カテゴリ:漁船( 5 )

 

2011年 またも騒がしくなってきた南極海

 1月になって南極海で日本の調査捕鯨が始まったらしく、またもやシーシェパード(SC)の妨害活動を各メディアが一斉に報道した。

c0041039_636347.jpg 今シーズンからSCは沈没したアディ・ギル号の代りの突撃ボートに「ゴジラ号」が登場した。このトリマランボートは前のボートによく似た外観をしているが、船体長は12mも大きく、排水量41トン、全長34.9m、幅14.1m、速力24ノットでその前身は1998年に動力船による世界一周の最短記録(74日20時間58分)を作ったケーブル&ワイヤレス・アドベンチャラーでその後オーシャン・アドベンチャラーとなっていた。

c0041039_6395795.jpg ちなみにアディ・ギルの前身アースレースは2008年に60日23時間19分の新記録だったので「ゴジラ号」は10年前だったが24ノットの速度では2週間も余分にかかっている訳だ。でも、遅いといっても捕鯨船と競えば充分に早い速力を持っているがアディ・ギル号と同じ高速タイプのトライマランなので細かい操縦性能に不安はないのだろうか?

 一方南極海での活動はゾディアックなどを多数搭載し、ドクロマークを衛星通信用レドームにを書き込んだ母船がいる。スティーブ・アーウィン号だ。
全長53m、速力16ノット、排水量1000トン、船籍オランダ。

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 日本の調査捕鯨船はエコテロリスト達の妨害活動に放水銃などで対抗している。

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c0041039_6454618.jpg まぁ、民間船は海賊やテロリストにもそう強力な武器をつかう訳にはいかないが、中東のアデン湾で海賊対処活動している自衛艦などはM-2機銃と共に長距離音響発生装(LRAD)などで海賊を撃退しているそうなので大音響装置は使える可能性はありそうだがちょっと高いかもしれないなあ。

 ・・・などと思っていたが、調査捕鯨船には既に装備されていてLRADを使って抗議船を撃退したことがあるそうです。

【LRAD】とは 
テロリストなどの接近を妨害するため搭戴されている対人用で非殺傷性(生命に危険を及ぼさない)のものでは、転倒や打撲の危険がつきまとう高圧放水などよりも安全に暴徒を鎮圧することが期待されているが、大音圧に曝された場合(特に130dB SPL以上では瞬間的であっても)、2008年時点の医学では治療困難な音響性外傷や感音性難聴などの障害が残る可能性がある。

この装置はモデルによるが、直径80cm程度の椀型か四角形をしており、重量は30kg前後で、有効範囲にある対象に向け作動させる事で、攻撃の意欲を無くさせる効果もある。これは暴動などの際に催涙ガス(催涙弾など)を使用すると呼吸器疾患のある者が重体となったり死亡する危険性があるため、これに代わるものとしての利用が期待されている。ただしその一方で、断続的に強力な音波を照射された場合、聴覚障害の危険性があることも示唆されている。このため運用面では、制圧目的の場合には一度に数秒程度とし、連続照射を前提としていないことがメーカー側から示されている。

この装置は、指向性を持っているため距離の離れた限られた範囲内に音声メッセージを明確に伝えることにも利用でき、例えば災害発生時に相手側に無線受信機がなくても被災者に適切な指示を伝えたり、群衆の中の特定集団にのみ指示を出す(廻りの人間の妨げに成らない)事も可能である。

また、2009年2月7日に報じられたところでは、調査捕鯨船に対して抗議船による体当りなど、過激な妨害活動を行っているシー・シェパードに対し、日本の調査捕鯨船団が2009年2月からLRADを用いて、同団体の接近を阻止することに成功している。管轄する水産庁側は、事前に警察庁などと協議し、国内、国際法のいずれにも抵触しないことを確認し、違法性は無いとしている。抗議船船長は「この装置により妨害活動に集中することが困難になったことを認めざるを得ない」とコメントしているため、期待された効果を発揮しているようである。
(ウィッキペディアより)

【関連記事】1:エコテロリスト シーシェパードの新兵器!! 
      2:シー・シェパード「アディ・ギル号」南極海での行状! 

【参考Web】:シーシェーパード 調査捕鯨を妨害 南極海 日経WEB版
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by pac3jp | 2011-01-07 07:05 | 漁船  

熊本・八代海の打瀬網漁

 白い帆に風を一杯に孕んだ打瀬船が海に浮かぶ景色は日本の海の原風景のように思いますね。
 そんな風の力で網を引く打瀬網船は、かって漁船に強力なエンジンが積まれていなかった時代には日本全国で行われていた。しかし、Webで検索するとあちこちで打瀬船イベントとしてはあるようだが打瀬網漁業としてはもう北海道と九州・八代海だけの2ヶ所になってしまったという。

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 先日、NHKテレビで八代海・芦北漁港で「みようとぶね」の打瀬船を取材した番組があった。帆走漁船の生き残りでもあるのでヨット乗りとして興味深く番組を見た。

c0041039_10575315.jpg ボクが持っていた打瀬船のイメージは古い写真や模型から、長さは凡そ35尺、長めのバウスプリットと2本マストのジャンク風のリグで当然風上に上れる帆走性能を持っていると、思っていた。その例として98年前の1912年、愛媛の漁師たちが帆走打瀬船でアメリカに密航したこともあった。(下記の関連記事参照)

 映像で見る現在の打瀬船は、長さは随分大きくなって長さ50尺、4本マスト、特別に長い伸縮式のバウスプリット、運航用のエンジン、漁場で網を横に曳く追手専用の大小の帆、セールコントロールと網揚げ兼用の動力ウインチがある。それは昔の打瀬船から上り性能を切り取り、その分網を曳く機能を向上させているようである。操業の様子を見ると、6枚の帆を風の強弱で調整するのは大変そうで、ちょっとしたレーサー並みのチューニングをしている。まぁ、これが直接漁労の成果に結びつきますからね。

 この付近の4つの漁港に31隻の打瀬船がエビを獲る操業していて、この芦北漁港には23隻の打瀬船があり、世代の継承もでき若手が乗る船もあるという。

c0041039_1103770.jpg 底曳き網漁船はボクのホームグランドの大阪湾でも、重い網を一日中引き回し、燃料の消費も大変だろうし、それに重負荷で高価なエンジンの寿命も早いのだろうと他人事なのに心配してしまう。
 その点、ここの打瀬船は風と潮など自然現象に大きく影響を受けるが、地球環境に優しい本当にエコな漁業である。昔から行政や関係者間で漁場の規制などがきちんとされてきたのでこの伝統的な漁法が現在まで残ったのでしょうね。

 エコな漁法といえばこれも昔からある瀬戸内海・備讃瀬戸の「こまし網漁」がある。潮流の早い備讃瀬戸の真ん中で網船を止め、大きな口を開けた網を潮で流し、潮流に乗ってくる魚を獲る。漁師さんは転流まで昼寝をしていれば良いのだ。

 漁師さんにとってはエコな漁なのだが、シーズンになると航路付近はこまし網のブイだらけ、機走力の弱いヨットにとっては大変な緊張をしいる漁法だと思っている・・・。
 一方、セーリングで操業中の打瀬船は機帆走のクルージングヨットでも充分に避けられる速度ですので、八代海をクルージングした時にはお仕事の邪魔をしないように見学でもさせてもらいましょうかね。


【関連記事】1:95年前に太平洋を帆走で渡った男 
【関連記事】2:こまし網って知っていますか 
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by pac3jp | 2010-01-19 11:04 | 漁船  

サバニ改造ヨット

 奄美大島・古仁屋の漁港を散歩していたら、チョット変わったタイプのフネが繋がれているに気がついた。それはサバニ型の漁船にスループリグとデッキキャビンを併せ持つエキゾチックな感じの琉球風ヨットだった。

 サバニ船の前部、最大幅あたりにデッキキャビンが設けてある。船体中央部分にマストが立ち、すぐ後に引き上げられたセンターボードのようなものが見える。船体後部の木製のエンジンルームとコクピットは明かり取りのポートライトとステアリングの前にはスプレーを防ぐアクリルカバーがあり、それにコクピット全面を覆う日除けがセットされている。デッキは板張りでニスできれいに仕上げられているようだ。
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 両舷には当然のようにトローリングロッドがセットされていてオーナーの主な遊びは釣だと思われる。しかし、船体は黒く塗装され白色系の漁船とは違いヨットと識別できるようになっている。

 動力サバニ漁船をベースに改造されたヨットで、どの程度の帆走性能があるかは不明だが、センターボードがあるので風さえあればジブを展開し、エンジンを軽く回す程度で風上へのトローリングスピードは確保できるんでしょうね、きっと。

 どうしてこんなヨットがあるのかこの地域のヨット事情に詳しい方にお聞きすると、この地方ではフネの改造もヨット遊びの一つらしく、そのフネも地元のヨットマンがサバニ漁船をヨットに改造したのだと教えてくれた。

 午後遅く、漁港から面白い小舟が出てきた。それは船検対象外らしい小さいサイズのディンギーに小馬力船外機をセットし、ジブはファラーでメンスルはなく、ブームは高くあげ大き目の日除けがついている。どうも夕方の潮時を狙って釣場に急ぐ風だった。写真を撮り損ねたのでその小舟についても聞いてみるとご自分のボートだとおっしゃる。それから遠くからは見えなかったがスロープから引き上げるのに必要な車輪もちゃんと装備してあるよ、ということだった。

 確かに波穏やかな大島海峡では10フィートのディンギーに2馬力の船外機の取り合わせでも充分走る。釣をするにはメンスルは邪魔だし日除けは欲しい。ファラージブに2馬力エンジンの推力を加えれば風上にも充分上る。それに船底には生簀と透明な窓があり、透明度抜群の海では魚群も目視できるので魚探は不要ともいえる。

 こんな舟が欲しい釣好きなヨットマンも多いでしょうね。でも、魚影の濃い海の傍に職住があり、地元の漁港が自由に使えたら最高ですが、大都会の周辺ではまずないでしょうね。でも、奄美にはありそうですよ!

 奄美・古仁屋で停泊していた数日間で近畿地方出身の移住者に何人もお会いした。早朝、公園で清掃ボランティアをされていたご夫婦は、「私達は70歳で大阪の飲食店を畳んでここに移住しました。ここは空気もいいしお魚もおいしい、あと30年は楽しみたい」と100歳までの暮らしを宣言されいた。
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by pac3jp | 2009-06-03 09:26 | 漁船  

沖縄のサバニ

 サバニの速さは日露戦争・日本海海戦の「久松五勇士」の話からでも実証されている。地元漁船がバルチック艦隊を発見して、その情報を宮古島から石垣島の無電局に通報するのに5人の漁師が選ばれ、170kmの外洋をサバニで15時間も漕ぎ、平均速度 6.1ノットで走破したという。(有名な仮装巡洋艦「信濃丸」の「敵艦見ユ」の無電通報より2時間遅れたが、その努力は大いに賞賛された)

 ヨットの世界でサバニと言えば、91歳で、もう既にお亡くなりになったヨットデザイナーの元祖、横山晃さんが盛んに古代サバニ船型を応用したヨットデザインを発表されていた30数年も昔、興味があってKAZI誌やその他の記事をよく読んでいた。近くでノラ26など横山晃さんの信奉者達が建造するクルーザーを見かけることもあった。
 その後、国産ヨットビルダー勢は価格競争に敗れ、ヨットは輸入艇が増えてサバニ船型などすっかり影が薄くなってきたように思っていた。

 ボクも今まで沖縄の観光地に行くことはあっても漁港に寄ったことはなかったので、今やサバニ型漁船などもうとっくの昔に姿を消しているだろうと思っていた。
 ところが、北から最初に琉球文化圏に入る奄美群島・北端の奄美大島・古仁屋漁港で現役の小型FRPサバニ漁船を数隻見つけた。港に繋がれたほかの現役漁船の多くはヤマハやヤンマーが造るどこにでもある漁船だった。

 南隣の徳之島・亀徳港にはよく使い込まれたサバニ漁船がいた。画像↓

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 沖永良部島・知名港では木造のサバニが船台に乗っていた。エンジンを搭載したサバニは船底材(航)を延長したような物や艫の左右に付けられたプレーニングボード様の翼で船尾の沈みを防いでいるようである。エンジンの大きさによってその大きさは各船とも違うようだ。画像↓

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 奄美群島最南端の与論島・茶花港にはサバニ船型だが艫の形が少し進化したFRPサバニ漁船がたくさんスリップに引き上げられている。サバニ以外の漁船は殆ど海上係留されいるようだ。画像↓

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 これらのサバニ型漁船は波切がよく低馬力エンジンでもスピードは出そうだが、幅が狭く積載量と安定性が普通の漁船に較べて劣るように見えるので今後も減ってくることは予想されるなぁ。

 サバニ漁船の本場、沖縄・糸満では残念ながら漁港の見学はしなかったので、これから沖縄周辺の慶良間や久米島など離島に寄った時にはしっかりと見てこよう。

 一方、今月6月29日には伝統的なサバニを使い、帆漕で競うレースが開催される。座間味をスタートし、30数km先の沖縄・那覇港までのレースで、もう今年で10回目だという人気イベントに育ち30隻以上の参加があるらしい。 

【参考Web】:池川よっと工房 「サバニについて」
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by pac3jp | 2009-06-01 09:55 | 漁船  

こまし網って知っていますか?

海の日の3連休に仲間のヨット(28f~34f)7隻のフリートで四国香川の庵治港と小豆島の吉田湾クルージングに行ってきた。
サイズも乗り手の技量もまちまちのヨットがフリート行動をすることは難しいこともあるが一隻では行けないクルージングエリアも助け合って行けるメリットが大きい。

今回は明石海峡を抜けて播磨灘に入ったところでイルカの群れがヨットの右に左にジャンプしながら我々に朝の挨拶をしてくれた。 ここ数年はこのあたりでイルカをよく見かけるようになった。しかし昔よく見かけたスナメリはまったく見かけない。
海の生態も変わってきているのだろうね。

午後早く庵治漁港に着き、いわし等小さい魚を太いホースで水揚げする設備のある浮桟橋に付けさせてもらった。
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翌朝早くからここの岸壁で地元の漁師さん達が漁網の補修と漁船への積み込み作業を始めた。 
どんなお魚を取る網ですかとお聞きすると「まながつお」だとおっしゃった。なおも観察しているとこの網は「コギ網」でなく潮の早い瀬戸で大きなアンカーを打ち、長い網を入れて潮に乗ってくる魚をとるそうだ。「網を入れたら昼寝しとるんや」との事。


今年の5月末、大潮の連れ潮でアビームの順風を受けての備讃瀬戸航路を東へセーリングしていた。 大槌島を経て男木島西から航路は左へ変針する。航路の右端を対地速度9kt近いスピードで帆走していた時、左舷側からは宇野からのフェリー、右舷側からは高松からの宇野行きフェリーが2隻が近づいてくる。そして、交錯する航路のごく近くまで、こまし網の漁船多数が航路の端を通過しようとするフネを飲み込もうとするようにオレンジのブイが網の口をあけて次々に見えてくる。

後ろから来る本船はどうだ? 航路を横断するフェリーとの距離は? 前から近づいてくるこの網はどんな構造をしているのか、ブイのどちらが通れるのか、網は浅いか、充分深いか、とっさに多くのことを判断しなければならない。
瀬戸内の航海で一番緊張する局面である。

この込網漁法は「いかなご、いわし、まながつお」を漁獲するもので、早い潮流を利用して網を展開し、転流時に網を揚げる。夜間の操業はしない。潮流が弱い時期は操業できないが、コギ網船に比べて燃料を余り消費しない点でフネや自然に優しいね。
漁師さんにお聞きすると網の間口は40mくらい、深さはヨットのキールくらいは大丈夫だろうとの事だが、”君子危うくは近寄らず”。

ヨットで旅をしていると色んな漁法、漁具と出くわす。ホームポート付近の漁具は大体想像がつくが、初めての海域や初めてその季節に入るときは注意が必要だ、時期によって様々な漁具が使われている。網の付いていそうなブイはとりあえず大廻で避けて通るが賢明だ。

漁港に入ると地元の人にその地方の漁法や網の構造などを聞いてみるのが「巡航機帆船」の航海術?の勉強にもなるし、有効なコミニュケーション手段にもなりますね。
今回のクルージングはしっかりと香川県の込網の勉強もしたし、大いに有益だった!!

参考にさせて頂いたWebです。 香川県の漁具漁法
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by pac3jp | 2005-07-22 11:58 | 漁船