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レーダーリフレクター

 数日前、濃霧の播磨灘、本船航路沿いの富島沖で大型カーフェリーと小型底引き漁船が衝突したと新聞の記事に出ていた。双方に怪我人は出なかったが、漁船は航行できなくなり僚船に曳かれて帰ったとあった。衝突の原因は未だ不明だが大型カーフェリーのレーダーに漁船が映らなかったのだろうか。この海域は西側に有名な浅瀬「鹿の背」があり、淡路との狭い海域に明石海峡に向かう本船航路が通っている。勿論、漁船も多い。ボクたちも四国方面にクルージングする時の常用航路でもある。

c0041039_9143578.jpg 港にいる時に濃霧が発生していれば霧が晴れるまで出航しないが、航行中にガスが出てきたら大変だ。レーダーがあれば自分で付近の障害物をしっかり見張る事もできるが、もしなければ、レーダーを装備した本船から自分のヨットを見つけてもらわなくてはならない。FRPで造られたヨットやボートはレーダーに映りにくいといわれている。そこで、レーダーリフレクターの出番になる。ボクもシュラウドに50Φ×520mmのヨット用レーダーリフレクターを付けているが、カタログによると、レーダー反射面積は2㎡らしい。JASF-SRによれば10㎡が必要でとあると規定されている。ヨット用では頼りないので船検備品のアルミ8面体のリフレクター(多分6㎡)を上げたこともある。

 船検では沿海区域を航海するヨットはレーダーリフレクターを安全備品として必ず装備しなくてはならないとして定められている。
 小型帆船で、レーダー反射器(最高レーダー断面積が6㎡以上のもの又はいかだのぎ装品として備え付けられるもの)を備え付ける場合は不要。と、レーダートランスポンダーの代用に認められているが、レーダーリフレクターの必要面積の規定は法定備品のリストからは見つからなかった。通販の某マリンショップによればプラチスモのモデルは全部をJCIが認めていると表示してあるが、詳細は確かめてないので不明。

 外洋ヨットレースのJASF-SR 2005-2006の規定では 8面体のものは対角線が少なくても456mm以上。その他の形状のものは断面積が10㎡以上なくてはならない。そして、レーダーリフレクターが機能する最小有効高さは海面上4mである。

 それに、ヨットからの最も効果的なレーダー反射はRTE(rader target enhancer)を使用することによって得られる。この装置はレーダーリフレクターに補足して装備されると良い。RTEはITU-R1176の推奨に適合する。RTEの使用を強く推奨する。と書かれている。

では、RTE(レーダーターゲットエンハンサー)とは何だと調べてみると、

英国などでレーダ電波の反射波を増幅させる装置が市販されている。
これはアクティブなレーダーターゲットエンハンサと呼ばれている。
構成は、送信アンテナ、受信アンテナとマイクロ波増幅器から成り、
レーダ電波を受信するとそれを単に増幅して送り返す装置である。
「受信した舶用レーダ電波に応答して受信信号を単に増幅し、自動
的に送信するもの」と規定されている。従来のレーダレフレクタに
代わって、航路標識やその付属施設としても有効な利用が期待され
ている。小型で簡便であることからさらに用途が広く、魚網ブイや
海上構造物等へ幅広い利用が予想される。

 なるほど、FRP製小型船など大型本船のレーダーに映りにくい船舶の、夜間や濃霧中の航行にはもってこいの装置だ。でも、日本の電波法では難しい手続きがいるかもしれない。電波を発射する装置は「無線局」である。よって、電波の質はこうこうではなくてなならない。当然、電波を出すので電波利用料も納めてもらう・・・てなことになるのかな。安全な航海の為のレーダーやVHFを検定というガードを作り、アメリカで買える同等品が数倍の値段でないと当の生産国で買えない矛盾が今もある。

 でも、このような装置が安く提供されるようになれば我々のクルージングには大いに助かる。出来るだけ早く輸入されて使えるようにして欲しいものだ。


(参考文献)
JASF-SR 2005-2006:JSAF 外洋 特別規定2005-2006 モノハルおよびマルチハルの外洋レーシングヨットにおける構造上の特徴、ヨットの装備品、乗員の装備品および訓練の基準
イラスト:サクセスフルクルージング Vol.2 舵社
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by pac3jp | 2006-06-30 09:17 | ヨットの艤装と艤装品  

アフリカの女王

 ハンフリーボガードが出ている古い映画のDVDを友人からお借りした。題名になっている「Africanin Qeen号」はスチームエンジンが載ったリバーボートだ。映画の内容は「まぁ、まぁ」だが映画に出てくるこのスチームボートがえらく気に入ってしまった。
 このフネは薪を燃料にする縦型のボイラーとスチームエンジンを搭載した小型の運搬船だ。モデルになった実在の「Africanin Qeen号」は1914年ドイツ マイヤー造船所で建造されたとあった。

 まず、一番気に入ったのが燃料と蒸気の元である水がどこでも手に入る環境で運航されている事だった。ジャングルの川岸には枯れた木材はどこでもあるだろう。水は川なので異物を濾せば充分使えるのだろう。あとは潤滑油さえあれば長い航海も出来る。でも内陸河川なので大した距離は航海しないのかもしれない・・・でも大陸の河川は大きくて長いネ。
 だが、薪ボイラーで高い蒸気圧がエンジンに供給できる事がエンジンの出力ひいては船の速度が大きく影響されるが、映画の船は手入れ不良のボロボイラーだ、船長が叩くと動き出すシーンもある。速度は大して出ないようだった。

 興味が出てくると、実物が見たくなるが、今も使われているスチームエンジン搭載の機械といえば蒸気機関車だ。JRで動態保存されている様で、時々イベントで走っているのをニュースで見る。しかし、船が見たいと思い、Webで検索すると造っている人がいた。小型のボートに縦型ボイラーを載せ汽笛を鳴らしながら港内を航走している動画があった。どうも模型船のスケールアップらしい。

c0041039_9294660.jpg そこで、仲間で模型マニアのオーナーにお聞きすると、船にセットはしてないが、横型ボイラーと2気筒のスチームエンジンのセットを持っているとのお返事。早速見せてもらう。それは大昔、高嶺の花だったが、模型店のショーウンドに飾ってあって真鍮色に輝いていたものだった。燃料はアルコールでバーナーに注入して点火してもらうが、素早くバーナーが働き、ボイラーが加熱し、蒸気が出て、エンジンが動く、とはいかなかった。そう簡単に動き出すシステムではないようだ。 漏れたアルコールにバーナーから引火して火傷しそうになったとか、内燃機関よりも取り扱いは大分難しそうだ。

 スチームエンジンを眺めているとボクが子供の頃、まだ、住宅や町工場クラスでは電力事情が悪く、よく停電していた。ろうそくをつけて夕食をとっていた思い出もある。祖父がどこで借りてきたのか、赤く塗られた台車に載った消防ポンプが工場の隅に置いてあった。停電すると、消防ポンプのスチームエンジンが動き出し、ベルトで駆動された工作機械が動き出すのだった。いま思えば不思議な光景だが、物がなかった時代は何でも利用したもんだね。

 話しが横道に逸れたが、もし、20f位のスチームボートがあれば面白いと思っている。勿論、燃料は海岸に流れ着く流木だ。長さを切り揃えて、斧で割り、燃料庫に貯蔵する。クルージングのエリアは周辺の埋め立て地に囲まれた水路や運河、昔から水運に使われた河川など波穏かなエリアを巡るのが楽しいだろう。ヨット雑誌によると欧米では愛好者も多そうだが、わが国ではどうなんでしょうね。

でも、きっと何処かで、楽しんでおられる人はいらっしゃるでしょうね。
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by pac3jp | 2006-06-28 09:37 | 映画・演劇  

ヒーブツー

 ヒーブツーとはセールを張ったままでヨットを動かないようにする事をいう。日本語では踟躊 ( ちちゅう )と言う。ヨットの教科書には荒天運用の項に書かれているが、外洋の大嵐の中でヒーブツーをした経験がないのでなんともいえないが、何も時化た海でのみ有効な操船方法ではない。どこでもいつでも使える便利なテクニックである。

 でもヒーブツーしたヨットは全く動かないわけではない。ゆっくりと風下に流れてゆく。昔、ディンギーのレース中、数レースが終わり、風上でお弁当を受け取り、ヒーブツーしながらお弁当を食べ、風下のスタートライン近くまで流していた。またクルージングヨットでも沖でのランチタイムやシングルハンド艇のトイレタイムに丁度良い。 良く使われる状況は、夜明け前に目的地の港外に着いたが、様子が判らないので夜が明けるまでヒーブツーで待つ。あるいは狭く急潮の瀬戸に入りたいのだが沖で時間の調整したい等に使われている。

 最近、5人のクルージングヨットのオーナー達とランチクルージングに出たときヒーブツーについて聞いてみると、お二人のオーナーが使ったことはないと返事された。仲間内では40%がヒーブツー未経験である。例は少ないが概ね妥当な比率かもしれない。確かに、普通にデイセーリングや短いクルージングでは使う機会が少ないが、覚えておいて損はないので是非試してみてください。

c0041039_982588.jpg 左の図はタックをしてそのままヒーブツーに入るパターンである。タックを変えたくないときはシバーしながら風上に上り、ジブのタックがが」変ればまた元のタックに戻し舵を風上に切り、ヒーブツーに入る方法もある。どちらにしても風下に充分広い海面があるのを確認しよう。GPSがあれば艇がどの方向に進んでいるか確認できるので確かめてみよう。

 ヒーブツーが出来る条件は各々のヨットによって違うので、やや強い風の日にメンセールとジブセールの大きさや風上に切る舵の角度も変えて自艇のヒーブツーが上手く出来る組み合わせを確かめてください。
 ボクのヨットの場合はジブをNo.3位の大きさとフルメンで16~20ノットでも簡単にヒーブツーに入るようだ。

 荒天運用では風波が増し、やがてセールを展開している事が出来ない大時化になってくると全てのセールを降ろしてベアポールで漂泊する事になる。
 今年4月上旬に小笠原に向けクルージングに出た友人のヨットはベアポールで東の方向に10ノットの速度で流され、伊豆諸島の沖に点々と連なる小島に打ち上げられる恐れもあったと言っていた。そんな恐ろしい海にぶち当たりたくもないし、体験したくもないなぁ。

 ボクはランチタイムにヒーブツーしながらゆっくりとお昼ご飯が食べられる海で楽しめたら充分だ。
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by pac3jp | 2006-06-26 09:18 | シーマンシップ  

ヨットハーバーの指定管理者

 久しぶりに昼食をヘミングウエイで食べようと仲間と一緒に北港ヨットハーバーに行った。でも、レストランは結婚式で貸切、クラブハウス1階の喫茶コーナーも閉店していた。・・・残念。良い天気なのにビジター桟橋も寂しい。でも、レンタル風や身障者用のディンギーは沢山出ていた。

c0041039_8484061.jpg 最近は近隣の公共マリーナも指定管理者に業務委託されるところが多くなってきた。もめていた北港ヨットハーバーは「港開発・よしもと連合体」が新しく指定管理者になった。須磨ヨットハーバーは従来からの「神戸港振興協会」が選定された。
 新しい管理者がどんな手法でどの位その施設から利益を出して、本家の財政を助ける運営が出来るかが指定管理者の選定をする主な目的だろう。そのハーバーの収益の大部分のお金を支払っているのはヨット・ボートを預けているオーナーである。
 これは大きな関心事だ。各市役所から指定管理者が公募された折、北港ヨットクラブや須磨ヨットクラブも指定管理者になるべく応募したが、どちらも選定されなかった。まぁ、どちらもヨットハーバーの運営に熱意はあっても実績や信用力が少ないので役所は認なかったかもしれないね。

 大阪市が北港ヨットハーバーを吉本興業に業務委託したのは驚いたが、大阪を代表する有名企業であり「がめつさ」も有名である。しっかり運営してくれるだろう。でも、昔から無料だったビジターバースの一時係留はどうなるのでしょうね。ボクはこれだけが心配だ。
 でも、休日はレストラン結婚式で一般客が入れないレストランや昼食をする喫茶店もなけれは、ボクはビジターで北港ヨットハーバーにゆく理由がないなぁ。

 今年の4月に大分県のマリーナ「マリンピアむさし」で10日間程お世話になった。陸置き60隻・海上係留40隻の規模のマリーナだが、契約艇は半分くらいの入りだろう。ここも指定管理者がマリーナの運営管理をしている。ハーバーマスターが管理者だと聞いた。職員はハーバーマスター、マリーナスタッフ2名と事務員さんの4名である。ボクが居た頃は春先なのでマリーナに係留しているオーナーさん達は余り来てないが、ハーバー職員の皆さんは忙しそうに働いている。作業はマリーナ本業の上下架作業もあるが、ヨットやボートのエンジンの整備から船底塗装まで直営でやっている。一部は外注もあるようだが、近隣の上架設備のないヨット泊地からくる整備や修理も一手に引き受けている様子だ。いつも夜遅くまでマリーナ事務所の電気が点いていた。きっとこのマリーナの管理者はマリーナが満杯にならない不足の収益を近隣の泊地にいるヨットやボートに整備の基地として使ってもらって、それを収益源にしているのだろうなと思った・・。

 大阪湾周辺の公共・三セク マリーナで整備作業まで直営でやっているところはないだろう。今までのハーバー管理者は事務所で書類を作り、会議をし、ハンコを押したりしているもんだったが、今回、近隣のハーバーで新しく指定管理者に選定された事業団体はハーバーの係留料を上げず(これは当然だが)、利用者が喜び、ビジターも沢山来て、賑わう施設としてのヨットハーバーにして欲しいものである。
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by pac3jp | 2006-06-23 08:57 | ウオッチング  

ガスオーブンの改造

c0041039_9365816.jpg 外国からの輸入されるクルージング艇は必ず、ガスオーブンが付いたレンジが装備されている。欧米ではオーブンでパンを焼いたり通常の料理にもよく使っていると聞いている。しかし、日本の家庭ではガスオーブンよりも電子レンジとコンロについた焼き物専用のグリルをよく使っている。食文化が違う国からの輸入品はこういう不都合がよくある。

 ヨットの中ではガスオーブンの本来以外の使い道は小物入れぐらいしかない。外してしまったらコンロを別に買わなくてはならないし、狭いヨットのギャレーで貴重なスペースを小物入れにするのは勿体ない。オーブンを取り外してレンジに電子レンジを組みこんだデュフォー36のオーナーがいらしたので、頂いた「改造手順」も合わせてご紹介しよう。

1)機種選定
  ENO 0120に組み込む電子レンジの選択、家電量販店で各社の
  カタログを集め  組込可能な機種探し 巾、高さ、奥行き寸
  法が適当な東芝ER-C2に決定する。
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2)作業プラン
  ガスオーブンの両側面のSUSプレートを利用しバーナー架台と
  電子レンジを接続するプラン。
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3)分解作業
  ガス管の処理や注意点
     ガスオーブンのバーナーとオーブンをつないでいる銅パイプ
     3mm位をニッパで切り、切口かからガスが漏れないように
     二重に折り曲げかしめる。
  コックの処理   
     コンロ内でコックを通じて分岐しておりオーブンのコックは
     残しており間違いでオーブンのコックを開けてもパイプで止
     まります。

  側面のSUSプレートを外し、ホーロー引きのオーブン本体を取り
  外す。

4)材料の準備
  アングル材:SUS 25x25x500:1本、アルミ 20x20x500:
  1本、20x20x290:4本、
  木材:60x20x290:2本、ラッチ金物、SUSタッピングナベ
  4x10:12本、4x20:8本 5x10:2本、ボルトナット5x15:
  4本、5mm平ワッシャ:10個、電子レンジ

5)組立
  電子レンジ内部の機器を壊さない様に3.2mmの先穴を開け
  SUS20x20x290:4本、を取り付け、後ろ側の寸法の不足分を
  木材で調整し取付、前後のアングルを取付、側面プレートを取り付
  け、ジンバル固定用のラッチを取付完了。

 ヨットで電子レンジを使うにはまず交流100V電源の確保が必要だ。消費電力1kwの電子レンジがあったとしよう。陸電があれば問題はないが12V のバッテリーから取る場合は1kw以上のインバーターが必要だ。電子レンジが作動中はバッテリーからインバーターへ80A~90Aの大電流が流れる。余裕あるバッテリー容量と消費された電力に見合う充電ができるオルタネーターかバッテリーチャージャーが必須だ。

 ちなみにご紹介したヨットのAC100V電源は100V-2.5KVAエンジン直動オルタネータ(交流発電機)とバッテリーバンクからは大容量のオルタネーター及び陸電からの統合システムで賄っておられる。

 ボクの場合、大容量のインバーターを搭載してないので電子レンジはない。従ってガスオーブンは本来の用途に使っている。ヨット内の食事を洋風化して、主食はパンを焼いてっと・・・痩せ我慢?ではなく適当に使っているのだ・・・。

ご注意:この改造記事は工作の安全を保証するものではありません。改造をする場合は各自の自己責任でお願いします。なお、ヨット内でプロパンガスを使う場合はガス遮断弁とガス漏れ警報器の設置をお勧めします。
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by pac3jp | 2006-06-21 10:07 | ヨットの艤装と艤装品  

ヨットのサイズ

 ヨットハーバーの上架ヤードでオセアニス40の整備作業に余念がないオーナーに声を掛けると、このヨットが整備できたらもう売ろうと思っているとおっしゃっていた。中古だったが、まだ買ってから1年と少しくらいだろうと思う。「何故?」と、お聞きすると自分の乗りたいサイズよりも少し大きいそうだ。彼は今まで33fのクルージングヨットに乗っていた。今のヨットはちょっと見た目には前のヨットの2倍くらいはありそうだ。装備もかなり違う。チークデッキ、6kwのジェネレーター、エヤコン、各種油圧システムと前の33fとは整備する装置も船体のボリュームも大違いだ。幾つかのトラブルもあったそうだ。シングルで操船中にプロペラ脱落、ラダー作動系故障等があり、ハーバー付近だったが対応に手こずったことも理由の一つだろう。

c0041039_10405790.jpg つい最近、昔からの友人が39fの新艇ヨットを買った。全長は12.14mなので呼称では40fだろうね。奥方や仲間とクルージングやパーティを楽しみたいとおっしゃているのでサイズとしては充分だ。だが前の31fのヨットから少々ブランクがあるし、まだフネの癖もよく判らないので長さ12m、幅4mのヨットをバースに出し入れするときは相当の緊張があるようだ。当分は港近くで操船練習が欠かせないねと話している。当分はボク達仲間で付き合う覚悟だが、ヨットの練習よりもフネを舫ってからのビールが大好きな人も多く先が思いやられる。


c0041039_10162629.jpg 先月だったのだろうか、お向かいの桟橋にハンター36の新艇が入ってきて、今、熱心に操船練習をしている。また、先週末にフル装備の「ナウティキャット331」のこれまた新艇がお向かいの桟橋に入ってきた。船名を読むと、昨年サウナルームが付いた、43fだったかな、大きなヨットを見学したが、そのフネに付いていた名前だった。中古艇を買って乗ろうと思って手を入れたが、大きすぎて時化の海で苦労されたらしいとも聞いた。今度はナウティキャットにしては小ぶりなヨットなのでショートハンドの航海でもサイズ的に問題はないのだろう。

 近頃のクルージングヨットは重労働だったハリヤードーの上げ下げはなくなったが、デッキが高すぎるヨットが増えてきた。桟橋からの乗り降りも踏み台がなければ乗り込めない。まして出先のマリーナの桟橋では舫いを持って飛び降りるときには大変だ。フネは手入れを怠らなければそう老化(劣化)はしないが、人間は違うね。中高年からの老化は早い。今までデッキから飛び降りられた高さでも、いつまでも出来ないのだ。スポーツセンターで筋トレに励むのも良い考えだが、乗り易いサイズに乗り換えるのも海に出る機会が増えてそれも楽しい。

 港の片隅からこう見渡していても、やっぱり世間の景気は良くなっているように見える。このハーバーもヨットやボートが増えてきた。ボートは若い人も多いがクルージングヨットにはそう若い人はいない。これからは団塊世代の人達がどっと?ヨットを始めるのだろうが、自分の遊び方と体力を充分考えミスマッチのフネを選ばないようにして、この趣味を長く楽しんで欲しいもんだね。
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by pac3jp | 2006-06-19 10:27 | ウオッチング  

フィン・スタビライザー part2

 プレジャーボートにフィン・スタビライザーを装備しているといえば高級なメガヨットを想像するが、ご近所の32Fのトローラ(GB32)にも装備しているよと、前にもご紹介したが、今回はそのメカニズムを簡単な画像でお見せしたい。
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 システムのメーカーは USA「WESMAR」コンパネには「CPS 1000 GYRO CONTROLLER」と表示してある。
上の画像のうち油圧ポンプ以外の機器はステアリング周辺に配置されている。

 ボクはこういう方面に使われているジャイロスコープに興味があった。見せて頂くと、それはコンパネの裏側に小さな箱に入って収まっていた。ジャイロセンサーは振動センサーなので本体は極小さいが、それは価格相応の立派なBOXに入っているわと、オーナーはおっしゃっていた。
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 フィンスタビライザーの駆動部分はすべてメインキャビン下のエンジンルームにある。油圧ポンプで加圧されたオイルはマニホールドに入り、ここで左右に分配される。画像では左舷のフィン駆動部しか撮ってないが勿論、右舷側にもある。
このスタビライザーのフィンは固定で客船のように船体に収納するタイプではない。従って収納のためのメカはない。

 ついこの間、仲間のヨットオーナーがサントピアマリーナからの回航をお手伝いした。帰ってきてからフィン・スタビライザーはどうやったと聞くと。ヨットくらいのスピードだけどローリングは少なくて良く効いているようだとの返事だ。・・・でもね、と次の言葉が返ってきた。このフネは高級装備のフィン・スタビは付いているけど、オーパイは無かった。

 ヨットのオーパイは安いけど、ボートのオーパイは結構高価なのだ!!やさしいオーナーは奥様とご令嬢が船酔いしないようにまず、ボートの横揺れ防止に資金をつぎ込んだのだろう。舵輪を握るのは自分だ、当分は我慢しようと考えられたのかもしれない。

 また、フィン・スタビを作動させると速度が落ちるかとお聞きすると、変らないとのお返事だ。それより影響が大きかったのはONAN8kwのジェネレーターを積んだときで、約1ノット速度が落ちて巡航9ノットになってしまったらしい。

 200HPディーゼルエンジン1基、半速で巡航9ノット。のんびりと巡航するには充分のスピードである。
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by pac3jp | 2006-06-16 09:38 | ボート  

ビームアンカーを打つ

 クルージング先の港で泊まる時、浮桟橋があれば便利で良いが、その周辺の状況を見てビームアンカーを打たなくてはならない事もある。
 例えば、艇の横から吹く風が強くなり、フェンダーが潰れてしまう程になりそうな時。あるいは係留した場所が港内の航路に面していて大きな引き波が艇を揺らし、桟橋や岸壁に激しく打ち付けられるなど、また、潮汐によってフェンダーがその効果を無くしてしまう、あるいはそのような可能性があるときにはビームアンカーを入れておくべきだ。
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 昨年は五島列島奈良尾港、壱岐芦辺港の浮き桟橋で2回、神戸港などの本船用岸壁で2回打った。ビームアンカーを打ち損ねて俵フェンダーが潰れてしまったことが九州で1回あった。

《 打ち方 》
 空いた岸壁や桟橋のまず、沖に錨を入れて、ゆっくりと槍着けの要領で近づく。そして、陸や桟橋からロープを取ったのち船を回して横着けにし、船尾のラインを船体中央のクリートかマストのあたりのステーまで回して来て止める。アンカーラインが船の真横方向に延びるからビームアンカーと言う。横を通る船が引っかけないように、アンカーモニターを吊るしてロープの角度を深くする必要がある。これで普通の日和なら岸壁と船の間は適当に開いて、舷側の汚れや傷みの心配がない。
 風が強くなってきたり、風向が変れば、ビームアンカーを逆Y型にしてバウとスターンから引き、風向に合わせて艇の姿勢を調節する。

 でもあるとき、ボク達は旅先の浮桟橋にいた。その夜強風が予想されたのでビームアンカーを入れて岸からも長いロープでまし舫いを取ったが、後から入ってきたロングクルージングのヨットは丈夫そうなタイヤフェンダーを入れただけだった。フネが風に押されてフェンダーでゴリゴリ擦られても平気のようだ。確かにアンカーを打ったり、また回収するのはメンドクサイ。でも夜中にステーがヒューヒューと鳴り、マストに受ける風圧でヨットがヒールし、桟橋に押し付けられる音を聞くのはメンドクサさを越える辛さだ。クルーが乗っていても嫌がる時もあるが、断固アンカーを打つことにしている。
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 ↑画像は今年4月、愛媛県今治港で係留した時の画像だ。港務所は港内で係留可能な岸壁としてこの場所を指定し、槍付けは通行の船舶に邪魔なので不可。横付け、ただし、これから大分潮が引くのでペンドルはしっかり入れときなさいよと注意して、25円の停泊料を徴収していった。この岸壁はゴムの防舷材の下1m位で垂直の岸壁はなくなっていて、奥に鋼板の矢板が見えてくるはずだ。
 風は旗で分かるが岸壁に吹き寄せられる風だ。手順通りに逆Y型にビームアンカーを入れ岸壁から1mほど引き離した。

 さらに暫くすると船首側の空きバースにタンカーが入ってきた。出航用のアンカーをボクのアンカーの上に落とそうとするので本船のバウマンにアピールする。すぐ近くにガラガラ、じゃぽーんと錨を落として後進で割り込んできた。

確かに活気のある本船用の港に着けるのは苦労も多いが、でも、たまには面白い事にも出合う。これからも時々は片隅にお邪魔したいと思っている。
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by pac3jp | 2006-06-14 09:26 | アンカー  

アンカーモニターを付ける

 梅雨の季節にもなってくると、もう夏休みのクルージング計画が具体的な準備の段階に入っている事だろう。ボクのご近所も時計周り四国一周のクルージングの準備中だ。コース中の停泊は瀬戸内以外の港で浮桟橋が使えるところは稀だし、普通は漁港の空いた岸壁につける事が多くなるだろう。

c0041039_1144225.jpg 従って停泊港の状況しだいではアンカリングをしなければならないが、アンカー装備やアンカーの入れ方は各人が自分の考えや手法を持っている。でも、基本は安全確実にヨットを係留する事と地元や近くの船に迷惑を掛けないマナーが必要だ。

 狭い漁港や港内通行の多い場所に槍付けをしたり、ビームアンカーを打ったときにはアンカーラインを沈めるためにアンカーモニターをつける。またこのモニターはアンカーラインのスコープ角度を小さくする働きやバウの舫いを引く働きで岸壁からヨットのバウを離す役目も受け持つ。ちなみにこの錘につけるラインの長さは水深+舷の高さが適当だそうである。

c0041039_1161232.jpg ではモニターとしてどんな形状の物を使うかだが、「春一番」の野本先生のご本には20kgくらいのチェーンの束を付けると書かれているが、ボクのご近所では、予備のアンカーを吊るす。自作の5kg~10kgの錘をつける等、色々のご意見がある。当然ご自分のフネの大きさや重さによっても変るがボクの場合、10トンのフネに10kgの自作の鉛モニターのつけている。これでも付け外しは結構重いので20kgはチョット大変だ。どうしても必要になればもう1個アンカーやチェーンを追加することになるだろう。

 右の画像はボクがここ10年くらい使っている10kgのアンカーモニターだ。これは昔乗っていたヨットのインナーバラストを転用して自作した。
ステンレスの塊にロープ環をつけた形状の物も見かけるが、自作の物は保管場所との兼ね合いでデザインは決まるものだ。ボクの場合、ロープロッカーに収納するので平たいタイプにした。

c0041039_11102498.jpg ←画像は市販品だが、どこで売っているかは知らない。

 同種のものをどこかの港付近の船具屋で見つけたとのお話しも聞いている。

 そうだ、クルージング先で船具屋さんがあったら是非とも覗いて見てください。きっと面白いものが見つかるよ!
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by pac3jp | 2006-06-12 11:27 | アンカー  

限定近海区域

 海難審判庁の記録を見ていて、普通の内航貨物船でも限定沿海区域の資格しかない船があるんだと気がついた。限定沿海と言えば小型船舶だけかと思っていたが、意外だった。航行区域は大型も小型も変りはないのだ。

 この前のクルージングでボク等のすぐ後の岸壁に着けた、200トンクラスのタンカーのクルーとお喋りしていたら、彼らの航行エリアも瀬戸内海の限られた港間でガソリンや軽油を運ぶを航海しているだけだと言っていた。限定沿海(瀬戸内)船かもしれない。

 ヨットやボートの場合は今まで航行区域を限定沿海にしているフネが多かったが、安全装備の追加で全沿岸区域を航行できるようにも規制が緩和された。その結果、5海里以内の沿岸を航行して日本一周も可能になるといわれているが・・・。

c0041039_10494127.gif だが、ボクのフネは沿海区域で船検を取っているが、日本一周は出来ない。本州側から奄美大島には行けないのだ。少しだけ沿海の区域が切れている。南に向かう大抵の沿海艇は鹿児島で臨航をとってから奄美に向かうのだが、臨航(臨時航行許可書)は有効期限があり切れたら来年まで更新出来ない。これが大変だ。

c0041039_10503053.gif  臨航なしで日本一周をしようと思うと近海区域で船検を取らなければならない。厳密にいえば沿海船で沿岸から20海里以上沖を航行すれば航行区域違反だ。例えば屋久島や種子島から直線で室戸岬にコースを引けば近海区域に入っているし、室戸岬から足摺岬に直線に航行するとチョット掛かりそうだ。

 だが、沿海区域図を見ていると直線で航海したい内航船主団体の要望だろうか、伊勢沖、土佐湾沖などどんどん沖側に大きく広がってきている。沖縄航路で奄美付近で切れている沿海区域や、沿海区域の付近で長距離フェリーを運航する会社から建造費や運航ロスなどの指摘に対して、限定近海という航行区域が出来ているそうだ。

 これは本船の資格みたいだが、我々ヨット乗りにも沿海区域から少しレベルアップしたフネが、丁度いい位の外洋クルージングが出来る範囲だとと思うね。沖縄と八丈島が入っているので・・・。


沿海資格の船が長めの航路を引くとき沿海区域に合わせてコースを引くと航海距離が伸び、燃料費が大目にかかる。そこで、国内海上輸送について、輸送時間及び輸送コストの削減のために各港間を直線的に航行するというニーズに対応するため、限定近海船(近海区域を航行区域とする船舶のうち本邦の周辺の水域のみを航行する船舶)という船舶の分類区分を設定し、その水域を航行する船舶の安全性の確保に必要十分な基準を策定してきたところです。

沿海区域を航行区域とする場合とほぼ同等の積載量を確保したまま直線的な航路を選択(航程距離を5%~10%短縮)することにより、結果的に燃料費の節減等の運航コスト削減が可能となる。 なお、運航時間の短縮により船員労働環境の改善に貢献
  (参考)長距離フェリーの燃料費 年間約6億円
 近海区域を航行区域とする船舶より建造費を3%程度削減可能となる。
  (参考)699㌧型貨物船の建造費 約5億円                国交省HPより 引用
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 本船のこの規制の緩和は船体の満載喫水線や船員の資格も関係しているが、我々が乗っているヨットは船体そのものは近海の資格は充分取れると聞いている。海技免状も小型1級があればOK。
 あとは安全・無線装備だが近海と限定近海で較べれば航行できる範囲はかなり狭い。それに見合う程度に削減するか、沿海装備に数点追加して限定近海船として認めて欲しいものである。
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by pac3jp | 2006-06-09 11:02 | クルージング