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前方ソナー

 ボクはフネでは余り魚釣りをしない方である。またそう興味もない。でもヨット乗りでも釣り好きは多く魚探を装備しているフネも多いようだ。魚群も見えて海底の状況もよくわかりるから測深計よりいいと言う人もいる。普通の魚探は船底から海底に超音波を発信し海底や魚群から反射してくる音波をLCDに表示させている。そして主にそのフネの真下を見ているのだ。

 ヨットでもボートでも衝突以外には座礁が一番怖い事故だ。沈没の可能性も高い。でも大抵のヨットは多かれ少なかれ座礁の経験はあるようだ。
 数年前、ご近所のヨットがクルージング先の笠岡諸島を航行中、「小さな島の沖に張った根に座礁してしもうた」と帰ってからお聞きした。ヨットの座礁は普通船体の一番深い部分のキールかラダーが海底の障害物に当たるもんだが、このヨットはボトムの部分に傷があった。潜って確認してもたいした事はないと判断して、定期的に上架する時期まで半年もそのままで乗っていた。
 だが、上架して詳細に見るとボトムの傷は深く、FRP層の殆どが破砕し、あと一皮だけで浸水を防いでいたそうだ。もし、その間艇体がきしむ程の海況の海で乗っていれば傷口が裂けて大事になったかもしれない。オーナーは人徳も金毘羅さんの信仰も篤いお方ではあるが、運も付いていた。ラッキー!!

 そこで、少し遅きに失した気もするが、一時帰国していた世界一周中の「彼の専属メカニック」が航海安全のために海底の前方ある浅瀬が見える「前方ソナー」を付けてくれた。
  ↓画像は同等品。
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interface iScan V90 Color Forward Looking Sonar
  Only $1,599.00 
w/Thru-Hull Transducer
 

今年5月、仲間と広島県江田島の江田内「能美海の駅」に停泊したとき、朝の出航は満潮で干出岩が全く見えない海上でフリートを先導して難しい航路を安全に導いてくれた。多分大緊張だったのだろう。その場所は海図を見ても判るが岸から0.4M(≒700m)沖まで0.9mの暗岩から5ヵ所の干出岩まである危険な磯が続いている海だ。そして周りは全部カキ筏が取り囲んでいる。可航範囲は狭い。

 後からお聞きすると前方にあって海底から立ち上がる孤立岩は見えているそうだ。魚探や測深計では前方の障害物は見えない。ここで前方ソナーを装備している真価が発揮されたのだ。

c0041039_11194852.jpg もう1隻、前方ソナーを装備したクルージングヨットがあった。新しいナウティキャット44だ。オーナーが丁寧に画面の説明してくれた。そのソナーのセンサーは船底にある。それも前方を見るために船底からは少々出っ張っている。レーサーなら絶対つけない代物だ。でもクルージングヨットはスピードロスよりも安全な航海を続けられることが一番大事なのだ。
(少し見難いが細長い出っ張りがセンサーです)
 
 浅い海域を好んで航海する人や過去に何回も座礁の経験がある人はチョット高いけど是非とも装備する事をお勧めする。でも危険ヶ所ではちゃんとソナーを見なくてはいけませんよ!!
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by pac3jp | 2006-09-29 11:31 | ヨットの艤装と艤装品  

セーリングを習う

c0041039_9374325.jpg ヨットを習いたい人にセーリング技術の基礎を教えるヨットスクールはあちこちにあると思う。このヨットハーバーにもここに店を出しているマリンショップが経営する「KISヨットスクール新西宮」があり結構繁盛しているように見える。

 友人のヨットの丁度真後ろにそのバースはある。先日、出航まで時間の余裕があるので眺めていた。ここの教習艇はいつも売り物らしい中古の30フィートクラスのセーリングクルーザーを使っているが、売れてしまうのか時々ヨットの艇種が変っている。でも短期間しか乗らない教習生には関係ないか。

 日曜日の朝、スクールに参加している教習生が集まってきた。その日は中年の男性2名、少し若い男性2名、女性が2名の6名が参加しているようだ。全員が集合するとインストラクターに案内されて早速キャビンに消えた。ヨットの基礎を習う座学のようだ。暫くするとキャビンから出てきてロープワークの練習を始めた。懐かしい風景だ。でもそこで出来てもスプレーをかぶり、傾いたデッキで出来るようになるのはまだ大分先だよね、と友人の顔を振り返ると彼もハリヤードの端っこをもってロープをひねくり回していた。自信がない結びでもあるのかな?

c0041039_9384553.jpg 沖に出ると教習艇はお揃いのライジャケを着たクルーを乗せ教習をやっているようだ。ボク達は予定のコースでセーリングを始めたがお昼ごろにになるともう帰って行った。本日は半日で@5,250円の体験コースらしい。

 あるとき、教習艇横の桟橋で手持不沙汰にしている一人の教習生に「ヨットスクールはどうですか?」と声を掛けてみた。彼は「面白いです」と言い、このヨットスクールのコースを終了したらハーバーのレンタルヨットクラブのヨットを借り出せる資格(●当クラブの定める経験と知識を有する方)が出来るのですと嬉しそうに話していた。

 もしボク達がレンタルヨットのヤマハ23Ⅱを借りるのなら無条件で貸してくれるのだろうか。 ヨットオーナーの操船技術もかなり差があるからなぁ。生活用具満載の重いフネを機帆走ばかりで乗っていたら、セーリング主体のディンギーのようなヨットが乗れるかな?

 もしかしたら一度ヨットスクールで習ってきてくださいと言われるかもしれないね。
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by pac3jp | 2006-09-27 09:41 | ウオッチング  

音の感受性

 ボク以外の我が家族は音楽を楽しむ以上に、むしろ“浸っている”生活をしている。クルージングにも付き合ってくれるパートナーは筝曲の演奏家である。プロではないが毎日かなりの時間稽古をする。息子はプロのミュージシャンで、娘も彼女の弟子であるが勤めを持っているが、演奏会に合わせてそこそこの稽古はしているようだ。こんな環境でボクも「門前の小僧」で多少は身に付いてもいいかなと思うが、へんに頑固に生まれついたのだろうか音感とかリズム感など全く向上はない。

 パートナーは珍しい小鳥の鳴き声、虫の鳴き声をすぐ真似が出来るし、暫くは記憶できるようだ。音を何かのパターンにして記憶するのだろうがボクはこれが全く出来ない。音の並びや高低に対する感覚が鈍いのだろう。でもこれが幸いするときもあるのだ。

c0041039_958651.jpg 昔からの友人で芸術系の仕事をしているヨットオーナーがいる。彼は昔からその環境にそぐわない音楽や音に対してよく反応する人だった。以前数人でハーバーのレストランでお茶を飲んでいたとき、ウェイトレスにBGMを雰囲気に合うものに替えてくれと要求した。本来これはレストランのマネージャーの仕事だろうが、その曲は若者向けの曲だったらしい。ウェイトレスの好きな曲だったかも知れない。どんな曲だったかは鈍感なボクには全く覚えてないし、その曲が不似合いだとも思わなかった。ただ、やかましいかなぁくらいには思っていた。

 ヨットに乗っている時に聞く風の音、波の音、セールが風を切る音、エンジンの振動、全てが調和をもった音たちである。ヨット乗りに心地よく響く。異常な音はトラブルの警報である。調和の中の不協和音は居心地を悪くする。

 この夏、和歌山のあるクルージング先の泊地だった。久しぶりに訪れた桟橋に係留し、一息つく。対岸のざわめき、引き波で舫がきしむ音。近所に係留した船から聞こえる談笑の声。遠くに泊まっているボートのエンジン音。みんなこの泊地が持っている調和を持った音として響いてくる。

 突然桟橋からポータブル発電機のエンジン音が響いてきた。騒がしい夜店の雑踏の中のエンジン音はそう気にならないが、マリーナの桟橋で聞くその音はまさしく雰囲気を壊す不協和音だ。近所に停泊しているヨットが冷房の電源用にポータブル発電機を回しているのだ。自分たちは締め切った船内で涼しいだろうが、騒音をまき散らかして他人への迷惑は考えないのだろうか。真夏のマリーナの桟橋は停泊している船も多く、風が入りやすいように窓も開けたままなのだ。

 彼はその夜、見知らぬヨット乗りたちの傍若無人な発電機の騒音にじっと我慢していた。だが翌朝、彼が早朝の港の雰囲気を味わっていた5時ごろから又、発電機の音が響いてきた。
 ここで彼の堪忍袋の緒が切れてしまった。その昔、スピードボートの発電機の音と排気ガスにからんでウインチハンドルをつかんでヤクザと喧嘩した時の迫力があったのだろうか注意すると相手はすぐにエンジンを止めたそうだ。気が引けていたのだろうが、苦情がなければ良いだろうとと思っていたのだろうか。

 ボクも昨年、大勢の仲間とクルージングに行ったときキャビンの横で一晩中うるさいエンジン音を聞かされた。でも、かなり酔っ払っていたし、昔、騒音の中で生活をしていた事と、生来の音感の鈍さが幸いして怒りの感情まではいたらなかった。
 まぁ、人生なにが幸いするか分からないもんですね。
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by pac3jp | 2006-09-25 10:06 | クルージング  

karano7 艇名の由来

 新しくヨットを持とうとしているとき、そのヨットの名前をどう付けるかは本当に楽しい悩みである。ご近所のヨットのオーナーに由来をお聞きすると、① 奥方のお名前 ② 娘さんの名前 ③ お孫さんの名前 ④ 飼い犬の名前や犬種名 ⑤ 思い入れの深い楽曲、地名、その他 ⑥ 星・星座名 ⑦ 縁起の良い軍艦名なども多いのだろうか。あと、ユーモア系、おふざけ系の名前もある。 昔の彼女の名前・・・これを艇名につける度胸のあるオーナーは今時少ないだろうネ。

 南極探検で有名なシャクルトンのエンデュアランス号はシャクルトン家の家訓「不屈の精神(エンデュアランス)によって勝利する」から取ったそうだが、我が家にそんなカッコいい家訓は勿論ありはしない。

 ボクは ①~③の艇名はチョット気恥ずかしい。⑤は昔に2度も使ったことがある。だが今度の艇名は出典が明らかで、ちゃんと説明できる名前にしようと前から思っていた。そして、歴史上のあるいは日本の神話から名前をつけようと調べていると古事記に丁度、大阪湾と淡路島と琴の3ツのキーワードでつながる船の名が出てきた。

「古事記」下巻 仁徳天皇の章で、《枯野》 という速く走る舟のはなしが出てくる。

 この御代に、兎寸河の西に一つの高樹ありき その樹の影 朝日にあたれば淡路島におよび、夕日にあたれば高安山を越えき この樹を切りて船を作りしに いと早く行く船なりき 時にその船を名づけて枯野と謂ひき この船を持ちて 朝夕に淡路島の清水を汲みて、大御水、献き この船破れ壊れて塩を焼き その焼け残りし木を取りて琴に作りしに その音七里に響みき ここに歌ひけらけ

【この船を使って朝夕、淡路島の清水を汲んできて、天皇のお飲みになる水として献(たてまっ)。長いことたってこの船もようやく壊れたので、塩を焼く薪にした。その焼け残った木で琴を作ったところ、その音は遠くまで響き、七つの村に聞こえた。そこでこんな歌がうたわれた。】

枯野を 塩に焼き 
其が余り 琴に作り かき弾くや 
由良の門 門中の海石に 
触れ立つ 浸漬の木の さやさや 


【船の枯野で塩を焼き その余りで琴を作ってかき鳴らせば
 由良の門(紀淡海峡)の隠れ岩に 生えている藻のように さやさやと鳴りわたるよ】


 このようにボクが長くヨットライフを過ごしてきたエリアと「琴(筝)」が筝曲を奏でる演奏家であるパートナーとも関わりがあることもあって枯野と命名する事にした。でも「枯野」は読みにくいので表示はローマ字の「Karano7」にした。登録名はカタカナで「カラノ七」。末尾の数字は今まで大小、共同も含めて8隻のフネに乗ってきたが、今のラッキーセブンの7が気に入っている。

でも、このお話しの最後が、いつも心にチョット引っかかるのだ。

 枯野を 塩に焼き 其が余り 琴に作り・・・

Karanoは最後に「お琴」になってしまうか、いや、されてしまうのだろうかと・・・。

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画像は古事記伝承の名水 淡路島・佐野 御井の清水
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by pac3jp | 2006-09-22 10:19 | 徒然に  

海底資源探査船 ラムフォーム・ビクトリー号

 いつもの六甲アイランド東岸壁にオモシロそうな船が着いていたので見に行ってきた。遠くから見てもずんぐりしたスタイルだ。大きさは隣の岸壁に泊まっている大型コンテナ船に較べると寸詰りで小さく見えるが結構大きな外航船である。

 近くによって良く見るとデッキ上に船位測定や衛星通信のアンテナだろうか大小のアンテナドームが4ヶ所にある。スターンの水線上にはサイドスラスターのマークが見える。船尾左右にも同じマークがある。船位を正確に調整できる船なのだ。船尾からこの船を見て驚いた!横幅も40m位とむっちゃ広いが、その船尾の形状も特異である。船体後部をスパッと切り取ってしまったらこんな断面になるのだろうな、と思われるような形だ。
 そこから見える船内は奥の方からケーブルを巻いたドラム、ケーブルを吊り下げる多数のシーブが見える。最初ケーブル敷設船かなとも思ったが、普通、海底に敷設する光ケーブルはもっと太くて長い、そして殆どが1本の長いケーブルを繰り出して海底に埋設していくと聞いている。それとはチョット違うなと思っていた。
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船名:Ramform Victory 船籍:ナッソー 総トン数:約1万トン 全長:約86メートル 幅:約40メートル 喫水:約7メートル ノルウェーの船会社所有
 
 帰って調べてみると3ヶ月のチャーター代が30億円もする海底資源探査船だった。そしてWebで検索すると少し古い情報だが凡そ以下の情報が得られた。



 政府は十六年七月、ノルウェーの調査船一隻をチャーターし、東シナ海の日本側排他的経済水域(EEZ)の日中中間線付近で独自の海底資源調査を開始した。海底資源の三次元探査は調査船の船尾から十二本の機器を付けた六千メートルのケーブルを引いて行う、物理探査の一種で、エアガンから音波を発射し、海底の地層の境界面からはね返ってくる音波を拾って、資源が埋蔵されている地層を探り当てる。調査は台風や故障で作業は何度も中断し、当初予定した三カ月の探査期間は大幅にずれ込み、費用も三十億円の見積もりが七十億円以上に膨れ上がっている。調査は十七年春には終える予定だ。

物理探査の結果、中国が開発している天然ガス田などが「日本側まで連続している蓋然(がいぜん)性が高い」との中間報告を発表した。

 政府は十七年度予算案には、自前の三次元探査船の建造費101億円と調査経費129億円を計上した。調査経費は今年度の38億円の三倍以上に増やした。 また、地下構造などのデータの提供を中国側に求めているが、中国側は応じていない。昨年十月の初の実務者協議で、中国側はこう主張した。 「資源は地下で一枚の皿のようにつながっているわけではない。割れた皿の破片のように、バラバラに点在しているのだ」と、いい加減なことを言っているのだ

 日本固有の領土、領海の権益は自力で守らなくてはならないのは当然だが、「戦争をせず日本の領土も三倍になる」と京都大学の芦田譲教授は以前から力説してきた。日本近海の海底の地形や地質を調査し、日本から続く大陸棚だと国連で認められれば、この海底が領土となるからだ。画像のような高性能の探査船を早急に建造するよう政府に要請もしてきた。やっと来年度予算で一隻分の建造費が認められたが、同種の船を中国は四隻、韓国も二隻保有ずみだという。

 中国は尖閣諸島や沖ノ鳥島について、日本の権益を無視する動きを露骨に示している。詳細なデータがないと国連で却下される恐れもあるという。国連への申請期限は二〇〇九年。政府も事の重大性に気づき本格調査を始めたが、子孫に恥ずかしいような結果で終わらせてはならないと京大の芦田教授は話している。



 ラムフォーム・ビクトリー号が今どこの調査をしていて、何のために神戸港に入っているか、ボクは全く知らないが、天然ガスや石油が埋蔵する可能性がある海の国境線を巡って緊張が続く海域で調査するのは大変だが、新しい探査船が出来るまでしばらく頑張って欲しいと思っている。
 でも、1ヶ月10億円也、ホント高いチャーター料ですなぁ。
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by pac3jp | 2006-09-20 09:36 | 特殊船  

台風避泊

 台風シーズンのクルージングや回航は絶えず避難港を考えて航海する事が大切だ。勝手がわからない港に避難してしまって大切なヨットを壊してしまったヨット乗りの話も時々耳にする。形態はマリーナだが台風避泊が出来ない施設もある。ボクのいるヨットハーバーも過去に台風で桟橋が壊れヨットやボートが沈没してしまったこともあった。もう2度とないことを願っている・・・。

 強い台風13号が日本列島に近付きつつあった土曜日、台風避泊らしいヨットが2隻入ってきた。1隻は新艇回航中といった感じの40f・ラグーンクラスのカタマランだ。未だ、ライフラインも勿論セールも付いてなく、輸入された港から地方のディーラーに回航しているという感じのフネだ。
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 もう1隻は日本をクルージング中のオーストラリア・シドニーの42~43fのスチールヨットだ。スターンデッキに洗濯物が満艦飾だったり、小さな白人の女の子がおもちゃを持って遊んでいるのを見かけたので家族で長期のクルージングをしているのだろう。でも、台風シーズンに外国のクルージングヨットが入ってくるのは珍しい。
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 日曜日、テレビで台風13号に近い長崎県五島列島の海岸に打ち上げる大波の映像を見ながら、増し舫いをし、セールをしっかりと縛りつけ、デッキの搭載物をしまいこみ、桟橋に置いてある予備のフェンダーをしっかりとクリートに括り付ける。港内もブローが強くなってきた。シーホッパーが吹き飛ばせれるようにプレーニングしていった。そして、突然雨も降ってくる。

 でも、まだオーナーが来ないフネがある。デッキに無造作に被せてあるシートがバタついている。ジブファーラーがしっかりと巻かれていないフネもある。この台風は絶対にハーバーを直撃しないだろうと思っておられるのかも知れないが、他人事ながら心配だ。
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by pac3jp | 2006-09-18 12:55 | ウオッチング  

新しいGPSチャートプロッター

c0041039_10372691.jpg クルージングヨットに搭載している航海機器も壊れなければ長い間使い続けているヨットマンは多い。コンパスなどアナログ系の航海計器は昔とそう変らないが、デジタル系のGPSやレーダ、魚探などの電子機器はどんどんと機能も使い方も進歩している。ウエストマリンのカタログもエレクトロニスクのページは増える一方だ。
 

 でも大事に使い続けているいる貴方のGPSも最早、時代遅れになっているかも。今年の6月に進水した新艇についてきたチャートプロッターを見せてもらった。レイマリン製 GPSチャートプロッター(type:RC435)価格は West Marineカタログで 849$。日本近海部分のC-MAPチャートを内蔵している。

 電子チャートはノートパソコンや液晶テレビの大きな画面で見るのが良いと思っているPC派と画面は小さくても激しく振動する露天甲板でも使えるGPSプロッタータイプが良いと思っているグループもある。
 新型GPSを買ったと言う話も聞かないのでボクのご近所艇のGPSは多少古いのが多いのだろう。でも、新たに電子チャートナビを装備しようと思ったとき、チャート内蔵GPSの新型を買うより同じような機能なら大抵は安く調達できそうなPC方式を選ぶだろう。

500ドル以内で導入しようとしたWeb電子チャートナビ導入顛末記に詳しい解説がある。

 そこでホームポート新西宮ヨットハーバー付近をレイマリンのGPSチャートプロッターと一般的なPC電子チャートを較べてみた。画像はGPSです。
この付近はGPSより水深のデータ量のみPCの方がすこし多いようだ。

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 明石海峡付近で較べてみるとチャートのバージョンの違いか、情報量はGPSの方が少し多いように思う。

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 全体的に見て、どちらもチャートの内容はそう大きくは変らないだろう。元が同じだからね。違いはナビゲーションソフトだがボクはレイシオンGPSを使ったことがないので残念ながら較べようがなかった。

 でも、国内で販売されている日本近海の電子チャートは操作性も悪く水深表示もないPEC(PC用航海参考図)でもCD1枚が12,000円だ。エリアは千葉から瀬戸内海経由で長崎まで6枚が発売されているがこれだけで72,000円もする。このように日本で買えば結構な価格になるのに外国で買ったGPSには日本全図がサービス?のように入っている。

 日本国民の税金で測量した海図データを只で外国に使わせて、税金を支払った我々に高い値段で売りつける。どう考えてもおかしい。国交省OBの天下り先、日本水路協会の存続の為にそうしているのかもしれない。
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by pac3jp | 2006-09-15 10:23 | ヨットの艤装と艤装品  

落水者救助訓練をやってみました!

 先週末、港外で仲間のヨットと2隻でライフスリングを使っての落水者救助訓練をやってみた。海上は西の風、15~16ノット、小型の三角波があり訓練には絶好の海面だ。予定では実際にクルーが落水者になるはずだったが、波のある海で怪我をさせてもいけないので、しずく型フェンダーに錘を付けたものをダミーに使うことにした。我艇にはクルーと見学兼お手伝いのお仲間8名が乗り込んだ。同じく僚艇は6名が乗り組み、エンジンを使って落水者を救助する方法で訓練を行った。
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ボクはクイック・ストップ法でセーリングから帆走で落水者を救助する方法にトライした。

1回目
落水!の声と同時に馬蹄形浮環を目印に投下。続いてライフスリングを投下。ヨットの舵を風上に切り、ジブに裏風を入れながら風下へ。ライフスリングのロープは40m程の長さだ。でも以外に早くヨットは回転してしまう。やがて、落水者にライフスリングが届く前にヨットとスリングのロープが交差し、ヨットの下にロープが入ってしまい1回目の救助は失敗。

2回目
落水!からライフスリングの投入までは同じだが、スリングのロープを少し短めに、救助するヨットの回転半径を1回目より大きくして充分の長さでスリングを曳くという感じで流した。これは良かった。ライフスリングが上手く落水者に届き落水者を確保できた。
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 だがこの後、ジブのファーリング、メンセールのセールダウン、落水者の引き上げ作業となる訳だが、その場面はハーバーの桟橋に繋いだヨットでやってみた。

 引き上用のリグは長さを決めたスピンハリとそれに取り付ける3パーツのテークルセットだ。

 ライフスリングに確保した負傷した落水者を艇に引き寄せ、まず、ミズンのクリートにスリングのロープをクリートしその後、引上げ用のフックをスリングのD環にかける。テークルセットはシートウインチにスムースに巻き取れるロープ角度になるようにスナッチブロックで調整する。画像では75kgの男性を女性一人で容易に引き上げられた。
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 見学者からウインチで巻き上げるのならスピンハリ1本で吊ったらどうだとの意見があり、体重32kgの子供を吊ってみたがスピンハリのロープ摩擦もありウインチ作業はかなり重い。カッパを着た70~80kgの男性をスピンハリ1本で吊り上げるにはチョット不可能に近いと思う。

 ここでも注意力不足で数点のミスがあった。

1.スピンハリのスナップシャックルとテークルセットを繋いだがスナップシャックルのロックが甘くテンションが掛かると外れてしまった。

2.落水者をヨットに引き寄せたときにクリートしたスリングロープを外すのを忘れ、ウインチを巻き上げ、D環につけたスナップフックが破損した。

 以上、落水者救助訓練の概要報告だが、実際やってみて多くの教訓を得たが全体の印象はこのように自力でデッキに戻れない落水者をショートハンドで救助するのは中々難しいなと思った。が、決して不可能ではないことも判った。各艇のオーナーとクルーが定期的に落水者救助訓練を実施して自艇の安全装備の取り扱いに慣れ、非常時の操船方法が上達してくればやがて、女性パートナーが負傷した男性スキッパーを救助する事も充分出来るはずだと思っている。

 また、救助法も何種類もあるので試してみて、自分にあった方法を選んで練習するのが上達の早道かもしれない。
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by pac3jp | 2006-09-13 08:57 | シーマンシップ  

新しいトイレができた

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 今年はまだこないが、ヨットハーバー会社から時々アンケートが送られてくることがあった。ハーバーと契約しているオーナーから要望などを聞くためにやっているようだ。ボクは今このヨットハーバーの西から2本目のポンツーンの端っこに係留している。今までのトイレはハーバーの東寄りのセンターハウス内にあるが、かなり距離があって遠い。1丁目から5丁目付近のカップルで乗っているヨットや女性のゲストが多いフネは近所にトイレを造って欲しいといつも要望していたといっていた。

 その要望がかなって、一見トイレには見えない?トイレがやっとこの8月末に使用可能になった。小さなトイレの割には長い間工事中だった。多分?、下水道の排水経路が長くなるので難しかったのか、とも思っていた。設置場所の関係でか昼間は公衆トイレである。夜間から早朝まではカードキーが必要なメンバー専用になっている。早速利用させてもらう。新しいトイレはここハーバーの11本あるポンツーンの西から6丁目位までは今までより近くなりそうだ。

 新トイレの効果はこんなところから現れた。桟橋の根っこに繋がれたヨットで駄弁っているとカタリナ34のオーナーがやってきて「艇内に設置してあるホールディングタンクを取り外すことにしたよ」と言っていた。近所にトイレが出来たので、もう臭気が漏れたりポンプの修理に手間取るホールディングタンクシステムはご自分のヨットライフには不要と判断したようだ。そしてなんだか嬉しそうな顔をしていた。

 ボクもいずれはホールディングタンクを装備したいと前から思っているが、結構この手のトイレのトラブルの話はよく聞く。このハーバーに係留しているヨットやボートもホールディングタンクを付けているフネはそう多くはないのだろうが、故障の確率が高いのかもしれない。
 今年、新艇を買った友人のヨットはホールディングタンクは2ヶ所とも水線上に付けてあり故障しにくいのだ。と、いっていた・・・。

・・・話しを戻すと、この新しいトイレが出来て2週間経ったが、階段を5段も上がって格子が入ったドアを開けて入る構造なのでまだ一般の人の使用は少ないようだ。子犬を連れた散歩の女性達が恐る恐る覗いている姿をみかけることもある。

 これから、公衆トイレにつきもののイタズラや落書きの被害から守る為に近くのオーナーさんもしっかりとワルモノも見張っていてくださいネ! そして、皆さんの協力でずっときれいに使って行きたいもんですね。
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by pac3jp | 2006-09-11 10:37 | ウオッチング  

旧陸軍が運航していた船艇

近くのJMSDF阪神基地に年季の入った上陸用舟艇が停泊していた。
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LSU 4171「ゆら」 基準排水量590t / 全長58m・喫水1.7m / ディーゼル2×2 3000PS / 速力12kt / 20mm機関砲×1

 太平洋戦争が終わってから61年。毎年8月になると当時の話が色々と報道されるが、ボクはこの伝統的なスタイルをもつ小型の上陸用舟艇をみて当時日本軍がした上陸作戦を少しだけ調べてみた。

 戦前の日本の軍隊は敵前上陸作戦は陸軍の受け持ちだった。海軍は輸送船の護衛はするが直接上陸用舟艇で兵士と物資を送り込む任務はしなかったようだ。陸軍が本土から兵士と陸軍が開発した「大発(大発動機艇)」と称する(長さ15m・幅3.5m兵員なら70名、物資だけなら11tが積める)上陸用舟艇を一般商船を徴用した輸送船のデッキに積み、その他全ての物資を船で現地に運んでいた。そして大発などの上陸用舟艇は陸軍工兵隊が運用していた。

 作戦では、輸送船のデッキから大発を降ろし、海上で兵員や物資を積み込む作業をするが、風波がある状況では時間かかるので、陸軍は前もって兵員を大発に搭載したまま母船を発進できる神州丸を1934年(昭和9年)に造った。2000名の将兵を収容する設備と一度に1000名以上の兵員の上陸を可能にした今でいう強襲上陸艦を世界で初めて造ったのである。だが、同型船が実戦に投入されたのは10年後の戦争末期だった。

 日本の敵前上陸作戦は兵員が上陸した後、弾薬、燃料、糧秣等の物資が人力で陸揚げされるのだがその際、リヤカーが大活躍したそうだ。でも海岸に集積された物資は全く敵の攻撃に対して無防備だ。燃料や弾薬にに引火し苦労して運んだ物資が失われてしまう事も多かった。敵対するアメリカは自動車の国である。上陸用の物資はジープやトラック、又牽引用トラクターに引かれて上陸してくる。リヤカーとトラックでは全く勝負にもならない。

 そこで陸軍も海軍も輸送車両や戦車が揚陸できる大型の揚陸艦 LST LSMらを造ることにしたが既に敗色が濃くなってきた時期だった。制空覇権がない海でもう上陸させる戦車も車両もなくなっていたので、その機能を生かす事もなくただの輸送船になってしまっていた。陸軍も太平洋に展開する部隊に補給するため民間の輸送船をつかったが敵潜の雷撃で消耗が激しく最後は自前の潜水艦まで使って物資の輸送をしていた・・・。

 現在、上陸用舟艇の運用は海上自衛隊がやることになっている。LSTは空母型の「おおすみ」クラス(8900t)3隻が主力になっている。戦車と兵員は2隻のホバークラフト(ガスタービン 16,000PS/40kt)で揚陸し、物資はヘリで空輸する。

 画像の「ゆら」は舷側外板のへこみからも想像できるが、このフネは昭和56年の進水だということなのでもう26年も経っているのだ。でも喫水も1.7mと浅く平時の大地震など災害救援にぴったりサイズの輸送艦なので、小回りも効き使い勝手がいいのでしょうね。
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by pac3jp | 2006-09-08 08:55 | ウオッチング