カテゴリ:海保( 15 )

 

航路標識測定船 LL01「つしま」と沖ノ鳥島(2)

 「つしま」の船内には各種の電波標識を測定・評価している専用機材やパソコンがずらりと並んだ船室がある。下の画像はディファレンシャルGPSとロランCの受信盤だ。ロランCも説明パネルによると、昔お馴染みだった北西太平洋チェーンや韓国チェーンもユーザーはもう殆どいないと思うが、いまだ航法システムは健在のようです。
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 少し離れて、近年運用が始まったAIS(船舶自動識別システム)評価装置が据付けられている。海保が国内に設置したAIS地上局は93箇所(内4ヶ所は移設)もあり想像したよりかなり多い数だが基幹局以外はきっとケータイの基地のようなものかもしれない。

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 「つしま」は灯台や電波標識の測定が主たる業務だと思っていたが、展示物に沖ノ鳥島の写真パネルがあり、担当者の説明によるとこの島に設置された灯台のメンテナンスを受け持っているとか。
 沖ノ鳥島は東京都心からでも約1,700km離れた日本最南端に位置しているので普通の灯台船では航続距離が届かないのだろう。そこで、もう既に廃止されたが超長波を使う「オメガシステム」の電波を測定する必要から12000kmの長い航続距離を持つ巡視船としてそのお仕事が回ってきたのだろう。年配のクルーにお聞きすると昔はオーストラリアまで行ったなどのお返事があった。

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 ↑画像は沖ノ鳥島の環礁。プラットフォーム(観測棟)と北小島、東小島、干潮時の観測基板が見える。我が国の排他的経済水域(EEZ)にとって重要な島でありここに灯台が2007年から設置されている。

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 ↑プラットフォーム(観測棟)浅い礁湖のなかに60m×80mの大きなプラットフォーム上に観測施設がある。白いビルの上に灯台がある。 コーナーにはカメラが設置されているようだ。灯台のメンテナンスは当然ながら沖に本船を泊めてゴムボートで上陸する。

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 この灯台は2007年3月16日から同島の周辺海域を航行する船舶や操業漁船の安全と運航能率の増進を図ることを目的として灯台(名称:沖ノ鳥島灯台)を設置し、運用を開始した。

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 ↑東小島と北小島 標高は15cmだという。これらの島に消波ブロック設置とコンクリート護岸工事を施し、チタンのネットを被せ保護している。第二次大戦前には最大2.8mの北小島を含め6つの島があったようだが、現在では二つだけ。観測基板は昔の灯台設置工事跡。

 石原都知事が熱心に取り組んでいたようだがその後はどうなったのでしょうね。


【参考Web】1:沖の鳥島について わが国の考え(海保レポートより)
【参考Web】2:沖の鳥島(ウイッキペディア) 
【関連記事】1:航路標識測定船 LL01「つしま」を見学する(1) 
【関連記事】2:南鳥島に港が出来そうだ! 
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by pac3jp | 2010-09-04 11:32 | 海保  

航路標識測定船 LL01「つしま」を見学する(1)

 8月21日(土)、神戸港・新港第1突堤で開催されている「神戸プラージュ2010」の協賛イベントで海保の航路標識測定船「つしま」が来ていたので見学してきた。この船は2年前にもこの岸壁で韓国の航路標識測定船「ハンビット」と並んで泊まっていたが、船内の見学は今回初めてだ。

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■総トン数:1706トン
■全 長:75.0m 最大幅:12.5m 深さ:6.4m
■主 機:4000馬力 ディーゼル1基
■速 力:17.2kt
■航続距離:12000マイル 最大搭載人員:54名
■就 役:1977年 

 航路標識には、灯台に代表される光波標識、霧笛など音波標識及び電波を利用した電波標識があります。本船は、ロランC、ディファレンシャルGPS、AISなどの機能の確認及びシステムの改善を図るため、有効範囲、誤差分布状況、電界強度、電波伝搬補正値等などの電波標識の解析評価のほか、灯台の光度測定やふくそう海域における通行船舶の実態調査を実施しています。
 また、航路標識業務に対する理解を深めるため、測定航海等の寄港地において一般公開を行ったり、観閲式等の行事に参加しています。
(つしま概要パンフより)

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 ↑画像はマストに取り付けられたアンテナ類。受信系のアンテナが多く、中でもGPS系が一番多いとお聞きした。レーダーも航海用だけのようだ。衛星通信用は後部デッキに設置されている。

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 ↑マスト下のちょっと広めの暴露デッキ。ここで夜間に光波標識の観測をするのだろう。ジャイロのリピータ(左の白いスタンド)とマグネットコンパスのスタンドがあり、伝声管!がブリッジにつながっている。電気がなくても通話が出来るものだと聞かされ「へぇ~!」と驚き、写真に撮る若い女性たち。

c0041039_5571251.jpg 輝度計測計 灯台の光度を測定する計器。別にシステムコントロラーが付属している。
●灯台からの距離、6,8,10マイルの洋上地点で測定する。
●灯台及び標準光源の閃光をそれぞれ100カウント測定
(カウントは輝度計で捕らえられた数)

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 ↑ブリッジ、流石に発売元の船舶にはしっかりとした電子海図装置が搭戴されている。それに海保の巡視船も広報の努力か、あるいは映画「海猿」の影響なのか女性の見学者が増えたと地元新聞などは報じている。
 ※天井から下がっている銀色のパイプが「伝声管」です。

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 ↑減揺タンク
 夜間の光度計測などには必須の設備である減揺システムのかなり大きなタンクが後部上甲板の両舷にセットされている。前から気になっていたので傍にいた案内係のクルーに減揺効果をお聞きすると首を傾げていたが、33年前の進水時から常時セット?されているのでもう誰も特別には感じないのだろう。


【関連記事】:日韓の航路標識測定船「つしま」と「ハンビット」 

 
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by pac3jp | 2010-08-31 06:12 | 海保  

プレジャーボートの海難が増加(海保より)

 神戸海上保安部から昨年度、平成21年の管内での船舶海難の発生状況が発表された。

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 ↑表にはプレジャーボートの海難が45隻と最も多かったとして前年に比べ8隻増加し、全海難の59%を占めている。

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 ↑表はプレジャーボートの用途別海難状況ではモーターボートが21隻で48%と断然多く、「その他」が二番目で24%だがこれはどんなフネでしょうね?クルーザーヨットは3隻、7%だった。

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 ↑表は海難原因別の状況。海難原因のほとんどが人為的なもので、操船に必要な知識、技術、経験が不十分なことが発生要因で海難発生の原因を見ると、見張り不十分、機関取扱不良、操船不適切等が多く、プレジャーボート海難の4分の3が人為的原因であると述べられている。
 表の件数では機関故障・安全阻害が10件、衝突が8件、運航阻害6件などだが、機関故障、舵故障、乗揚、推進器阻害などの意味は理解できるが、安全阻害・運航阻害の法律用語の意味がよく分らなかった。で、調べて見ると下記のようである。



安全阻害:船舶には損傷がなかったが、貨物の積み付け不良のため、船体が傾斜して転覆、沈没等の危険な状態が生じた場合のように、切迫した危険が具体的に発生した場合をいう。
(例)
・他船と接近して航行中、航法違反をしたことにより危険な状態を生じさせたとき。
・夜間、規定の灯火を表示しないで航行又は停泊したため、危険な状態を生じさせたとき。
・正規の乗組員を乗船させず、無資格者が操船していたため、衝突又は乗揚などの危険な状態を生じさせたとき。
・航路内に停泊していたため、他船に衝突の危険を生じさせたとき。
・貨物の積み付け不良のため船体が傾斜し、転覆、沈没等の危険な状態が生じたとき。
 
運航阻害:船舶には損傷がなかったが、燃料、清水等の積み込み不足のため運航不能に陥ったなど船舶の通常の運航が維持できなくなり、時間的経過に従って危険性が増大することが予想される場合をいう。
(例)
・運航に必要な乗組員が不足していたため、航海を継続することができなくなったとき。
・砂州等に乗り揚げて船体は無傷であるが、航海を継続することができなくなったとき。
・燃料、清水等の積み込み不足のため、運航不能に陥ったとき。
・保守・点検を怠ったため、機関等の調子が悪く運転に支障を生じて航行不能に陥ったとき。
・正当な理由なくして、船舶を放棄したとき。



 上の表に記入された海難事故は海保が取り扱った事件ですが、海難事故にはならなかったけど運航阻害や安全阻害などに該当しそうなお話はよく聞くので、それはもう立派な海難になると各自が認識することが必要なんでしょうね。

 姫路海上保安部のHPに「他山の石」にしたいような記事がありました。
 プレジャーボート海難が多発しています。
 事故事例を掲載しました⇒ その1 その2 その3 その4

【参考Web】:神戸海上保安部
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by pac3jp | 2010-06-05 09:38 | 海保  

また明石海峡の航路ブイが壊される!

 先週中ごろ、強風が吹いていた明石海峡航路で航路に入ろうとした10万トンのタンカーが明石海峡大橋東の航路一号灯浮標に衝突して浮標を壊してしまった。船舶が輻輳する航路の入り口のブイがなくては混乱するので海保はブイの代わりに信号を発する警戒船を配置していると報道されていた。

c0041039_15162945.jpg 画像は同じ大きさのの2号ブイ(潮流発電式?)。かなり大きなブイで小型船舶くらいでは勝負にならないほど強そう。壊された1号ブイはソーラーパネル式。

今日もまだ神戸海上保安部から下記の緊急情報が出ている。

 現在、明石海峡航路中央第一号灯浮標(ホ34-37.3 ト134-58.9)は船舶衝突により一時撤去されています。
 同灯浮標のあった位置に、警戒船(青色閃光灯点灯)を配備しています。付近通航船舶は、注意してください。


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 この明石海峡航路の管制を受け持っているのは淡路側の海峡を見下ろす標高約300mの山頂にある大阪湾海上交通センター(大阪マーチス)だ。オペレーターが3名写っているが左側にも3名のディスクがある。
 ここで海峡を通過する大型船舶をレーダー・AIS・VHF無線・目視で管制している。ボート、ヨットなどは向こうのレーダーには映ってはいるが航路を通行する義務も報告する必要もないし、VHF無線を搭載してないので航路を横切っても直接航行指導を受けることはないが、レーダーの記録は残っているかも知れないので行儀の悪い走りはせずにちゃんと航海してくださいね。

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 1~3の黄色の数字はブイの番号
 画像は11/01 11:42の管制レーダーの画面で白丸が船で、そこから出ている線が針度と速度をあらわしている。丸をクリックすれば500トン以上の船舶ならばAISの情報が表示される。

c0041039_1521387.jpg 事故の当日も海峡を管制しているレーダー画面にはタンカーのAISからの船名、行き先、針度、速度があわせて表示され、まさにブイに衝突しようとするコースに乗っているのがよく見えていたのだろう。AISにはテキストで通報、緊急時にはVHFでタンカーに警告をしたと思うが、風と潮に押される巨大なタンカーは小回りも出来ないのでなすすべもなくブイに衝突してしまったのだろう。右画像は急な長い坂を上りきった所にある大阪マーチス。

 衝突された航路ブイは上部構造が破損していたがアンカーチェーンは無事だったのだろうか。灯浮標の灯器部分だけだったら修理もそう難しくはないがアンカー系の修理もあれば時間が少々掛かりそうだ。

【関連記事】:大阪マーチスがAIS(船舶自動識別装置)の運用を始める
【参考Web】:航路標識のブイが泣いています!!
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by pac3jp | 2008-12-01 15:23 | 海保  

明石海峡 江埼灯台

 「灯台記念日」の11月1日、明石海峡に面する淡路島・江崎にある江埼灯台が一般公開されると聞き、お天気も良かったので見学に行ってきた。
 江埼灯台はお雇い英国人リチャード・ヘンリー・ブラントンによって設計され、日本で8番目の石造りの洋式灯台とて明治4年(1871年)4月27日に点灯したと銘板に刻まれていた。同じ敷地内にはかって灯台守が住んでいた歴史的に貴重な石造の建物もあったが阪神・淡路大震災で被災し今は香川県の四国村で復元保存されているという。
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 海岸から長い石段を登って灯台に着く。見学者はちらほらで関係者の方が多いくらいだ。灯台は2階建てで1階はバッテリーと電源管制盤がある電源室と修理などの作業室になっている。2階のドーム部分に灯器機能がある。ドーム上には避雷針ポールに風見と方位板が付いてクラシックな雰囲気で面白い。

 この灯台は海面から49mの高さにあり、不動赤白互光(R5秒・W5秒)光達距離は白で18.5nmである。西側にある浅瀬、「鹿の背」に乗り上げないように危険海域を知らせる赤い光も放っている。

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 狭いステップを上りドームに入る。すでに灯器に電源が入りレンズ(画像1)は回転している。フェリーで沖から灯台を見た時も光っていた。おやっ?と思ったが今日は灯台記念日で久しぶりに来客が多い日なんだと納得した。

 灯台は暗くなると点灯するようになっているがその装置は街路灯にも使うデイライトスイッチかなと思っていたら窓際に日光弁(画像2)と表示されたセンサーが本灯用と予備灯用の2個並んでいる。弁なんて流体を制御するような大仰な名がついているのは、きっと明治・大正の頃使ったオイルランプやアセチレンガス灯からの伝統でしょうね。

 灯台の係員が灯器が載った免震台(画像3)を動かしてみせ大地震でも耐えると説明していた。阪神大震災では震源に近かったけど非常電源に直ぐ切り替わり欠灯はしなかったそうだ。因みに、もしもの時のためには外部に予備灯器が設置されている。

 光源ランプはそう熱くもなく細長い管球が2本セットで白い光が出ていたのでメタルハライドランプだろうと想像した。確か400Wとか聞こえたが予備が1本付いているのだろう。

 灯台ドームから出て下の作業室に入ると写真パネルや部品が展示されていたがボクは古い縦型バイスに興味を引かれた。これは昔、実家にもあった。明治生まれの祖父が鍛冶屋を始めたときに据え付けたものと同じ鍛造品のバイスだと直感した。多分、明治4年からあったのかもしれない。そんなことを考えていると、電気のない当時、灯台の光源は何だったのだろうと灯器の歴史に興味がわいてきた。

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c0041039_14483986.jpg 江戸時代は障子張りの灯明台で菜種油のランプだったのだろう。

 洋式灯台も初期の灯台には石油二重心灯器(参考画像2)がつかわれたようだ。観音崎、都井岬、石廊埼など、江埼灯台も多分これだったのだろう。 その後、より強い光が出る石油を蒸発させてマントルで発光する灯器になっていった。

 不動レンズ(参考画像1)、灯器から出た光はレンズで遠くに送り出される。明治5年から長らく友が島灯台で使われたレンズ。

明治34年 尻屋埼灯台にアーク灯が設置された。電源は石油発動機(12HP/150V/40A 発電機)光源電化の初め。
明治41年 根室港弁天島灯台にアセチレンガス不動灯がつかわれた。(参考画像3)
明治44年 四日市灯台が電力会社からの買電で32Wタングステン電灯で点灯。

大正 6年 御前埼灯台に 1,000W白熱電灯 ガス封入電球がつかわれる。
大正 7年 出雲日御碕灯台に 1,500W白熱電灯がつかわれる。(参考画像4は江埼灯台でS29年から使われたもの)

昭和51年 ガス式灯浮標の電化完了 尾道港東口第二灯浮標
昭和61年 光源に高圧ナトリウムランプの採用 三木浦灯台

平成 1年 光源にLEDの採用 神戸苅灯台
平成 2年 光源にメタルハライドランプ採用 二神島灯台

 以上のように明治2年以来130年にわたり灯台の光源は進化してきた。歴史ある古い灯台も外観は変わらないが中身はどんどん変わってきたのだ。これからも船舶の電波航法の進歩、普及で光波標識の役割も変わりつつあるのかもしれないが、帰る岬にいつもの光を放っている灯台は懐かしくていいもんですね。


【関連記事】:旧和田岬灯台 
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by pac3jp | 2008-11-12 14:57 | 海保  

日本のロイアル・ヨット part2

 ロイアル・ヨットの一般的な定義では豪華な装備・装飾を施した船で、王室の船であったり、政府の船であったり、時の権力者、あるいは大富豪の船であったりするがそれらを総称してロイアル・ヨットと呼ばれてきたのだろう。また、その使われ方も、様々な時代背景やそれぞれの王室や国の考え方で、政治に利用されたり、また自分を誇示するための社交場であったりしたという。

 前稿に日本の幕末~昭和のロイアル・ヨットについてご紹介したが、戦後の昭和天皇は「はたぐも」号という名の木造白塗りのモーター船だけで海洋生物の採集などされていたと思っていたが、昭和46年(1971)年から平成7年(1995)まで海上保安庁の巡視艇(PC53)「まつなみ」が昭和天皇の海洋生物採集船も兼務して就役していたことも分かった。c0041039_13374034.jpg
 普通の巡視艇と同じ船型であり特別な艤装がしてあるようには見えない。
全長23メートル
総トン数83トン
速力20.5ノット

 平成7年(1995)からは昭和天皇の海洋生物採集船として使われていた初代「まつなみ」の退役に伴い約2.5倍もある大型巡視艇(PC01)「まつなみ」が就役。基本的な業務は他の巡視船艇と同じなのだが、来賓の視察等がある時に使用するために迎賓艇としての貴賓室や会議室等が設置してある。船体は幅広の船型を採用している。また、漁業取締船並みに推進装置は大馬力のウォータージェット2基が装備されている。
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総トン数:204t  全長:38m
最大幅:8.0m  深さ:3.3m
船質:軽合金
主機:ディーゼル2基、ウォータージェット2基 出力:5300馬力
最大搭載人員:10名
速力:28.3kt

 戦前は皇室の方々が公務で乗船するロイアル・ヨットは海軍が運用していたが、今は海上保安庁がこのサービスを提供しているようですね。アメリカでは大統領のヨットをどちらが運用するかで海軍と沿岸警備隊とが激しく争って最後にコーストガードが勝ち取ったとか言われていますが、日本では国民性から見てもやっぱ、海上保安庁でしょうね。

 この2隻の巡視艇は日本のロイアル・ヨットとして「船の科学館」主催の 開館30周年企画展「世界のロイヤルヨット今昔物語」のリストに挙がっていたので引用させてもらったが上記のボクが思う定義にはちょっと外れるようにも思うけど・・・まぁ、いいか。

【関連記事】:日本のロイアル・ヨット
【参考Web】:船の科学館 開館30周年企画展「世界のロイヤルヨット今昔物語」
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by pac3jp | 2008-11-10 13:50 | 海保  

海上の緊急通報用電話番号は「118」

 「118」が海上の「110」として運用されて始めてからもう8年も経った。
友人のヨットのキャビンにも海上の緊急通報用電話番号は「118」と書かれたシールが張ってあった。海で働き、遊ぶ人たちのほとんどはもうご存知だろう。

 ボクはまだ一度も「118」を発信した経験はない、多分今まで平穏無事なヨットライフだったのだろう。

 こんな場合は「118」に通報してくださいと告知されている。

■海難人身事故に遭遇した、または目撃した。
■産業廃棄物の海域への不法投棄や油の排出等を発見した。
■不審船を発見した。
■密航・密漁・密輸事犯等の情報を得た。

 海上保安庁のホームページに「118」の通報実績が掲載されているのを見て驚いた。 通報の99.3%が間違い電話だという。実際に海保の業務内容に関わる通報はたった0.7%だ。世の中、事件・事故がない平和な毎日が望ましいが、ちょっと間違い電話が多すぎるように思う。

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     (注)間違い電話等:間違い電話・いたずら・無言・着信即断
 
 実はボクも大昔、間違って「119」に掛けてしまったことがあった。当時新しい電話機に買い替え、何気なく「117」で時間を確認しようと思いボタンを押すと間違って「119」に繋がってしまった。すぐにシマッタと電話を切ったが先方からすぐにコールバックされた。謝って許してもらったが冷や汗をかいたものだった。

 「118」は海関係ではよく周知されているが陸にいる国民の大多数は何の番号か知らないだろう。「116」などNTTのサポート窓口位に思っている人もいるのかもしれない。

c0041039_9223438.jpg 一方ワールドワイドに運用されているコンパス・サーサットシステムへ遭難船からの「EPIRB」(イパーブ 船舶用非常用位置指示無線標識)からの遭難警報も誤報が多いのが報告されている。海保によると02~06年の5年間に、同庁が船舶から受信した遭難警報は約7800件。うち、約5700件が誤発信で総数の73%にもあたる。また、原因の約65%は船員が操作を誤ったり、整備不良など人為的なミス。約20%が機器不良だった。
 このような誤った警報で巡視船や航空機が出動したケースは年間300件以上に及ぶという。

 非常時、ヨットなど小型船舶用EPIRBは手動のスイッチを押し警報を発信するが、本船用は船体に固定されていて水圧などセンサーが遭難を感知して警報を発信する仕組みなので日頃の適切なメンテや取扱いに注意が必要だ。
 でも海外に転売された船舶などはEPIRB等の維持管理も行き届かない面もあるので国内外の船会社や関係機関に啓発ビラを配るなど海保も対策に乗り出しているという。

 どちらにせよ間違いや誤報の大波の中から迷わず真の情報を選び、速やかに捜索救助活動を、あるいは海上犯罪の取り締まりを開始するなど頑張って頂くよう願っております。


【関連WEB】:海上犯罪に関する情報提供のお願い 
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by pac3jp | 2008-08-29 09:43 | 海保  

日韓の航路標識測定船「つしま」と「ハンビット」

 地元新聞に「航路標識測定船・日韓が技術交流」という見出しで、海上保安庁と韓国国土海洋部が運用している位置測定システムの精度向上を図るとともに、測定システムや業務への相互理解を深めることを目的として、航路標識測定船「つしま」と韓国の航路標識測定船「ハンビット」による共同測定、データ交換等の相互交流を行っていて、今年は神戸で実施される。と報道されていた。

 「航路標識測定船」はあまり聞いたことがないJCG船種だし韓国の同種の船も一緒だというので外観だけでも見物しようと早速出かけた。

 船は再開発予定でフェンスで囲まれた神戸港新港第一突堤に泊まっていた。以前は誰でもすぐそばの岸壁から見れたが、今はイベント開催時のみオープンされている。最近は大小官庁船の専用岸壁のようでもある。

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 航路標識測定船 LL01「つしま」

■総トン数:1706トン
■全 長:75.0m 最大幅:12.5m 深さ:6.4m
■主 機:4000馬力 ディーゼル1基
■速 力:17.2kt
■航続距離:12000マイル 最大搭載人員:54名
■就 役:1977年 船齢31年だが代替船建造の予定はないという。
 建造当時はオメガシステムの測定も業務対象になっていたので、1万マイルを越える航続力をもっている。

c0041039_10472984.jpg 航路標識測定船は、海上保安庁が保有する船舶。航路標識の一種である電波標識(1)の有効範囲や精度光波標識(2)の視認状況などの測定を主な任務とする。
 さすが電波を専門に取り扱う船舶なので前部マストには夥しいアンテナがセットされている。
 また、デッキには2基の巨大なカウルタイプのベンチレーターらしきものが立っている。昔は船内にある多数の電子機器の放熱用だったかもしれないが既にエアコンに替わっていてもう不要?。それともやっぱり機関室用かな。
 もう一つの?は煙突の後ろの上甲板に四角いタンクが両舷に2基あり、互いにパイプで連結してあった。仲間は「アンチローリング用や」と断言したが、はて・・・。

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   航路標識測定船「ハンビット」
 韓国国土海洋部所属 総トン数:575トン

 外観から観察すると「つしま」より小ぶりで船型も大分違う。前甲板に30~50t位の油圧クレーンがあり大型の航路標識も設置や回収ができるスペースがある。海上作業用のインフレータブルボートも見える。後部デッキには潜水作業に使うボンベが並んでいる。ブリッジの屋根やマストにアンテナの数が多いのがやっぱり電波標識測定装備だろう。
こうしてみると電波航法もどんどんと遷り変わりもうロランCも終わりに近づき、遠い 外洋で標識電波を観測することもなくなってきたので日本でいうところの設標船でも充分だとされたのでしょうね。

 日曜日はお休みのようでクルーたちは私服でのんびりと寛いでいるように見える。

【参考】
(1) 電波標識 とは
無線方位信号所:中波標識・マイクロ波標識 (但し、レーマークビーコン 平成21年度までに廃止される予定)
LORAN-C :もう運用していないと思っている人もいるが今だ運用中です。
ディファレンシャルGPS :運用中
(2) 光波標識とは:灯台・灯柱・灯標・立標・灯浮標・浮標・照射塔・導灯・指向灯 などです。
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by pac3jp | 2008-07-15 11:00 | 海保  

灯台や浮標のLED光源

 ~KOBE 帆船フェスタ 2008~ 
 ふねふね大集合 in 神戸港
 
 というイベントが6月28日(土)新港一突であった。

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 ヘリ搭載の大型巡視船「せっつ」の見学にいった時、丁度その前に航路標識のLEDがどっさりとついた灯台用光源装置の現物展示があった。光源のトップにはいつものカモメ除けの針金細工がセットされていた。

 ボクが毎週ヨットを楽しんでいる神戸港付近でも多くの灯台やブイが浮かんでいる。海上保安庁は航路標識ととして全国で5500基もの灯台や浮標が設置されていて、既にその光源の66パーセントは省エネタイプのLED化されているとお聞きした。

 LEDは消費電力が非常に小さい上、10年以上の寿命があった実績もあり、維持経費の軽減と省エネルギーなのでソーラーなどクリーンなエネルギーで運転できるメリットも大きいので平成元年からLED化を進めてきているという。

高光度LED灯器(灯台用)
光度   5600cd
光達距離 12.5M
消費電力 白150W

高光度LED浮標用灯器
光度   2400cd
光達距離 11.0M
消費電力 白86W

と、大き目の光源もある。

 昔から灯台の電源は防波堤の上に何本のも電柱で商用電源が供給され、白熱電球が光源だった。地方の小漁港の出入り口などは架空電線が低いのでマストが高いヨットなどは入れない港もあった。また灯浮標はバッテリーが搭載されて、ブーブーと音がする波動発電装置や最近はソーラーパネルから充電されていたようだ。

 今後の灯台はソーラーパネルとLED光源の組み合わせで電柱がなくなり、地方の漁港でもヨットの進入に支障がなくなるだろうと期待している。

 海保が管理する航路標識では20年も前からLED化が進められているのに小型船舶用の航海灯は最近やっと輸入艇に付いてくる航海灯は認められるようだが全て解禁とはなっていないようだ。
 同じ国交省のお役所なのにユーザーが国民だとエライ違いだね。
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by pac3jp | 2008-06-30 17:05 | 海保  

サミットがらみで騒がしくなってきた神戸港

c0041039_916068.jpg 平成20年5月24日(土)~26日(月)に神戸市で開かれる主要国(G8)環境相会合を前に、警備の準備が大詰めを迎えているという。
 地元新聞には神戸港でJCG特殊警備隊(SST)の大型インフレータブルボートが会議を妨害しようとするボートを排除する訓練をしている写真が大きく出ていた。
 昨年はドイツで開かれたG8首脳会議では、環境保護団体のゴムボートが航行禁止海域に侵入、警備船艇と衝突し、負傷者が出た。神戸ではそんな事は絶対させないということなんだろう。
 海からの妨害に備え、巡視船艇が30隻も集合していると報道されている。

 そんな時期、警備には直接関係はないはずだが、なぜか海自の大型ヘリがハーバーの上をよく飛んでくる。護衛艦(DD)に搭戴されている哨戒ヘリよりもかなり大きいので掃海・輸送ヘリ(MH-53E?)だろうか。


神戸港を利用される皆様へ

北海道洞爺湖サミット
環境閣僚会議に伴う海上警備にご協力を

~第五管区海上保安本部・兵庫県警察・兵庫県・神戸市からのお願い~

期間 平成20年5月23日(金)~26日(月)
海域 ポートアイランド・神戸空港周辺海域

期間中は、船舶の航泊(航行、停泊等)の自粛等にご協力をお願いします。
 神戸港を利用される皆様の船舶交通の安全のため、必要に応じて港則法に
基づく船舶の航泊の制限を実施することがあります。
 ご理解・ご協力をお願いします。

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 と、こんなポスターがハーバーのゲートに貼ってあり、サミット期間中はピンクに塗られた神戸港・神戸空港付近には来るなと書いてある。空港沖にブイが臨時に3つ打たれて航泊の制限エリアが設けけられている。モーターボートなどはテロリストに盗られない様にしっかりと張り番しとくようにとも言っている。どうしてもハーバーランドでランチをしたいへそ曲がりヨットマンは事前に港長に申請しなくてはならない。が、もう締め切られている。

 今回のサミットと全く関係はないが、ずっと前に神戸港に来た、国際環境保護団体では老舗のグリーンピースの帆船「RAINBOW WARRIOR」のデッキに載っている彼等の戦闘ボートを撮影したことがあった。下の画像のボートは目立つ傷はないが、他の搭戴ボートは歴戦の傷跡に黄色いパッチが沢山貼ってあった。
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 先日、南極海で調査捕鯨をしていた日本の捕鯨船に薬物など投げ込んで攻撃した「シー・シェパード」など過激な彼等の活動は「エコテロリスト」と呼ばれている。

 どちらにせよ物騒な連中には来てもらいたくないね。何事もなく会議が終わる事を祈っている。

(注)エコテロリスト(Eco-terrorist)とは環境問題や動物の権利擁護を口実に非合法の破壊、脅迫、暴行などのテロ活動を行う者。アメリカ連邦捜査局のテロリスト分類に基づく呼称。環境テロリスト、エコナチ(econazi)、環境狂(environmentalist wacko)とも。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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by pac3jp | 2008-05-23 09:29 | 海保