海上でヨットを捜す

 土曜日の夕方、ハーバー沖からスタートしてオーバーナイトで大阪湾を一回りし、日曜日にフィニッシュするレースがある。
 結構な人気みたいで、普通のレースより多めの艇数が集まり、週末の夕方一斉にスタートしていった。

 お天気は穏かで夜には雨が降っていた。

 朝、7時前にファーストフィニッシュのヨットが帰ってきた。風は落ちてしまい、ほんの微風になってきた。2着は純レーサーではない大型ヨットが帰ってきたが様子からみてどうも棄権したようだ。
 8時をすぎると2着の48fの純レーサーがフィニッシュしハーバーの中までセーリングで入ってきた。
 その後、ポツリ、ポツリと帰ってくるが、ボクの仲間がお二人出場しているホワイトセール組のヨットの姿はない。そのフネの1隻はご自分の38 fで、もうお一人は40fにクルーで乗っている。

 トップがフィニッシュしてから3時間が経った午前10時前、彼等の大まかなポジションが分った。まだゴールまで25マイルもある海上で大きなカームに掴まり弱気を吐いていた。

 そこで、機走の早いヨットで応援に行くことが直ぐに決まった。

c0041039_11224980.jpg 沖の海面は風弱く、視界は2~3マイルくらいと少々悪い。8ノットで南下を始める。一文字付近で2隻の大型レーサーが微風のスピンランで苦労しているのが見える。

 2時間ほど航行しながら視界に現れるヨットに近寄り捜すが、広い範囲に散らばったレース艇を勘で捜すのは不可能だ。ケータイで連絡を取りGPS座標を知らせてもらおうとするが、ケータイの電波が届きにくく通信が途切れる。ドコモもこの頃は海ではつながり難い。やっと相手のGPS位置をもらい、入力する。方位と距離が出るが、まだ4マイルも南だ。

 「30分か・・・しゃーないな、いこか!」とまた走り出す。暫く進むが何も見えてこない。GPS座標が違っていたのかと、再度相手に確認すると、間違いない。視界の悪い中、前方かすかに4隻くらいのスピンを揚げたヨットが見えてきた。

 海面は西風が吹き出し、各艇アビームで快調なスピンランになっている。目指すヨットの特徴を確認しようとするが肝心の双眼鏡がない。ちょと頼りない肉眼でみるとどうもこのグループに仲間のヨットはいないと結論つけたが、スピンの色で再度確認すると、もう既に行き違ってしまった。折角ここまで来たのに、捜していた相手は我々の声援が届かない遥かむこうの海にいた。

 早速、最大速力で後を追うが、彼がこの日のために新調したライトスピンが威力を発揮して8ノット以上で飛ばしている。レース中なのでちょっと待ってくれともいえないので、風が弱くなるのを期待?して後についていく始末となった。

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 視界と通信環境は多少悪いが、双方ともGPSがあり海上での会合も割合簡単だと思っていたが今回は残念ながら果たせなかった。
 理由の一番は双方が移動していたこと。そして、相手のGPS位置から方位と速度の情報をもらわなかったことだ。
 二番目は視野に入った相手を確認する情報と道具(双眼鏡)の手持ちがなかったことがあげられる。

 そう考えると大阪湾中央部でも、もし荒天時の夜間に落水者を出し救助要請をしてもケータイはうまく繋がらないし、海上の視界は悪い、大きなヨットでも見えないのに人間など見えるはずはない。手順ではヨットから自己点火灯をつけたライフブイや落水ポールを投げ入れる。クルーはライジャケにストロボライトをつけている。でも大波でヨットからは直ぐに見えなくなってしまうだろう。

 こういう事態になればやっぱりPLB(personal locator beacon)が有効だろう。ライジャケのポケットに入ほど小さくて、ストロボとGPSを内蔵して捜索機関に406Mhzで衛星経由で位置情報を、ローカルでは125.1Mhzでホーミング用のビーコンを送ることが出来る。
 アメリカでは500~600$台くらいで市販されているが日本ではまだ使えないらしい。山では雪崩事故に備えてビーコンなど前から使っているというのにね。

【参考Web】West Marine:PLB
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by pac3jp | 2008-06-11 11:24 | シーマンシップ  

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