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バウスラスター

 昨年の夏、広島県福山港に泊まった。大きな製鉄所がある工業港である。丁度、お盆休みで岸壁には艫付けで内航の500トンくらいの貨物船がずらっと15隻くらい並んでいた。ためしにバウスラスターのマークがある船を数えたら確か9隻だった。60%の装着率であった。
ちなみに頻繁に離着岸をするカーフェリーは100%が装備されているそうだ。


c0041039_13225219.jpg 画像はボートの操縦席である。エンコンの右側がバウスラスターのスティックである。
この装置は1軸船のボート操縦には多分、必須の装置だろう。ご近所のボートが自分のバースから後進で出てくるときキュー、キューとバウスラスターのモーター音が響いてくる。

 クルージングヨットもキールの形状によっては真直ぐに後進させるのが難しい艇もある。特にロングキールのヨットは難しい。
 我艇もフィンキールといっても前後に長いタイプで後進の舵効きは悪い。長い水路を追っ手を受けて後進で進むなんて操縦は難しいものだ。細長いフィンキールでセールドライブのヨットが楽々と後進しているのを見ると、少しだがうらやましい。

 だから、このようなヨットにはバウスラスターを付ける正当な理由?はある。前にご近所にいらしたオーナーさんの又聞きだが、彼の国産中型クルージングヨットに装備したバウスラスターは「風の弱い時は不要だし、こんな時こそと思う風が吹いているときには効かなかったよ!」とおっしゃっていたそうだ。
 原因はバウスラスターが単にパワー不足だったのか、あるいは船型の関係でバウスラスター付近に充分の喫水が取れなかったのに、波のある海面で使おうとしたのか、あるいは両方の悪条件がたまたな合致してしまうこともある。

 バウスラスターの便利さに慣れてくるとスターンにもスラスターが欲しくなってくるらしい。だが、これも大型艇の専用ではないようで、小型のヨットやボートに装備されている例は少ないがある。ボクもここでフル装備のナウティキャット32fのヨットに装備されているのを見たことがある。

 しかし、便利な装備も増えると今度はその操作が難しくなる。通常のステアリングとエンジンコントロールレバーを持ち、バウスラスターのスティックを操作し、スターンを見ながらスターンスラスターも調整する。これは難しいよ。ジョイスティックが2連になっているのだろうか、それにしてもゲームセンターの機械みたいだなぁ。

 大型船ではブリッジのウイングからラジコンで操作し、スラスター類とエンジンコントロールをGPSと位置センサーからの情報をコンピューター処理し船を安全に着岸させるシステムを搭載している船もあるそうだ。

 プロの船乗りが操船する船でもこうなってゆく時代だ。やがて我々の世界にも「ヨット用全自動出入港オペレーションシステム」なんてものが現れるかも知れない。こうなるとギャラリーの視線を感じ、緊張しながら桟橋着岸を試みるが失敗したなんて事はなくなり、ハーバーに住む古狸の密やかな楽しみも一つ減ってしまうことになるのかとも思うが・・・。
だが、これはボクが描いた夢物語なのでまだ当分は今まで通り楽しめそうだネ。
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by pac3jp | 2006-02-27 13:44 | ボート  

見覚えのあるヨット

 最近、三重の五ヶ所湾から回航されてきた黒いヨットがポンツーンの端っこに係留されている。艇名は入っていない。ハルの色には覚えがないが、1箇所、バウのアンカーローラーに見覚えがあった。

 1999年頃、2丁目でご近所に係留していたヤマハ34ケッチによく似ているのだ。当時のハルの色はビルダーオリジナルの白だった。スターンにボートダビットがついていてハードディンギーが括りつけてあった。オーナーはウイークデイにハーバー来る人で、ボク達が前に乗っていたJ24の舫いを手直しして頂いたとかで、名刺の裏に書かれたメモが入っていたのでよく覚えている。だが、そのヨットとオーナーもいつの間にかいなくなってしまった。


c0041039_91681.jpg ヤマハ34ケッチも各地で時々見かける位の数は出ているしと思いながら、作業中のヨット業者にお聞きするとやっぱりそのヨットらしい。彼も見覚えがあったと話していた。それはバウのアンカーローラーのシャフトを延ばして左右に小型のタイヤを装着していた。
 槍付けの際、もし、岸壁に当たってもそのタイヤが衝撃を吸収し、岸壁のコンクリートを車輪が上下してバウの損傷を防ぐのだ。当時、それを見て、「ほぉ~ やるなぁ」と感心したものだった。
 真似をしなかったのは、もし11トン近い重量のヨットが岸壁に当たるとそのタイヤとシャフトの強度が持つだろうかと思ったことと、一寸かっこ悪いなと思ったことだった。

 だが、その後、オーナーも変ったのだろう。船体の色は黒、セールカバーは赤になり、スターンのダビットの代わりにエアコンのためのジェネレーターボックスが載っている。バウにも新しいウインドラスや三方ローラーが取り付けられている。だが、バウの小型タイヤはしっかりついていた。多分、各地のクルージングできっと有効に働いてきたからだろうね。

 いま、ヨット業者さんが整備中である。いずれ新しいオーナーさんに引き渡されるのだろう。ボクには全く関係はないが、今後もバウのタイヤは取り外さず乗ってほしいね。
 
見覚えのあるヨットとして・・・。
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by pac3jp | 2006-02-24 09:20 | ウオッチング  

クルージングヨットの舵(3)キールハングラダー

 最近クラシックなスタイルのヨットに人気が出てきたのか、ご近所に30数年前に日本で作られアメリカに輸出された木造マストの32fケッチが里帰りしてきている。
 国産のロングキールのプロダクションヨットではかってのフジヨットが製造したフジ32、フジ35、フジ40がある。それらに乗っていたオーナー共々その姿を思い出す。

c0041039_954138.jpg 画像は古い木造のヨットである。キールはセミロングというのか、あるいは大きめのフィンキールだろうか、そこにキールハングラダーが付いている。プロペラはキールのオフセットに出ている。昔に作られた木造ヨットはほとんどがワンオフだったのだろう、オーナーやデザイナー好みで色々のタイプのキールやラダーを装備してきたようだ。

 ロングキールのヨットになると伝統のスタイルを周到しているフネが多い。最近のレーサーからデザインの流行が影響されることは全くないだろうね。アメリカ・ヨーロッパにはヨットの分母が大きい分このタイプも結構沢山あるし又、人気もあるみたいだ。

 このタイプが好まれる理由はそのクラシカルなスタイルともう一つの理由は大きなスタビリティにある。大波にノックダウンされても復原力消失角度が180度となるのもあり、概ね他のタイプのキールがついたヨットよりも転覆には強いと言える。(外洋ヨットのポジティブスタビリティは120度は必要といわれている)

c0041039_984120.jpg ここのハーバーはナウティキャットのロングキールタイプのヨットは5~6隻はあるだろうか。画像は44f艇のロングキールの後端に取り付けられたラダーである。キールハングラダーはキール下部の後端がラダーの下部支点になっていて、プロペラもキールとラダーで保護されているスタイルが多い。当然、ラダーの構造は頑丈に造ってある。このタイプのヨットは全体にヨットの重量も重く、従って船価も高いので高級なヨットに属するフネが多いともいえる。

 このどっしりとしたクラシックな感じのヨットもハーバーなど狭い水路での操船、取り回しが難しい。特に後進が難しい。フインキールのヨットで舵を切るようにはこのヨットは動かない。プロペラの推力を上手く使って操船するそうだ。バウスラスターが是非とも欲しいと思う場面でしょうね。

 だが、この素晴らしく優美なクラシカルなヨットも都市エリアのマリーナにフネを預けているオーナーに大きな悩みを与えている。
 それは、そのクラシックヨットのシンボル、バウスプリットだ。40fのヨットならば5~6fはあるだろう、そのフネの係留料は付属物も含めた全長で計算され徴収されるからだ。そんなせいか長いバウスプリットを持った大きめクラシックヨットはここのハーバーからは居なくなってしまった。

 この料金制度は、クラシカルなスタイルのヨットに対する差別と考えても良いね。多様なタイプのフネが平等に共存できるヨット社会が必要だと思う。
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by pac3jp | 2006-02-22 09:18 | ヨットの艤装と艤装品  

クルージングヨットの舵(2)スケグラダー

 セーリングヨットは長い時間をかけて、高速化、省力化、快適性を目指して船体のデザインはリグやセール素材と一緒に進化してきたが、近年、レースをするヨットとレースもクルージングも両方するヨット、そしてクルージングを主体にするヨットとに分かれてきた。
 それに伴い、ヨットの為に新しく開発されたテクノロジーはレース艇に、そしてレーサー・クルーザー艇に真っ先に採用されてゆく。やがて、評価が落ち着いた頃クルージングヨットに使われるようになってくる。クルージングヨットのオーナーが全般に保守的なこともあるが、ショートハンドで外洋を航海するとき、評価の定まった信頼できるテクノロジーは心強い。

 スケグラダーはヨットのキールがロングキールからフインキールに進化してゆくときに現れて、シェイプされながら現代まで使われている。
 直進性を高めるスケグにラダーを組み込んだものをスケグハングラダーといい、スケグの大きさによりフルスケグラダーとセミスケグラダーがある。
 純粋にヨットの性能から考えれば、ラダーの付近にスケグなどの余分な出っ張りが付いていると抵抗が増えるともいえるが、ヨットの手放し直進性や、ブローティングにも強く、丈夫なスケグにラダーシャフトの荷重を分散でき、より頑丈な舵を造ることが出来るのでクルージングヨット乗りにファンは多い。大ヨットメーカーのセイルボートシリーズにはよりクルージングに適したタイプのモデルに装備されているようである。

c0041039_1005793.jpg 左の画像はフルスケグラダーである。大きなスケグに守られたラダーが付いている。このラダーはスケグ下部、船体内2ケ所と合計3ケ所で支持されている。バランスドラダーに較べて支持ヶ所が多いので単純に考えたらラダーシャフトの強度は少なく見積もってもいいが、多分そんなことはしていないだろう。
 だが、このラダーは操舵力のバランス量が取れないので舵がやや重いかもしれないがが、頑丈というクルージングヨットとして欠くべからずの性能が充分それらを補ってあまりある。

c0041039_101162.jpg 右の画像はセミスケグラダーだ。フルスケグラダーからスケグ部分を小さくして、ラダーに適度なバランス量を与えて操舵力を補っている。
ヨットの直進性と舵きりのよさを折衷したタイプである。画像のスターンにはスターンスラスターが見える。小型だが大分お金のかかったヨットではある。

 だが、いつかはそのスケグ付きの舵を抜いて修理や整備をしようとする時が来る。そして、スケグがラダーを支えている部分を分解しなければならない。ほとんど外すことがないのでどのように分解するのか調べなくてはならない。特にセミスケグラダーについてはこれが多少面倒かなと思うのだ。

 スケグがついたラダーの全てがスケグハンギングラダーではない。YAMAHA26等はスケグの効果のみを期待し、ラダーとは独立して存在しているスケグが付いている。この場合はラダーはただのスペードラダーである。このタイプのスケグは、やがて船底に貼り付けられたような浅いスケグになって行くのだろうね。
 当然だが、この舵はスケグラダー並みの強度はないので、ちょっとした障害物などに突っ込むと両方が壊れる恐れが・・・。
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by pac3jp | 2006-02-20 10:12 | ヨットの艤装と艤装品  

クルージングヨットの舵(1)バランスドラダー

 舵はヨットの進路を定め、船体運動のバランスを取る重要な部分であるが、常に水面下にあり、しっかりと観察できるのは上架した時のみだ。

c0041039_923466.jpg 最近のヨットは殆どが軽くて回転性能が良いバランスドラダー(スペードラダー)と称するラダーが付いている。回転性能が良いということは直進性が悪いことにも通じるが、セールのトリムがちゃんとしておれば普通、問題はないだろう。だが、座礁などでラダーの先端に衝撃を与えてしまうとラダーシャフトが曲がって航行不能になってしまうことがある。 

(画像のラダーはデュフォー365です)

 ボクの知人でこんなことがあった。彼の37fのヨットは浅喫水用にデザインされたキールを付けていたが、ラダーのデザインは変更できないので結局、キールよりも深いバランスドラダーを持つヨットになってしまった。 数年前、不注意でクルージング中に座礁してしまった時、やっぱり、キールは無事だったが、ラダーシャフトが曲がり操船不自由になってしまった。

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今もヤードでキールとラダーを修理中のヨットがいた。⇒

 数年前ファースト40で無寄港世界一周に挑んだ小樽のヨットLISA号もラダートラブルがあったとその航海記に記述はあった。このケースは何故かラダーシャフトが1本ものでなく、その接続部分に由来する故障だったが、港内でラダーが抜けたので故障が偶然に発見できたので大事故にはならずにその対処ができた。

c0041039_94325.jpg ご近所に春から小笠原クルージングを予定しているデュフォー38がいるが、外洋の大波や座礁でラダーが故障することを予想してか、もう既に予備ラダーが2枚とそのための立派な架台を取り付けている。彼のヨットアドバイザーの忠告で付けたそうだ。彼のアドバイザーはアメリカでヨットのデザインを学び、日本でもご自身のデザインのヨットを沢山造っていた人だ。
 予備ラダーの装備までする動機は彼のアドバザーからみたプロダクションヨットのラダー構造が不安だったのか、ただ、外洋レースのルールに準拠しただけなのか、あるいはオーナーの操船に問題ありと感じてそうされたのかは、聞いてないのでボクは知らない。

 お話しが、バランスドラダーのトラブルに関するものばかりになってしまったが、このタイプ全てのラダーが悪いということではない。勿論、充分にメンテをして、事故なしで長く使っておられるオーナーさんも多いが、このラダーが装着されているヨットの数が多いのでトラブル発生が他のタイプと同率としても見聞するケースは多くなる。

 皆さんは自分が乗っているヨットのラダーの詳細な構造はどうなっているのか確認したことはありますか?
 座礁してシャフトが曲がってしまったり、メタルやベアリングの偏磨耗等でガタや浸水が発生しなければ船体からラダーを外してまでチェックする人は殆どいないだろう。
だが一度、ヨットビルダーに連絡して舵の構造図を貰い少しは勉強して、上架した際取り外して点検してみたらどうだろうね。
 バランスドラダー(スペードラダー)が一番簡単に外れそうだし・・・。
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by pac3jp | 2006-02-17 09:25 | ヨットの艤装と艤装品  

大航海

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 我々の仲間にマレーシアのアンダマン海に面したランカウイのリゾートマリーナに自分のヨットを置いている人がいる。 彼は日本が海の遊びに適さない時期、寒くなってくる12月から春の4月頃まで熱帯のリゾートで暮らしている。

 普通の日本人の感覚では外国のマリンリゾートにヨットを持っていると聞いただけで、すごい豪邸に住むリッチマンを想像するだろうが、彼はそんなにリッチマンではないように見える。春に帰ってきたときの彼の姿は真に現地人、マレー人になっている。日本語を話さなければ誰もがジャパニーズとは思わないだろう。要するに国籍不明風のおっさんである。

 そんな彼と奥さんのお二人でランカウイからシンガポールまで彼らの愛艇ORCA号(HR32)で回航クルージングをすることになった。距離は凡そ直線で450マイル、海賊が出ることで有名なマラッカ海峡も通る予定だ。出航準備も含めて1ヶ月かける彼らの大航海である。

 いま、その航海計画に取り組んでいる。以前にこのコースを逆にしたシンガポールからプーケットへの航海経験はあるが、座礁や、現地人の漁師に取り囲まれ、怖い体験もした。今回は前回の体験も踏まえて万全の航海計画を立てたいと思っているらしい。

 最近、彼らのヨットに装備されているGPSのバックアップ用に地図内蔵のハンディGPSを購入したので、その設定やウェイポイントのインプットなどのアドバイスをした。
 この艇のナビゲーターは奥方である。このキャプテンはどうもGPSやレーダー、パソコンなどの電子機器は苦手のようだ。キャプテンも奥方ナビゲーターと同程度のテクニックは必要だとは思うが、彼女に任せきりだ。確かにGPSがなかった時代も皆さんヨットでクルージングは楽しんできたから出来ないことはないが、もうちょっと面倒な航海術が必要だったヨ。

 ボクは東南アジアの海をヨットでクルージングした経験はないが、聞くところによると、多くのマリーナは外国人が主に使っているので欧米のシステムをとっているようだ。VHFでマリーナを呼ぶ、パイロットボートを呼ぶなど日本のマリーナにないサービスも普通にあると聞いている。
 そんなリゾートマリーナはセキュリティもしっかりしているが、一方、マリーナ以外で錨泊するとき、そこは全くのイスラムの世界である。ボタンの掛け違いでトラブルが発生する恐れもあるが・・・。

まぁ、見た目もすっかりマレー人になりきれる人だから問題はないかもネ。

 彼らの航海はボクから見ても波乱万丈?の航海を想像できる。だが、昨年のインド洋大津波も無事乗り切ってきた猛者でもある。お天気にも恵まれ、この思いが取り越し苦労で終わるような安全で楽しい航海になるように祈っている。
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by pac3jp | 2006-02-15 09:59 | ウオッチング  

国際信号旗

 ヨットは港則法では雑種船に分類されている。入出港の届出も不要だ。勿論、港内で信号旗を掲げる義務はない。
 だが、我艇も船舶の端くれとして、ヨット用ではあるが国際信号旗を1式持っている。サイズはヨットの万船飾に使うには丁度良いが、沖で使うのには少々チャチである。

 港則法によれば神戸港では総トン数500トン以上の船舶は運行を開始するときから港の防波堤を超えるまでの間、進路を表示しなければならないと定められている。当然、入港時も指定の信号旗を掲げなくてはならない。

c0041039_9144047.jpg 画像は中突堤から出港する客船のマストを撮ったものだが数字旗の1がはためいているので西航路から出港するのだろう。

 本船の国際信号旗に興味があるので良く注意してみてみると海上交通安全法で航路にしてされている明石海峡や備讃瀬戸航路を直進している船は信号旗を上げていない。航路を横断する船や航路から次の航路へ移る船が指定された信号旗を掲げているのだった。

 明石海峡のたこフェリーは第1代表旗とS旗を掲げて海峡を横断している。水島航路や備讃瀬戸では第1代表旗とP旗やS旗を掲げた本船が走っている。先にクルージングで通過した関門海峡では本航路から分岐する航路が多く、使われる信号旗の数が多いのでボクにはさっぱり分からなかった。

 いまや普通の本船では船間通信は国際VHFを用い、国際信号旗は海上交通安全法や港則法が定める行き先表示が主な目的になっているように思う。航路における方向指示器の役目のようだ。

 ヨットレースはレースの全ての指示が国際信号旗の旗りゅう信号で行われている。従って多少はヨットレースをやったことがあるヨット乗りはレースでよく使われる信号旗は分かるが、レースに使われてない信号旗は「なんだったかなぁ?」と悩んでしまう。
E、H、J、K、R、T、U、W、2代表旗、1、2以外の数字旗に弱い。・・・半分位が弱いわけか。チョット情けない。
 ボクのフネにも昔はコクピットに信号旗のシールが貼ってあったが純クルージングヨットになったしまった今はそれもない。

 シールではないが、100均ショップで何でも見つけてくる友人が国際信号旗が描かれたランチョンマット風のシートをパソコンのカバーに使っていた。ボクも欲しいなと思い探すが、いまだ見つけられない。

 大分前に自衛艦に体験乗艦した時、僚艦と普通の旗りゅう信号での通信デモをやっていた。1字信号は誰でも判りやすいが、国際信号旗も国際信号書があってはじめて通信が可能になるのです。軍用では旗リュウ信号も独特の使い方があったそうで、旧海軍の信号書は機密扱いでその本の表紙は鉛で表装してあって、もしものときは回収されないようになっていた。と、ものの本に書いてあった。

 ヨットでのんびりと穏かな航路を渡っていて、国際信号旗を掲げた本船がすれ違っていったとき、すかさず、昔勉強した海技教本を取り出して調べてみよう。きっと、行き先が判るはずだ。ゲーム感覚でやっても面白そうだね。
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by pac3jp | 2006-02-13 09:21 |  

コンパス自差の修正

 新しくヨットを買ったり、譲り受けたときには航海計器のキャリブレーションをしなくてはならない。
 ボクはステアリングコンパスの自差の補正と、スピード・ログメーターの校正をする。

 新艇のときにはまず、ステアリングコンパスの自差の確認をしてみた。コンパスはほぼ初期の修正は出来ている模様で、東を除く各方位はまず正確に方位を示した。近くの静かな港内で各方位の値を測定して補正表にして保存している。また、時々は電子コンパスやGPSで方位を比べ自差の変化を確認している。

 オートパイロットの普及でヨットの運用におけるステアリングコンパスの相対的重要性が落ちてきたことにもよるが、自艇の磁気コンパスの自差修正をしているというヨットマンはボクの周囲では少ない。ボクもコンパスに自差修正用のネジがあるのは知っていたが、「スント」のマニュアルは英語で書いてあるし、読むのも面倒だと思っていたのと、コンパスは補正表で良いと思っていたので、仕組みや調整の方法にも関心がなかった。


c0041039_943744.jpg 先日、ペデスタルのスプロケットに掛かっているチェーンとワイヤーを外す機会があり、コンパスも取り外したので自差修正の装置が丸見えになった。船首尾方向と90度直交した2組の調整棒がコンパス下部に見える。電線はコンパスの夜間照明用の配線である。

 こうして自差修正の仕組みを眺めてみると実に簡単なものだ。我艇のコンパスの場合、90度付近に少し自差が出るので船首尾方向の調整棒を動かしてやってみようかと思っているが、そう簡単ではないでしょうね。たぶん、きっと!。

 一般的に見てコンパスの自差は、船体中央線上のペデスタルについているコンパスより、左右のバルクヘッドやデッキに埋め込まれてついている複数のコンパスのほうが自差は大きいと言われているし、その修正も難しいらしい。

 今や、クルージングヨットの航海には必須であるオーパイの電子コンパスも地磁気で動くセンサーが入ったコンパスである。当然、偏差も自差もある。そのセンサーが船体中央部の磁気の影響を受けにくいところに取り付けられておれば問題はすくないが、意外なところについている事もあるので、日頃からオーパイの方位には注意が必要ですヨ。
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by pac3jp | 2006-02-10 09:12 | シーマンシップ  

事前に発見できたラダー故障の前兆

 前にヨットをコントロールするステアリングシステムの故障が起こると必要になる緊急ティラーの記事を書きましたがその後、皆さんご自分のヨットのラダーシャフト付近を覗いて見ましたか?


c0041039_945910.jpg 実はボクも自分のフネに限ってそんな事はないだろう。
 まぁ、その内に点検をと思っていたのですが、最近、舵軸のシールの交換工事で、ラダーシャフト周りのクォードラントやベアリング等の部品を全部取り外した時、ラダーのコントロールワイヤーの素線切れが発見された。
 こういう点検しにくい箇所で今回、偶然発見されたから良かったが、航海中にワイヤーが切れていたら大変だった。クォードラントにオーパイのST6000が直結されているので、すぐさま航行不能になる訳ではないが、オーパイ操作で狭い水路や港の出入港の操船は相当厳しいだろうと思う。


c0041039_952551.jpg 我艇のステアリングシステムはステアリングホイールを回すと直結のスプロケットがチェーンを駆動し、その両端の先にクォードラントを操作するワイヤーがついている。そして、そのワイヤーはコンジットと呼ばれるチューブに入ってラダーシャフトのクォートラントに繋がっている。一般的にはプル・プル方式といわれているシステムである。

 損傷したワイヤーの交換はコックピットのペデスタルのステアリングコンパスをまず、取り外す。プラスティックのシートを外すと、スプロケットが見えてくる。取り外すワイヤーの先に呼び線をつけて、古いワイヤーを引き抜く。
 今度は新しいワイヤーにアイスプライスの端末処理をしてワイヤーについた呼び線をクオードラント側から引き込む。長さを調整して、クオードランドのエンドのアイボルトにワイヤーを留める。スムースに舵が動くことを確認し、また、ステアリングコンパスを組み立てる。この作業は比較的スムースに完了した。

 6mm ワイヤーの素線切れの原因は調査中だが、単純に部材の調整不良だけでワイヤーが擦り切れたのではないようだが、修理後はしっかりと部材を調整してセットしてもらった。

 皆さん、自分のヨットに限ってそんな故障は決して起こることはない筈だと思う、根拠がない自信を持っていませんか?
 春のクルージング出航前に是非とも、ご自分か、いつもの業者に見てもらったらいかがですか?
 心配のタネの一つは解消することになりますよ。
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by pac3jp | 2006-02-08 09:15 | シーマンシップ  

進水式

 寒いけど、穏かな日曜日のお昼前、ビジターバースに真新しいヨットと関係者らしき人達が進水式をするのだろうか、大勢集まっている。


c0041039_1323250.jpg 近づいて見ると、近頃良く目にする、ヨーロッパのプロダクションヨットの洗練されたデッキとは相当雰囲気が違う、チョット変ったデッキデザインをもったヨットであった。フネの大きさは35f位だが、異様に大きなステアリングホィールが目立っている。
 大きなラットはレース艇のようだが、レースをするにはにしてはコクピットが深いし、狭い。今様のクルージングヨットでもないように見えた。まだ、完全に艤装されていないのか、デッキ中央にセットされるであろうドジャーもないので全体のイメージは今一つだが、全ての装備がついたときにはそれなりに収まって行くのだろうね。

 このフネの関係者にお聞きすると、デザイナーは横山一郎さんで名古屋のツボヰヨットが作ったそうだ。ボクも昔、この組み合わせでフネを作ったことがあるのでよく見ると、金物類には見覚えがあるようなものが付いている。

 そして、オーナーはこのヨットで来年の「メルボルン⇒大阪」 ダブルハンドレースに出るらしいと教えてくれた。メル・阪レースに出るに少々小さいが、そう聞けば合点が行く。高いコーミングに囲まれた前後に長いコクピット。これは外洋の長距離の航海には必要だ。
 キャビン内は見学しなかったが、充分なボリュームがあるので結構なクルージング装備が搭載できるだろう。
 ドジャーの中に海水が入らないようにマスト周りのコントロールロープはコーミングの上の専用トレンチからコクピット後部左右のウインチにリードされている。このあたりは無寄港世界一周したマーメードもそんな感じだった。

 お客さんを乗せて試乗をしているシルエットを見ると、ステムはほとんど垂直に立ち上がり、船体は軽々と浮いているように見える。ハル船型は純レーサーのようである。機走も結構速いとおっしやっていた。これから、クルーのトレーニングやヨットのシェイクダウンをやって来年のレースに備えるのだろうね。ここのハーバーからメル・阪レースに出るのは最初のヨットかなと思うが・・・。

 このハーバーでは今年も春先から信号旗やテープでデコレーションした新しい大、小のヨットやボートの進水式をよくやっている。
 土曜日もボクの後ろの桟橋が賑やかなので見ていると岡崎造船の30fくらいの新艇が工場から回航されてきていた。

 また、長い間、振り向けば何時もいた友人のヨットは外国にお嫁に行き、居なくなってしまった。いま、ぽっかりと大きなスペースが空いている。だが、まもなく、新しいヨットが新しいオーナーの夢を乗せてやって来ることだろう。
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by pac3jp | 2006-02-06 13:31 | ウオッチング