事情に詳しい知り合いに改めて聞くと、このヨットはドイツに住んでいる韓国人がオーナーで向こうで乗っていたフネだという。そのオーナーが北欧の海から大西洋・太平洋を渡るロングクルージングで故郷に帰る旅に出たが、目的は叶わず、ヨットは何処かの港からデッキ積みで日本に送られてきたそうだ。
 そしてクルージング中に懸案だった工事を完了して、先週、故国へ向かって旅立っていったのだ。もうここから韓国は近い。早ければもう着いているかも知れないね。

c0041039_1152342.jpg ちょっと気になった装備
 右舷スターンのオーナーズシートの裏に付けられたアンカーラインとホイール。巻き取るときに縺れないかと思うが収納場所としては名案。


参考 以前の記事から:大型カタマランヨット「レディ アリア」
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by pac3jp | 2008-01-21 11:15 | ウオッチング  

不法係留権?

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 西宮浜ボートパーク施設は昨年3月末に完成したが、管理者と使用者側のミスマッチで、出来上がった施設をまた税金で手直することになったという。
 最近、遠くから見ると西宮浜ボートパーク方面に大分マストの数が増えてきたので、久し振りに見にいった。
 近くの西宮大橋から見下ろすと、多すぎるなと思っていた小型ボート用の華奢な桟橋の数は減っている。そして、以前は狭い間隔で打ってあった杭が一本おきに間引かれて広々している。でも、そこに30fクラスのヨットが2隻入っているが、なんか中途半端な間隔に見える。
 それに役所と交渉して杭まで抜いてもらっているのにボートパークに移転しているのは全体の1~2割くらいだろうか、まだ35隻だけだ。

 西宮ボートパークは周辺の港域で不法係留しているプレジャーボートを収容する為の施設なので、この係留料金の安いマリーナに係留しようと思ったらまず、「不法係留」をして役所から「不法係留プレジャーボート」と認められる必要があるのだ。

こんな話しを聞いた。

 沖には長い一文字防波堤があり、埋立地に囲まれて波も入らない奥まった場所に短い防波堤がある。漁船も作業船もいなくて何の為に作った波止か知らないが5~6隻のフネを止めるスペースはある。既に数杯の手入れの悪いヨットやボートが繋がれている。付近に住宅もなく少し無用心だが、仕切屋のようなうるさそうなオッサンも見かけない。只で係留するには格好の泊地だった。

 ある日、フネに行って見ると役所から「貴方のヨットは不法係留です」という紙が貼ってあった。ラッキー!これでボートパークに入れる「不法係留権?」をゲットできたのだ。
 只よりは高いが、ちゃんと公から認められ、胸を張って船を保管できると喜んでいた。・・・と。

 だが、もっと安くなければ移転は「絶対嫌だ」という人もいるので、いずれ空きスペースはでてくるはずだ。その時まで暫く待てば、変な権利?を確保しなくても、きっと入れるのでしょうね。
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by pac3jp | 2008-01-18 07:28 | ウオッチング  

「秘密兵器」風船爆弾の高度保持装置

c0041039_12582714.jpg 太平洋戦争末期に旧日本軍が和紙をコンニャクのりで張り合わした風船爆弾を飛ばし、アメリカ本土を攻撃したと前から聞いていたが、つい、イベントで飛ばしているヘリウム風船を連想してしまい、あんなもんがよくアメリカまで飛んだもんだと思っていた。

 今日、地元新聞に 風船爆弾の「中枢」寄贈 という記事を見て、やっぱり気球の高度保持や爆弾を投下する制御装置がついていたのだと当たり前だが、やっと納得した。


 この初めて見つかった現物の高度保持装置(右下の画像)は縦8cm、横7cmの大きさで気圧の変化を感知するセンサー「空盒」(くうごう)も残っている。その機能は爆弾を吊った気球からガスが抜け、気球が降下すると、空盒が縮んで電流と熱が発生、砂袋を吊るした麻糸が焼ききられ、再び上昇する仕組みになっている。気球は二昼夜、上昇と下降を繰り返した後、気球爆破用火薬に点火し、爆弾を投下するように設計されていたという。
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 風船爆弾は水素ガスを充填した直径10mの気球に250kg爆弾を吊り下げ、日本上空からジェット気流に乗せ太平洋を40~50時間、高度8000m以上を保ち一万キロ以上飛ばしアメリカ本土に爆弾や焼夷弾を落としたのだ。
 風船は太平洋の制海権も制空権もなくなった1944年秋から翌年4月まで九千を越える数を打ち上げ、季節によるジェット気流の変化でアメリカ西部・中部・デトロイト・メキシコまで飛んだという。飛行制御装置がなければとても出来ないだろう。
 でも、この爆弾は全てがアメリカまで届いた訳ではなく、約1割の1000個と言われているが300個位だとの説もある。音もなく飛んできて爆弾を落とす風船兵器にアメリカ市民は驚いたがオレゴン州で6人が死亡したのがアメリカ側で唯一の被害だった。

 当時、アメリカはジェット気流の存在を知らず気球がどうして飛んでくるのか不思議だったらしい。このアイデアは抜群だったが心理効果のみで戦果がないので人を乗せ特攻兵器にしようという計画もあったそうだがこれは実現しなかった。
 一方、この装置を発見する動機になった、現場で実際に風船製造の突貫作業に動員された女学生や一般市民の苦労はさぞかし大変だったろうと思う。


参考 以前の記事から:アメリカ大陸を爆撃した潜水艦 
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by pac3jp | 2008-01-16 13:15 | 徒然に  

OFFSHORE CRUISING ENCYCLOPEDIA (本)

c0041039_9384988.jpg まだヨットを始めて間もない頃、町の本屋さんで「ヨット入門」なんて本を買って勉強した経験は皆さんお持ちだろうと思う。内容は入門書なので広い範囲を易しく書いてあるが、もうちょっと知りたいと思うことは書いてない。その後は自分の体験とヨット雑誌の特集などで断片的な知識を積み上げ、周りの先輩やヨット業者などから教えられた事を加え、段々と一人前のヨットマンになってゆく。

 ヨットのクルージング航海記は沢山出版されているが、クルージングに適したヨットのデザイン・構造から艤装・運航まで体系的に解説した本は少ない。舵社から10数年位前にジエームス・D・ハワードの「サクセスフル クルージング 上下2巻」は出ているが、その後はこのタイプの本はないようだ。

 一方、アメリカでは各種のボートハンドリングやシーマンシップの解説本は沢山発売されている。最近友人がお持ちの「オフショア クルージング エンサイクロペディア」 セコンドエディション(英文)をお借りした。 
 この本は外洋クルージングを目指すヨットマンを対象に書かれた1230ページ、2200項目に2500個の写真やイラストで説明がつく分厚いオフショアクルージングの解説書だ。販売価格 89.95ドル 内容など詳しくはSetsailをクリックしてみて下さい。

 各項目にかなり詳しい解説があるが↓画像は「スイムミングラダー」に関するページで15枚の画像と前のページの2枚と加えて17枚の画像付けで説明している。
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 ↓画像はクルージングの必需品オーニングに関する項目で大きなイラストで各種ヨットのオーニングを紹介、或は解説している。
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c0041039_941689.jpg もう一冊ボクが持っている英文の本がある。「チャップマン プロッテイング」副題にシーマンシップ・スモールボートハンドリングとある。内容は一般的なセールボートやモーターボートの技術解説本で特にロングクルージングを目指した物ではなく「62nd EDITION」と書いてあるのでかなり昔から回を重ねて読まれてきたアメリカ人のヨット入門書かもしれないね。

 アメリカで出版されるヨット雑誌も以前はよく買っていたが、日本の雑誌に比べて内容が豊富で価格が安い。日本の雑誌は紙が良くて印刷はキレイだが内容がねぇ・・・。でも、日本語で書かれているのでよ~く理解できる。
 残念ながら、ボクは英語で書かれた本は苦手で全ての内容が理解できてはいないが、イラストや画像が多く入っていて文盲?の外国人にも分りやすい編集になっているので大いに助かっているなぁ(^^♪

 これからロングクルージングをしてみようと思っているヨットマン、あるいはスキルアップを目指しているヨット乗りの皆さんには一度「OFFSHORE CRUISING ENCYCLOPEDIA」を読んで見られることをお勧めする。
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by pac3jp | 2008-01-15 09:50 |  

ヨットで本物のウオッシュレットを使う!

 ウオッシュレットの快適さは外国人には理解出来ないようだが、日本人はこれが大好きだ。ヨットハーバーにも1ヶ所だけあるが使用中も多く折角行ったのに目的を果たせなかったこともあった。

 ヨットでも国内のヨットビルダーならオプションで付けてくれそうだが、輸入艇ではこちらで改造して取り付けなくてはならない。最近は家庭用のウオッシュレットが付いたヨットも増えてきたようだが、ボクの仲間ではまだ誰も装備していない。

 そんな折、YAMAHA26の電動トイレにウオッシュレットをつけたよ、と聞いたので見せてもらってきた。
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画像1.ウオッシュレットのフタが閉じた外観です。
画像2.使用可能な状態。
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画像3.キャビン内に設置されたトイレのボール内の換気ダクトの取り付け状態。(このヤマハ26は個室トイレではない)奥に海水吸入ポンプと排出ポンプのSWが見える。
画像4.ウオッシュレットを持ち上げた状態。マリントイレの大きさに注意。排気ダクトの取り付け部が見える。
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画像5.排気ダクトのFRP製デッキフィッチング
画像6.トイレ背面の海水吸入ポンプ(左)とマセレーターポンプ(粉砕排水ポンプ)とホース類。

 各アイテムの選択は
●マリントイレ:ウオッシュレットのサイズに合いそうな家庭用サイズで楕円形のSL400(シンプソンローレンス)を選ぶ。幅400mm×奥行500mm
●排出ポンプ:12V用マセレーターポンプ(ジャバスコ社)
●海水ポンプ:12V用(給水用)
●ウオッシュレット:TOTO TCF-303VE AC 100V

■ウオッシュレットへの給水は艇内清水回路から接続する。温水の洗浄水は使用されると自動的に清水から補充され加熱・保温される。電気の消費量は最大300W位なので100V 500Wインバーターより給電する。
■海水の流れは:給水口→ 海水ポンプ→ トイレボール→ マセレーターポンプ→ 艇外排出となる。
■トイレボールの洗浄は2台のポンプが同時に回るが、排出ポンプの能力が吸入ポンプの水量を上回っているのでボールから溢れることはない。
■工事の注意点は
1.マセレーターポンプはトイレより少し低い場所に取り付ける。
2.トイレが水線下にある場合は給排水の配管でサイフォン現象が起こらないようにセットする。

 このヨットの場合、家庭用サイズのトイレを選ぶ際に手動トイレから選んだのでポンプ類が別置きとなっているが、最初から電動ポンプ一体型のマリントイレを選べばウオッシュレットを取り付けて、清水と100V電源を接続すれば完成する。そして、必要ならば排気装置を追加すればいいので工事は大分簡単になる。

 このYAMAHA26は電動トイレにウオッシュレットまでセットしているが、まだ実際にクルージングでの運用テストをしていないので電源容量などの問題もでそうだが・・・。
 でも「エンジン命」といつも機帆走で走っているフネだとそう問題はないのかなぁ~。


参考:以前の記事から1.ヨットでウオッシュレット
          2.ヨットのデンキモノはどこまで増えるの?
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by pac3jp | 2008-01-11 10:19 | ヨットの艤装と艤装品  

省エネ帆装船の今昔(2)

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 上の画像の499トン型貨物船は「カルビー・ポテト丸」である。面白い船名を持つ船として船好きの中では有名らしい。昨年、神戸港・六アイのマースクバースの沖で碇泊中にボクも近くを通りかかり、面白い名前の船だと思い写真に撮った。コンテナを積んでいるがジャガイモ輸送の専用船という。

 省エネ帆装船と全く関係がなさそうだが、実はこの船の先代「カルビー・ポテト丸」が1984年に大分・三浦造船所でディーゼルエンジン推進の補機としてコンピューター制御の硬質な帆を持つ帆装貨物船として建造されたと同社の建造記録の中にあったのだ。

 第1次、第2次のオイルショックに伴う燃料価格の高騰で船舶の省力・省エネ技術で競争力の向上が叫ばれ、1980年代には官民あげて新型船の開発が進められた。

 最初に現れたのが【操帆タンカー “新愛徳丸” 1980年】だった。

“新愛徳丸”は昭和55年(1980)に竣工した世界で最初の、操帆に人手を必要としない省エネ帆装商船の実用化第一船です。燃料消費を節約するために自然の風力エネルギーを利用するもので、財団法人日本船舶振興会の援助を受けて財団法人日本舶用機器開発協会が研究開発し、実用化にこぎつけたものです。操帆の自動化をはじめとして、船型やプロペラ、エンジンなどにも改善を行い、同型の在来船と比較して、約50%も燃料の節約をすることができました。

c0041039_9541379.jpgトン数 699.19総トン  1,499載貨重量トン
全長 63.85メートル
幅(型)10.60メートル
深さ(型)5.20メートル
主機 ディーゼル1,600馬力 1基
速力(航海) 12.0ノット  
乗組員 8名
建造年 昭和55年(1980)9月
建造所 今村造船所

(日本財団図書館より引用)


c0041039_1011559.jpg もう大分昔になるが、この金属製のセイルを持つ内航タンカーの姿は時々、西宮・尼崎の沖で碇泊しているのを見たことがある。当時は2万トンクラスのバラ積み船(画像右)、内航貨物船、マグロ延縄漁船など国の補助金も付いたのだろうか、省エネブームに乗って次々と建造された。

 だが、実際に運航してみると50%も燃料を節約できると謳われたが、実際の燃料費節減は10%位だったり、帆装に関わるスペースやそのメンテナンスの費用が予想外にかかり営業的には成功したモデルではなかったのだろうと、ボクは想像している。やがて、神戸港の沖でも四角いセイルをつけた貨物船を見かけることはなくなった。

 それらの機帆船の行く末はどうなったのか分らない。上の画像の「カルビー・ポテト丸」も先代と同じ大きさなのでマストを外して改装したのだろうかとも思ったが、調べると全く新しく建造された船だった。
 スピードとコストが勝負の貨物輸送の業界で当分はセイルが補機で出てくることはなさそうだが、地球環境や自然保護の意識の高い乗客を呼び込める客船などでセイルのついた省エネ帆装船が活躍する場面は今後充分あるのあるのでしょうね。
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by pac3jp | 2008-01-09 10:10 | 帆船