舵を失ったヨット

c0041039_14332142.jpg 上架ヤードにキールに傷があり、ラダーが折れた小型ヨットが船台に乗り修理を待っていた。舵がなければ普通のクルージングヨットは動かせないが、幸いこのヨットは船外機を持っているので機走でなら航行は可能だ。多分自力でハーバーに帰ってきたのだろう。

 舵(ラダー)はヨットの針路を定めたりフネのバランスを取るための重要な部材だが、船底に取り付けられていて簡単に点検なども出来ない。だが、アウトラダーは構造が簡単で点検もしやすいので小型のクルーザー入門艇やクラシックタイプのヨットによく採用されている。

 しかし、座礁などの事故に会うと2組のガジョンとピントルで支えられているだけなので、ハルからシャフトで吊られているバランスラダーやスケグラダーよりも弱いという話もある。

 舵板の折れた断面を見ていると、それはFRP成型品で、ピントルを取り付ける舵板の前部は合板が入り、ボルトなどの圧縮荷重に耐える構造になっている。その他の部分はFRP内にウレタンの発泡体が充填されているようだ。
 でも、折れた断面をよく見ていたらピントルを固定するSUSの貫通ボルトが合板内でサビが出ている。ここでサビが発生することは強度部材の合板に水が入り強度が落ちていた可能性もある・・・。

 一般的なシャフトタイプのラダー構造を見ると、シャフトから舵板部分に入ると数本のフレームがあり、それがFRPの舵板を支え、空回りを抑える。でもラダー先端のほうはただのあんこだけになっているが、座礁などの衝撃でもシャフトが曲がることはあっても舵板がポッキリと折れて、落ちてしまうことはないだろう。

c0041039_14343213.jpg 一方、20fクラスで一番値段が高そうなヨット「フリッカ」のアウトラダーは右画像のようになっている。
 頑丈で大きなラダーがトランサムとキールの3箇所で支持されたいる。キールがラダーより少し深く、ラダーを座礁などの衝撃から守っている。最下部にはガジョンを保護するジンクまで付いている。クラシックタイプのアウトラダーは殆どがこれと同じ構造をもっている。

 この大型連休のクルージングで深刻なトラブルに見舞われたヨットはどうも3隻だったようだ。既に業者が修理に取り掛かっているフネもいる。今年はフィンキールを外して修理しているヨットは、今のところいないが、どうもロングキールタイプの当り?年だったようだ。
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by pac3jp | 2008-05-12 14:39 | ヨットの艤装と艤装品  

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