消防艇の鐘

c0041039_121283.jpg 船には帆船の昔から時鐘が付いている。これを「カンカン、カンカン」と叩いてワッチの時間を知らせていたが、いまはもう実用には使われず「シップベル」として船のシンボルのようになっていると聞いている。でも、護衛艦なども入港直前にはしっかりと磨いてピカピカにしている。画像は練習船「日本丸」の時鐘だ。これは、まだまだ実用品かもしれない。

 船齢26年の赤い消防艇「くすのき」を見学する。右舷中央の出入り口付近にその「鐘」は付いていたが、もう大分前から磨かれた跡はない。船体のペンキが付着していてどうも「シップベル」というシンボル扱いではないようだ。

c0041039_1223397.jpg 手入れが悪いのかなと思っていたが、消防車にも鐘が付いていたのを突然思い出した。火事で出動する時、サイレンと鐘を「カンカンカン」と叩いていた。田舎の火の見櫓には半鐘が吊ってあり消防団のオッチャンが火急の際にはこれを乱打していたはずだ。

調べてみると、ちゃんと法律で決まっていた。
消防車には「警鐘」が付いています。この鐘は消防法第18条第2項及び「消防信号等に関する規則」の中で「どのような時に鳴らすか」も決められています。

それは「消防信号」といわれ
①火事が近くで発生したとき ②火災に消防車が出場するとき ③火事が消えたとき ④火事が起こりそうな天気のときなどに「警鐘」を鳴らすように決められています。

 消防艇の鐘は、形は同じでも目的が違ったいた。やっぱり普通の船舶の「時鐘」ではなく「警鐘」だったのだ。
 この消防艇は古いので警鐘が装備されいるが、今でも船火事の時この鐘を鳴らして出動するのだろうか。今、消防車の「警鐘」はもうみんな電子音になってしまった。

 消防艇は長期の航海をする艇種ではないので昔から「時鐘」の必要性もなかったし、入港時に磨く習慣もないのだ。ずっと港内に待機しているもんね。

c0041039_1245780.jpg
消防艇「くすのき」 神戸市消防局

要目
完  工:1982年
総トン数:133.7トン
全  長:26.2m
全  幅:6.5m
航海速力:16ノット
機関出力:910Hp×3

 面白いのはこの船には3基のエンジンが搭載されているのだ。火事で出動する時は3基の機関を全速にして現場に急行する。現場に着けば1基をポンプ専用にして消火にあたるとか。カタログでは全速16ノットとあるがもうその性能はでない・・・。でもご心配なく。神戸港にはちゃんと別に高速の消防艇はありますから。

 まぁ、この船のお世話には絶対なりたくないですね!
[PR]

by pac3jp | 2008-07-09 12:11 | 特殊船  

<< 歴史と伝統あるディンギーたち 波浪推進船「サントリー マーメ... >>