播州室津港(兵庫県たつの市)の昔、そして今

 播州室乃津は和銅6年(713)に編纂された播磨国風土記にも揖保郡浦上里室原泊りと記されているふるい湊である。いらい瀬戸内屈指の良港として多くの船が帆を休めてきた。

 また、室津の入江の小さな岬の上には立派な神社がある。京都上賀茂神社の御厨だった加茂神社だ。田舎の漁港にこんな立派な社殿があるのは珍しいが古来海上交通の要の湊として、また江戸時代は西国大名の参勤交代の上陸地として栄えた。そして初代将軍徳川家康より始まり歴代将軍から領土安堵の朱印状をくだされ手厚い保護を受けてきた歴史がある。

 元禄年間には室津に600戸の家があり、つくり酒屋、旅館、料理屋、遊郭もあり、馬革細工の生産と記している。(エンゲルト・ケンペル日本誌より)

↓画像2枚は「日本」シーボルト著から
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 文政9(1826)年有名なシーボルトがこの賀茂神社を訪れ、社殿、多宝塔、藤棚、船絵馬などの記述を「江戸参府紀行」に記している。中でも参籠所からの眺めを「これまで日本で見たもっとも美しい景色のひとつであり、それからこの広間の位置や設備はなんと雄大で、崇高かつ感動的な印象を与えるように計算されていることか」と絶賛している。

 海の景色はシーボルトのスケッチと現在もほとんど変わらない景観だと思うが画家が描いた写生とカメラで写しとろうとするボクとでは視野の広さがだいぶ違うようだ。でも行きも帰りも藻振鼻と手前の小島の間を通ってきたのだ。

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 加茂神社の風景は広々と描かれているが今は樹木が茂り境内もそう大きくはないように感じる。二重の塔ももうないように思ったが確認してこなかった。

 現在の室津港は物揚場が埋め立て拡張されてかなり大きくなっている。冬場はカキの養殖が盛んで即売所が沢山できている。古くからある港の奥の船溜まりも新しい岸壁と防潮堤が築造されキレイになりつつある。町並みも一部は整備され、狭かった町内の道路も少しはましになってきた。
 古い歴史のある港町なので、ちゃんと郷土資料館が2ヶ所もある。ボクはビミニがないクラブレーサーでのクルージングだったので、まず体を冷やすのが一番と喫茶店から一歩も出たくない気分になり、見学はパスしてしまったが次回はしっかり見てくるつもりだ。

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 画像は当日係留した岸壁。横付けで6隻、1隻は横抱きで合計7隻係留できた。この場所は料理屋さん「まるよし」の裏側になる。新しい岸壁が出来ているがまだ工事中の部分もある。奥まっていて引き波もまったく入ってこないいい場所で、今年中は係留できるという。

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 近くの防潮堤に燃料値上げを告知する漁協の張り紙があった。よく見ると、燃料と同時に潤滑油も上がっている。その下に全国一斉休業に関する張り紙も・・・。燃料の高騰で漁業経営も大変なようだ。

勿論、我が家も食料品の値上がりやガソリンの高騰で大困りである。


参考資料:「描かれた船」 たつの市歴史資料館 発行
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by pac3jp | 2008-07-23 21:09 | クルージング  

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