カテゴリ:アンカー( 17 )

 

新しいアンカーシステム

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 先のヨットショーで最大のヨットは45フィートの「Moody 45DSe」だった。後から見るとダブルステアリングだし、幅が4m以上ある特大サイズなので一瞬カタマランかなと思うほどスターンにボリュームがある。ヒールすると風上は怖いだろうし、ツインラダーは当然絶対必要ですよ!

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 伝統的なクルージングヨットはバウの頑丈なアンカーローラーに重いCQRアンカーが鎮座しているのが常となっていたが、数あるビルダーの中にはそこに新機構を組み込もうと試みるビルダーやデザイナーがいる。↑左の画像はデヘラーヨットの例だがアンカーはデッキ上になく、ステムに埋め込み人力に頼らずアンカーリングできる方式だ。↑右の画像は「Moody 45DSe」のバウだがすっきりしてまるでレーサーのバウみたいだ。

c0041039_6565218.jpg キャビンはデッキサルーンなので広いのは当たり前なので、バウの大きなアンカーウエルも見やすいように開放されているのを見に行く。
 新型のアンカーシステムを搭載しているというのだ。アンカーは50ポンドのデルタアンカー、下向きで頭も後を向いている。シャンクの部分がステンレスの構造物で保持されていて、その奥に蓄力用の油圧シリンダーのようなものに連結されている。(左上の画像)

 ディーラーの営業マンがデモしてくれる。「25kgのアンカーは重いですよ!」と、「こうやって」と油圧シリンダーのそばにあるペダルを踏むとその重いアンカーが自分で立ち上がってきた。あとはアンカーローラー収まったシャンクにを手をそえてバウの定位置にあるピンにセットするとアンカー準備は終わる。あとはストッパーを外しアンカーレッコーすればOKだ。錨鎖はピンでデッキと固定されているアンカーローラーに乗って繰り出されしっかり保持されているらしい。(左下の画像)

 揚錨したあとは錨や錨鎖を水洗するホースがチェーンロッカー内に用意されている(ホースリールが少し見えている)。全てが終わるとデッキハッチを閉めれば蹴躓くものもないすっきりとしたバウデッキになる。

 このヨットの外観や内装から想像するとフルタイムのクルージングなど想定になく、アンカリングする頻度は割合少ないのでアンカーやウインドラスなど邪魔物はデッキ下に収納しておいてデッキはシンプルにしとこうという考えだろう。

 ボクはアンカーシステムは使いやすくて故障しないシンプルなのが一番と思っている。このような複雑?な連結機構や油圧かバネかは知らないが海水を被るバウのデッキ下にある蓄力シリンダーなど特に心配だ。面白いけど実用にはなるのか疑問だなあ。
 でも、頻繁に使うことはない装備なのでそう問題は起こらないのかも知れない・・・。
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by pac3jp | 2009-10-26 07:05 | アンカー  

昔の漁船が使っていた碇(レプリカ)

 現在は船の錨と言えば金属製でもっぱら鉄で造られたものが普通だが、近世までの日本では鉄は砂鉄から製鉄されていて結構高価な素材だった。従って近世当初は多量の鉄材が必要な錨などはかなりの資力がある領主の船舶や裕福な商人の大型商船しか購えなかったらしい。

c0041039_1641849.jpg 江戸時代の物流に大活躍した、菱垣廻船や樽廻船などの弁財船(千石船)は大小合わせて八本の四爪錨を装備していたと言われている。大阪港のなにわの海の時空館にある復元船「浪華丸」の一番錨は80貫(300kg)もある鉄の錨である。以下、番が一つ下がる毎に5貫目軽くなり画像の立っている七番錨は50貫(188kg)ある。

 一方、昔から沿岸で漁をしていた舟は今も使っている鉄と木を組み合わせた唐人錨などを積んでいたのだろうか、あるいは昔ながらの石の碇を使っていたのだろうか、どっちだろうかと前から思っていた。

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 今年のクルージングでは種子・屋久~奄美・沖縄までの博物館や郷土資料館で地元の漁業に関する展示の内「イカリ」に注目して見て来た。そこでは大昔の刳り舟の時代から、サバニやイタツキ船などが小さいエンジンを搭載する以前は、沿岸で漁労をする小舟の碇は石と木を組み合わせたもの、あるいは綱を取り付けやすい穴をあけた丸い石、石を網袋に詰めたものなどであったという。

c0041039_1685537.jpg 碇のレプリカを見ると現在の漁船のバウに載っているアンカーも素材が木からステンレスになっているが同じ形をしている。岩場やサンゴ礁に引っ掛けて船を止め、もし外れなければエンジンパワーで引けば爪が伸びて岩から錨が外れる。原理は一緒だが昔の木の爪の方がサンゴ礁には優しそうだなぁ・・・。

 そう見ると小型の沿岸漁船が唐人錨などを使うようになったのは鉄が大量生産で安くなった事もあるが多くの漁船がエンジンを搭載し、今までより沖合いで漁をするようになり効率の良い錨が必要になってきたからだろう。

そして、石と木の碇はそこで有史以来の長が~い寿命が尽き、やっと博物館入りしたわけだ!

【関連記事】:古い碇
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by pac3jp | 2009-08-17 16:21 | アンカー  

ワイヤレスリモコンでウインドラスを操作する

c0041039_9132998.jpg 家電製品にはテレビ、ビデオ、エアコン、ステレオとワイヤレスリモコンがあれこれに付いていて便利に使っている。一方業務用にもどんどん進出している。工場の天井クレーンも小型トラックについているクレーンまでリモコン操作だ。小型漁船でもエンジンコントロール、操舵までリモコンで操作しているフネもいる。

 ヨットにもオートパイロットにオプションでリモコンが接続できる機種もあるが、まだまだリモコンをつけているヨットは少ない。先週末、ウインドラスにワイヤレスリモコンをつけたので見においでと誘われたので見せてもらってきた。

 ウインドラスのリモコンは以前からケーブルを接続して使うタイプのものはあったが、コネクター部分が潮に弱く故障が多かったのと操作ケーブルの長さに制限があるので使い辛いこともあった。

 ワイヤレスにすると幾つかのメリットがある。まず、ウインドラスの制御系の接続がデッキ下で接続でき回路の絶縁が良くなる。また軽くて小さなリモコンなのでどこでも入るし、マストの上からでも使えそうだ。それに機器が汎用品で安いこともある。例えば↓画像にある300MHZ帯受信機が9,800円、リモコン送信機が3,600円と価格表示してある。

c0041039_9142621.jpg 画像は艇内のスイッチパネルの側の壁面に取り付けられたリモコン受信部。4回路のリモコン接点を持っている。青い線がバウにあるウインドラスのマグネットSWにつながっている。配線工事もそう難しくはないそうで、簡単なウインドラスの回路図が読めたらご自分でも出来そうです。


c0041039_915021.jpg リモコン送信機は簡単な4点スイッチのものだ。→

 このシステムはウインドラスの操作の他にも落水時のエンジン停止、リモコンにIDも登録できるのでセキュリティに関連する装置のリモコン操作も出来そうだし、アイデア次第でヨット用としても色々用途はありそうだ。

仕様など詳しくはメーカーのWebで→ ナビシステム 
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by pac3jp | 2007-11-28 09:22 | アンカー  

スターンのウインドラス

 海のダンプカーといわれている、石材や土砂を運ぶガット船の係留作業を何回も見たことがある。彼らは荷下ろし岸壁に近ずくと船首のアンカーとスターンのロープににつながれたアンカーの2本を打ち、岸壁側は前後とスプリングを取り、船体と岸壁の間隔を3mくらい離して船を留める。ガット船は基本的にバケット荷役なので船体がローリングするので岸壁と船体が当らない間隔が必要だ。

 いつ見ても実に手際よく係留する。毎日やっているので上手いのは当たり前だが、そのアンカリング装置も我々のフネより格段に優れている。

 ボクもクルージングに出ると、時には槍付けで係留する。これもたまにしかしないので技も勿論道具にも工夫がない。従ってスターンデッキでロープが絡まり、もたもたと手際も悪い。その時思い出すのはガット船の船尾に据えられたリモコン操作でアンカーロープを巻きとるウインチだった。

 そんなスターンウインドラスを装備した「Minor 27 Range」がご近所にいらしたので見せてもらった。

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 ウインドラス本体と制御BOXはスターンのデッキ下に納まっている。アンカーロープはフラットなベルトタイプのロープである。ロープはトランサムに開けられた専用の穴から出て、スターンプラットフォームについたアンカーローラーへと繋がっている。↑左画像
 楽々と手を汚さずアンカーが打てる理想の装備のようだ。

↑右画像 操作ボタンはキャビンのステアリングハンドルの前にある。ボタンは三つ、PowerSW、巻き取りHigh・LowSW、アンカー昇降SW。
あれ!ハンドルの位置からはアンカーもアンカーロープも見えないが勘で操作するのかな?

c0041039_8244031.jpg このウインドラスはスウェーデン製で北欧ビルダーのボートやヨットに装備しているとメーカーHPに書いてあった。

品名:Winchmatic 
型式:MX52
電圧:DC12V
出力:500W
ロープ:60m


 また、数隻お隣のナウティキャット321にも可倒式のアンカーローラーとインナータイプのウインドラスが装備されている。コックピットのシート下に据付られていたが多分同じメーカーのロープウインドラスだろう。

c0041039_8293112.jpg ナウティキャットはバウにもチェーンのアンカーが装備されているのでこのロープ用のウインドラスはランチング用に使うのでしょうね。

 でも大阪湾奥のヘドロの海にアンカリングしたらえらい事ですよ。ドラムに巻き取るまでにキレイにヘドロを落とさないとデッキ下が汚れて後のお掃除が大変だ。

 もう一つ心配事がある。ベルトロープがきちんとドラムに巻き取れるかだ。一定のテンションを掛けながら巻くのだろうが、海の上だ、ロープが弛むこともある。ダンゴになって止まってしまう恐れはないのかな?

 このボートのオーナーでもないボクが心配しても仕方がない。今度試してみるとはオーナーさんの弁だが、ヨットを買ってから5年も経つのにアンカーなど入れた事もないというヨットマンもいるので使い心地が聞けるのは当分先かもかもしれないね。
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by pac3jp | 2007-11-23 08:33 | アンカー  

神戸国際ボートショウ 2007 Part3

その1【プラステックのプロペラ】
 
 桟橋のヨットやボートを一廻りしてから陸上の各ブースを回ってみる。グローバルマリンのブースにこれまた初めて見るプロペラが置いてあった。3翼のフェザーリングペラだが、ブレードが黒いプラステックなのだ。
プラスティックのプロペラは小型の船外機用や小さいサイドスラスターのプロペラには使われているが、船内機の推進用ではボクもはじめて見た。傍に従来の金属製のペラがあったがそっちの方が信頼できるように思うが、専用ジンクが必要だったり面倒なプロペラ塗装の手間を考えると・・・。
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Kiwiフェザーリング・プロペラのカタログによる主なセールスポイントは

*高強度、軽量のZytel製3翼フェザーリング・プロペラ
    ・Hi-tech Zytel製なのでプロペラ用防食亜鉛不要
    ・プロペラ用特殊ペイントも不要
*ブレード1翼ずつの取替えが可能
    ・万一ブレードの取替えが必要になっても簡単に取替え可。
*3翼が独立して完全フェザーリングします
*驚異の価格 - ¥252,000 (税込)

 確かに良いことばかりだが、クルージングヨットも「エンジン命」とおっしゃる方も多いので機走中のプロペラ強度や信頼性が問題だ。太いロープが巻きついた時やノリ網のワイヤーに接触したときは砲金並みの強度はあるのだろうか。3翼が独立して動くが低速のときの片開きはないか。クルージング先でペラを落とした仲間もいるので、ブレードが個別の部品になっているので落とす確率は高くなる? こういう部材の選択に保守的なボクは実際に使ってみたオーナーから感想をを聞いてみてからじっくりと考えるネ。    
 驚異の価格25,200円は安いか高いかボクには分らないが、どんなサイズのプロペラ価格なんだろう?詳しくは同社のWEBでご覧下さい。
グローバル・マリンさんのホームページ  

その2【アイデア商品? アンカーブイ 】
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 前に漁港でアンカーブイをいれて「地元の漁師さんに叱られたよ」と教えてくれたヨットマンがいらしたが、アンカーの真上に必ずアンカーブイが浮くシステムを売っているのを見つけた。アイデアのミソはブイとアンカーを繋ぐロープを潮汐に合わせて自動的に長さを調整する鉛の錘だった。でもどんな長さのロープでも良いという訳ではない。例えば海図の水深5mの場所でアンカーを入れるのならブイのロープは満潮水深+1m位の6mの長さにしておく。 長すぎると流れてしまうし、短いと潮が満ちてくるとブイが沈んでしまう。

 ボクは漁港でアンカーを打つときは10m位の双綱を付けるが、アンカーブイは広い湾内でアンカーリングするときは後から来るフネもアンカーの位置がはっきり分るのでトラブルの予防の効果がある。



c0041039_9245531.jpg 右の画像がミソの錘りだ。自作しようと思えば簡単そうだが、折角商品化されているので皆さん買ってやって下さい。それが次々と新しいアイデア商品が市場に出てくる契機になるかも知れないからね。 
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by pac3jp | 2007-04-13 09:39 | アンカー  

スターンアンカーについて

 前にスターンのアンカーローラーについて書いたが、そこまで装備しているヨットは少なかった。だが普通の船尾錨は多くのクルージングヨットが装備している。まず、ボクのは25ポンドのフレークタイプのアンカーに8mmチェーン8m+18mmナイロンロープ50mがその装備である。ロープの繰り出しはアンカーバッグを使っている。そしてそのアンカーの引き揚げは現在まで何とか人力でこなしている。

c0041039_958913.jpg ヨットのスターンアンカーの種類やサイズはオーナーの好みで様々だが、数艇からその装備を観察させてもらった。
アンカーローラーに乗ってないアンカーは普通は手で揚げることになる。そうすると自分のフネがクルージング先で出会うであろう最大の風速のなかでも安全アンカーリングできるサイズを選ぶことになるが、原則は手で揚げることなので一番の条件は「軽い」ことだろう。

 ↑画像は33fのヨットにFORTRESSアルミアンカーをハンドレールに専用パーツで取り付けている。大きさははっきり判らないがカタログを見ると33f~38fが適応範囲のボートとなっているので多分10ポンドのアンカーだろう。スチールでは14Ib~18Ibクラスが互換なのでかなり軽くなる。

c0041039_9594599.jpg 次の画像は38fのクルージング艇だが同じく15ポンド位のFORTRESSをスターンアーチの中ほどに引っ掛けてある。アンカーチェーンはデッキの三方ローラーにリードされている。ロープがトランサムと擦れる部分はチャンと擦れ止めが取り付けてある。アルミアンカーは軽いので収納も簡単だ。このトランサムアーチをよく見ると右舷の高いところに小さいステップが付いている。潮汐差の大きい港で横付けしたときの乗降に便利かも。



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 ←もう一隻は同じくナウティキャットだがフラットロープを巻いたリールとスチールのフレークアンカーが並べてセットしてある。このメーカーのヨットはこういうアンカーとラインの配置になっている。でも使わないときはすっきりと片付くが、泥を洗ったり、塩抜きをしようとする時はリールから再度外さなくてはならないのでボクは面倒かなと思う。それにロープも高そうだ。

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 普通のブルースやデルタアンカーなどをアンカーローラーに載せて簡単に使いたいときにはスターンのパルピットにアンカーローラーをセットできたら便利だ。だが、そんな製品が通販カタログの中にあった。画像で見ると大き目のアンカーには使えないかもしれないが、アンカーローラであることは確かだ。これがあるとウインチで巻き上げたりローラーに常時アンカーを設置できる。

 どちらにしてもスターンアンカーの槍付けより選択余地のない泊地ではスマートに格好よくアンカリングしたいもんですね。
 それには、やっぱ、装備を手際よく扱える日頃からの練習がものをいうでしょうね。
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by pac3jp | 2006-12-01 10:19 | アンカー  

スターンのアンカーローラー装備

 クルージングヨットは大抵スターンにアンカーを取り付けている。日本の国内クルージングではスターンアンカーの槍付けが多いのもその理由かもしれない。そのスターンにセットされたアンカーをどう運用しているかはフネのアンカー装備が大きくものをいう。
 比較的小型のヨットで小さいアンカーならば手で充分引き上がられるが、アンカーとチェーンと合わせて20kgを越す重さになってくると辛くなってくる。スターンデッキに三方ローラーを取り付けてウインチで巻き上げるようにしたフネもあるがアンカーをセットしたままでおきたいときはどうしてもアンカーローラーが必要だ。

 我々のハーバーに係留しているヨットの内、スターンにアンカーローラーを装着しているフネは割合少ない。また、新艇から専用のアンカーローラーをセットしているクルージングヨットはナウティキャットだけだったと思う。

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 通常はスターンデッキからアンカーローラーを外へ突き出してそこにアンカーをセットしている。左側のヨットはチークの角材にアンカーローラーを取り付けて、反対側端のほうに小さなクロスビットがみえる。右側のヨットははダブルエンダーで船尾の形状が丸いのでアンカーローラーをブルワークから斜めに突き出し下からパイプで補強している。

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 上の2隻のナウティキャットはほぼ同じ仕組みだ。スターン下部に可倒式のアンカーローラーにブルースアンカーを付けている。アンカーを出し入れるときは外側に倒れて錨が船体に当たらない様になっている。フネの大きさがチョット違うが、アンカーラインはウインドラスに巻き取られるようになっているのだろう。

c0041039_953238.jpg もう一隻のナウティキャットはダンフォースアンカーがアンカーローラーにセットされている。アンカーローラーは船尾側に倒れてトランサムの端についている金具に嵌まり込んでアンカーローラーの揺れを抑えているのだろう。アンカーの付近にベルトタイプのアンカーロープがリールに巻かれて取り付けてあったので普通はそれをお使いなんだろう。

 
 
 近所の港で港湾工事のガット船がバウアンカーとスターンのアンカーを見事に使って岸壁に平行に係留し、土砂の荷役をして、終われば岸壁に押される強風もなんのその。自分のアンカーを引いてさっさと出航して行った。流石、と思って見ていたが、ヨットもバウとスターンのアンカーを本船並みのシーマンシップと強力なウインドラスが使えたら良いのにとは思うが、ボクらはフネで営業しているわけではないのだ。ゆっくりと、そして確実にアンカリングできたらそれで充分だね。
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by pac3jp | 2006-11-10 10:01 | アンカー  

アンカートラブル解消方法

 真夏の「阿波踊りヨットレース」は有名なレースなのでレーサーは勿論、レースに参加しないヨットまで徳島のケンチョピア・ヨット泊地に集まってくる。ここは川で両岸に多くのヨットやボートが船尾アンカー、槍付けで泊っている。水が濁っているので見えないが水底ではアンカーラインが網のように交差しているのだろう。そこへ何の考えも無くアンカーを打てば無事に上がってくる事自体が奇跡なのだ。

 そんな経験を幾度かすると、アンカーを打つと必ず引っ掛かるので自分のアンカーは入れないで「横抱きしてもらう専門」で行くのだ。と言うヨット乗りも出てくるが、ちょっとおかしいと思う。どこの泊地でも必ず横付けできる岸壁と横抱きさせてくれるフネがいるとは限らない。ちゃんと準備してアンカーを入れれば全く問題なくアンカーは上がってくる筈である。

c0041039_931451.jpg まず、アンカーのクラウン(頭の部分)に引き抜き用のアイが付いているので、そこにアンカーブイ、あるいは双綱のロープをつける。そしてそのロープを引けば大抵の引っ掛かりは外れる。
 でもCQRやブルースにはクラウン部分にそれようのアイが付いているが、何故かボクのダンフォースもどきには付いていない。仕方がないので双綱用に9mmの穴を開けてシャックルを付けるようにした。蛇足だがカタログを調べてみるとダンフォースタイプは本家純正も含めてクラウン部分にはアイはない。日本で売っているコピーはしっかり大きな穴が開いているのにね。

 アンカーブイは狭い漁港では使えないのでボクの場合は双綱をつける。アンカーのクラウン部のアイから10mm×12mロープをアンカーラインに沿って細く短いプラヒモで適当に縛ってゆく。それをアンカーラインと共に入れてゆく。アンカートラブルで錨を揚げる時は双綱を引けば紐は勝手に外れる。
 国産の市販品ではアンカーセイバーと呼ばれる商品もあった。根掛かりが多い磯付近でアンカーを入れて魚を釣る釣りボートなどには絶好だが多少の制約もあるみたいだった。

 少し前に古い英文のクルージングワールド誌から簡単なアンカーセイバーの作り方とその使用方法(下の図)を見つけたので今度試してみようと思っている。その道具は長さ60cmくらいで太さ12mm位の亜鉛めっき、ビニールコーティングをしたワイヤーの両端に18mmのシンブルが付いたアイをつけたものだ。
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 図によると岩に掛かったアンカーチェーンを真上から引き上げ、クリートし、そのアンカーラインにループにしたアンカーセーバーをレスキューラインに付けてアンカーまで沈めてゆく。そして、チェーンを緩め海底に戻す。そうしてからレスキューラインを引き上げる。

 上手くいくかどうかは判らないがクラウンに穴が開いていないダンフォースアンカーの回収にはぴったりだなと思っている。ワイヤーも少し細いがステンレスの古いハリヤードだったらヨットハーバーの片隅に転がっていそうだし、他の部品もコーナンにある。簡単に自作できて、嵩ばらないので非常用備品として保存にも最適だと思うが・・・。
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by pac3jp | 2006-10-27 09:47 | アンカー  

ビームアンカーを打つ

 クルージング先の港で泊まる時、浮桟橋があれば便利で良いが、その周辺の状況を見てビームアンカーを打たなくてはならない事もある。
 例えば、艇の横から吹く風が強くなり、フェンダーが潰れてしまう程になりそうな時。あるいは係留した場所が港内の航路に面していて大きな引き波が艇を揺らし、桟橋や岸壁に激しく打ち付けられるなど、また、潮汐によってフェンダーがその効果を無くしてしまう、あるいはそのような可能性があるときにはビームアンカーを入れておくべきだ。
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 昨年は五島列島奈良尾港、壱岐芦辺港の浮き桟橋で2回、神戸港などの本船用岸壁で2回打った。ビームアンカーを打ち損ねて俵フェンダーが潰れてしまったことが九州で1回あった。

《 打ち方 》
 空いた岸壁や桟橋のまず、沖に錨を入れて、ゆっくりと槍着けの要領で近づく。そして、陸や桟橋からロープを取ったのち船を回して横着けにし、船尾のラインを船体中央のクリートかマストのあたりのステーまで回して来て止める。アンカーラインが船の真横方向に延びるからビームアンカーと言う。横を通る船が引っかけないように、アンカーモニターを吊るしてロープの角度を深くする必要がある。これで普通の日和なら岸壁と船の間は適当に開いて、舷側の汚れや傷みの心配がない。
 風が強くなってきたり、風向が変れば、ビームアンカーを逆Y型にしてバウとスターンから引き、風向に合わせて艇の姿勢を調節する。

 でもあるとき、ボク達は旅先の浮桟橋にいた。その夜強風が予想されたのでビームアンカーを入れて岸からも長いロープでまし舫いを取ったが、後から入ってきたロングクルージングのヨットは丈夫そうなタイヤフェンダーを入れただけだった。フネが風に押されてフェンダーでゴリゴリ擦られても平気のようだ。確かにアンカーを打ったり、また回収するのはメンドクサイ。でも夜中にステーがヒューヒューと鳴り、マストに受ける風圧でヨットがヒールし、桟橋に押し付けられる音を聞くのはメンドクサさを越える辛さだ。クルーが乗っていても嫌がる時もあるが、断固アンカーを打つことにしている。
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 ↑画像は今年4月、愛媛県今治港で係留した時の画像だ。港務所は港内で係留可能な岸壁としてこの場所を指定し、槍付けは通行の船舶に邪魔なので不可。横付け、ただし、これから大分潮が引くのでペンドルはしっかり入れときなさいよと注意して、25円の停泊料を徴収していった。この岸壁はゴムの防舷材の下1m位で垂直の岸壁はなくなっていて、奥に鋼板の矢板が見えてくるはずだ。
 風は旗で分かるが岸壁に吹き寄せられる風だ。手順通りに逆Y型にビームアンカーを入れ岸壁から1mほど引き離した。

 さらに暫くすると船首側の空きバースにタンカーが入ってきた。出航用のアンカーをボクのアンカーの上に落とそうとするので本船のバウマンにアピールする。すぐ近くにガラガラ、じゃぽーんと錨を落として後進で割り込んできた。

確かに活気のある本船用の港に着けるのは苦労も多いが、でも、たまには面白い事にも出合う。これからも時々は片隅にお邪魔したいと思っている。
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by pac3jp | 2006-06-14 09:26 | アンカー  

アンカーモニターを付ける

 梅雨の季節にもなってくると、もう夏休みのクルージング計画が具体的な準備の段階に入っている事だろう。ボクのご近所も時計周り四国一周のクルージングの準備中だ。コース中の停泊は瀬戸内以外の港で浮桟橋が使えるところは稀だし、普通は漁港の空いた岸壁につける事が多くなるだろう。

c0041039_1144225.jpg 従って停泊港の状況しだいではアンカリングをしなければならないが、アンカー装備やアンカーの入れ方は各人が自分の考えや手法を持っている。でも、基本は安全確実にヨットを係留する事と地元や近くの船に迷惑を掛けないマナーが必要だ。

 狭い漁港や港内通行の多い場所に槍付けをしたり、ビームアンカーを打ったときにはアンカーラインを沈めるためにアンカーモニターをつける。またこのモニターはアンカーラインのスコープ角度を小さくする働きやバウの舫いを引く働きで岸壁からヨットのバウを離す役目も受け持つ。ちなみにこの錘につけるラインの長さは水深+舷の高さが適当だそうである。

c0041039_1161232.jpg ではモニターとしてどんな形状の物を使うかだが、「春一番」の野本先生のご本には20kgくらいのチェーンの束を付けると書かれているが、ボクのご近所では、予備のアンカーを吊るす。自作の5kg~10kgの錘をつける等、色々のご意見がある。当然ご自分のフネの大きさや重さによっても変るがボクの場合、10トンのフネに10kgの自作の鉛モニターのつけている。これでも付け外しは結構重いので20kgはチョット大変だ。どうしても必要になればもう1個アンカーやチェーンを追加することになるだろう。

 右の画像はボクがここ10年くらい使っている10kgのアンカーモニターだ。これは昔乗っていたヨットのインナーバラストを転用して自作した。
ステンレスの塊にロープ環をつけた形状の物も見かけるが、自作の物は保管場所との兼ね合いでデザインは決まるものだ。ボクの場合、ロープロッカーに収納するので平たいタイプにした。

c0041039_11102498.jpg ←画像は市販品だが、どこで売っているかは知らない。

 同種のものをどこかの港付近の船具屋で見つけたとのお話しも聞いている。

 そうだ、クルージング先で船具屋さんがあったら是非とも覗いて見てください。きっと面白いものが見つかるよ!
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by pac3jp | 2006-06-12 11:27 | アンカー