新しいブームバング?(ブームキッカー)

 昔、ディンギーに乗っていた頃はブームバングといえばロープ式のものだった。帆走中にも頻繁に調整し、お隣に負けないよう一生懸命走っていた。セーリングが終わればブームをデッキに落とし、セールを片付けていた。24フィートクラスのクルーザーも同じシステムだった。メンハリを緩めるとドサッとブームとセールが落ちてきた。

 最初の30フィートクラスのクルーザーにはトッピングリフトの機能を併せ持つソリッドのエアー式のブームバングが付いていた。これはメンを降ろしたり、リーフなどする時などブームが落ちてこず大変便利だと思ったもんだ。でも暫くするとエアーが抜けてくるトラブルがよく発生した。

c0041039_1043177.jpg やがて、ソリッドのブームバングはエアー式からメンテナンスフリーのコイルばねを内蔵したタイプに変わってきた。この時代が長く続いたようだが最近新しいタイプのブームバングを取り付けたヨットがいた。
 それはFRP製の丸棒の剛性を利用してブームを支えるタイプ。正にトッピングリフトの替わりをするものだ。価格もソリッドタイプに比べて部品の数も少ないので安そうだし、既にロープ式のブームバングを持っているヨットには好都合だ。体重を掛けたり無理やり抑えると折れる可能性もありそうだがシンプルなのが良い。

 この少し古いヨットの近くであれこれ作業をしているセール屋さんがいた。お聞きするとこのブームキッカーは当社が取り付けたとおっしゃる。ブームバングなどはセールメーカーのテリトリーなんだと思い当たった。
 ブームキッカーから目を移して周りを見ると、ドジャーの窓が新しい、メンセールもセールパックも新品だ。フォアスティに巻き取られたジブもどうやら新品らしい。スピンも買ってもらったとおっしゃる。どうりで嬉しそうな顔である。「このオーナーさんはヨットを乗換えはったのですか?」と聞くと、そうではないという。

 レーサーならいざ知らず普通のクルージングヨットでスピンを含めたセール1式を新調するフネはそうざらにない。セール屋さんが喜ぶはずだ。ボクの仲間ではこの10年間でそんな人は誰もいなかった。セールは修理しながら使うもので、クロスの劣化が著しく修理不可能と宣言されてやっと新調するのだ。 と、ボクなどはそう思っている。

 が、中にはちゃんとヨットのメインエンジンはセールと考える正統派のヨットマンもいる。毎年、小笠原定期便を運航している長距離セーラーだ。彼はたびたびニューセールを作っていると聞いている。確かに燃料補給が出来ない外洋で一旦、微風域に入ってしまうと帆走能力の劣るヨットでは航海日数が増え、積み込んだ食糧が目的地に着くまでに切れてしまう事態にもなる。

 外洋を渡るクルージングは頑丈で早いヨットと新しいセールが必須だが、その替わりに食糧と燃料を満載してゆく手もあるね・・・。
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by pac3jp | 2008-02-20 10:48 | ヨットの艤装と艤装品  

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