カテゴリ:ヨットの艤装と艤装品( 146 )

 

ハードトップ型ドジャー

 ヨットのドジャーは大きく分けて二種類がある。一般的な金属フレームとキャンバスで作るソフトドジャーとFRPで成型し、ポリカーボネートや強化ガラスの窓をつけたハードドジャーだ。そんなドジャーもクルージングスタイルによって好みが分かれるようで、ハードドジャーはロングクルージング志向のヨットに多く装備されているように思う。

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 今月の初めに北海道から新しく転入してきたというヨットには両者の折衷タイプのドジャーが装備してあった。ハードトップ型ドジャーである。このタイプはモーターボートのフライブリッジにハードトップとエンクロージャーの組み合わせでよく装備されている。
 ヨットでは珍しいが、寒い日にエンクロージャーの中にいらした奥様を拝見して中々具合がよさそうに見えた。

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 近くで観察するとFRPのハードトップはコンパニオンウェイとコクピットの前部を覆う長さと幅があり、充分立てる高さもある。天井裏にはハンドレールが、ハードトップの上にはソーラーパネルが2枚と両側と後部に外部ハンドレールが取り付けてある。
 その天板を太目のステンレスパイプ4本で支えている。透明フィルムの取り付けは上部はハードトップの裏に取り付けられたグルーブを通して取り付ける。下部の取付けはソフトドジャーの取り付け同様にデッキにツイストスタッドが並んでいる。

 ハーバーに長らく泊っているときは画像のように取り外しておけば透明フィルムの劣化も防げる。中々いい考えである。

 夏場の航海では風通しもよく、勿論見通しも非常によい。でも、雨や時化の海では本来のエンクロージャーがやっぱり有難いですね。製作費はソフトドジャーより高りそうだが、ハードトップは長持ちするし、透明フィルムだけの劣化交換ならば比較的安く出来るかもしれないですね。
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by pac3jp | 2009-04-11 19:05 | ヨットの艤装と艤装品  

これからの国際VHFは・・・

 先月だったか、三級海上特殊無線技士の養成講座がハーバーで開かれ、仲間のうち数人が受講したと聞いていた。そのお一人がVHFの話になると「今は5ワットのハンディ機だが、もうすぐ自動的にライセンスが二級海特に昇格して25ワット機も使えるのだ」と喜んでいた。
 ボクはちゃんと二級の国家試験を受けて取ったのに不公平だとも思ったが、小型船舶免許も4級から実技なしに講習で一級に簡単に昇級できるし、規制緩和の波にうまく乗った人はラッキーですね。

 護衛艦「あたご」と漁船の海難事故をきっかけに船舶共通の通信システムをどうすべきかと大きな議論が起り、総務省総合通信基盤局にその検討会が出来、「中間とりまとめ」が平成20年7月にパブリック・コメントとして出された。
その結果、

●国際VHF機器の活用を基本とすることは妥当
●導入の費用や免許手続き、検査等のユーザー負担を極力少なくする
●運用マナーの確保


と、なりこれらを踏まえ具体的な制度設計のあり方について検討を行い報告書として平成21年1月28日に発表された。以下はその報告の概要を転載したものです。

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【参考Web】:VHF・DSC(Digital Selective Calling)とはなに?
【参考Web】:MMSI(船舶識別番号) / Maritime Mobile Service Identity とはなに?

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 報告書を読むと概ねプレジャーボートオーナーの希望通りに報告書はまとめてあるが、その実現にはVHF/DSCなどまだ少々の時間がかかりそうに思うが、格段の進歩であることは間違いないですね。
なお、報告書の本文などは↓のWebページをご覧ください。

【参考Web】:「海上における船舶のための共通通信システムの在り方及び普及促進に関する検討会」報告書(案)に対する意見募集の結果及び最終報告書の公表

【関連記事】1:風は国際VHFへ! 
      2:国際VHF 
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by pac3jp | 2009-04-09 10:05 | ヨットの艤装と艤装品  

'09フローティング・ヨットショーあれこれ

 会場のビジター桟橋ではリガードセールが現品格安販売として、ダクロン製の30~33ft用ファーリングジブを10万円で展示販売していた。

c0041039_10363078.jpg この価格が高いのか安いのかセールの相場をよく知らないボクにはなんとも言えないが、セールのちょっとした修理でも数万円の請求書がくるので新品が10万円なら安いようだけど・・・。でも、最終日の午後になってもまだ売約済の張り紙がないのでそれでも高かったのかもしれないなぁ。

 ファーリング・ジェネカーの実演・販売も行っていたようでガンポールに巻いたジェネカーが繋いであった。

c0041039_10361630.jpg クルージングヨットは普通のスピネーカーよりジェネカーを装備しているヨットの方が多分多いと思う。スピンポールを使わないので艤装も簡単だし、操作も楽だ。スピンシューターを使うと少人数での上げ下げも容易になる。カップルで乗るヨットでも充分にダウンウインドセーリングを楽しむことができる。
 それでも、もっと簡単にジェネカーを使ってもらおうとファーリング・ジブのようにステイに巻き取ってしまうことで展開と収納を簡単な操作で済まそうとファーリング・ジェネカーが作られたのだろう。

 確かに、スピンシューターを使い一度は簡単に揚がるが、2度目、3度目となると嵩高いシューターを片付けるのが面倒になる。その点、ファーリングしとけば確かにラクチンだ。

c0041039_10373151.jpg ガンポールを持たないヨットがファーリング・ジェネカーをセットするには「こんなのどうです!」、という感じのファーリング・システムを装備されたフラクショナルリグの中型ヨットをつい先日ここで見かけた。

 それは同じく2本のロープでファーリングするシステムを使っていて、追加のステイはマストトップからバウのパルピットを支点にして本来のジブセールより前方にタックが取れるようにしてステムに繋がっている。
 既に巻いてあるセールはジェネカーではないようで、ファーラーも小型で強風の上りには使えそうにないので、この艇のオーナーさんは特大ライトジェノアを巻いて微風時の馬力UPを狙ってセットしているのかもしれないですね。
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by pac3jp | 2009-04-02 10:44 | ヨットの艤装と艤装品  

国産・新艇ヨットのドジャー

 先週末の三日間、春のフローティングヨットショーが新西宮ヨットハーバーで開かれた。ボクは日曜日に少しだけ見学に行ってきた。当日のお天気は良かったが、冷たいブローが吹き、ディーラーの営業マン達は寒そうな風だった。

 陸上のマリングッズのブースは狭い広場にテントが並んでいるので割合お客さんは入っているようにみえるが、ビジターバースに係留された展示ヨットにはチラホラという感じでお客さんが集まっている。

c0041039_1732164.jpg 小豆島の岡崎造船が2隻のヨットを展示している。「OKAZAKI 30C」と「OKAZAKI 335クラシック」だ。33f(左画像)は楕円のポートライトと大きなメタルカウルベントの換気口を採用していて、岡崎造船の社長さんがおっしゃるには「アーリーアメリカン」とか「ネオクラシック」とかいうイメージのヨットらしい。

 気がついたのはドジャーのデザインが進化して、格好もよく、今までよりかなり見通しがよい作りになっていることだった。前面からフィルムの一枚窓になり明るく広々としている。無理に難を言えば側面の海面反射からの日除け部分が少ないので夏場はドジャーの中でも日焼けは間違いない?。

c0041039_17331080.jpg どこが作ったのかと見るとドジャーの裾に「フッド」のラベルが付いている。輸入品かと思っていたが岡崎造船指定のセールメーカーだった。もう一隻、30fのドジャーのキャンバスはグレーで少しデザインは違うように見えるが基本的には同じ作りのようである。でもメーカーのラベルが「SAILTEC」となっている。
 何故だろうと聞いてみると、これはセールメーカーの都合でブランド名を変えているだけで同じくフッドで製作しているという。 なぁ~んだ!

 クルージングを始めるならドジャーは今や必須の装備であることに誰も疑いはない。でも国産の中古艇を購入したらドジャーが付いてないこともあり、その時は新しくドジャーを作ってもらうことになる。輸入艇でも程度の悪くなったドジャーの場合は新しいデザインで作り変えたいと思うこともあるだろう。その時は地元のセールメーカーやキャンバス専門の業者に頼んで作ってもらうのだが、フレーム、フィルム、大きさ、水仕舞いなどしっかりと説明して納得のゆく作りにしてもらうこと肝心です。

 でも、一回、長めのクルージングをすると具合が悪いところはちゃんと出てくるもんですけどね。
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by pac3jp | 2009-03-30 17:36 | ヨットの艤装と艤装品  

10人用のライフラフト(膨張式救命いかだ)

c0041039_183976.jpg 先日、なにわの海の時空館を見学した折、春季企画展として「船具・船の灯り」という展示をやっていた。

 江戸時代から大坂は「天下の台所」といわれ、物流の大拠点だったので船造りのも盛んで船材や船具をあつかうお店も集中していたという。その伝統は現在でも木津川や安治川沿いで脈々と受け継がれている。そして、その大阪船用品組合の協力で「船具と船灯」をテーマに展示されていた。

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 航海灯も船具も特に興味を引くような物はなかったが、木津川や安治川当たりにライフラフトの関連会社があるのだろうか、藤倉ゴムの10人用ライフラフトが展開されて展示してあった。ライフラフトはケースに入りデッキに設置してあるのはよく見るが、展開してあるのを見る機会は少ない。そばに搭載されている近海用らしい装備品もケースに入って展示してあり、火薬類、食料など有効期限が有るものは全て切れているが、でも細々と随分入っているもんです。

 ラフトのサイズも10人用となるとヨット用など4人・6人用などに比べるとかなり大きい。外観では天幕に反射テープが、その上で丸く輝いているのはダンボールにアルミ泊を貼り付けた軽量なレーダーリフレクターだ。ラフト内の奥にある白く長い袋は装備品の収納袋。前面の入り口には乗降のはしごがある。ラフトの天井高さは傍の子供と比べてお分かりのように大人は立てないと思われる。

c0041039_18371551.jpg ラフトの床をみて「やっぱり最後にはこれがいるのだ!」と思った。英文と数字のモールス符号と「SOS」の“トトト ツーツーツー トトト”が書かれたゴムのシートが貼り付けてあった。
 相手がこちらに気づかず、こちらから相手が見えている時に送るSOS信号は昼間は鏡で、夜はフラッシュライトが有効だろう。
 でも、モールスが何とかうまく打てても相手がそれを理解できるかが問題ではあるが、ピカピカさせるだけでも充分効果はあるはずだ。

 ヨットのクルージングでも長くライフラフトなしでは行けなかった沖縄本島も規制緩和で沿海装備でOKになった。でも欲を出して宮古島までとなると近海になるのでラフトは要る。ラフト不用のエリアでも、もし遭難したらと考えたら、浮器につかまり救助を待つか、ラフト上で濡れずに待つかで天と地の違いはある筈、もし、ボクに充分お金があったらラフト派になりたい・・・。

【関連記事】:救難食糧を試食する
【関連記事】:ライフラフトの救命水と応急医療具
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by pac3jp | 2009-03-27 18:39 | ヨットの艤装と艤装品  

前方ソナー(Forward looking Sonar)

 3月になり急に春らしくなってきた桟橋には本格的なクルージングシーズンに備えてヨットの整備に余念のないヨットマンが何人もいる。特に自由な時間を沢山お持ちのベテラン達は3ヶ月~半年もかけてゆっくりと、西方面の九州、沖縄、日本海にとそれぞれのエリアで遊び回ろうと狙っている。でも乗り上げが心配?なのだろうか、ボクに前方ソナーを調べておくようにと隣の桟橋から大声で指令が入った。

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 上の画像は前方ソナーのイメージ図と右下は実際の表示
 (画像はエコーパイロットHPより)

 クルージング中、前方100m~200m先の水中にある危険な障害物を予め見れたら良いなと誰もが思う。測深計で深さを読んでゆくことも出来るが屹立している岩などは読めないことがある。障害物はチャートにも記載されているが自艇の位置の確認が面倒だ。電子チャートなら簡単だが地方の漁港では詳細図がないときもある。そんなときに前方ソナーが有効だという。

 レクサス並みに高価な最新型漁労用ソナーは漁船の周囲360度の魚群を全て見えるらしいが、ヨットの前方ソナーは「Forward looking Sonar」と呼ばれていて進行方向の狭い角度をよく見えるように作られている。インターフェイスには広いエリアが見えるモデルもあるがエコーパイロットにも以前にはあったが精度など不都合が出たのか現在はない。

 現在良く使われているのはイギリス製の「エコーパイロット」とアメリカの「インターフェイス」の2社でボクが装備しているのを見知っている4隻の内エコーパイロットはビルダーオプションで装備してきたのが2隻で、残り2隻はインターフェイスだ。これらはWEST MARINEなどで買って後付けしていた。

 ヨットに装備された数としてはエコーパイロットの方が多いように思う。輸入代理店のグローバルマリンさんにお聞きするとヨット用では以下の商品を推奨された。

形 式:FLS Silver II 標準トランスデュ-サー付き
レンジ:前方 150m 深度 75m
画 面:110mm×60mm モノクロ
外 形:207mm×127mm×30mm
価 格:215,000

 ところが近所の32f艇は一番小さいFLS Bronzeタイプで標準トランスデュ-サー付 163,800 だったし、44f艇には最高級のFLS Platinum タイプで大型のPROトランスデュ-サー付 498,800 が装備されていた。因みにブロンズタイプはレイマリンの風速計などと同じサイズなので計器パネルに並べて取り付けられるタイプ。
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 一方インターフェイスの画面はカラー表示になっている。左の画像はここに寄港したフランス艇のオーナーが一番先にボク等に自慢したInterphaseの前方ソナー。ボクのお隣さんもこのメーカーのモノクロタイプを装備している。価格はWEST MARINEで約1500$~2500$。

c0041039_17474392.jpg 画像は船底にトランスデューサーが取り付けられた画像。円筒をカットされたほうが前方になる。標準とPROトランスジュサーの差は船底の厚さによって使い分けるらしくて普通のFRPでは標準タイプでよいが特に厚くしたボトムや木製のボートなどは太くて長いスルハルタイプのPROを使うという。下のモノクロ画像はトランスデュサーのサイズ比較。

 お隣さんのインターフェイス製のトランスデュサーは使ってないディプスのスルハルホールを使ってセット出来たので新しくスルハルを開けずにすんだと聞いたが、既設の45mmスルハルにechopilot標準トランスデュ-サーが合うかどうかは確かめていない。

 言うまでもありませんが、前方ソナーを装備すると乗り上げ事故に遭わない保障は全くありません。ソナーの機能は有効に使い、航海は基本に忠実に。

 実はエコーパイロットの最上機種を取り付けた先のヨットも昨年、旅先で乗り上げてしまったのだ。浅瀬警報を入れておけば、チャートをもっとよく見ておけば、この位は出来るはずと思っていたが、と後から思うと原因は色々と思い当るはずですが、後の祭り。くれぐれも慎重な運航で楽しいクルージングを!!


【関連記事】:前方ソナー 

【参考Web】:インターフェイス 
【参考Web】:エコーパイロット 
【参考Web】:グローバルマリンクルージング必携品→echopilot前方探知測深計
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by pac3jp | 2009-03-02 18:08 | ヨットの艤装と艤装品  

シーコックやスルハルのお掃除は・・・

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 ハーバーに係留保管中のヨットやボートはすぐに出港できる便利さはあるが、油断すると、水生生物に格好の棲家を提供しているような状態になってしまう。

 フジツボ君は今、冬眠中?なのでシンクやトイレの排出口などがフジツボで詰まってしまって使えないなんて事はないが、暖かくなってくると防汚ペイントを塗り忘れた小さいスルハルや、きっちり奥まで塗れてなかったスルハルにはフジツボが入り込み、ちゃっかりと棲家にしてしまう。

 ボクも以前、洗面器の排水口がフジツボで詰まってしまい使えなくなったので上部のホースを取外し、長い棒で掃除したことがあった。まぁ、夏だと潜って船底から掃除すれば問題ないが、潜るのは絶対嫌だと思う人はこの上の図のように船内からお掃除できるシステムに変えてみたらいかがですか。
 こんなことでもマリーナに上架を依頼すると結構な料金を請求されますよ。もったいない!

 工作のポイントは只一つ、必ずウオーターラインより上に掃除用の開口部を設け、作業が終われば必ずキャップをしっかり閉めるようにしておくことだ。
 パーツも特別なものは要らない。図のチーズは既製品ではないが、普通のチーズにタケノコが2個とニップルが1個で代用できる。

 でも、基本は上架して船底塗装するときにスルハルの奥までしっかりと防汚塗料を塗っておくことだが、細い筆で塗っても塗り残しはでる。ヨット業者の仕事を見ていたらスルハルやシーコックの内側はボルボの金属用防汚スプレーを奥まで吹き付けているようだった。こっちのほうが効果があるように思うが、さて、どうでしょうかね。
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by pac3jp | 2009-02-12 15:40 | ヨットの艤装と艤装品  

ドジャーの窓

c0041039_13151323.jpg クルージングヨットにとって必須の艤装はドジャーだろう。雨や風、波しぶきからもコックピットの乗員を守る大切な装備だ。最近のヨットはビルダーの標準装備だったり、オプションでの設定があり、殆どの新艇は新しいドジャーがついて引き渡されているようである。

 ↑プロダクションヨットを購入するお客さんはそのヨットに色んな夢をお持ちでクルージング志向の人ばかりではない。そのためビルダーはドジャーを畳んだり簡単に脱着が可能なデザインのドジャーを用意している。当然、窓は折りたたみ可能な透明塩ビシートなどが使われる。
 でも、これが新しいときは問題ないが少し古くなると折り皺ができたり、紫外線で劣化し曇ってくる。これが悩みの種になる。

c0041039_13153574.jpg ←昨日、お仲間のヨットに寄ると、「ドジャーの窓を取り替えたよ」とお聞きしたの見せてもらう。正面から見ると開閉できるクリアなポりカーボネートの窓になっている。少し薄めのポリカシートで作ってもらったので、夏など筒状に巻き上げることも出来るという。左右の三角窓もポリカーボネートだが、まだ保護シートが張ってある。
 仲間の他のヨットも前方の窓は曇らないポリカーボネートにしているが、サイドはカーブがついているので塩ビのままのフネも多い。彼のは薄めの材質を使うことで三方の視界がクリアになったが耐久性はどうなんでしょうね。

 ついでに費用は幾らかかりました? と、お聞きすると○万円と返事があり、予算よりだいぶ安く収まったようだ。(価格はマル秘になっているのでここでは書けませんので悪しからず)

c0041039_1316160.jpg ←ハーバーウォークの一番目に付く桟橋に泊めているヨットがいる。最近デッキ上の紫外線に晒される装備をすっかり更新していた。当然ドジャーも以前のエメラルドグリーンからブルーのキャンバスにかわり、前方だけだったポリカ-ボネート窓も今回は3ヶ所の窓とも薄手のポりカーボネートになっているようだ。

 新品のハリヤードを束ねているオーナーさんに「ドジャーもビミニもシートなどみ~んな取換えたんですか?」とお聞きすると「だいぶ痛んできた!」とおっしゃる。確かに、乗らなくても紫外線は満遍なく付近のヨットにも降り注ぎデッキ艤装品の劣化は進んでいる。それを今が交換時期と感じるのは各オーナーの安全、いや懐具合から発する感覚だが、ボクなど修理不能と宣言されるまでが寿命と思っているもんね。

 でもね、エンジンやリグのパーツは早め早めの交換が痛い目に遭わない秘訣ですよ。

【関連記事】:クルージングヨットのドジャーについて(2)
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by pac3jp | 2009-02-09 13:23 | ヨットの艤装と艤装品  

LEDのスプレッダーライト

c0041039_11471933.jpg お正月にはX34のクルージング仕様の新艇が浮かんでいた桟橋に今度はマストにレイシオンのレーダーが載ったX37の新艇が艤装中だった。

 カーボンのスピンポールなど前のX34(右側に少し見える)よりはるかにレーサーぽいがクルージングのためのオプションがあれこれとついている。

 ボクなどエックスヨットはレースをするために乗るヨットだという先入観で見てしまうが、どうもこのハーバーだけの特殊な現象に惑わされているのかもしれない。ディーラーのメカニックにお聞きするとこのフネは東北の霧の発生が多い海域で使われるのでレーダーは必須の装備だという。ここだとマストに重量物などとんでもないというところだが、地方では少々のトップヘビーより安全・快適なセーリングが大切という健全さがありますね。

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 新艇を見ていて楽しいのは、今度のフネはどんな新型の艤装品がついているだろうと思いデッキを眺めることだ。
 そんなボクの風情を見て「新型のLEDスプレッダーライトが付いていますよ」と教えてくれた。新艇の航海灯はアンカーライト以外はもう殆どLEDになっているようだが、桜マークが不要のスプレッダーライトなどもっと早くに出来ていたのかも知れないが、上を向いてまで確認してないので見落としていたなぁ。

 それは高輝度LEDが3個内蔵されたフラットなライトで左右のスプレッダー下側にセットされデッキを照らすようになっている。昼間に点灯してもどの位の明るさか判断できないが足元とジブシートや舫いロープ、セールなどが凡そ見えればオッケーなのでこれで充分か。でも、電力の消費量からいえば電球に比べて殆どゼロに近い量なのでレース中など特に有効ですね。
 それに電球タイプの器具は大きいのでマストではハリヤードが絡むし、スプレッダーでは電球の取替えも面倒だ。LEDは長寿命だと言われているが実際は電源を繋ぐケーブルの接続点やその施工技術の差で寿命が決まりそうだが・・・。

 上画像を見るとスプレッダー上辺りのマストの右舷にレーダーがついている。マスト正面につけるとスピン関係のシートと絡むのでレドームをロープガードで保護しているフネやどちらかのスプレッダー上につけたフネもあるがマストの方が堅牢に取り付けできそうだ。これはデンマークのビルダーでセットされてきたとか。

c0041039_1144555.jpg もう1つ、シュラウドに新型タンバックルが使われているのを発見。



【関連記事】:航海灯がLEDに!
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by pac3jp | 2009-01-20 11:53 | ヨットの艤装と艤装品  

曳航測程儀(パテント ログ)

 以前に自作のハンド・ログについて書いたが、歴史の順から言えば次は曳航ログの番だがこの航海計器は簡単に自作は出来そうにない構造を持っているし、身近なところではもう見かけないのできっと博物館にしかないだろうという話になっていた。

 神戸港メリケンパークに神戸海洋博物館という名の博物館はある。いまや間借させている「カワサキワールド」のバイクやヘリコプター、そして新幹線車両の展示の方が人気がある。本家の海洋博物館は模型の船舶を並べただけで「海洋」についての内容は本当に寂しい展示なのでよっぽど暇な人しか入っていない様子だ。

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c0041039_16382149.jpg そんな海洋博物館で本船用の曳航測程儀(パテント ログ)を見つけた。一度も使われてない新品のようだった。現役当時はバックアップ用として大切に保管されていたものだろう。

 ボクはヨット用のウォーカー式の曳航ログは見たことはあるがこれは随分大きい。ローテーターの長さも40cmくらいはありそうだった。ログラインはないがハンドルのような調速機が面白い。使い方と名称はイラストをご覧ください。この展示されたセットには指示器だけで室内でログが読める受信機はついてないようである。

 イギリス人トーマス・ウォーカーは1878年ローテーターがログラインを介して船内にある指示器を動作させるという考え方で特許4369を取った。1890年にはローテーターをブリッジの横から出した円材から曳航させ特殊なジョイントで回転を直角に曲げてブリッジ内に導く方式を提案した。これは電気式が採用される1902年まで多くの客船でつかわれていたという。

 ウォーカー・ログはパテントをとったことから、P・ログといわれ長らく親しまれてきた。日本でも1955年頃、一般商船ではもう船底動圧式ログが使われていたが、タンカーだけはまだP・ログが使われていた。その理由は電気式である動圧ログ装置が積荷の油から発生するガスに引火する危険があるため電気を使わないパテント・ログがタンカーだけに用いられていたのだった。

 こんな話 《船酔いP・ログ》
船に弱いものをP・ログといってからかうことがある。P・ログは航海中は海中で横(寝て)になっていて、航海が終わると立てかけて格納しておく。船に弱い者は航海中は寝ており、港に入ると立っていることから、P・ログになぞらえて「P・ログのようだ」というわけである。


 一方、船底に穴を開けたくない人や電気がないヨット用にはウォーカー社から曳航索が20mばかりの小型のものが昔は販売されていたらしいが、今はもう骨董屋さんで探す部類でしょうね。野本先生のご本、スピン・ナ・ヤーンには速度も距離も測定でき電池で動くSTOWEの電子式曳航ログを常用していたと書いておられるが、いまでも販売されているかどうかは残念ながらボクは知らない。


【関連記事】:ハンド・ログ 
【関連記事】:ログを使う 

【参考図書】:航海技術の歴史物語 飯島幸人著
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by pac3jp | 2009-01-10 16:43 | ヨットの艤装と艤装品