迷惑な漂着物

c0041039_1228964.jpg ヨットハーバーの隅っこの桟橋に古びたブイが舫ってあった。近づいて見るとノリ養殖エリアの周辺に設置してある灯浮標である。灯器は既に無く、支持柱は折れ曲がり、浮力体の金属タンクは破れ、浮力はタンクの中の発泡体だけでもっている。かって灯器に電源を供給していたケーブルは海に浸かりフジツボや藻が絡まっている。一見しただけでも長らく漂流してきたブイとわかる。

 ハーバーの作業員に聞くと港内の出入り口に近い波除用の浮桟橋に漂着していたのでこちらに持ってきたという。大阪湾でもこんな大きな物が流れているのだ。ヨットやボートなど小型船ならこれにまともに衝突すると重大な損傷を受けるのは必定だ。昼間ならよく見張っていれば避けられるが夜間ならよほど注意しなくては発見できないだろう。皆さん、見張りは厳重に、オーパイで居眠りは厳禁ですよ!

 漂着物といえば、ボクが子供の頃、台風の影響で海一面に太い杉の丸太が流れ、海岸を埋め尽くすほど漂着した年があった。
 子供たちはその夏、海の遊びは丸太を縄で縛っていかだ遊び、一本に乗ってのカヌー遊びと大いに楽しんだ。波で流れてしまっても幾らでも作って遊んだもんだ。やがて沖に丸太を回収する船がやってきてボク達の夏も終わり、楽しかった思い出が残った。

 また有名なところでは、伊良湖の砂浜に流れ着いた椰子の実を拾った話を民族学者の柳田國男が、その様子を島崎藤村に語れば、「名も知らぬ遠き島より流れよる椰子の実ひとつ・・・」の詩が生まれ、長らく日本人に歌い続けられる歌になった。

 漂着物も分類すれば自然物系、人工物系に分かれるが、海岸近くに住んでいる人は、やっぱりそのまま食べられるワカメや貝など自然物を拾うとうれしいみたい。年配のオジサン達は流木を拾い、根っこを綺麗にカットし、ニスを塗り、アチコチにオブジェで飾っている。それを頂いた我家では植木鉢の台などに重宝しているのだ。
 また、エコな生活を目指す人たちは海岸に流れ着く流木を集め、鋸で挽き、斧で割り冬の燃料として蓄える。運動不足の解消には絶好だとおっしゃてはいるが、薪ストーブを置ける家と大量の薪を貯蔵できる倉庫も必要なのが最大の難点か・・・。

 一方、人工物系では手紙の入ったビンなどは夢があって楽しいが、危険な物が入った容器や漁具の一部、古いブイ、廃油ボールなど迷惑な漂着物もおおい。日本海沿岸では隣国で不法投棄された漂着物のニュースもよく見かける。

 だが、下記の様な漂着物を採集し、その中にある多くのメッセージから環境問題や民俗学的にも考証し、楽しむのを「ビーチコーミング」といい、専門の学会まである。ボクも少し興味がある遊びだ。

◆浮子や漁具  海外の漁具や浮子、ガラス浮子、ルアー、網や船道具など
◆日用品    異国製ビン類、陶磁器やビーチグラス、ライターなど
◆海の生物   魚類、貝類、蟹類、カメ、イルカ、ほ乳類など
◆陸の生物   鳥類・ほ乳類・両生類の遺骸あるいは骨・歯など
◆植物や流木  ココヤシ、ゴバンノアシ、モダマなど様々な種子や流木など
◆その他    軽石やメノウなど鉱物や化石を含んだノジュールなど

 でもボクは海の近くで育ったのでワカメや生きてるタコなど実利的なものが拾えるとうれしいな。今でも時化の翌朝早く海岸を散歩すればきっと「三文の得」はありそうだね。


【参考Web】:漂着物学会(Japan Driftological Society)
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by pac3jp | 2008-04-23 12:41 | 歴史・民俗  

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