<   2006年 07月 ( 13 )   > この月の画像一覧

 

衛星テレビアンテナ

c0041039_12564659.jpg 最近入ってきた新しいモーターボートの屋根にKVHのサテライトテレビ用のアンテナを又、大型ヨットのスターンにCAMOS(カモス)の沿岸用BSアンテナが設置されているのを発見した。KVH社は前に乗っていたヨットの電子コンパスのメーカーだ。ホームページを見ると最近は移動体向けのサテライト機器やインターネットシステムがビジネスの中心になったいるみたいだ。

 国際航路を航海する大型ヨットやボートにもインマルサットの大きく丸いアンテナドームや小型ドームの衛星TVアンテナが装備されているのを見る。航海中の揺れる船内で絶えずアンテナを静止衛星に向け、リンクを切れなくする技術が詰まっているのだろう。

 一方、国内のクルージングに出るときも出先の港で天気予報を見たり、いつも見慣れた番組を見たいと思うことがあるだろう。でも、アナログ地上波の電波はヨットのアンテナの高さやゲインの無さもあるが地方の漁港ではホント、弱いところが多い。
 そこで、最近の新型液晶テレビに搭載されている地上デジタル、BSデジタルのチューナーが内蔵の機種から選んで見たらどうだろう。地上デジタルは今だ準備中の地域もあるが衛星デジタルTVはもう大分前からやっている。いずれ有料化される恐れもあるが、当分は利用できる。

c0041039_12574174.jpg さてアンテナだが資金が充分に有ればKVHカモスを買えばいいが、到着した港内でTVを見るのなら屋内用の衛星BSアンテナをデッキや桟橋に出しておけば良い。商品は国内でもあちこちの通販サイトで販売されている。また、地上デジタル放送はUHF帯を使うので従来のアナログ放送用のアンテナが使える。

 では、どのくらい衛星TVがよく映るのか、だが、KVH社のDV3とCAMOSの100Jを2基搭載しているボートのクルーに聞いてみると、航海中は良く映らないが、港に入ると良く映るとの事だった。 Webで調べると、KVHの新しいタイプのアンテナはアメリカとヨーロッパ・中東は受信エリアだが、日本付近はサポートされてないようだ。DV3はリストにないが、このボートは国内で衛星TVを見る場合はカモスを使っているのかもしれない。

 港内のみで受信するのなら家庭用の屋内アンテナをデッキに出せば充分に映るし、ドジャーの内側に置けば雨が降ってもOKだ。仲間のヨットに搭載されるTVも電力消費の少ない液晶TVに変って来たが、ヨットのサイズにあわせて13~15インチが多い。でもこのタイプのテレビははBS/地上デジタルチューナーが内蔵のタイプはない。衛星デジタルTVが見たければ別売りのチューナーだが、これは高いのでチューナー内蔵の20インチ以上のTV(例えばsony20in 82,500円、価格COM調べ)を買い換える事になるね。

 また、ブラウン管よりは少ないが液晶ディスプレーも電気を食う。20inタイプで80Wで7Aだ・・・。
やがて、バッテリーの容量UPの計画が整備リストに載ることに・・・。
[PR]

by pac3jp | 2006-07-31 13:04 | ヨットの艤装と艤装品  

「日本財団9年半の日々」曽野綾子著

c0041039_14334519.jpg 近くの図書館で資料を探していて「日本財団9年半の日々」と題した本が目に留まったので読んでみた。日本船舶振興会の有名な笹川良一さんがお亡くなりになり、作家の曽野綾子さんが日本財団の会長になられたとのニュースは聞いた事はあったが、昨年5月に9年半も勤めた財団を退職されたことは本を読むまで知らなかったし、会長職が無給だった事も初めて知った。

 勿論、日本財団が競艇の売り上げの中から各種の団体に助成金を交付する事業をしていることは知っていた。ボク達がフネを預けているハーバーにも日本財団の助成金交付シールを貼った身障者用のセーリングクルーザーがあり、ヨットレースにもよく出ていると聞いている。また、ボクもインターネットの日本財団図書館も時々は利用させてもらっている。

c0041039_14394411.jpg 本を読んで、日本財団の会長さんのお仕事の一端は理解出来た。小説家が書く口述筆記風の文体で流石に読み易い文章だった。中でもマラッカ・シンガポール海峡の安全を守る活動は、海峡の測量、灯台や航路標識の整備と維持管理する設標船をマレーシアやインドネシアに寄贈しているなど、この海域での海賊対策や海洋汚染の問題に資金を、海保からは人材を出してもらって日本船舶のための活動をしているそうだ。日本のシーレーンとって非常に重要なマラッカ海峡での欠かす事の出来ない活動だと強く思った。

先日も新聞にこんな記事が出た。

乗組員20人が照明で威嚇 武装海賊、驚き退散 
2006年 7月 5日 (水) 19:28
【シンガポール5日共同】
 インドネシア・アチェ州沖のマラッカ海峡で4日に日本郵船のグループ会社が運航する貨物船「アイランド・オアシス」(26、989トン)が海賊に襲われた事件で、丸腰の乗組員20人が勇気を奮い起こして甲板に姿を見せ照明などで威嚇、武装海賊約10人を退散させていたことが5日、分かった。

インド洋を航行中の同船の乗組員らが共同通信の電話取材に答えた。

 証言によると、4日未明、レーダーを監視していたフィリピン人の当直乗組員が急速に接近する海賊船に気付いた。約20分後、無灯火の海賊船は貨物船の右舷船尾に迫った。同乗組員は「長い銃を持った海賊が見えた。撃たれると思い、みんな物影に隠れた」と話した。

これは運良く撃退できたが、前にはこんな海賊事件もありましたね。

 1998年9月に時価3億5千万円のアルミのインゴット3,000トンを積んだ日本企業所有の貨物船が行方不明になった事件があった。海賊の仕業といわれていたが、犯人も船も出てこず、勿論、積荷もない、同年12月になって中国・揚子江の港で船名も変えぼろぼろになって発見された。だが、中国政府から高額の引渡し料を請求されたが値引き交渉の末、自分の船を2,000万円で返して貰い、さらに修理に1ヶ月もかかったそうだ。

で、日本財団ではこんな事もしたそうです。

 1999年マラッカ海峡で日本人船長と機関長が乗船する「アロンドラ・レインボウ号」が海賊に襲われ乗組員17人は10日間くらい救命ボートで漂流、タイの漁船に救助された。当時マラッカ海峡では遭難者を装って救助に来た漁船を襲う海賊が出没していた為、なかなか助けてもらえなかったが、おそるおそるボートに近づいた漁船の船長は日本人らしい姿を見つけ救助を決めたという。日本人の海賊など居ないと思ったからだ。その翌年、日本財団の関連団体「社会貢献支援財団」でその船長を日本に招き表彰したそうだ。タイの漁師さんが100万円の報奨金を手にして、こんな大枚何に使うか頭が痛いと言われたとか・・・。ホント、海賊するより日本人を助けたほうがお金になる。という評判があちらで立つほうが良いね。・・・とは前会長さんの弁。

日本国政府は
 先月のニュースによるとテロ、海賊対策に協力するためインドネシアに20mクラス巡視艇3隻をODA予算でで無償供与するという。20m級巡視艇の防弾ガラスで武器輸出になるとマスコミは騒いでいたが、武装した海賊の取締りをするのに装甲は必要だし「武器」の護衛艦と較べたら戦車とパトカー位の違いはあるよ。でも、巡視艇が頻繁にパトロールすることで航路の安全が増し、多くの船舶が安心して航行できる海峡になれば日本のためにも大変良いとボクは思っている。
c0041039_9182855.gif

[PR]

by pac3jp | 2006-07-28 09:29 |  

ポンツーンが賑わう日

 7月22日(土)この日は1年で桟橋が最高に賑わう日である。隣接する芦屋浜で花火大会が開催される。数年前に新しいマリーナが開業する前にはすぐ隣の埋め立地で打ち上げられていたので、ボク達のハーバーは最高の観覧席だった。当時はもっと沢山の見物客が桟橋にも前の公園にもいた。

c0041039_991054.jpg でも、今年も桟橋は賑わっている。昨日までの大雨も上がり、快晴とは言えないまでもまずまずのお天気だ。我艇も珍しくお客さんがきたのでセーリングに出る。風は西、7~8ノット、穏かな微風。数回タックを入れ、上りで2時間程沖へセーリング。お客は船に強くもないのにコクピットで文庫本を読み出す。「まだ、10年早いで」と注意するが、やっぱり船酔い。デッキ下にへっこんでしまった。

 神戸港沖に護衛艦DD108「あけぼの」が微速で南へ、体験航海中だろう、大勢の人影が見える。風が北に振れて12~14ノット。又、上り気味で帰りのコースを走る。一文字内に入ると、ディンギーやセーリングクルーザーがやけに多い。暫くするとヨットレースがスタートした模様。全艇がスターボーで走りだした。そうだ、今日は15:00スタートのサンセットヨットレースの日だった。

 ハーバーに帰り、桟橋につけると花火パーティの用意だろうか、手に手に荷物を持った人が行きかう。出入港のヨット・ボートも多い。ビジターバースには近隣のヨットハーバーからの外来艇が目立つようになってきた。

c0041039_9102560.jpg 普通、花火見物は海上で流しながら見物するが、ヨット・ボートや漁船、大型の遊覧船で海上はごった返している。操船する人は花火どころではない。その点、ここからの花火見物は迫力には欠けるが安全快適だ。ポンツーンには電気も水道も来ている。飲み物や食べ物がなくなればハーバーの前にスーパーがある。この日は酒や惣菜類がどっさりと用意されていた。

 夕方、隣の空きバースに知り合いのヨットが入ってきた。早速、コクピットにテーブルを出し、ご馳走が並ぶ。ビールで乾杯し、近況から始まり、苦労した回航クルージングの話等々ビールとウィスキーでお酒好きは盛り上がってくる。
 ご近所で逆輸入された船齢30年余のFUJI32ケッチのオーナー夫妻が我艇の見学に見える。クルーが隣に係留しているヨットにも案内する。このヨットはヤマハ26だがヨットの電化が進行中である。オーナーが熱心に説明しているが、この方面に興味のある人には大変面白いフネである。

c0041039_911551.jpg やがて、午後8時、定刻から花火が上がり始めた。1.5kmくらい離れているので音が少し遅れる。でも充分楽しめる。騒がしかった桟橋が少し静かになった。盛り上げるように打ちあがる花火にあちこちからパチパチと拍手が聞こえる。
 アルコールが効いてきたボクと相棒はチョット見晴らしの良い仲間のボートのフライブリッジにシフトした。マスト・ステー・セールなど視野を遮る邪魔物がないのでホントよく見える。ゆったりとしたシートで冷えたビール片手に花火見物を堪能する。

 1時間と少しで大小の花火を5,000発打ち上げて、お隣の町の花火大会は終わった。暫くすると桟橋も少し静かになったが、本日、お泊り組の宴会はあちこちで賑やかにやっている。ボクも2~3艇をハシゴして午前様で帰艇。今夜は整理整頓にうるさいクルーがいるので艇内はすっかり片付いてしまっている。ああ、ラッキー!!
[PR]

by pac3jp | 2006-07-26 09:14 | 音楽・パーティ  

大型ヨットのドジャー

 クルージングヨットの必需品。ドジャーについては前にも書いた(欄外の参考からリンク)が、最近輸入された最新の50fクラス3隻のセーリングクルーザーのドジャーを桟橋から見学させてもらった。どちらも船齢は1年未満であり、長距離のクルージングを想定した艤装ではなく標準装備のヨットである。

c0041039_9512676.jpg 「サンオデッセイ49DS」のドジャーは標準型の折りたたみ可能なドジャーだ。デッキとの取り付けはレールにボルトロープが通るタイプだ。マストからのコントロールロープは専用のトンネルチを通って入ってくる。ウィンドはビニールだが側面も明るい。ドジャー上部後縁の手すりが良い。ここはクルーが必ず手掛かりに使う、また、ドジャーの裾部分にもパイプの支柱があるので手掛かりにもなる。ウィンドのビニールは古くなると曇ってくるが、ツインステアリングなので問題ないか。

c0041039_9515549.jpg
 
 「サンオデッセイ54DS」
のドジャーは下部が硬質透明プラスティックで上部がソフトトップの複合ドジャーだ。ステアリング中の見通しも良い。49と同じくドジャーの後縁に手掛かり、裾に支柱が入りも手掛かりにも使える。下部の透明プラスティック窓部分とソフトトップの接続部分がボルト留めのみたいで、多少複雑に見えるがここにソフトトップの収納部分があるのかもしれない。大きさはコンパニオンウェイがすっぽり収まるサイズだ。同じくマストからのコントロールロープは専用のトンネルを通って入ってくる様になっている。両艇ともかなり横幅があるヨットなので前面のフレームに2本の支柱が入っている。

c0041039_952247.jpgもう1隻は「ババリア50cruiser」だが、ドジャーは専用のドジャー収納トレンチに収納されていたので普通のビニールウインドがついたドジャーだろうと思う。この折りたたんだドジャーにカバーが掛かるようになっている。

見学させてもらった3艇のクルージングヨットに共通するのはツインステアリングシステムだった。大型のレーシングヨットに装備されていたのは見た事はあるが、クルージングヨットの航海中では殆どオーパイが操縦しているし、風上でヒールを起す事もない・・・。でも、このサイズになればきっと必要になるシステムなんだろう。
 
 そうだ、桟橋に着岸する時、それも出船で入れるときに便利そうだと思うが、でも、ボクには今後も多分、乗ることもないサイズないのでなんともいえないネ。
[PR]

by pac3jp | 2006-07-24 09:58 | ヨットの艤装と艤装品  

護衛艦「はたかぜ」見学(2)

 「はたかぜ」のデッキは見学者も多いが混みあうほどではない。さすが、対空・対潜ミサイルや5インチ単装速射砲の前には記念撮影をする人は多い。要所、要所には夏制服の士官・海曹士らが案内と警備に立っている。


c0041039_9164343.jpg ボクは大物兵装には特に興味がないので何か面白い物がないかな、と見ているとブリッジの後ろの通路で綺麗に磨かれた「時鐘」を見つけた。近所にいた隊員に聞いてみると「時鐘」はもう既に使っていないが、入港する時はピカールでしっかりと磨くそうだ。

 ブリッジに入るとチャートテーブルの壁に信号ラッパが掛かっていた。これも綺麗に輝いていた。これは毎日使っているよと、ご本人が説明してくれた。今年、5月に寄った呉港の朝、停泊中の自衛艦群の艦尾からラッパの音と共に上げられる軍艦旗の掲揚を思い出した。テープかとも思ったがナマ演奏だったらしい。

c0041039_9173757.jpg 艦内の見学をしていると各所に防水区画のハッチがある。このハッチのレバー座も真鍮製だ。きっちり磨いて薄くグリースが塗ってあった。なおも歩いていると艦内通路には大小のパイプが天井や壁にそって配管してある。そして短い間隔で消火ホースが束ねてある。狭い艦内で消火活動に便利なようにだろうか、ホースの先には短い筒先が付いている。これもピカピカだ。真鍮モンは磨くモンだと、子供の頃お祭の前に屋台の担ぎ丸太の飾り金具を真鍮みがきで磨かされたこともあった。


 ブリッジ内でボクの知ってるものは、フィックスの国際VHFとヨットでも近海を取ると必要な双方向ハンディ無線機が2台壁のラッパの横に取り付けてあり、チャートテーブルにはFURUNOのGPSがあった。だが、ここではとっても便利な電子チャートシステム(ENS)は見当たらなかった。商船と違い航海科士官の人手不足はないのだろう。奥にヘリ運用艦に必須のフィン・スタビザイラーの操作盤がある。

 艦尾のヘリコプターデッキに出た。この艦はヘリの搭載はしてないが発着艦はできるそうだ。でも、「大砲」の砲身が出ているし、狭くて難しそうだネ。
 
 デッキから右舷の海面を見るとかなり大量の海水が出ている。ジェネレーターの冷却水にしては多いなぁと思い聞いてみると、艦内消火システムに常時海水を循環させているとの事。建物等の消火ポンプは火事になってからポンプは動き出すが、さすが、弾薬を積んでミサイルが飛んでくる中を行動する戦闘艦である。弾が当たれば大火事だ。そんな準備はダメ・コンでは当然か。


c0041039_920053.jpg 見学コースのデッキで直径250mmくらいで太いが短いホースが壁に固定されていた。その周りの壁にはやけに多くのアイやクリートがついている。聞いてみると、洋上で燃料の補給を受けるホースとの事。さすが太いパイプだ。横に並んだ補給艦からワイヤーを繋いで航行しながら給油する。報道写真では見た事はあるが、波の高い外洋では大変な作業だ。今もインド洋では「無料のガソリンスタンド」と野党やマスコミから酷評されながら、米英軍らに洋上補給をやっているんでしょうね。


c0041039_9212046.jpg でも、「ミサイル護衛艦として最新型コンピュータを駆使し、空中、水上及び水中の脅威に対して迅速に対処し得る最新鋭艦であります。」と、パンフに書かれたその軍艦色に塗られた鋼鉄の塊の艦内に、しめ飾りがかけられた白木の神棚があった。ご神体は金毘羅さんですか?とお聞きすると艦の母港、横須賀の神様だとのお答えだった。

 自衛艦もやっぱり船玉様の伝統につながる日本の船だった。
[PR]

by pac3jp | 2006-07-21 09:34 | ウオッチング  

護衛艦「はたかぜ」見学(1)

 神戸港の東外れにある海上自衛隊阪神基地隊は通常は掃海艇の基地である。いつも岸壁には2~3隻の掃海艇が係留している。梅雨の合間の暑い土曜日、岸壁係留中のDDG「はたかぜ」の見学に行って来た。

DDG「はたかぜ」 主要目

準排水量:4,600t  c0041039_8232466.jpg
主要寸法:150x16.4x9.8x
4.8m(長さ、幅、深さ、喫水)
船 型 :平甲板型
主機械 :ガスタービン
      4基・2軸
馬 力 :72,000PS
速 力 :30kt

主要兵装 : 高性能20ミリ機関砲x2 54口径5インチ単装速射砲x2
      誘導弾発射装置x1 SSM装置一式 アスロック装置一式 
      3連装短魚雷発射管x2
定 員 :260名
就 役:S61.3.27

 この軍艦は全長150m、4,600トンの艦体を30ノットの戦闘速力で航走する為にはCOGAG方式ガスタービン4基で72,000PSの出力が必要だ。ガスタービンとはジェットエンジンのことだが、燃料は高いジェット燃料でなくて灯油を使っているそうだ。
 機関室の見学は出来なかったが、デッキ下の通路からエンジンのコントロールルームが見えたので声を掛けてみた。コントロールデスクの中ほどにエンジン操作レバーが2本出ている。ブリッジの速力通信器からの信号によって、これで2軸の出力を調整する。大型ボートのエンコンレバーよりは大きいがそう変らない大きさだ。前面パネルは照光式でやや古臭いが、20年前のデザインだから当然か。搭載されているエンジン、巡航用のスペイ×2とコンバットスピード用のオリンパス×2のガスタービンは煙突付近のハッチから短時間で取り外して交換出来ると言っていた。

 高性能な軍艦にはその攻撃や防御システムを駆動し、維持管理するための多くの電力が必要だ。DDGの対空・水上・水中へのミサイルをコントロールするためには各種コンピュータが欠かせない。そのコンピュータが正常に稼動する為の冷房が必要になってくる。この艦には4基の発電機があり合計の出力は4,500kwだとか聞いた。この数字は太平洋戦争中の超ど級戦艦「大和」の4,800KWと同じ位だといわれている。ちなみに当時、戦艦「金剛」は1,350KW、重巡「最上」は1,450KWだった。駆逐艦は220KW~380KWだったとされている。
 確かに昔に較べればフネの大きさの割には乗員は少なくなっているが、こう見ると昔の軽巡洋艦位だろうか、現代の護衛艦は沢山電気を喰うもんだね。
でも、ブリッジの操舵卓の脇に安物の扇風機が置いてあった。そこは風通しが良いので冷房はないのかなぁ、と思ったりしたが・・・。


c0041039_839948.jpg 桟橋から艦首方向から見ると、この軍艦の艦首アンカーは左舷から1個とステムから1個の計2個であるが、左右ではないのだ。商船は左右均等についている。他の軍艦の写真を見ても商船と同じタイプもある。いろいろ見ているとどうも、バルバスバウタイプのソナーを装備した艦はアンカーチェーンと干渉しないように左右につけないのだろうとボクが勝手に判断した。アンカーリングした空荷の本船のバルバスバウにチェーンが擦っているのを見た事がある。ソナーは大切な対潜兵器だ。大切にしなくてはね。


c0041039_12104753.jpg バウを横から見ると商船と同じ喫水標が入っている。ステムの喫水標の読みはは5.1mだが、4m位後にも数字が打ってある。7.8mである。どちらが本当の船体の喫水だろうかと迷ったが、4,600トンのフネには7.8mは深すぎる?ので多分、5.1mだろうと判断した。だが、あとで調べると、前は艦のベースラインからの喫水で後はベースラインから下にあるソナーからの喫水であるとわかった。艦尾にはプロペラの喫水が書いてあるのだろう。 
画像をクリックすれば大きく見えます!

 普段は小型のヨットに乗って楽しんでいるが、たまにはこうして、中身の詰まったフネに来て、ああだ、こうだと、見て歩くのは本当に楽しい。次回は艦内で見掛けた気になる装備・その他について書いてみようと思っている。
[PR]

by pac3jp | 2006-07-19 08:54 | ウオッチング  

密航船 水安丸

c0041039_9223339.jpg 明治の時代になっても、日本人にとっては帆船で太平洋を渡るのは大変だった。

 1912年8月31日東京高等商船学校の大成丸 2400トン 4本マスト・バーク型の大型練習帆船が館山から45日掛かって米国サンディゴに入った。この航海で大成丸は船長が精神的に異変をきたして自殺し、若い航海士が停泊中に死去するという異常事態まで起きている。

 そんな厳しい太平洋を大成丸から6年前、宮城県の及川甚三郎が明治39年(1906年)8月31日、牡鹿半島萩浜港から帆船水安丸を仕立て、郷里の労働移民83人を連れて、日本人排斥運動もあったカナダに密航した事件があった。時代は日露戦争後で若い働き手は海外への出国が制限されていたが、東北地方は冷害で人々の暮らしは困窮していた頃である。

 水安丸は200トン3本マストに小さな補助蒸気機関を持った帆船である。通常は貨物の輸送に従事していた。航海の概要は以下のようだった。

8月31日 牡鹿半島萩浜港から太平洋にでる。太平洋横断の航路はバンクーバーへ最短の大圏コースを取った。

9月15日 アリューシャンの南、東風に変りタッキング航法になった

9月16日 風がますます強くなり、低気圧の通過で嵐になる。との予想。船員は帆を降ろし、デッキ上のボートや流されやすいものは全て緊縛された。予備の蒸気機関を始動し船首を東風に立てようとするが、大波は次々と襲い掛かり激しいピッチングや転覆しそうなローリングに海に慣れない人たちは船倉(キャビンはなかった)を転げ周り酷いことになってきた。暴風の海も翌17日にはやがて収まる。

9月27日 北米航路の汽船や大型帆船を目撃する。

9月29日 マストに鷹が留まり陸が近いことを歓び船員がこれを捕獲する。

10月4日 カナダの山が見える。だが、風向が悪く沖合いで風待ちをする。翌5日海峡にアプローチしようとするが、船足が浅く、風に上れないため風下に流され苦労するが、全員で海水を汲み入れ、船足を下げ、故障した舵の修理をして沖合いに逃れる。風に流され船はバンクバー島西岸トフィノ沖30マイルにいた。

 ここで目的地が変り、クイン・シャロット島に向かうが風向きと天気が悪く10日かかって目的地に着けず、出航から48日目ついに諦めざるを得なくなり、フッカ海峡を越えビクトリア港沖にいたる。だが、ビクトリア港は密入国には都合が悪く予定のピッチャーベイに向かう。

明治39年(1906年)10月19日午後10時 4艘のボートに分乗して65人は上陸した。残りは17人は水安丸が帰港処置をとった後下船の予定だった。だが、水安丸は既に当局に監視されていて船と数日中には密航者全員は拘束されてしまう。

水安丸船長は関税法違反で3075ドルの罰金。罰金は全員で負担し、船長は釈放される。 密航者全員は領事館の奔走もあり無事カナダ入国を果たす。

 気象条件や航路の長さの差はあるが、2400トンの大型帆船が45日掛かった太平洋を200トンの帆船が49日(目的地変更で10日間のロス)実際は39日で横断した。この密航船の成功でその後、四国や九州方面からの打瀬船の密航船がカナダやアメリカを目指すきっかけにもなったらしい。

 ボクが疑問なのは、この水安丸は普通の貨物を運んでいる帆船だが、日加間航海は国際航路である。当時は船舶の航海区域とか船長の資格などの法規制はなかったのだろうか?。傭船される方もカナダまでの航海に自信が無ければ引き受けないだろうし・・・。
 結局、小型の船に乗り組んだ明治の男たちは「腕と度胸」で太平洋を押し渡ったのかもしれないね。

参考:新田次郎著 密航船水安丸
[PR]

by pac3jp | 2006-07-17 09:40 |  

波浪観測塔

c0041039_104886.jpg ずっと前、観測塔のある位置は西宮港奥の泊地から見れば約5マイル、六甲アイランドの沖の方にあって、セーリングの目標や練習時の回航マークとして丁度良い距離にあったので、よく使っていた。その観測塔も最近はだんだんと沖に伸びてきた新しい埋立地から僅か数百mの距離になってしまい、その付近に神戸港中央航路の航路ブイまで出来てマークとしての価値は大分落ちてしまったなと、勝手に思っている。
でも、釣り好きには好ポイントなのか、いつもよく釣り船が集まっている。

 昔から親しんできた観測塔だが、ボクがよく観測?(観察)したのはヨットのレースも練習もしなくなった頃からだ。海底から立ち上がった鋼管やぐらの上に観測ステーションが載っている。最上部からはデータリンクのアンテナと風向風速計のポールが立っている。本体部分の上部には標識灯と、観測機器の電源である大きな太陽電池パネルが3枚設置されているのが見える。

 衝突予防の大きなレーダーリフレクターがついている。この海上の構造物も我々が衝突しても、こちらが壊れるだけだが、大型船に当てられたら観測塔が壊れる。かって、復旧中の観測塔を見たこともある。でも、こんなに陸近くになってしまったので大型船の衝突はもうないだろうね。

 以前は格好のマークだった、この波浪観測塔の本来の業務は「全国港湾海洋波浪情報網」の1部に組み込まれて波浪や気象のデータを送っている重要な観測局なのだ。観測塔の東40mの海底にドップラー効果を応用したセンサー(海象計)が設置され、波の波向情報を得ている。


 ナウファス(全国港湾海洋波浪情報網:NOWPHAS:Nationwide Ocean Wave information network for Ports and HArbourS)は、国土交通省港湾局、各地方整備局、北海道開発局、沖縄総合事務局、国土技術総合政策研究所および独立行政法人港湾空港技術研究所の相互協力のもとに構築・運営されている我が国沿岸の波浪情報網です。
2003年4月現在で、55観測地点で観測された全国沿岸の波浪情報は、リアルタイムで港湾空港技術研究所に収集されます。ナウファス波浪観測情報は、気象庁による波浪予報に活用され海の安全に貢献するとともに、蓄積された長期間のデータの統計解析を通じて、港湾・海岸・空港事業の計画・調査・設計・施工をはじめとした、沿岸域の開発・利用・防災に幅広く活用されています


 皆さんのお役に立つかどうかは判りませんが、この観測塔からの波浪のデータは略リアルタイムでここから見る事が出来ます。あわせて山陰・柴山港、和歌山・潮岬の波の高さも見る事が出来ます。

 こうして現在の波浪観測塔を見ていると、現在の場所は波の観測には余り適当ではなくなっているではないかと思う。観測塔のすぐ北に長方形の埋立地があり周囲は垂直のコンクリート護岸であり、三角波の多いところだ。でも、申し訳のように観測塔に面した部分は波消しブロックが入っている。

 でも、ボクにとっては利用価値がなくなった?観測塔も、数ヶ月振りにクルージングから帰って来た時、少しくさい、濁った海に立っているのを見ていると、なんとなく懐かしい思いがするのは多分ボクだけではないでしょうね。
[PR]

by pac3jp | 2006-07-14 10:12 | ウオッチング  

海水冷却水がエンジンに浸水

 ある日、久しぶりにヨットに来て、さぁセーリングに出ようとバッテリーの電源ONにし、エンジンスタートボタンを押す。エンジンからはセルモーターが「カチッ、カチッ」と作動している音はするがエンジンは回らない。バッテリーが弱いのかなぁと思い、バッテリーSWをBOTHにしても同じだ。数回試してみるが状況は変わらない。あぁ、これはセルモーターの故障だな。と、自己診断ではそう結論に達したが・・・。

 こんな風に海水冷却水回路のアンチサイフォンバルブの故障(不調)が引き起こすエンジン内に海水が浸水し、シリンダー内でピストンがロックした現象が発見される。

 一見、係留中にエンジンの中に海水が入る事は考えられない。船底のシーコックから入った冷却水はエンジンブロックを冷却し、排気ガスと共に艇外に排出される。燃料に海水が混ざればそうなるが、エンジンが不調になったり、止まってしまう。確かにエンジンが動いているときはエンジン内に水が入る事はない。

 だが、我艇の場合、船底のバルブから入った海水は海水フィルター → ギヤーBOX冷却 → 海水ポンプ → アンチサイフォンバルブ → 熱交換器 → ミキシングエルボ → ウオーターロック → エクゾーストホース → 艇外排出 と、海水冷却水回路が構成されている。
 エンジンが止まると喫水線よりも高くに取り付けられたアンチサイフォンバルブでこの回路に空気が入り、サイフォン回路は出来ないが、アンチサイフォンバルブが何かの原因で作動しなかったら、シーコックから排気のウオーターロックまでがサイホン回路を構成し、ウオーターロックからミキシングエルボまで入った海水は排気マニホールドからエンジンの排気弁の隙間からシリンダーへ流れ込む。そしてクランクケースまで入ってくることもある。

c0041039_8161635.gif
 アンチサイフォンバルブはヨットビルダーによって海水冷却水回路の中で取付ける場所はまちまちだが、要するに喫水線より上で空気が入るようになったら良いのだ。でも、海水冷却水回路の途中に海水ポンプがあり、サイフォン回路が出来ないのではないかとも思うが、僅かではあるが流れるらしい。

 このトラブルの代償は大きい。すぐに発見して対処出来れば良いが、フネに不在の時間に僅かずつ浸水するので往々にして発見は遅れる。結果、最悪はエンジンを下ろしてオーバーホール修理になってしまうのだ。

c0041039_8165629.jpg アンチサイフォンバルブは多くのクルージングヨットに付いているが、どんな目的のためについているのか知らないオーナーもいるようだ。ボクの友人のヨットもエンジンルームの後にちゃんと付いていたが、簡単に説明したくらいでは良く理解できたようには感じなかった・・・。
(注)アンチサイフォンバルブはボルボペンタパーツリストではバキュームバルブと表示されている。画像はボルボではなくてビータス製の物である。


 重要なパーツなのでエンジンマニュアルには多分書いてある。新艇で保障期間内のエンジンならともかく、船体保険もエンジンは担保されないと聞いている。たまにはエンジンルームを覗いて確認しておこう。

 ちなみに、エンジンの掛かりが悪いためセルモーターを長く回し続けてもエンジン内に浸水することがあるそうだ。そんな時はシーコックを閉めてからやってみるといい。と、この道の先達から聞いている。
[PR]

by pac3jp | 2006-07-12 08:25 | シーマンシップ  

排気管からエンジンへの浸水

 エンジン内に海水が浸水する原因としては、冷却水回路のサイフォン現象によるものと、セーリング中に大波などでエキゾースト回路から海水がエンジンに逆流する場合と、大きくは二つの原因があると言われている。今回は後者、エキゾーストからの浸水を考えてみる。

c0041039_10145211.jpg ヨットのトランサムに排気口が付いているタイプのヨットは追い波の中をセーリングしていると海水が排気管を通ってエンジンのシリンダーまで浸水してエンジンの始動がしにくかったりシリンダーを傷つけたりする場合があると聞いている。大阪在住の大ベテランセーラーの書かれた航海記「列島ぐるりヨットの旅」の記述の中に、出港し、暫くしたらエンジンを止め、セーリングに移るとすぐに排気管に栓をすると書かれてあった。 多分、排気管からの浸水に悩まされていたからだろう。

 航海記によると福岡・芦屋港を出て風速15mクォータリー、波4~5m、玄界灘を快調に壱岐・石田港を目指して航海していた時、出港時の忙しさに取り紛れて排気口に木栓をするのが遅れてしまった。追手の風でかなりの速度が出ている。気がつくとトランサムが排気口まで含め1/4位まで没水していた。

 目的の港に近づき、エンジンスタートボタンを押すが「グィッ」といって予想通りエンジンは掛からない。シリンダーまで海水がはいってしまったのだ。さあ、困った。シングルハンドで初めての港に入るときエンジンは必需品だ。航海記はこれから著者が苦労してシリンダーに入ってしまった海水を排出するくだりが書いてあるが、これは省略。

 確かに排気口からエンジン本体へ、それもシリンダー内部まで海水がセーリング中に浸水するのはちょっと考えただけでは不可能の様に思うが、YS12など横置きタイプのエンジンや水線下に据え付ける場合が多いクラシックタイプのヨットにはよく起こる現象らしい。排気口下面と喫水線が殆ど同じ高さのモーターボートでは係留中に他船の引き波でエンジンに浸水した事例もあったそうだ。

c0041039_10163139.jpg 船尾から打ち込んだ海水は逆Uループにされた排気ゴムホースを通過し、ウォーターロックも越え、ミキシングエルボから排気マニホールドに至り、エンジンの排気弁の隙間からシリンダー内に浸水するのだ。エンジンを始動しようとするが回らなかったり、クランキングが固いように思うなどで、多分この現象の発見は早いので対処は速くできるだろう。

 対策はミキシングエルボを喫水線より上に持ってくる事だが、トランサム近くの排気経路にビータスの逆流防止トラップを入れることも効果的だ。野本先生によるとウオーターロックに排水弁を付け、セーリング中は開放していたと、ご本にある。この場合は打ち込んだ海水はビルジに出て、増えてくればキャビンが水浸しになるから気がつく・・・。

 いつもお世話になっているメカニックさんによると、ウォーターロックも船尾で排気管を逆U字に立ち上げてないフネも時々あるとの事。一度も見た事のない方は、これを機会にエンジンからの排気経路をご自分で確認されたらいかがですか。

 最近のヨットはトランサムに排気口がついたタイプは少なくなり、左右のスターンサイドに設けられたタイプが多い。ボクのフネも近頃は機帆船タイプの運用が多くなり、燃料費の高騰は心配だが、こちらの心配は少ないだろうと思っている・・・。
[PR]

by pac3jp | 2006-07-10 10:22 | シーマンシップ