カテゴリ:貨物船( 23 )

 

内航船の船長

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 船乗りは乗っている船の大小に関わらず、陸にいても周囲の海にも目を配り絶えず海面を、そして船を気にかけているのだ。夜、風が吹き上がり庭木がザワザワと騒ぐ時、港に繋いだ自分の船が非常に気になると皆から聞いてが、実際ボクもそのとおりである。

 夏のクルージング先で早めに着いた桟橋で寛いでいると、「昼過ぎ、島にある自宅の居間から海を見ていたらいいヨットが走っているのを見たが、あんたらか?」と、自家用小型船で桟橋に着いた年配のおじさんが声を掛けてきた。知人にヨット乗りがいらして、ご本人もヨットに興味がありそうだった。

 お盆休みで、かって住んでいた大多府島の旧宅に一族郎党と供に戻り、ご先祖のお墓参りと休暇を楽しんでいたが、もう休暇も終わりそれぞれの生活に戻ってゆくという感じだった。

 彼は内航船の船長をしていると自己紹介し、船はあそこだと沖の岸壁を指差した。見えたのは500トンクラスの貨物船だ。積む貨物は鉄鋼製品で特殊鋼、それを自動車関連企業に運搬し、帰りはそのスクラップを積んで帰って来る航海で、瀬戸内海から千葉の方まで行くそうだ。
 数年前までは苦しい時代だったが今は上々の景気だといって上を向いて鼻をこすった。そして対岸のマンションの一室も持っているよとおっしゃた。
特殊鋼の輸送もかなりのノウハウがいり、又内航船船長としての営業努力の数々もボクに教えてくれた。
 未だ入った事のない大多府島の港の事情を聞いていると島にある自分の浮桟橋を使っていいとおっしゃって名刺まで頂いた。いつか、一度は寄ってみようと思っている。

 国内の内航船は6300隻もあるそうで、瀬戸内沿岸のクルージングでは毎日かなりの数の内航船と行き会う。色んな貨物を積んで西から東まで航海している。どんな船長とクルー達が船を動かしているのだろうと前から思っていたが、やっと人柄も判っている船長さんが運航している内航船を見つける事が出来て楽しい。

 いずれまた何処かでお会いしたときには船と海の話を存分にお聞きしたいと思っている。
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by pac3jp | 2006-09-01 08:34 | 貨物船  

重量物運搬船

 日曜日、いつものセーリングに出ると、遠く、一文字防波堤付近でバージではない大きな円筒を積んだ台船が泊まっているのに気がつく。近くまで寄って見ていると沖からも円筒型のタンクを2本積んだ台船がダグに曳かれてやってきた。大きな方のタンクには住友のマークが書いてあった。六甲アイランドの東岸壁はいつもチョット変った本船が付くので注目しているが、今日は大型ジブを持ったクレーンを4基も装備した船が係留していた。

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 風はSW10ノット、波50cm絶好のセーリング日和。神戸港沖10マイル、大型船の入港はない様だ。左舷から来る2200トンのタンカーがボク達の航路を避けてくれる。久しぶりの航法遵守の船長だ。気分よし。
 海上でも気温は35度近くあるが、日陰に入ると過ごしよい。今日は舵を引いてくれるクルーと見張りのクルーがいるのでボクはビールを飲んで暫く昼寝をする事にする。

 セーリングを満喫して帰途につくが今度は追っ手で相対風速は少ないし、後からの日差しがキツイ。マストの前で日陰を探すがジブがメンの裏風になってしまいバタついて喧しい。

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 一文字内に入ると例の台船はもう居ない。左舷を見ると大型クレーンで台船からタンクの積み込みをしている重量物運搬船がいる。大型のタンクは既にデッキに積み込み済だ。小型の方を吊っている。2台のクレーンを使って吊りあげ、反対舷に降ろすのだろう。長いので難しい操作なんだろう暫く見ていたがスムースに荷役をしているような雰囲気ではなかった。でも、コンテナのように数を捌く物ではないので慎重に積み込みしているのだろう。良く見ると後部デッキにフィルムが掛けられた大型のモーターボートが積まれている。このプラントが組み立てられる国で使われるのだろうか。

 お天気は良かったが薄いガスがかかって視界がやや悪いし、5時頃になり逆光気味になってしまったが、写真を数枚撮る。
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by pac3jp | 2006-08-09 09:43 | 貨物船  

バルバス・バウ(球状船首)

 先週末、広島県の福山港でスクラップの積んである岸壁の小型タンカーの横で係留停泊した。 この港はヨットの係留には向かないように思うが、たまにはこのような重工業港に入ってみるのもアドベンチャー的クルージングで面白い。
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 お盆休で港のあちこちの岸壁では多くの小型の貨物船がバウを並べて係留していた。
画像ではマストは6本で4隻のバウが見えるが、まったくの低速船である艀を除き大小の違いはあるが殆どバルバス・バウを持っている。

 バルバスバウは船舶の航行時に船体から発生する造波抵抗を減らす効果があるそうで、1911年にアメリカの造船技師が発明したそうです。 日本では旧海軍の軍艦で最初に採用されたと聞いている。プラモデルで作った戦艦大和も大きなバルバス・バウが付いていた。そして本物はそこにソナーが入っていたそうです。

 瀬戸内海のクルージングでは本船航路の端を航行することも多く、小型貨物船がすぐ近くを追い抜いてゆく時もある。船によって引き波の大きさがかなり違う。引き波は小さく、静かな機関の音だけが聞こえるような船と、同じ速度で走っているのに、ざぁざぁと大きな引き波をたてている船もある。見るからに無駄に燃料を使っているように見えるし、追い越しされるヨットも迷惑している。
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 戦艦大和が造られた広島周辺の海ではおそろしく長いバルバス・バウ?を装備した底引き漁船が操業している。底引き漁船の速度で船首形状がバルバス・バウの効果があるとは思えないが、船頭さんに聞いてみないとその効果の具合は分からない。
漁場に早く行くのに便利なのかな?


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 少し、東に寄った備讃瀬戸ではバルバス・バウは通常の形になっているし大阪湾や播磨灘では漁船にバルバスバウは付いてないように思うが確認はしていない。



 我々の母港の周りには埋め立て用のバージが数十杯も浮いている。これを押すプッシャー(押し船)も1隻で走っている時は大きな引き波を立てている。まぁ、バルバス・バウどころか波きりの良い船首形状もないからこれは無理だな。
辛抱しよう。
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by pac3jp | 2005-08-19 14:42 | 貨物船