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インドネシアに巡視艇3隻の引渡し

 12月1日、待っていたニュースがやっと報道された。これで、マラッカ海峡の海賊やテロリストから日本へ石油や生活物資を運ぶ船舶の安全確保に最も役立ちそうな国の施策がやっと実現した。

 ↓画像を見ると黒く塗られたハルは白い日本の巡視艇と大分印象が違うね。また、後ろの巡視艇はハルが青く見えるが・・・どうも、649にタラップが掛かっているようだ。
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 マラッカ海峡の海賊・テロ対策や兵器拡散防止のため、日本政府が開発援助(ODA)で初めて武器輸出三原則の適用外として供与を決めた巡視艇3隻を引き渡す式典が30日、インドネシアの首都ジャカルタの港で行われた。
 巡視艇は防弾ガラスで装甲が強化され、輸出が事実上禁止されている「武器」に該当するが、テロ・海賊の取り締まりに限定使用し、事前同意なく第三者に移転しないことをインドネシアが約束したとして、日本政府が昨年6月の閣議で無償供与を決定。ODAによる初の武器供与となった。
 引き渡し時点で機関銃など殺傷力のある武器は搭載していない。今後はインドネシア海上警察が使用する。
 式典は、ジャカルタ北部タンジュンプリオク港の海上警察本部前で行われ、スタント国家警察長官や海老原紳・駐インドネシア大使らが出席。3隻は日本の海上保安庁の巡視艇と同じ型で、計約19億円で東京都内で建造された。速力は30ノット(時速約56キロ)で、海上警察で最速となる。(共同)


 昨年、防弾ガラスで装甲が強化されたので「武器」になるから供与も出来ないとかマスコミは大騒ぎをやってやっていたが、ODA予算はこのように国益に叶い、はっきりと判るところで使って欲しいと思っている。

 最近の海賊事件はアフリカ方面に多いがマラッカ海峡にも海賊やテロリストが居なくなった訳ではない。じっとチャンスを待っているのだ。今回、インドネシアの海上警察に27mクラス高速巡視艇が配属されたが、広い海域にたった3隻では劇的な効果はないだろうが海賊達にプレッシャーをかけるには充分だろう。

 でも、過去のODA予算で途上国に供与された高性能の新型機械は現地にメンテナンスする技術がなく、故障するともう使えなくなってしまい、ただのスクラップになっている映像を見たことがある。高速巡視艇もしっかりと維持管理できるノウハウも一緒にお渡しして長くマラッカ海峡の警備に働いてもらって下さいね。

以前の関連記事から:「日本財団9年半の日々」曽野綾子著
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by pac3jp | 2007-12-05 08:25 | 海保  

大阪マーチスがAIS(船舶自動識別装置)の運用を始める

c0041039_947264.jpg 明石海峡の海上交通を管制してる大阪湾海上交通センター(大阪マーチス)において平成19年12月1日よりAIS(船舶自動識別装置)を活用した航行支援システムの運を開始します。という新聞記事があった。

 我々小型のプレジャーボートは海上交通安全法で定められた航路を航行する義務も航路に入る通報義務もないが、ボクは明石海峡では大型船や横断するフェリーの航行の邪魔にならないように航路の外側を遠慮しながら航行している。VHFを聞いていると本船の船長さんも大変だなと思うような交信を聞くこともある。航路を斜めに横切るマナーの悪いのや、居眠りをしているフネもいる。大阪マーチスは高いところからレーダーで見ていてキット歯がゆい思いなんでしょうね。

 大阪湾に出入りする各種船舶の情報を把握して管制できたら海上交通の安全確保に効果があるし、不審船のチェックにも有効?だとか。

 AIS(船舶自動識別装置:Automatic Identification System)とは 船舶の識別符号、船種、位置、針路、速力及びその他の安全に関する情報を自動的にVHF帯電波で送受信し、船舶局相互間及び船舶局と陸上の航行援助施設等との間で情報の交換を行うシステムで、SOLAS条約により一定の船舶への搭載が義務付けられています。

↓画像は大阪湾海上交通センター(大阪マーチス)のサービスエリアです。
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AISの搭載義務 AISは、全ての外航旅客船と総トン数300トン以上の外航船に搭載義務があり、500トン以上の内航船も平成20年7月1日までに搭載することが法律で義務付けられています。


 こんなSOLAS条約が定めた本船用のシステムも使いようによってはプレジャーボートでも航海の役に立つシステムとしてし近い将来?は使えそうだ。なぜかというとヨット・ボートに電子海図の普及がある。パソコンの画面に電子チャートを表示させVHFで送られてくる船舶情報を画面に重複表示させるソフトとデータを受信するハードを追加すれば自分の周りいるAIS搭載船舶の船名・位置・針路・速度等が画面に表示され衝突コースに入れば警報がでる。レーダーの画像を見るよりはっきりと自艇と本船の位置関係が分るし、レーダーに映らない岬や島影にいる本船も表示できる。夜間や大雨の時も有効だ。それにAISは受信だけでも使えるので無線の免許もいらない。

小豆島の琴塚から伊豆半島まで実際にヨットでAISを使い航海してみた方の「GPSに匹敵する有効性を秘めた「AIS」」という記事があります。

 でも、500トン以上の本船には搭載義務はあるが、大阪湾や播磨灘を我が物顔で航行しているガット船など内航船は499トン船も多く、それらは規制外だし、ボクの遊ぶ近くの海域では規制外の小型船が圧倒的に多く、そうメリットはない様だ。AIS搭載義務船でも装置の操作に不慣れなのかVHFで送るデータの入力ミスも多いそうで、まだ暫くは試行錯誤が続くのでしょうかね。

 便利になるとは言えこのAISもあくまで「航行支援システム」なので機械に頼らず、大型の本船もボク達のヨットやボートでも自分の目で見張り、安全を確認して運航するのが基本なのはずっと変わりませんよね。
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by pac3jp | 2007-11-21 10:10 | 海保  

受難の航路標識

c0041039_10403648.jpg ←画像は明石海峡東の航路ブイである。よく見るとソーラーパネルやランプを保護するガードパイプが曲がってしまっているし、赤球の支持パイプも歪んで見える。誰かがこの航路ブイに接触したようだ。
 昨年もこの大きなブイは上部のやぐらが千切れてしまうほどの事故にあっている。
海保のHP「航路標識のブイが泣いています!!」に詳しい。

 このブイは明石海峡航路の東入り口にあり、友が島から北行して来た本船はここで西へ変針するポイントである。でもこのあたりは潮流も早いし何時も多くの漁船が操業している場所でもある。写真を撮った当日も付近を引き縄漁の漁船が数隻操業していた。ボクらもこの航路ブイの底に太刀魚仕掛けを入れてみたが腕が悪かったのか、魚が居なかったのか、全く釣れなかった。

 つい最近、九州の別府港でカーフェリーが桟橋から出航はしたが故障で漂流し、灯台が倒壊したと以下のような報道がされていた。



フェリーが防波堤に接触、灯台なぎ倒す…別府

7日午前5時50分ごろ、大分県別府市の別府国際観光港で、八幡浜港(愛媛県八幡浜市)に向けて出航した宇和島運輸(本社・同市)のフェリー「おおいた」=2453トン、全長115メートル、梶田秀利船長(55)=の右舷が同港東防波堤に接触、碇(いかり)が灯台(高さ約6・4メートル、直径約60センチ)に当たってなぎ倒した。
乗客52人と乗組員10人にけがはなかったが、自力航行出来なくなり、大分海上保安部の巡視艇などにえい航され、同港岸壁に着岸した。
同保安部の調べによると、「おおいた」は午前5時35分に離岸した直後、発電機が不調となり、岸壁から約200メートルで停止した。潮の流れに押されて防波堤に接触したらしく、灯台は根元からなぎ倒された。
乗客は、後続便に乗り換えるなどして八幡浜に向かった。

10月7日 読売新聞 より引用


 確かに航路標識への接触や衝突は港内の燈標より安全水域標識である「赤白縦しま」のブイがずっと多いのだろう。方位標識や孤立障害標識に当ると座礁の危険があるから居眠りしている船は除いて大抵は注意して大回りするのが普通だからこれは少ないね。
 ボクも大分前に微風で穏かな安芸灘で航路中央ブイをウェイポイントに設定しオーパイで航海していたら、気がついたらブイの2m近くを通過して「ヒャッ」とした経験がある。また、ヨットにはじめて乗る女性ゲストに見張りを頼みキャビンで作業をしていたら、ゲストが突然「灯台が近づいてきたよ!」と叫んだ途端にドーンとブイに衝突してハルに大きなクラックが入ってしまった不運なフネもあった。

 どんな小さな航路ブイでもボク達が乗るヨットよりは、はるかに丈夫なのでブイはペンキにキズが付く位でもヨットのダメージはかなり大きい。また衝突のショックでセンサーが働きカラーペンキが吹出す装置がついたブイもあるので後々大変ですよ。

航路標識は海上に設置してある公共物ですから不注意で壊すなんてとんでもないことです。自艇の位置が確認できる充分な距離をとって航海し、GPSのウェイポイントは航路ブイから0.5マイルは離して設定しましょう。でも何といっても安全の基本は見張りを厳重にすることですね。
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by pac3jp | 2007-10-17 10:53 | 海保  

巡視船「せっつ」の搭載艇

c0041039_913451.jpg 昔から伝馬をみれば親船が分ると言われてきたそうだが、それだけ搭載されているボートには親船の性格が凝縮されているようだ。
先日、ハーバーの桟橋に年季の入った無骨なボートが泊っていた。巡視船の搭載艇である。本船は「PHL07 せっつ 」(総トン数 3100トン)で、五管所属の大型巡視船だ。神戸港を定係港にしている。

 艇名は「PLH07-M2」6m位のFRP製だ。防舷材を張り巡らした船体は頑丈そうでコックピットは深く、船室の出入り口はアルミの水密ドアのようだ。エンジンは1基で救助艇としての安全度が高いウォータージェット推進になっている。船首水線下には衝突にも耐えるようにステンレス鋼板で補強がしてあるのだろう。

c0041039_935883.jpg 外観から見ればはかなり重そうだが、整備中のメカニックによれば20ノットくらいで航行出来るという。そして“せっつ”の「若いネーチャンが回航してきたで!」とおっしゃった。神戸港で見た大型コンテナ船の救命艇も女性の操縦士だったが、「せっつ」のレスキューも女性海上保安官が乗っているのだろうか。

 巡視船の搭載艇はいつもここのヤマハで整備するという。同型艇がエンジン換装の為に工場で作業中だった。ボクはこのフネに助けてもらうような状況にはなりたくないが、沖合いで遭難してしまった人達にはキット頼もしくみえるだろう。

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 ちなみに「せっつ」はジェットボート2隻とカッタータイプの大型オープンボート2隻を両舷に分けて4隻のボートを搭載しているように見える。
 海上での遭難者救助はヘリの仕事みたいに報道されているが、実際は時化た現場でこのボートも大活躍していることだろう。
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by pac3jp | 2007-04-23 09:10 | 海保  

灯台を利用していますか?

 仲間のヨットマンがある時、海保の担当者から「灯台をよく利用していますか?」と質問されたそうだ。沿岸では普通に設置されている燈台だけど・・・ボクもそう聞かれたら??と考えてしまう。
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 まず、燈台の定義から。 「燈台とは船舶が陸地、主要変針点又は船位を確認する際の目標とするために沿岸に設置した構造物及び港湾の所在・港口などをしめすために港湾などに設置した構造物で、燈光を発し構造が搭状のものを燈台という。」

 そして「船舶に障害物の存在を知らせるため又は航路の存在を示すために、岩礁、浅瀬などに設置した構造物で、燈光を発するものを燈標という」とあるので港の防波堤の上にあるのは燈台で神戸垂水沖にある通称「垂水の燈台」は正式には「平磯燈標」である。

 クルージングする時など予定のコースをチャートに記入するときには目標点を岬の灯台や航路の浮標を変針点に選んでいる。航海日誌には正横を通過した時間を記入したりもしている。
 海上でみるボクが馴染みの深い灯台と言えば明石海峡の江崎燈台や備讃瀬戸の男木島燈台など昔から重要な航路筋にある立派な灯台を思い浮かべる。明治新政府がお抱え外国人の指導で造った石つくりの風格のある灯台だ。航路の重要な場所に今でも健在である。 でも、港の入り口にある燈台はそう立派なものはないが、沖から帰ってくるときは昼も夜も重要な目印だ。

 航路標識の中でも燈台は英語ではライトハウスといわれるように夜間にその真価が発揮される。真っ黒な闇の中から規則正しく固有の光りを発し、その存在を示して船舶の安全な航海をサポートしているのだ。
 ボクもGPSプロッターが普及する以前の夜間航海では燈台の灯質を必ずチェックしたもんです。でも最近は夜間の航海も少なくなったし、光達距離の大きい明るい燈台は電子チャートで方位と距離を確認し、どの燈台かすぐにわかる。ストップウオッチで計測する手間は要らなくなった。
 ボク達仲間のヨット乗りの中では夜間航海のナビゲーションでは燈台の重要性はGPSに負けているように思う。確かに夜間に海図で船位を求めるのは手間がかかるが電子チャートでのナビゲーションは簡単だ。それに技量による誤差もない。
 そうは言ってもボクのクルージングで航路標識全般の利用が減った訳ではない。初めて入る海域では航路標識の全てをしっかりと確認して安全な航海を心がけているのだ。

 でも、航路標識の管理者から灯台をよく利用しているかと聞かれたら、利用価値のなくなった航路標識を廃止しようといているのかなぁと思ってしまう。所によっては利用者が少なく港湾の航路標識としての使命の終わったかのような燈台もあるだろう。だからと言っても燈台や浮標がなくなっても大いに困る。

 定期航路がなくなり住民がいなくなっても港の灯台と桟橋は残して欲しいと願っている。小型船の避難港に、そしてクルージングヨットの寄港先にもなるしね・・・。
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by pac3jp | 2006-08-25 11:04 | 海保