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セルフタッキングジブ

c0041039_1510773.jpg 最近、ボクと同じ桟橋にまだ船名も書かれてない新艇らしきヨットが係留している。「Hanse342」と表示がある。オーナーらしき人物も見かけないのでディラーが一時保管しているのかも知れない。

 このヨットはドイツで建造されたヨットで全艇種にセルフタッキングジブが標準で装備されているらしい。「hanse342」にもファーリングされた小さいジブとマスト前にセルフタック用のジブトラックが付いている。普通、ファーリングされたジブからは左右両舷に2本のジブシートが出ているが、このジブからは1本だけジブシートが出ている。

ジブシートがリードされている経路は

1.ジブのエンドからジブトラックのブロックへ。
2.ジブブロックからマストの第2スプレッダー上約1m上のマストシーブへ。(ちょっと見えにくいがデッキライトとスプレッダーの間くらい)
.マスト内を引き下ろし、マスト下付近からマストステップに並んだブロックへ。
4.そして、デッキ上をリードされコクピットのウインチへとリードされている。

 このジブシートで「あれ!」と思ったのがジブトラックからかなり高い場所にリードされていたことだった。あんなに高いところにリードするとロープも無駄だし、マスト付近にシートがブラブラして邪魔になるなと思っていた。もう一隻、セルフッタキングのヨットを参考にしようと近くの古いデヘラー36と比べると、「ハンゼ342」程高い位置ではないが、それでもスプレッダー下50cmぐらいの高さにマストシーブがついていた。

c0041039_15131814.jpg ボクはセルフタッキングのヨットに乗ったことがないので経験者にお聞きすると、低い位置でリードされたセルフタッキングジブはジブシートに風に合わせたテンションを加えると、自由に動くトラック上のブロックがセンターに寄りすぎ、セールが開かず効率が落ちる。あの位の高さにリードして丁度良い、との返事。

 シングルハンドでも上りのコースを走っていると何の造作もなくタックが出来て大変便利だが、フリーになるとパワー不足を感じるのかこのヨットにはバウにジェネカー用のポールが付いていたし、コクピット両舷にはジェノア用の大きなシートウインチも装備してあった。

 そういえば電動ウインチ1台で全てのコントロールロープを操作できた先進のデヘラー36は大きなメインに小さなセルフタッキングジブが省力装備だったのだ。でも小さいジブで帆走っているのは見たことないなぁ~。いつも紋入りのでかいジェノアが目立っていたわ。
 でも、最近は小さいのが復活しているかも知れないネ。
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by pac3jp | 2007-12-28 15:19 | ヨットの艤装と艤装品  

セールボートのキール part2

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 先週、キールを取り外して修理しているヨットの記事を書いたが、年式は新しいが、同じビルダーで建造された36フィートのヨットをお持ちのオーナーさんがキャビンテーブルや床板を外してキール取り付け部の点検をされた。ついでにキールボルトの締め増し行うという。

 ↑画像はキール取り付けフロアを上から撮った画像である。キール付近を強化するインナーハルのフレームが通っている。キールは16mmのSUSボルト11本で取り付けられている。うち、最前部のボルトには避雷用のマストアースが接続されていた。

c0041039_11142483.jpg 艇内のビルジは全てキール中央部の10cm角×深さ10cm位のビルジ溜まり集まる。船体と一体に成型されているようだ。ここには電動ビルジポンプのサクションホースが差し込まれていた。同じく隣には手動ビルジポンプのフィルターが見える。この部分でキャビン床下までの深さは20cmくらいか。

 プロダクションヨットでは同じ方法で建造するビルダーも多いので画像のようにキールを取り付けているヨットはよく見る。昔のヨットは簡単にキールボルトも点検できたが、最近のクルージングヨットはキャビン内に立派な造作があるので点検しにくいヨットもありそうだ。

 一方、このハーバーのレーサー達に人気のあるXヨット社のキールは「亜鉛メッキの鋼鉄ガーダーシステム」と言われる構造になっている。

c0041039_11144797.jpg 鋼鉄のフレームが艇体にFRPで固定されマスト・キール・リギンの力を受けとめて、車で言えばフレームの役目を果している。計算では2Gの急停止(例えれば、9.5ノットのスピードを60センチで停止しても、艇体の構造には損傷が発生しない)に耐えることが出来る。  (135°E さんのWebより引用)

 ←画像はボクの仲間の38フィートのクラブレーサーのキール取り付け部分だ。亜鉛メッキのガーダーの手前側はマストステップである。その先に30cm×15cm×深さ20cm位のビルジ溜まりが見える。これはハルから小さな逆台形(キール様)の突起物とし艇外に出ているが、バラストキールの切り欠け部と合わせて一体にFRP積層されているので外からは勿論見えない。

 このようにヨットのキールはデザイナーやビルダーによってキールの材質・形状や取り付け方法も様々である。材質もよく、強度もあり、しっかりと手間の掛かった構造になっているフネは当然船価も高いということでしょうね。
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by pac3jp | 2007-12-26 11:20 | ヨットの艤装と艤装品  

今年もハーバー恒例のイルミネーション始まる!

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 12月23日(日)午後、ハーバーのイルミネーションイベントに参加する各艇がビジター桟橋に集まりだした。ボクの仲間も2隻参加している。そして、忙しそうに飾り付けしている各艇のご様子を見学させてもらってきた。


c0041039_120168.jpg エントリーナンバー3番のヨットはイルミネーションイベントの常連である。これは彼らグループの年末・年始イベントの中で最初の催しのようだ。まづ、前夜、久しぶりに集まったメンバーで最初の宴会が始まる。翌日、二日酔い気味でも毎年同じようなイルミネーションなので手際よく飾り付けは捗る。お仕事が忙しいメンバーは仕事に戻り、ご家庭大事なまじめご主人は帰宅する。特に予定のないメンバーは電飾を調整したり付近を眺めながら見物人が入る夕方を待っている。

 エントリーナンバー4番のヨットは、オーナー自身がイルミネーションを点けるのが大好きらしい。定係バースはボクの2隻隣だが、ほとんど一年中大きな星型のイルミネーションをマストの上でピカピカと光らせている。セーリングに出るには電源ケーブルを外し、マストトップのイルミネーションを引き下ろし、スターンのビミニのフレームに縛り付ける手間がいる。でも大して気にもしてないようだ。

c0041039_1291687.jpg 今日は皆さんと並んでイルミネーションを競う場面になったので、いつもの星型に加えハーバーから貸してもらえる電飾材料とそれ以外に赤や青のイルミネーションを自宅から持ち込んで盛大に飾り付けている。点滅させる制御回路も新しいものにするとかおっしゃっていたが・・・。


 夕方になるとまず10人くらいのアマチュアカメラマンがハーバーウォークに三脚を並べだした。「すごくキレイだった」と、聞いてきたたのに「これだけ(7隻)ですか?」の感想も聞こえてくる。

 周りが真っ暗になってくるとイルミネーションの輝きが増し、ビジター桟橋におばさんグループや若いカップルなどが次々と見物にやってくる。遠くからカメラ画像に入れようとするとちょっと寂しいが桟橋を歩いて見るとそう捨てたものでもない。

 確かに大型のヨットにイルミネーションを盛大に飾れば見栄えがするが、反対に小型のヨットは分が悪い。毎年一番人気の大型ヨットはセンターハウス前でイルミネーションを輝かせ、もっぱらレストランの食事客にサービスしているかのようだった。
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by pac3jp | 2007-12-24 12:03 | ウオッチング  

スプレッダーの長さ

 ヨットは大型で帆走性能がいいフネほど高いマストを持っている。最近は50fの外洋レーサーと言ってもインショアのブイ周りレースしか出ないレーサーが多くなってきた。長距離の外洋レースがなくなったこともあるが、それ用に艤装され外洋レース艇も見かけなくなってきた昨今だが、今、ここのハーバーで一番高いマストを持っているのは、世界一周レースなどに出ていた60fクラスの古い外洋レーサーが係留している。

c0041039_10272549.jpg その高いマストの前後を支えるのはフォアスティとバックスティだ。また、左右を固めるのが幾組かのスプレッダーとワイヤーで組まれた何本かのサイドスティで支えられている。両舷シュラウドのデッキ支点をヨットの最大幅付近で取れたら力学的?に最も効率がいい。セルフタッキング仕様になっているヨットなどは殆どがBMAXから取っている。

 でも、大きなヘッドセールを引き込む場合、セールがシュラウドに当ってしまい、上りの角度がとれないのだ。普通のクルージング用ヨットならば引っ込み角度を犠牲にしてステイの幅はやや妥協して広めになっている。レースをよくするレーサーやクラブレーサーなどは少し狭くセットされ、ジブが一杯引き込めるようになっているようだ。

 この大型レーサーのマストは4組のスプレッダーで支えられている。シュラウドはヨットの最大幅付近でデッキと結合されている。でも、一番下、4番目のスプレッダーはかなり短い(↑画像参照)。後ろから見ると上から3番目のスプレッダーとデッキの間にジブのクリューが通るスペースがあるのだ。よく見るとジブのトラックもその部分を通っている。これでジブの引っ込み角度を確保しているのだ。

 もっとエリアの大きいジブはどうするのだろうとも思うがセールをリグに合わせて作る事も可能ですよね。

 ボクも何度かこのヨットを見ていたがスプレッダーの長さの違いは気がつかなかった。教えてくれたのは昔から仲間のヨット乗りだ。彼は外洋航海の経験も豊かだが「ヨットオタク」のランキングがあるならば、きっとナンバーワン違いなしだろう。
 ボクも仲間から「あんたオタクやなぁ」と言われているが、まだまだ足元にも及ばない。いつも大先輩から貴重なご意見を拝聴し、時々はネタにさせてもらっている。・・・感謝!!

このヨットを話題にした以前の記事:キールに付ける保護亜鉛(ジンク)
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by pac3jp | 2007-12-21 10:29 | ヨットの艤装と艤装品  

FURUNOの実験艇2隻

 ボクのヨットもFURUNOの航海機器としてはGPSとマリンレーダーの2台が設置されている。このハーバーに係留されている多くのヨットやボートにもFURUNO製品が付いている事だろう。舶用電子機器のメーカー古野電気はこの西宮市に本拠地を置いている。ハーバーの近くにも事業所がある。そんな関係で、知り合いがFURUNOに勤めていたり、ウチのフネにも昔は若いエンジニアがクルーで乗っていた頃があったり、割りに昔から親近感のある会社だった。

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 ヨットハーバーの駐車場から最も近い一等場所に紺の船体、白いブリッジの「スピリッツ・オブ・フルノ」が係留されている。ボクがハーバーにゆく土、日は大抵、業務はお休みのようで乗組員の姿は見えない。だが、このボートはFURUNOの実験艇なので時々は新製品らしい目新しいアンテナなどが大型架台に取けられているのでいつも注意して見ている。
 マストに以前はオープンタイプのサテライトコンパスアンテナがついていたが、先週末はサテコンはレド-ムタイプが架台に載っていた。

 このフネに乗ると「乗船手当てが付くんです」と以前にいたクルー氏が言うと「へー!うらやましいなぁ~」と皆が口を揃えていっていたけど、お仕事なんで当然ですよね。
 この「スピリッツ・オブ・フルノ」は立派な名前を持っているが全く速度は遅いらしい。エンジンを替えたのに遅くなったなど言っていたのを聞いたことがある。

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 大型のフィッシャーマン用に高価なナビゲーションシステムや高級な魚探やオーパイを開発しているのに商品をテストするフネが鈍足の排水型ではちょっと具合が悪いのか2年ほど前にアメリカ製で高速の新実験艇、ハトラス45コンバーチブルの「ペガサス」が大型バースに入ってきた。このフネはいつも歩いているハーバーウォークからは見えない場所にあるので最近、近くで見せてもらった。ボートの一番よく揺れるバウデッキに背の高い架台が2基載っている。これで振動テストをすれば完璧?だなと思う。

c0041039_7154670.jpg ツナタワーの上部に8本の各種アンテナが付いているが衛星アンテナドームのような物が目立って見える。インマルサットのアンテナのようだがカラーリングがちょっと違うな。
はて何だろう・・・。

 春のボートショウを目指して今や工場では新製品の開発が最終段階に来ているのだろう。きっと海上テストもやるので、よく見とけば目新しいものが発見できるかも知れないネ。
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by pac3jp | 2007-12-19 07:25 | ウオッチング  

セールボートのキール

c0041039_13455117.jpg 修理の為にキールを外したヨットはマストも抜き取られて横の架台によくおいてある。キールを外すのにマストが邪魔になるんだとボクはかんたんにそう思っていたのだが・・・。
 キールを外すほどの座礁事故をした経験もないので、ついうっかりそう思っていたが、ヨットのキールを取り外す時はマストも船体から必ず抜き取らなくてはならないのだ。キールはバラストキールともいわれ、この重いキールで高いマストに風を受けて走るヨットの重心を低い位置に保っているのだ。陸上でもキールだけ外すとマストに当る風圧とその重量でヨットはトップヘビーになり風が吹くと船台から転げ落ちてしまうのだ。

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 昨日、ヤードでキールを取り外している41fのクルージングヨットがいた。鋳鉄キールに座礁した傷跡もない。取り外したキールを上から覗いて見ると珍しい物が見えた。それはキールに縦に掘られたビルジ溜まりだった。直径は12cmくらいか、深さは20cmくらいまでは見えるがビルジが溜まっていて底は見えなかった。キール付近に造るビルジ溜めは船体と一体で造られているのが多いと思うがデザイナーによって様々だね。

 キールが外された船底を見るとビルジを落とし込む穴がぽっかりと開いている。船底のFRP厚さは2cmくらいか、重いキールを取り付けるにはちょっと薄いかなとも思うがキールを支える構造が外からはわからないの何ともいえないが、眺めていると船底からアカが漏る理由はボクでもなんとなく想像できる。

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 付近にもう一つ対照的にも見えるキールがパレットに載って置いてあった。これも同じく41fのキールだがこれは純レーサーのものである。
 30mmは充分あるだろう分厚く幅広い頑丈な鋼板に鉛のキールが付いている。船体の方はキールのベースが表面に出ないよう沈めて成型してある。取り付けた後はハルとキールはFRPで一体に積層されるのだろう。前記のクルージングヨットに比べ格段の強度がありそうなのは素人目にもわかる。このレーサーは座礁でも、アカ漏れでもなく、性能向上のためにキールを交換するらしい。

c0041039_13431390.jpg 浅いハルのヨットは帆走性能は良いが、ビルジが出るとヒールの度にキャビンフロアーをビルジが流れて大変だ。その点、深い船体を持つヨットはスピードは出ないがビルジが暴れる心配はない。
 以下ご参考に、重いHR社のクルージングヨットのキール取り付け部とビルジ溜まりのカタログイメージをコピーして掲載しておきます。
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by pac3jp | 2007-12-17 13:53 | ヨットの艤装と艤装品  

艦船の搭載艇あれこれ

 先日、神戸港開港140年の記念イベントで日本丸と海王丸の2隻が並んで停泊していた。ボク達は海上からこの姉妹船を見物したが、船名を確かめるまでどのフネが日本丸だか分らない位そっくりだ。最初に気がついたのは船首像が違うことだが、もう少し注意して見るとボート・ダビットに吊られた搭戴艇が違っていた。
 下の画像は日本丸のカッターだ。全く動力はなくオールで漕ぐライフボートである。
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 一方、海王丸に搭戴されているライフボートはエンジンが搭載された動力艇(↑画像)である。色も船体と同じく白く塗られていて船尾にガードで囲まれたプロペラが見える。
 本船に搭載される子ブネは親船の性格を凝縮されて作られていると言う。

 これらの帆船は、これから船舶の運航に関わる職業に就こうとしている若い学生たちが航海訓練につかう船である。帆船にはオールで漕ぐボートがよく似合うが、沖がかりで碇泊していると陸との連絡がちょっと不便でもある。サブアンカーワークでも機動力があれば手早くできる。海王丸は富山湾の事故のあと動力艇に変更されたのだろうか。

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 ↑巡視船「せっつ」の搭戴艇は海難救助も出来る高速のジェットボート(左舷)が1隻と普通の動力艇(右舷↑画像)1隻とオールで漕ぐカッター(両舷)が2隻の合計4隻の搭戴艇を持っている。沖で碇泊している「せっつ」の周りでよく見るのはやっぱり高速艇の方だ。しっかりとカバーが掛かったカッターはいつ使うのでしょうか。もしかして、春に新人の海上保安官が配属されてきた時、彼らの訓練のために積んでいるのでしようかね。ヘリ搭載の大型巡視船の搭戴艇としては手漕ぎのカッターはちょっと時代遅れと思うが他に使い道があるんだろう。

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 ついこの間見かけた潜水艦救難母艦「ちよだ」の艦戴艇(↑画像)は11m内火艇(36f)である。一般のDDでは7.9m内火艇(26f)を搭戴しているが「ちよだ」は沈没した潜水艦を救援するダイバーの支援業務用の装備や人員が乗るので大型の内火艇が搭載されている。

 ちなみに搭戴艇の艇ナンバーは右舷は奇数、左舷は偶数となっている。画像で紹介した帆船も巡視船も搭戴艇番号はそのように打ってあった。
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by pac3jp | 2007-12-14 11:21 | 帆船  

梱包されたカーボンマスト

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 ハーバーの上架ヤードで47fレーサーの太くて長いカーボンマストが架台に乗って横たわっていた。修理かなと思っていたが、数日して見ると木材を巻き付けて船積みをする梱包になっていた。そうか、このヨットは外国に遠征か、あるいは売却されるのかもしれない。そう思って振り返るといつもの船台にいるはずの大型レーサーはマストなしで桟橋に繋がれていた。


c0041039_10125621.jpg 最近、国内にある有名ブランドの中古ヨットが海外からの引き合いも多く、実際にもよく売られているらしい。ついこの間もスワン43だったかな、キレイなフネが回航されてきた時、輸出業者はオーストラリアに送る予定だと言っていた。

 日本国内は一般的に中古艇の評価価格が安い、外国、それもユーロ圏の国から見れば今や、輸送費を差し引いても割安で良いヨットやボートが買えると見えるのだ。

 そこで、ヨーロッパで人気の高い艇種を持っていて、そのヨットを高く売りたいオーナーは初めからユーロ圏で売ることを前提にフネを磨き上げている。
 極東ロシアも以前は中古家電や中古車をよく買ってくれたが、いまは原油高で景気がよく大型モーターボートやヨットなどもよく売れていて、輸出ボートを手がけている業者は忙しくしていると聞く。

 今、中古艇を探しているオーナーさんも「程度の良いフネは中古でもそれなりの値段はするものだ!」と、早く認識しないと今に良いフネはみんな目の肥えた外人さんに持っていかれてしまいますよ。
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by pac3jp | 2007-12-12 10:18 | ウオッチング  

新鋭AIP潜水艦 501「そうりゅう」

 春のボートショーで小型船用のスターリングエンジンを使ったジェネレーターが展示されていた。オモシロそうなので色々調べていると、三菱・神戸造船所で建造中の潜水艦にスウェーデンのコックムス社製のスターリングエンジンが4基搭載される予定だという。このエンジンは川崎重工がライセンス国産していて、潜水艦に詳しいボクの知り合いは「今、ウチのもんが三菱に据付に行っているで!」と言っていた。

 先週、12月5日、三菱重工神戸造船所で新鋭潜水艦「そうりゅう」が進水したと新聞報道されていた。


AIP潜水艦:新型「そうりゅう」が進水--三菱重神戸 /兵庫 (毎日新聞・神戸版)

c0041039_1561676.jpg 神戸市兵庫区の三菱重工業神戸造船所で5日、海上自衛隊の新型潜水艦「そうりゅう」(排水量2900トン、乗員数約70人)の進水式があった。 新型艦は全長84メートル、幅9・1メートル。地上の大気を使わずに発電できるエンジン「スターリングAIP」を初めて搭載し、従来の「おやしお型」よりも長時間の潜行が可能になったという。水中を時速20ノットで航行できる。建造費は船体のみで350億円。
進水式には関係者約200人が出席。艦内装備工事や試験航行をして09年3月に引き渡す予定。【山田泰蔵】


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 潜水艦の進水式も行って見たかったが、関係者でもなく招待もされてないので、この週末に仲間と艤装岸壁にいる「そうりゅう」をに見に行くことにした。

 三菱の岸壁には3隻の潜水艦が係留されている。定期検査だろうか既に就役している2艦には軍艦旗が、セイルには将官旗が翻っている。お偉い方が在艦中のようだ。
c0041039_1511819.jpg 艦番号は501、「そうりゅう」は進水してまだ3日しか経ってないのにセイルやデッキにはもう工事用の足場が組まれている。まだ2年間はここで艤装工事をするので勿論、軍艦旗はあがってない。潜水艦は船体の殆どが海面下なのでどれも同じように見えるが、この艦からX舵が採用されいて他の2艦と少し印象が違う。


c0041039_15131061.jpg AIP潜水艦はお隣の韓国でもドイツのHDW社の技術で現在建造中である。同じタイプをドイツに発注したギリシャ海軍は新型AIP潜水艦の性能が計画通りではないとして、受け取りを拒否したとの報道もある。AIP技術は実用には中々難しい技術のようだ。
 
 日本のAIP潜水艦が期待どおりの性能を発揮できるかはこれからのことだが、2年後に就役した時は周囲を広い海に囲まれた国土をしっかりと守る為にも頑張ってほしいと思っている。

参考:非大気依存推進 (Air-Independent Propulsion、以下AIPと略する) は、内燃機関 (ディーゼル機関) の作動に必要な大気中の酸素を取り込むために浮上もしくはシュノーケル航走をせずに潜水艦を潜航させることを可能にする技術の総称。ただし、通常は核動力を含まず、非核動力艦のディーゼル・エレクトリック機関を補助・補完する技術を指す。

以前の記事から:【静かに動くジェネレーター】
【関連記事】:「そうりゅう」のスターリング機関発電装置
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by pac3jp | 2007-12-10 15:19 | ウオッチング  

ハンド・ログ

 ↓画像にある年季の入った道具を見て「これは○○だ!」なんて、すぐに分る人は相当ベテランのヨット乗りだろう。ず~っと前のKAZI誌に、既にオールドソルトといわれる方々が書かれた記事に同じようなものがあったのを思い出す。

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 人々が大海に乗り出しはじめたはるか昔から、GPSが現れるついこの間まで船位を決める重要な要素は船の速度と針路だった。その速力を測定する道具でコロンブスの頃からオランダ人がよく使っていたといわれていたのが、木片を船縁から流して速力を測るダッチマンズ・ログだった。

 そして、より正確に速力をはかる道具としてイギリス人の発明で「ハンド・ログ」が砂時計と一緒に使われ始めた。1時間で1マイルの長さに結び目をつくり、測定した船速を報告する時に「1ノット、2ノット、3ノット・・・」と使われ、速度の呼び名として「ノット」が一般的になってきたという。

 GPSやレイマリンのスピード/ログ計などデンキモノはヨットの電力システムが故障すると全く使えない。予備を充分用意する手もあるが、速力計測の原理を理解して、付近にある材料で電気不要の「ハンド・ログ」を作ってしまおう。どの航海術の解説書にも載っているし、簡単な仕組みなので↑画像のように自作も出来る。

1.まず、扇状板(ログシップ)を作る。
  ベニヤ板に一辺130mmの三角形を切り出す。
  上部にかまぼこ板厚の浮力体を取り付ける。
  下部に水中で直立する位の錘を付ける。

2.ログラインと糸巻き
  適当な太さの道糸を31m用意する。
  糸巻を糸車風にし、ラインがスムースに繰り出せるようにする。

3.ログシップとログラインを繋ぎバランスよく流れる様に調整する。

使い方

デッキに立ち、ログシップを1m出し艇側にたらす。
ストップウオッチをリセットし用意する。
合図と同時にログシップを流し、計測をはじめる。
ログラインが31m全部出たところで計測をおわる。

60秒掛かれば、艇速は1ノット
30秒では      2ノット
10秒では      6ノット

(注)1マイルは1852m、1マイルは→1時間→1ノット→1分間では約30mログシップが流れる。

 航海技術の歴史をみればハンド・ログの次に出てくるのが曳航ログだ。これは今でも使っているヨットマンはキットいるだろう。故野本先生も宝物として持っていると書かれていたし、大分前にボクのフネがKAZI誌の新艇紹介で載った時もレポーターのヨットデザイナー氏が新艇の航海計器は信用してないといって船尾から曳航ログを流していたからね。

 こうしてみると古い航海器具を試してみるなんてことは暇(研究熱心)なヨット乗り特有の資質なんでしょうか。本職のセーラーは勿論、魚釣りに熱中するボートマンも多分しないでしょうね。

でも、寒い冬の日、暖かくした艇内でシーズン中に懸案だった製作モノをこつこつとつ作り上げるのも長い冬の楽しみではありますね。
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by pac3jp | 2007-12-07 08:44 | シーマンシップ