カテゴリ:貨物船( 23 )

 

危険が一杯、重量物の荷役作業

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 コンテナ船から大型の重量物を海上クレーンで500トンクラスの内航船に積み替える荷役作業をしている。以前は大きな軌道機械を小さいフックで吊っていたが今回はかなり重いのだろう大型の200トンフックで吊っている。作業はゆっくりと慎重に進めているが、もし落としたら大変だろうなと思いながら見物していた。

 ヨットハーバーには色んな職業の方がいらして、ボクにとってとても面白いお話を聞かせてくれる。先日も神戸港に入るRO-RO船の荷役を手広く請け負っているヨットオーナーから9月に横浜港で起こったクレーン事故に関するこんな会議があったと教えてくれた。
 それは本船のジブクレーンで吊りあげた300トン以上もあるエンジンがはしけの上に落ち、はしけは船底が破れてエンジンは海底に、勿論はしけは沈没。エンジンにワイヤーを掛ける荷役作業員達は300トンのエンジンの下敷きになったり、はしけが壊れた衝撃で海に落ちてしまった人もいた。
 事故の直接の原因は本船側のクレーンの不備だったので荷役会社の責任ではないが、重大事故には変わりがないので今後はクレーン設備の点検などより安全確保に努めることを申し合わせたとか。

 ボクは残念ながらこのニュースは知らなかった。Webで検索すると9/1付きの毎日JPで以下の記事が出ていた。


クレーン事故:エンジン落下し船沈没、1人死亡 横浜

c0041039_13455243.jpg 9月1日午前10時10分ごろ、横浜市中区山下町の山下ふ頭3号岸壁で、貨物船「RICKMERS JAKARTA」がディーゼルエンジン(314トン)をクレーンで運搬船「第18新栄丸」から引き上げようとした際、ディーゼルエンジンが落下した。新栄丸は沈没、乗船していた男性7人が海に投げ出され、同市南区新川町1の作業員、斎藤雄也さん(24)が約6時間後、貨物船船尾付近の海中で発見されたが、病院で死亡が確認された。
 神奈川県警横浜水上署や横浜海上保安部によると、他の6人は救助されるなどしたが、このうち3人は手や足などに軽傷。貨物船はマーシャル諸島船籍で、クレーンでディーゼルエンジンを約5メートルつり上げた際に、ワイヤが切れ、新栄丸に落下したという。【鈴木一生】

 また、別の災害速報によると、
1.被災者は8:20頃から岸壁で同僚10名とTBMに参加した後、本船(23,119 GT)に乗船し、揚貨装置であるNo.3ジブクレーン(SWL320tons)にスリングワイヤーをセットした。
2.被災者と同僚8名は9:15から艀へ移動し貨物(314tons)の玉掛け作業を開始。
3.9:40頃から無線合図により本船乗組員がジブクレーンを操作して当該貨物の巻上げ作業を開始し合図は本船乗組員が行った。
4.クレーンに荷重を掛けながら本船バラスト調整を行い、貨物の地切りを行ったところ、突然クレーンのカーゴワイヤーが切断し、貨物が艀の船底に落下した。
5.当時、艀には作業者7名、艀船長1名がいたが、艀船長を含む3名は近くの艀に避難。作業者5名は海中に投げ出された。その後艀は貨物と沈没した。5名のうち、4名は直後に救出されたが被災者は行方不明となり、レスキューによる捜索後15:56に海底にて発見,死亡が確認された。


 ドイツの船会社RICKMERSの船は神戸にもよく来ていて、いつも六甲アイランドのRL-1のバースに入っていてボクも写真を撮ったことがある。
 ニュース画像を見ると事故を起こしたRICKMERSの重量物運搬船の横には盤木だろうか大きな材木がいくつも浮かんでいる。はしけの備品も浮かんでいるのだろう。 314トンの鉄の塊が5mの高さから落ちるとその衝撃はすごいもんでしょうね。・・・怖い。

 先週は大型RO-RO船「タロンガ」がこのRL-1バースで荷役をしていた。荷役担当はきっと仲間のヨットオーナー氏だろう。日曜日だ、海に出たいなぁと思いながら現場の監督をしていたのでしょうね。ご苦労さんでした。

【関連記事】:コンテナ船の積荷 
【関連記事】:大型RO/RO貨物船 「タロンガ(TARONGA)」 
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by pac3jp | 2008-10-31 13:52 | 貨物船  

予備のプロペラを積んだ貨物船

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 先日、神戸港・六甲アイランド東側のコンテナバースの外れにパナマ船籍の中型バラ積み船が空荷で泊っていた。貨物ハッチの上に移動式のクレーンが装備されているので、ここで荷役する船ではないなぁと見ていたら、向こうからフレンドリーなクルーが手を振っていた。

c0041039_10531924.jpg 左舷ブリッジ下の甲板に4枚翼のプロペラのような物体が縛ってある。なんだろうと思って近づいてみるとやっぱり直径4mはありそうな本物のプロペラだった。塗色はクレーンや前マスト、ボートダビットなどデッキから上に出っ張った構造物と同じ黄銅色に塗ってある。どうも予備のプロペラが保管されているようだ。

 神戸港周辺では大小の本船が数多く行き交っているがデッキに予備のプロペラを準備している船は初めて見た。確かに本船だって航海中にプロペラが脱落する可能性はゼロではないはずだし、漂流物や浅瀬でプロペラが損傷することもある。そんな緊急時には近くのドックまで曳航してもらい自前のプロペラに取り替えれば直ぐに航海が続けられるわけだ。

 この船が予備のペラをクレーンで搬出しやすい場所に用意しているということは、プロペラに損傷を受け易い海域を航海しているのか、あるいは過去にこの手の事故で痛い目にあった経験がある船長が乗っているのかもしれない。

 ヨットでもビルダーが正規の手順でセットした状態ではプロペラが脱落することは少ないと思うが、セールドライブではプロペラを外さなければジンクの交換が出来ない機種もあるので、ここでオーナーの手でプロペラ脱着作業が行われる。
 本来こういう船の重要な装置を専門家以外が脱着作業をする可能性があれば「フールプルーフ設計」になっていなければならないのだろうか、ボルボのセールドライブでプロペラが脱落してしまった話はよく聞く。ご近所で4隻、よその泊地のヨットマンなどは2回も落としたとおっしゃる。

ペラの脱落経験者は彼等なりに対策を講じている。

1.予備のプロペラ一式を用意している。
2.ダイビングセットを用意している。(潜って探す!)
3.ペラが落ちない最新のバージョンに交換する。
4.高くても専門業者に作業を依頼する。

 ボクの場合はシャフトドライブなのでまだ1回もペラを取り外したことはないが、上架のつど必ず点検はしている。でも万一のことを考えて予備のプロペラは艇内に常備している。
 風は弱く、潮は早い瀬戸内海のクルージングはエンジン頼りの場面も多いので、日頃から機走系の整備やその予備品の準備が大事ですよね。

【関連記事】:プロペラが落ちた!
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by pac3jp | 2008-10-22 10:55 | 貨物船  

大型RO/RO貨物船 「タロンガ(TARONGA)」

 ボク達のセーリングエリアに隣り合った神戸六甲アイランド東側の埠頭には乗用車、バス、トラックなど一般車両と大・小の建設機械、鉄道車両、プラントなど大物貨物も並んでいて主にRO/RO船や重量物運搬船が使っている岸壁のようだ。
 9月15日(敬老の日)には赤み掛かったオレンジ色の船体をしたノールウェイのWILHELMSEN LINEの大型RO/RO船「タロンガ」が停泊していた。

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 新造時の“TARONGA”主要目
全  長:264.6m
型  幅:32.26m
総トン数:54,286t
航海速力:20.6kn
航続距離:35,000海里
乗組員 :25名
主  機:三菱-7UEC85LSC(Derated)×1
最大出力:34,000PSx95.4rpm
常用出力:30,450PSx92.0rpm
主発電機:1,640kWx3,1,230kWx2 合計7,380kw

 この船はコンテナも搭載できるRO/RO船として1997年、三菱重工長崎で建造されたが、やがて運航会社がコンテナ輸送から撤退したのでRO/RO専用に大改造されたという。
c0041039_1456871.jpg その外観は倉庫ビルのようで不細工な自動車運搬船とは違ってコンテナ船のようにスマートで長く見える船体と上部デッキには白い箱のような船倉が並んでいる。そしてブリッジなど居住区は大きく、まるでマンションのようだ。竣工時には暴露デッキにコンテナを最大5段積みにして航海していたというが、そのデッキにいまは外洋の風波を防ぐRO/RO貨物の船倉になっている。

 右舷船尾には巨大なスターンランプ(乗り込み口)がある。全長約44m、先端部で有効幅12m、カーブ部で有効幅約20mの大きさがあり、最大荷重320tと表示してあった。この大きさがあれば新幹線並みの車両も楽に積み込みが出来る。

 このWILHELMSEN LINEの赤いオレンジのRO/RO船はよくこの岸壁に停泊しているが、ボクが「タロンガ」に注目したのはあるとき、ゴロゴロと遠雷ののように聞こえてくる音だった。快晴の空にどこにも雷雲らしきものも無いのにと思っていると、どうもそのRO/RO船から聞こえてくるのだ。近くに寄って眺めてみると大型のコマツブルトーザーが列を作ってランプを上っていた。そのキャタピラの音が船体に共鳴して遠雷のような音を発していたようだ。タイヤがない土木機械が鋼板のデッキを自走するとホント喧しいものだと納得したものだった。

 少し興味が出てきたので、お仲間にRO/RO船の荷役を専門に請負う会社で今も現場で指揮を取っている社長さんがいらっしゃると聞いているので是非一度お話を聞いてみたいものだと思っている。

【参考】
RO/RO貨物船とは、コンテナ、乗用車、背高車、重車両、ヘリコブタ、鉄道車両、プラント、大型建設機械、鋼材、木材製品、工作機械等様々な貨物を輸送する貨物船のことで、これらの貨物をトレーラ(台車)に乗せ、あるいは自走により岸壁から船内へ積込む。
この種の船は荷役をRollOn(車輪で積込み)、RollOff(車輪で積出し)により行うことからRO/RO船と呼ばれる。ちなみに自動車運搬船やフェリ-もRO/RO船の一種である。またRO/RO船は、様々な貨物を岸壁から直接荷役ができるため、世界各地の港湾、特に大型岸壁クレーン等荷役装置のコンテナ化の進んでいない港にも寄港可能であることが特徴として挙げられる。

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by pac3jp | 2008-09-17 14:58 | 貨物船  

中国の便宜置籍船?

 秋を感じさせる北よりの微風に乗ってどんどんと沖へセーリングしていると、風が落ちたエリアに大阪市の帆船「あこがれ」がセールを3枚揚げたまま漂っていた。デッキには体験乗船らしい老若男女が大勢乗っている。そういえば日曜日にはこのあたりの海面でよく見かける。

 ボク等は機帆走で近寄り、帆船が機帆走するときに揚げる形象物が揚がっているかと注意深く見たが、無かった。同じ帆船分類されるヨットでは全く見たことはないが、プロが乗る帆船では形象物もしっかり管理してるだろうと期待していた。

 「あこがれ」はセールが揚がり、エンジンは掛かっていたがプロペラは回っていなかった、エンジン音は大きく聞こえたがジェネレーターかもしれない。この場合は帆走中(止っているが)なので機帆走の形象物は必要ないが、もし、対向船がきて移動する場合は機帆走になるのでマストの周りに形象物が準備してあるかと思い念入りに見たが発見できなかった。残念。
 次回、機帆走時にしっかり観察することにしよう。

【関連記事】:黒色円すい形形象物

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 「あこがれ」から離れると神戸港の沖に異様に大きな2本のアンテナタワーとマストを持つ古い中型のコンテナ船が漂泊していた。船名は漢字で「明州12」、船尾には見慣れない国旗が揚がっている。船籍港を読むとカリブ海のキングスタウンと表示がある。調べると国名はセントビンセントおよびグレナディーン諸島、略号で「SVG」人口16000人あまりのイギリス連邦のメンバー国だ。アメリカ人のメガヨットもここによく船籍を置いている。

 近くに寄るとクルーが手を振っている。色の白いアジア人達だ。中国人かも知れない。一緒にいた仲間はあの異様なアンテナからして「北朝鮮のスパイ船と違うか」と言うが、白昼堂々、そんなはずは無い。

 中国のコンテナを積んでいるので中国のコンテナ船らしいがファンネルマークもない。中国の外航船は国営だと聞いていたが、最近は民間資本の海運会社が税金の安い国に船籍を置く便宜置籍船を運行しているのだろうか。
 近海航路を運行しているようだが、それにしてもマースクやNYKの最新型のコンテナ船を見慣れてくるとなんとも古臭い。逆三角形の艫にアンカーホールが開いているコンテナ船など最近は珍しい。GMDSSで衛星通信が一般化して何本もロングワイヤーを張ったアンテナを持つ船も少なくなってきたなぁ。
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by pac3jp | 2008-09-01 16:48 | 貨物船  

コンテナ船の積荷

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 神戸港六アイのNYKコンテナバース近くを帆走していると何時もと少し違う雰囲気の荷役をやっている。普通、コンテナ船の荷役は専用岸壁のコンテナクレーンで20フィートや40フィートのコンテナを1個づつ吊り上げて荷役している。

c0041039_10561958.jpg でも今日は岸壁からは通常のコンテナクレーンが動き、横付けされたコンテナ船の沖側には警備のダグボートと海上クレーンがいる。コンテナ船の中央付近には小型の貨物船が横抱きでつながれている。
 何か大物貨物が出てくるのだろうと暫く見ていると、やがて大きな船体真ん中の奥深くからゆっくりとディーゼル機関車のような大型機械が出てきた。慎重に横抱きした貨物船にディーゼル機関車を積み替えている。よくみるとコンテナ船の船尾付近にもハシケが同じような機械を積んで留まっている。
 どうも大小2台の機関車風の特殊車両が輸入されてきたようだ。

 コンテナ船は同じ規格のコンテナを沢山積むばかりではなくこのように重い大型の貨物も運んでいるんだ。港に入ってくる本船もコンテナ船、自動車運搬船、タンカーと専用の貨物を運ぶ船が多く、大きなプラントなどは重量物運搬船が受け持つが中間サイズの重量物は便数が多いコンテナ船が運ぶのでしょうね。でも積み込む場所は何処にでもと言う訳ではなく中々難しいよと、港湾荷役をやっていた人から聞いたことがある。

 海外から輸入される少し大きめのヨットなどは鉄の塊の機関車と違い、大分軽いのでコンテナの最上段に屋根のないオープンコンテナに載ってやってくる。
 でも丁度、40フィートの長さに収まるヨットは良いが、パルピットが少しでも出ていたら大変だ。最近もヨットをコンテナ船の最上部に乗せたまでは良かったが、端でなかったので隣のコンテナが積み込まれたときパルピットを壊されてしまった。苦情を言うとそのヨットを港に下ろしてコンテナ船は出港してしまい。2週間も次の船を待ったとか・・・。

 内外の海運業界は好景気で貨物は幾らでもあるので船会社は規格外の面倒な貨物は載せたがらないだろうし、港の費用や運賃もキット高いこというのでしょうね。
・・・と思い、まったく関係ない見物人のボクは微風の海を沖に向かってセールを揚げた。
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by pac3jp | 2007-09-28 11:03 | 貨物船  

新しい貨物船の船型

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 ヨットの船型も設計、建造技術の進歩やルールなどに影響されて時代と共にうつり変ってくるが、貨物船などの船型はいかに運航経費が安くあがるかなど経済性が第一番で決められているのだろう。

 先日、神戸港で垂直に立ったステムとバルバス・バウがない新造のばら積み貨物船が川重の艤装岸壁にいた。

 この船はパナマ船籍で、ドイツの海運会社が31隻発注したものの1隻のようで、全長190m、幅32m、総トン数31,000トン、積載量は55,000トン。穀物や石炭、鉄鉱石などを運ぶ。そして、船体は船首を細くして波の抵抗を受けにくく、従来船より燃料を節約できるという。

c0041039_9101243.jpg 現在の船は、大、中、小型船舶、漁船に至るまで殆どの業務用船舶にバルバス・バウが付いている。

バルバス・バウ(球状船首)とは、船の造波抵抗を打ち消すために、水線下船首に球状の突起を設けるもので、この突起によって造られる波を用い、航行中の船体が海水をかき分ける時に生じる波と相反する波形を生じることで波を相殺して造波抵抗を抑制する。燃料効率や速度の向上を図ることができ、幅広い船型に特に有効。


 そんな効果があるバルバス・バウをなくしたのはそれ以上に運航効率が良い船首だということだろう。目立つのは船首に膨らみがある垂直に切り立ったステムだ。昔の船、帆船から汽船になった頃はこんな船首だったな、と見ていると、同じ理由かどうかは知らないが現在のレーシングヨットのステムも同じような形になってきた。

c0041039_9105731.jpg 好況の海運会社は同型船を大量に発注して、設計コストや艤装品の単価を下げ、合わせて安い船価で商船隊を調達する方針のようだ。港内の造船所ではいつまでも同じような船がドックで建造中のように見えるが、実はどんどんと新造船が出来ているのだと実感した。



以前の記事から:バルバス・バウ
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by pac3jp | 2007-08-10 09:16 | 貨物船  

救命艇の訓練?

 六アイ、マースク専用バースで大型コンテナ船からオープンデッキの救助艇が海面近くまで吊り下げられているのを見かけた。コンテナ船は荷役時間が短いので搭載艇の訓練を海面に降ろしてやっているのは今まで見たことがなかった。何をしているのかなと思ったが、通り過ぎてしまった。

c0041039_935214.jpg 帰りにまたそのコンテナ船の傍を通ると今度はオレンジの全閉式救命艇が本船の周囲をゆっくりと航行している。本船からはダビットのワイヤーが海面までぶら下がっている。オモシロそうなので邪魔にならない距離まで近づいて、よくみるとスキッパーはマースク色のヘルメットをかぶった金髪で細身の美人だ。北欧のコンテナ船は女性のクルーが乗っているんだね。船長が奥さん同伴で乗っている船があるとは聞いたが、なんとも羨ましい!

c0041039_9354968.jpg ライフボートデッキでは行きにはワイヤーに吊られていたレスキューボートがもう訓練は終わったのか、ラックに納まっている。デッキではライフボートを吊り上げる用意をして、ウインチマンがスタンバイしている。

 船舶が緊急事態に陥ったときに運用される救命艇はクルーの誰でもが扱えるわけではないのだ。日本では正式に国家資格を取った「救命艇手」が救命設備の操作を担当する。さっきの救命艇の美人スキッパーは日本で言う「救命艇手」なんだろうね、キット。

もし、やってみたいなぁと、思う方は以下をご覧下さい。



救命艇手

概要
救命艇手(きゅうめいていしゅ)とは、救命艇手試験に合格した者。
国内外において船舶が非常事態に陥ったとき、救命艇に食料や航海用具を積み込んだり、海員や旅客の誘導、救命設備の操作などをする。

受験資格
18歳以上で健康証明書を所持し、遠洋区域若しくは近海区域を航行区域とする船舶(旅客船にあつては、沿海区域を航行区域とするものを含む。)又は乙区域若しくは甲区域(船舶職員及び小型船舶操縦者法施行令 (昭和58年政令第13号)別表第一の配乗表の適用に関する通則12又は13の乙区域又は甲区域をいう。第13条第1項第3号ロにおいて同じ。)において従業する総トン数500トン以上の漁船に一年以上甲板部の職員又は部員として乗り組んだ者、遠洋区域若しくは近海区域を航行区域とする船舶(旅客船にあつては、沿海区域を航行区域とするものを含む。)又は乙区域若しくは甲区域(船舶職員及び小型船舶操縦者法施行令 (昭和58年政令第13号)別表第一の配乗表の適用に関する通則12又は13の乙区域又は甲区域をいう。第13条第1項第3号ロにおいて同じ。)において従業する総トン数500トン以上の漁船に1年以上甲板部の職員又は部員として乗り組んだ者の船舶以外の船舶に2年以上甲板部の職員又は部員として乗り組んだ者、船舶に、前条第1号の試験にあつては3年、同条第2号の試験にあつては1年以上乗り組んだ者また、18歳以上で健康証明書を所持し、6ヵ月以上の船舶乗船経験者で以下のいずれかに該当する者は無試験で認定される。

海技士(航海、機関、通信)のいずれかの資格にかかる海技従事者。
大学、高等専門学校、高等学校において、救命艇の操作に関する教科課程を修めて卒業した者。
海技大学校、海員学校、海上保安大学校、海上保安学校または、水産大学校を卒業した者。
国土交通省が認定した講習を修了した者。

なお、国内を航行する船舶の膨張式救命いかだのみ扱うことができる。「限定救命艇手」という資格もある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


参考:以前の関連記事から「スライダーに乗った救命艇」
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by pac3jp | 2007-03-23 09:46 | 貨物船  

コンテナ船の落書き

 ホームポートから西に向かってクルージングに出るのに近年どんどんと遠回りになってきた。神戸港とその沖が埋め立てられ空港や新しい人工島ができ、セーリングするヨットはその沖を通るのだ。でも沖の波が高そうな時や急ぐ時は港内の六甲アイランドコンテナ岸壁の前を通ってゆく。
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 その東端の岸壁はNYKの大型コンテナ船が何時も使っているが他の船会社の船が着いていることもある。その岸壁をよく見ればここに入った記念だろうか多くの船名がペイントでサインされている。○○○MARUなんて名前もあるので日本の船もあるのだろう。でもオーナーは日本の船会社でも船籍はパナマ、船員は全員外国人の船も珍しくない。

 その落書き風のサインを見ていると、なぜこの岸壁に書くのか、どうやって書いたのだろうかチョット不思議だった。100年以上も前、世界の海に出ていた捕鯨船の薪水の補給基地だったガラパゴス諸島では母国に手紙を託したポスト付近に自分たちの船名を流木に書いて置いた場所があったそうだ。そんな船乗りの伝統が今だ残っているのか、あるいはただの落書きかも知れない・・・。

 で、どうやってその岸壁に書いたかだが、勿論ボートを下ろして海側から書けば簡単だが、コンテナ船は荷役が終わればすぐ出港してしまう。またそんな手ごろなボートなんか積んでいない。多分コンテナクレーンが荷役中に暇なクルーが書くのだろうが、本船と岸壁の間はフェンダーの幅しかないので身体は入るがペイント作業は出来そうにない。多分岸壁の上から逆さ文字を書いたのかもしれない。ご苦労なことだね。

 ボクも昔、旅先の洞窟で小さくイニシャルを刻んできた記憶はあるが、ペンキで大々的に書いたことはない。ヨットのクルージングでこんなことをすると必ず大顰蹙を買うね。ヨット乗りの皆さん、港はきれいに使おうよ!!
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by pac3jp | 2007-01-04 10:43 | 貨物船  

スライダーに乗った救命艇

c0041039_8265953.jpg 神戸港に入ってくる大型のコンテナ船やRORO船を見ていると船尾のかなり高いところにある滑り台に乗った救命艇を良く見かける。それを見ると昔乗ったことがある遊園地のウオータースライダーを連想してしまう。
 そして遊園地のボートよりももっと高く、傾斜も急で、着水までに空中を15mも落下する場面もあり、スリル一杯の救命設備であるが、中に乗っている人はどうしているのだろうかと心配する。窓の無いずんぐりしたどんぐりのような救命艇で海面に向かって落下しているときはどんな気分なんだろうか。確かに本船からの脱出は早いだろうが怖いでしょうね。

c0041039_8274055.jpg 飛鳥Ⅱの救命艇は船客が専用デッキからボートに乗り移り易い構造になっているし、窓のある救命ボートもある。海面に降ろす場合はダビットに吊られてゆっくりと降ろされる。

 救命ボートで本船を脱出するときは座礁や衝突で沈没の恐れがあったり、船火事で生命の危険が迫っているときだろう。船が傾いて両舷にある救命艇も片舷のボートしか降ろせない場合もあるので片舷ボートだけで定員を満たさなければならないそうだ。船を捨てて救命ボートで脱出する場面はタイタニックをはじめ船舶パニック映画のクライマックスだが、映画同様、救命艇の運用は危険が一杯だ。

c0041039_8281921.jpg 画像は海岸に打ち上げられた救命艇の残骸であるが、このボートは台風で鹿児島・志布志湾で乗り上げた貨物船のものだ。ダビットに吊られ海面に降ろそうとしたが、風波で救命艇が本船の船体に打ち付けられて大破、結局乗組員は救命艇からも脱出し多くの死者を出した。

 一方ヨットの場合、近海以上は救命筏(ライフラフト)の搭載が義務付けれれているが沿海区域仕様では艇を捨てて脱出する時の救命設備は「救命浮器」である。浮力体が入った四角い箱に手掛かりのロープが付いている。4人掴まれる物が4人用で6人掴まれる物が6人用の浮器だ。
 ライジャケを着け、この浮器に掴まり救助を待つのだ。限定沿海ではそれもなく、ただライジャケと小さい浮環だけで救助を待たねばならない。季節にもよるが救命筏(ライフラフト)に乗れるのと天と地の違いはある。

 でも船検で救命筏の搭載義務はなくても用意の良いヨットマンは自分のためにチャンと準備しているもんだ。
 ボクもライフラフトは欲しいが本体の価格も高く、更新にもかなりの費用が掛かるので手が出ない。航行区域を変える時には仕方がないが、今は救命浮器に掴まらなくてはならない事態が起きないことだけを願って安全にクルージングしている。

※参考:外航船に必要な救命設備
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by pac3jp | 2006-11-08 08:36 | 貨物船  

巨大なコンテナ船がやってきた「エマ マースク」

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 先週、神戸港六甲アイランドのマースクバースに巨大なコンテナ船が入ってきた。世界最大のコンテナ船「エマ・マースク」(約17万トン)で20フィートコンテナ換算で11,000個を積載できる超大型船だ。 全長約400m、全幅約56m。パナマ運河は通れない大きさだ。でも欧州~アジア間専用では関係ないか。スターンから喫水標を見れば満載で約17mとなっている。神戸港で最初に出来たコンテナバースがもう使えないと聞いていたが、この喫水ラインを見て納得した。

 ボクのフネは喫水1.7mだが停泊するときは20パーセントのマージンで最低でも2mの水深は欲しい。この巨大なコンテナ船では水深20m以上は必要になるのだろうか。でもここの水深はそんなに深くない。
 この付近の岸壁はコンテナ船ずらっと横付けで着く。横から通してみると東側のNYKの7~8万トンクラスが小さく見える。「エマ・マースク」の横幅はかなり広い。コンテナクレーンの長いアームがもう一杯だ。スターンデッキに積まれたコンテナを数えると22個ある。黒いNYKコンテナ船はデッキには12個並んでいるだけだ。凡そ倍の幅がある。
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 前に回ると40フィート以上はありそうな巨大なバルバスバウが付いている。バウスラスターマークが2個、、マースクライン船のアンカーはみんなハルに嵌まり込むタイプでこのフネもそのようになっている。400mもある長い船体もまだ新しいのでダグボートがつける傷もない。

 ブリッジを見上げるとマストにデンマークの国旗がはためいていた。デンマークもドイツも北欧の外航船はしっかりと船籍は自国に登録している。それに較べて日本の外航船は殆どが便宜置籍船になっていて近所のバースに入ってくる日本郵船や川崎汽船も船籍はパナマだ。日本の命運を担って海外からエネルギーや多くの生活物資を輸送する船舶のうち日本国籍の外航船は100隻を割ったといわれている。

 外航船の国旗を見ると生来の心配性?が頭をもたげてくるのだ。もし、いざという事態になったとき日本商船隊はどうなるのだろうかと。船は外国籍、船員は殆ど、あるいは全員外国人の船もある。日本国の船会社の指令通りに運航できるのだろうか。
 多分、大幅な危険手当を出すといっても外航船舶を運航する人手は激減して、国内の物資不足が大問題になるでしょうね。
 そうならない事を願っているが、もしそういう事態になった時、国民の生活を守る術は出来ているのだろうか。大いに心配ではある。
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by pac3jp | 2006-10-18 10:12 | 貨物船