海上衝突予防法 音響信号

 先週末、神戸港の長距離フェリー埠頭近くを機走ていると、丁度一万トンクラスのカーフェリー「オレンジ 8」が短音3発の汽笛を鳴らし後進でバースから動き出した。でも、舵を握っていたヘルムスマンは警告信号と勘違いし、びっくりしてコースを変えようとしていたので「これは後進信号ですよ」といい、「警告信号は短音急速に5回以上吹鳴だよ」といおうとしたら後進中のフェリーに大型モーターボートが高速で近寄ってきた。フェリーはすかさず短音5発の警告信号を発したのだった。
 その後、フェリーは広い海面に出て前進にかけ、今度は短音2発を鳴らし左転して出港の航路に入ったはずだ。

 海技免許を取るときにはちゃんと海上衝突予防法の音響信号も勉強したと思うが、使わなければ忘れるので少しお勉強を。

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 上のイラストは海技免許更新テキストからお借りしたので見覚えはあるはずですが、あり得ない?状況をイラストにしていると思いませんか。小型モーターボートが汽笛を鳴らして転舵し、後進しているのを見たことはないなぁ。現実は本船が自分の航路から退くように警告信号を発し、夜間ならサーチライトを照射し、小型ボート・ヨットを蹴散らしているだけかもね。でも、避航船が避航動作をとらなかったらしっかり警告信号を発し、注意喚起をして衝突を避けるための回避行動までしなければ、事故になったときは同罪になってしまうかも。

音響信号
①音響信号は汽笛、号鐘をもって行う。ただし、長さ120m以上の船舶はどらを備えなければならない。
②長さ12m未満の船舶は汽笛、号鐘は備えなくてもよいが、有効な音響を発して信号が出来る器具を備えなければならない。笛やバケツでもよい。(ポリバケツは不可?)
③長音とは4~6秒の吹鳴とし、短音は1秒間の吹鳴をいう。

操船信号
航行中の動力船は、互いに他の船舶の視野の内にある場合で、この法律により針路を転じ、機関を後進にかけているときは、次の汽笛信号を行わなければならない。
■針路を右に転じているとき : 短音1回 せん光1回
■針路を左に転じているとき : 短音2回 せん光2回
■機関を後進にかけているとき: 短音3回 せん光3回

警告信号
■他船の意図や動作が理解できないとき:短音急速に5回以上吹鳴する せん光5回以上表示する
■他船の避航動作に疑いがあるとき  :短音急速に5回以上吹鳴する せん光5回以上表示する

 数年前、岡山・日生港に近い暗礁のある狭い航路で吃水が下がった貨物船とフェリーの2隻が操船信号を何発か発して右舷同士ですれ違っていたのを見たことがある。その時、ああやって音響信号は使うんだと理解できた。VHFで連絡しているのも聞いたことはあるが、言葉が分からない外国人船員も大勢いるので汽笛や号鐘など音響信号が海上衝突防止法での正式な手順ですね。

 警告信号を行うフォグフォーンをコクピットの手が届く範囲にセットしている用意がいいヨットマンもご近所にいらっしゃる。
 自艇に危険が迫れば大声で叫べば相手に届くと思うのは大きな間違いで、大音響を発する道具は絶対必要ですよ!!
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by pac3jp | 2008-10-01 09:45 | シーマンシップ  

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