プロペラ防汚塗装不要論その後
「今年から1年間3回の上架を予定しているので、プロペラは基本的に塗らないことにした」とおっしゃる。で、次は8月の上架予定。「その間、約3ヶ月はプロペラ無塗装でゆく。船底も新たに塗る事をせず、ジェットポンプで洗い、タッチアップだけで済ます」とおっしゃる。
7月上旬、ヤードで作業中のくだんのオーナーに出会った。「予定より早い上架ですね、プロペラの汚れ具合はいかがでしたか?」とお聞きすると、ニャッと笑い、「いっぱい(フジツボが)ついていた」とのお返事。船底を拝見するとこちらは予定どうりにタッチアップの跡が見える。勿論プロペラにはペラクリンがしっかりと塗装されていた。
今後のメンテナンスをどうするのかは聞かなかったが、どうやら今まで通りの方法でやるようである。
春から海水温が上昇し、水生生物が活発に活動を始める時期に静かに止っている磨かれたプロペラなんかはフジツボ一族が格好の棲家と思うのだろう。彼らは毒物をしっかり塗りつけたプロペラでもスクレーパーで細い傷をつけるとそこからちゃんと棲みついてしまうのだ。
フジツボはいつも動いているペラや船体にはつかないようだが、海草類など他の水生生物はしっかりとくっついて成長してゆくものもありそうだ。
そこで突然思い出したのが、7月6日に太平洋を110日間の航海を終え帰港したマーメードⅡの水線付近にイガイのような水生生物がついているのを見たことだ。このハーバーでは見たことがない種類だ。多分、外洋を航海中の船体に途中から便乗してきた生物だろう。このハーバーが彼らの生育環境に適していれば繁殖する可能性もある。
でも何故付いたんだろう。フジツボや貝類は動いているものには付きにくいのに。
そうか!平均速力1.6ノットでは潮流に流され、対水速度はほとんどなかったので彼らは流木に付くように簡単に棲みついてしまったのかもしれないね。
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by pac3jp | 2008-07-25 09:27 | シーマンシップ